悪役令嬢はヒローインと婚約者をくっつけたい

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　視察観光からあっという間に１年が過ぎた
　王子は毎日欠かさず家に来た
　よっぽど暇なのだろう
　時には街へ遊びにも行った
　王子が友人にレベルアップした

　今日より私は３年間学園に通う
　物語が始まるなら入学式の今日か、３年目と大体セオリーが決まっている
　
　婚約者の王子と一緒に会場へ
　トコトコ門から会場へ向かって歩いていたら横から誰かがぶつかって来た
　ボスッ
　衝撃があった方へ視線をやれば私の豊満な乳に水色頭が挟まっていた　
　さすが悪役令嬢、出来る
　「それは僕のモノだ！」
　私のだ
　王子が水色の頭を掴んで投げたあぁぁ！！
　「ええっー？」
　人が中に舞った
　「あっ目眩が」
　私の方へ体をヨロヨロと倒れ王子は水色頭の代りに私の乳に顔を埋めた
　「ホニホニ、フニフニ、ポヨンポヨン」
　公開セクハラを受けた私は殴っていいよね
　正当防衛ってやつで、王族でもセクハラはけしからんです
　ゴスッ！

　縦チョップで王子を沈めて飛んだ水色頭に視線を向ければ、立ち上がりこちらへ向かって走ってきた
　「キャッ！」
　王子の前で転んだ
　「痛くて立てない……」
　潤んだ瞳で王子を見つめる
　「手を手を……貸して下さい」
　弱々しく手を王子に向ける
　余りにも態とらしすぎて、引く
　「ムリ」
　王子は一言で拒絶した
　前回も水色頭、今回も水色頭………ってことはヒローインだ、イベントだ、成功させないと
　「女性に優しい人って素敵ですわよね」
　チラッと王子を見る
　「今回だけね」
　ヒローインの手を取り立たせたら、直ぐに手を他の令息に押し付け、私の手を握る
　恋人繋ぎなので手を振っても離れない
　一応手を取らせたので成功？なのかな
　知らんけど