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8-3 サエの新生活
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8-3 サエの新生活
ディオール公爵家――
その名は、王国でも最も格式高く尊敬される名門として知られている。
だが、今、その重厚な門をくぐる少女の胸の中には、誇りよりも不安が満ちていた。
サエは、セリカの計らいによってこの公爵家に引き取られ、保護されることになった。
つい昨日まで、誰にも頼れず、帰りたくもない家に帰っていた自分が、
今は立派な屋敷の玄関に立っている――それが信じられなかった。
広いホールには、磨かれた大理石の床と、天井から吊り下げられた大きなシャンデリア。
まるで絵本の中の世界のようで、サエは立ち尽くすしかなかった。
「ようこそ、サエ。」
優しい声に振り向くと、そこには微笑むセリカがいた。
その笑顔は、まるで春の陽だまりのように温かい。
「ここが今日から、あなたの家よ。遠慮なんていらないわ。」
サエの胸の奥に、何かがじんわりと広がった。
“家族”――その言葉を、初めて実感した瞬間だった。
---
案内された自室は、夢のような空間だった。
大きなベッドにはふかふかの羽毛布団、
窓の外には花が咲き乱れる庭園。
「こんな部屋……本当に、わたしが使っていいの……?」
小さく呟くサエに、セリカは笑って答えた。
「もちろんよ。あなたはもう、ディオール家の一員なんだから。」
その言葉に、サエの瞳が潤んだ。
夜、ベッドに横たわっても、胸の鼓動が止まらなかった。
あたたかくて、優しくて、どこか信じられない。
涙が頬を伝ったのは、その幸福が眩しすぎたからだった。
---
翌朝、サエは公爵家の食卓に招かれた。
白いクロスに並ぶ美しい食器、湯気の立つスープ、
焼き立てのパンの香り――
これまでの人生では、想像もできなかった光景だった。
緊張で背筋を伸ばすサエに、
セリカが隣で微笑みながら話しかける。
「そんなに固くならなくていいのよ。
ここでは、あなたも家族。気楽にしてちょうだい。」
「……はい。いただきます。」
恐る恐る口にしたスープの味に、サエの目が見開かれる。
――こんなに、やさしい味があるなんて。
それは、心まで温まるような幸福の味だった。
---
その後、サエのために特別な教育が始まった。
セリカが用意したのは、王都でも名高い家庭教師たち。
最初は読み書きの復習から始まり、やがて歴史、地理、数学、科学――
まるで知の宝庫のような日々が始まった。
「サエ、今日は新しい教材を持ってきたわ。」
セリカが差し出したのは、分厚い科学の書物。
難しそうな文字が並んでいるのに、サエの瞳は輝いていた。
「ちょっと難しいけど……読んでみたいです!」
その姿にセリカは微笑む。
「ええ、無理をせず、楽しんで学ぶのよ。」
---
授業が始まってから、サエの才能はすぐに明らかになった。
彼女は教科書を一度読むだけで内容を理解し、
難しい単語も正確に記憶した。
数学の問題では、一度も間違えずに答えを導き、
科学の理論も感覚的に理解してしまう。
家庭教師が感嘆の声を漏らす。
「まるで“天賦の才”です。
この子は本物の学者になれるかもしれません。」
その報告を受けたセリカは、静かに微笑みながら言った。
「やっぱり……そう思っていたの。
サエは、自分の可能性にまだ気づいていないだけ。」
---
もっとも、サエはまだ“貴族の暮らし”に慣れていなかった。
メイドが服を用意してくれることにも戸惑い、
「自分でやります」と何度も申し出た。
けれど、セリカが優しく言い聞かせる。
「サエ、ここでは遠慮はいらないわ。
あなたが笑顔でいてくれることが、みんなの喜びなの。」
その言葉に、サエはようやく小さく頷いた。
――この人たちは、本当にわたしの幸せを願ってくれているんだ。
---
ある日、セリカが廊下を歩いていると、
書庫の扉の隙間からサエの姿が見えた。
机の上に開かれているのは、分厚い科学書。
彼女は眉を寄せながらも、真剣な眼差しでページを追っていた。
「サエ、その本……難しくない?」
声をかけると、サエは顔を上げて微笑んだ。
「少し難しいけど、わかるところを探すのが楽しいんです。」
その純粋な笑顔を見て、セリカは思わず頬を緩めた。
――この子はきっと、未来を照らす光になる。
そう確信した。
---
数か月後、サエは勉強会に参加するようになり、
年上の生徒たちと対等に議論を交わしていた。
知識だけでなく、自分の意見を堂々と語る姿に、
周囲の大人たちも驚きと称賛を隠せなかった。
「彼女は平民の出身だなんて信じられません……」
家庭教師の一人が言うと、
セリカは窓の外を眺めながら微笑む。
「生まれがどうであれ、努力と環境があれば人は花開くのよ。
サエのようにね。」
ドライドが隣で静かに頷いた。
「はい。お嬢様の慧眼こそ、彼女を導いた光でしょう。」
---
夜、サエは机に向かいながら、ふと筆を止めた。
窓の外には満天の星。
遠い昔、ただ逃げるように見上げていた空が、
今は希望の象徴に見えた。
> 「セリカ様……わたし、必ず強くなります。
いつか、この国の子供たちを救えるように。」
その誓いを胸に、サエは再びペンを握った。
彼女の新しい日々は、まだ始まったばかりだった。
---
ディオール公爵家――
その名は、王国でも最も格式高く尊敬される名門として知られている。
だが、今、その重厚な門をくぐる少女の胸の中には、誇りよりも不安が満ちていた。
サエは、セリカの計らいによってこの公爵家に引き取られ、保護されることになった。
つい昨日まで、誰にも頼れず、帰りたくもない家に帰っていた自分が、
今は立派な屋敷の玄関に立っている――それが信じられなかった。
広いホールには、磨かれた大理石の床と、天井から吊り下げられた大きなシャンデリア。
まるで絵本の中の世界のようで、サエは立ち尽くすしかなかった。
「ようこそ、サエ。」
優しい声に振り向くと、そこには微笑むセリカがいた。
その笑顔は、まるで春の陽だまりのように温かい。
「ここが今日から、あなたの家よ。遠慮なんていらないわ。」
サエの胸の奥に、何かがじんわりと広がった。
“家族”――その言葉を、初めて実感した瞬間だった。
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案内された自室は、夢のような空間だった。
大きなベッドにはふかふかの羽毛布団、
窓の外には花が咲き乱れる庭園。
「こんな部屋……本当に、わたしが使っていいの……?」
小さく呟くサエに、セリカは笑って答えた。
「もちろんよ。あなたはもう、ディオール家の一員なんだから。」
その言葉に、サエの瞳が潤んだ。
夜、ベッドに横たわっても、胸の鼓動が止まらなかった。
あたたかくて、優しくて、どこか信じられない。
涙が頬を伝ったのは、その幸福が眩しすぎたからだった。
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翌朝、サエは公爵家の食卓に招かれた。
白いクロスに並ぶ美しい食器、湯気の立つスープ、
焼き立てのパンの香り――
これまでの人生では、想像もできなかった光景だった。
緊張で背筋を伸ばすサエに、
セリカが隣で微笑みながら話しかける。
「そんなに固くならなくていいのよ。
ここでは、あなたも家族。気楽にしてちょうだい。」
「……はい。いただきます。」
恐る恐る口にしたスープの味に、サエの目が見開かれる。
――こんなに、やさしい味があるなんて。
それは、心まで温まるような幸福の味だった。
---
その後、サエのために特別な教育が始まった。
セリカが用意したのは、王都でも名高い家庭教師たち。
最初は読み書きの復習から始まり、やがて歴史、地理、数学、科学――
まるで知の宝庫のような日々が始まった。
「サエ、今日は新しい教材を持ってきたわ。」
セリカが差し出したのは、分厚い科学の書物。
難しそうな文字が並んでいるのに、サエの瞳は輝いていた。
「ちょっと難しいけど……読んでみたいです!」
その姿にセリカは微笑む。
「ええ、無理をせず、楽しんで学ぶのよ。」
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授業が始まってから、サエの才能はすぐに明らかになった。
彼女は教科書を一度読むだけで内容を理解し、
難しい単語も正確に記憶した。
数学の問題では、一度も間違えずに答えを導き、
科学の理論も感覚的に理解してしまう。
家庭教師が感嘆の声を漏らす。
「まるで“天賦の才”です。
この子は本物の学者になれるかもしれません。」
その報告を受けたセリカは、静かに微笑みながら言った。
「やっぱり……そう思っていたの。
サエは、自分の可能性にまだ気づいていないだけ。」
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もっとも、サエはまだ“貴族の暮らし”に慣れていなかった。
メイドが服を用意してくれることにも戸惑い、
「自分でやります」と何度も申し出た。
けれど、セリカが優しく言い聞かせる。
「サエ、ここでは遠慮はいらないわ。
あなたが笑顔でいてくれることが、みんなの喜びなの。」
その言葉に、サエはようやく小さく頷いた。
――この人たちは、本当にわたしの幸せを願ってくれているんだ。
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ある日、セリカが廊下を歩いていると、
書庫の扉の隙間からサエの姿が見えた。
机の上に開かれているのは、分厚い科学書。
彼女は眉を寄せながらも、真剣な眼差しでページを追っていた。
「サエ、その本……難しくない?」
声をかけると、サエは顔を上げて微笑んだ。
「少し難しいけど、わかるところを探すのが楽しいんです。」
その純粋な笑顔を見て、セリカは思わず頬を緩めた。
――この子はきっと、未来を照らす光になる。
そう確信した。
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数か月後、サエは勉強会に参加するようになり、
年上の生徒たちと対等に議論を交わしていた。
知識だけでなく、自分の意見を堂々と語る姿に、
周囲の大人たちも驚きと称賛を隠せなかった。
「彼女は平民の出身だなんて信じられません……」
家庭教師の一人が言うと、
セリカは窓の外を眺めながら微笑む。
「生まれがどうであれ、努力と環境があれば人は花開くのよ。
サエのようにね。」
ドライドが隣で静かに頷いた。
「はい。お嬢様の慧眼こそ、彼女を導いた光でしょう。」
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夜、サエは机に向かいながら、ふと筆を止めた。
窓の外には満天の星。
遠い昔、ただ逃げるように見上げていた空が、
今は希望の象徴に見えた。
> 「セリカ様……わたし、必ず強くなります。
いつか、この国の子供たちを救えるように。」
その誓いを胸に、サエは再びペンを握った。
彼女の新しい日々は、まだ始まったばかりだった。
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