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29 崖下での発見
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「落下ダメージは防御力で軽減できない固定ダメージが高さごとにあるのだ。で、鞄が重いと落ちたときにダメージが上乗せされる仕様なのだ。そっちの子はかなり重かったのではと思うのだ」
考えていると、パヴロヴァが解説した。
「おお、なるほど」
たしかに、この中で一番ものを詰め込んでいるのはイリネイカだろう。俺たちが遊びで戦っている間も採集していたから、素材を詰め込んでいてかなり重いはずだ。
「重量オーバーにならないように気を使っていたのに、そんな落とし穴もあるんですね」
イリネイカは頭をかいた。
「この世界は、このゲームを管理するAIが作った独自の物理システムが働いているのだ」
「ほう?」
補助だけでなく管理もAIなのか。
そして独自の物理学というのは、代替物理学の一種だろうか。
AIによって設定された変数に基づいてゲーム内の物理演算を行っているということだろう。魔法やスキルといったゲーム特有の要素も、その独自の物理学の中に組み込まれているはずだ。
「アイテムにはそれぞれ重量が設定されていて、それによって重さが決まっているのだ。重いほど、落ちたときのダメージがでかくなるのだ。詳しくは公式wiki見るのだ」
「しかし三十メートルくらいはある崖だが、逆に落ちても無事なのだな」
さすが冒険者といったところか。
「いや、三十五メートルありますね」
イリネイカが俺の言葉を訂正した。どっちでもいいのだが、崖からは普通に落ちることがわかった。
「まあ、何メートルにしても、俺はリアルで落ちても無傷の自信があるがな」
「さすが魔王なのだ」
パヴロヴァがすかさず言った。
「魔王って体が丈夫なんですね!」
「うむ。しかし……」
気を取り直して、周囲を見回す。
日が暮れてきており、あたりが薄暗くなっている中、ぼんやりと青白く光る水晶のようなオブジェクトを見つけた。
「青白い光だ」
初めて見る石だ。どこをどう見ても採掘可能だろう。
俺は青白い水晶に向けてピッケルを叩いた。
セレスルミナイト
ランク:★★
日中は太陽の光を集め、夜になると青白く光る石。アクセサリー等に加工可能。
採集できたのは、天青石のような透明度の高い空色の石だった。
「夜に青白く光る石……俺が見た光はこれか?」
アイテムをしまわずに手に持ち、セレスルミナイトをつぶさに見てみる。
夜になるにつれて、光が増しているように見える。
「こんなところでもセレスルミナイトが採掘できるなんて、おじさん知らなかったのだ」
パヴロヴァは意外そうに言った。
「それで、光の謎は解けたのだ?」
「ううむ、この石と見間違えた可能性はある。だがそれにしたって崖の下だから、俺が遠くから見られるはずがないんだが」
となると、期待するべきは『旅人の手記』だろう。
「すまん、気になるドロップアイテムが出るまで、あれは俺に掘らせてくれないか?」
セレスルミナイトの採集資源を指差して言うと、二人は快くうなずいた。
素材がドロップしなくなるまでピッケルでセレスルミナイトを掘ると、案外早く目的のものはドロップした。
旅人の手記②
ランク:★★
古い紙で、以下のことだけ書かれている。
『私はもう半分くらいあの城に取り込まれている。青黒い炎が頭にまで回っている。もう手遅れだ。だからせめてこの魔力を込めた手記を残す。おそろしい悪霊たちをひれ伏せられる者が、これを拾うことを願って』
錬金専用素材
「『あの城』? どの城だ?」
手記の説明文を読んで首をかしげていると、アナウンスが流れた。
特定アイテムの収集により、該当のクラフトアイテムがアンロックされました。
考えていると、パヴロヴァが解説した。
「おお、なるほど」
たしかに、この中で一番ものを詰め込んでいるのはイリネイカだろう。俺たちが遊びで戦っている間も採集していたから、素材を詰め込んでいてかなり重いはずだ。
「重量オーバーにならないように気を使っていたのに、そんな落とし穴もあるんですね」
イリネイカは頭をかいた。
「この世界は、このゲームを管理するAIが作った独自の物理システムが働いているのだ」
「ほう?」
補助だけでなく管理もAIなのか。
そして独自の物理学というのは、代替物理学の一種だろうか。
AIによって設定された変数に基づいてゲーム内の物理演算を行っているということだろう。魔法やスキルといったゲーム特有の要素も、その独自の物理学の中に組み込まれているはずだ。
「アイテムにはそれぞれ重量が設定されていて、それによって重さが決まっているのだ。重いほど、落ちたときのダメージがでかくなるのだ。詳しくは公式wiki見るのだ」
「しかし三十メートルくらいはある崖だが、逆に落ちても無事なのだな」
さすが冒険者といったところか。
「いや、三十五メートルありますね」
イリネイカが俺の言葉を訂正した。どっちでもいいのだが、崖からは普通に落ちることがわかった。
「まあ、何メートルにしても、俺はリアルで落ちても無傷の自信があるがな」
「さすが魔王なのだ」
パヴロヴァがすかさず言った。
「魔王って体が丈夫なんですね!」
「うむ。しかし……」
気を取り直して、周囲を見回す。
日が暮れてきており、あたりが薄暗くなっている中、ぼんやりと青白く光る水晶のようなオブジェクトを見つけた。
「青白い光だ」
初めて見る石だ。どこをどう見ても採掘可能だろう。
俺は青白い水晶に向けてピッケルを叩いた。
セレスルミナイト
ランク:★★
日中は太陽の光を集め、夜になると青白く光る石。アクセサリー等に加工可能。
採集できたのは、天青石のような透明度の高い空色の石だった。
「夜に青白く光る石……俺が見た光はこれか?」
アイテムをしまわずに手に持ち、セレスルミナイトをつぶさに見てみる。
夜になるにつれて、光が増しているように見える。
「こんなところでもセレスルミナイトが採掘できるなんて、おじさん知らなかったのだ」
パヴロヴァは意外そうに言った。
「それで、光の謎は解けたのだ?」
「ううむ、この石と見間違えた可能性はある。だがそれにしたって崖の下だから、俺が遠くから見られるはずがないんだが」
となると、期待するべきは『旅人の手記』だろう。
「すまん、気になるドロップアイテムが出るまで、あれは俺に掘らせてくれないか?」
セレスルミナイトの採集資源を指差して言うと、二人は快くうなずいた。
素材がドロップしなくなるまでピッケルでセレスルミナイトを掘ると、案外早く目的のものはドロップした。
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『私はもう半分くらいあの城に取り込まれている。青黒い炎が頭にまで回っている。もう手遅れだ。だからせめてこの魔力を込めた手記を残す。おそろしい悪霊たちをひれ伏せられる者が、これを拾うことを願って』
錬金専用素材
「『あの城』? どの城だ?」
手記の説明文を読んで首をかしげていると、アナウンスが流れた。
特定アイテムの収集により、該当のクラフトアイテムがアンロックされました。
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