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第一章
【2-3 (sideムラクモ)】
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――ランとタクトの話し合いが始まるほんの少し前。拝島署の敷地にある駐車場の空いている場所にムラクモは車を停めた。
『Vischio』での相談の後、タクトに連れ立って彼の頼んでいた謝罪の品を取りに行ったものの、刑事課のものはもう少し時間がかかると言われてしまったのだ。
幸いランのために頼んでいたというケーキは完成していたので、ムラクモはタクトにそのケーキを持って先に帰るようにうながしたのだ。
ムラクモはというと、刑事課宛のものが仕上がるのを待っている間に近くにある繁華街へと車を飛ばして買い物をした後、完成したそれを受け取りタクトよりも一時間ほど遅れて拝島署へと到着したのだった。
「さて、と……タクトはちゃんと謝れたかな?」
助手席に置いていたふたつの紙袋を手に取って車から降りると、タクトがいるであろう屋上の施設へと視線を向けた。
相談の際、頑なにランを助けた事だけは言わないと宣言していたので、残りの思春期男子のような気恥しい理由だけでどう謝罪するつもりなのかと、ムラクモはいささか心配ではあった。
(ま、タクトのことだから理由がなんであれ自分に非があることには誠心誠意で謝罪するだろうし……後は受け取る側のキサラギさんが寛大なことを祈るしかないか)
考えても仕方がないと、フゥと小さく息をついて気持ちを切り替えると、正面側から向かって右横に設置された正面玄関へと足を向けるのだった。
======
「おや?ハルミくんじゃないですか」
「ユタカさん?」
吹き抜けになっているエントランスに入って左奥にある大きな折曲がり階段を上がろうとした時、後ろから聞き慣れた声が聞こえてムラクモは大きく肩を回して振り向いた。
そこにいたのはムラクモが想像していたとおりの人物――ユタカ・カタギリがひらひらと手を振ってムラクモの方へと歩み寄ってきた。
彼はタクトと同じくこの拝島署刑事課の刑事であり『特二』関連でない強行犯捜査を担う班の班長でもある。
いち警察官としては持ち前の聡明さもあって昔からとても優秀らしく、その実力は本庁の刑事だけでなく都内の所轄内でも非常に有名だ。
「今日はいつものおつかいですか?……それとも最近のタクトくんの件についてですかね?」
柔和な笑みを浮かべながら、普段からの仲介役を『おつかい』と冗談めかして質問を投げかけてくるカタギリに、ムラクモは思わず苦笑いを浮かべて肩をすくめた。
「今日はタクトの方ですよ。相談された後、キサラギさんへの謝罪を最優先に屋上へ向かわせたので、代わりに俺が刑事課の皆さんへのお詫びを持ってきました」
「ああ、なるほど。それでマスターのお店の紙袋を持っていたんですね」
ムラクモからの返答でカタギリは納得したように頷き「タクトくんたちの仲直りの必需品ですもんね」とポツリとこぼした。
二人とも目的地が同じ刑事課というのもあってか、そのまま流れるように一緒に階段を上がっていった。所々でたわいのない会話も挟みながら刑事課のある階まで辿り着くと、隣を並んで歩いていたカタギリが少し前に出たと思えば、左足を軸に小さく回りムラクモと向き合った。
「どうしました?」
「いえ、良かったらもう少しだけお話ししませんか?」
不思議に思って尋ねれば、右手を腰の後ろに添えて紳士さながらの礼儀正しい佇まいで、目の前のカタギリは右側に続く廊下へと左手を向けて催促してきた。
彼の背に続く廊下に比べると刑事課まで少し遠回りになるその廊下は、合同捜査本部に使われる大会議室の他には倉庫として使っている部屋がほとんどため、普段は人通りがほとんどない。
ムラクモもタクトと人に聞かれたくない仕事内容を話す時などによく使っている。
「……できたら、早く渡したいんですけどね」
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。少しだけ僕の話を聞いてもらいたいだけです。……それに、サカツキくんも今日は捜査に出る予定はないと言っていましたよ?」
誘いの物言いに何となくタクトのことを聞かれそうな予感がしたので、右手に持っていた紙袋をチラリと見やってそれを理由に渋ってみれば、それを見透かしてたようにカタギリはムラクモが思い浮かべた人物を口実にさらりと説き伏せてきた。
「……はあ。分かりましたよ」
「ありがとう。では、行きましょうか」
やれやれと小さくため息をついて観念すると、満足そうにニコリと笑って右側の廊下に足を進めるカタギリの後ろをムラクモはついて行くのだった。
=======
「それで?俺は何を聞けばいいんですかね?」
「まあ、先ほどの話の続きになりますが……この一週間のタクトくんの挙動不審についてですよ」
辺りから人の気配を感じなくなったところで早速話を切り出すと、ムラクモが予感していた通りの内容が返ってきた。
「それについてはユタカさんや年長組辺りの皆さんもすぐに予想できてたんでしょう?タクトが妙に生暖かい目で見られてた、て困ってましたよ」
「確かにそういう可愛らしい感情も見受けられましたけどね。でも僕としては本当にそれだけかな?と思いまして」
そう言うと、カタギリは思案を巡らすように口元に手を当てながら言葉を続けた。
「君も知っているでしょうが、タクトくんはあまり感情を表に出すことが得意ではないでしょう?今でこそ家族以外の信頼できる人間には表情が出るようになっていますが、彼に良くない感情を持ってる人間にはより顕著に感情を出さないように務めます」
「ああ……まあ、そうですね」
つらつらと語られるその内容にムラクモは苦笑いを浮かべると、ふとタクトと初めて出会った時のことが頭に思い浮かんだ。
――思春期特有の仏頂面やポーカーフェイスとはまったく違う……感情も何も感じないまるで能面のような表情の少年に、ムラクモは思わずヒヤリと肝を冷やしたのを覚えている。
「そんなタクトくんが、初対面のキサラギくんを見るなり目を見開いて驚いていたのですから、気にならない方が無理な話じゃないですか?」
「……ユタカさん。自分が気になったことをとことん探ろうとする悪い癖がまたでていますよ?」
話していく中で気持ちが昂ってきたのか、どんどん早口なって核心を語るカタギリに、ムラクモは両手を腰に当てて呆れながらも待ったをかけた。
カタギリの一度気になったことはとことん追究しようとするその性分は、切れる頭脳と共に事件の犯人を追う刑事としては非常に威力を発揮されるのだが、今のように身近の人間の知られたくないプライベートな事案にまで踏み込んでしまいそうになってしまうのが玉に瑕だ。
「これ以上、タクトのことを探ろうとするなら奥さんかヒジリさんに報告させていただきますよ?」
「うーん……それは困りましたね」
念を押すように彼を大人しくさせる数少ない二人の名前を持ち出しながら、ジッと睨みをきかせる。それを聞いたカタギリは小さく唸ると、今しがたまで昂っていた追究心に見る見るとブレーキがかかっていくのが目に見えた。
「……確かに、親友の息子のことだからといつになく夢中になり過ぎてたかもしれません。止めてくれてありがとうございます」
「……いえ、踏みとどまってくれたのなら何よりです」
思ったよりあっさりと諦めたカタギリに少しだけ違和感を覚えつつも、作り笑いを浮かべながら、なんとかやり過ごせたかとムラクモが密かに胸を撫で下ろそうとした時だった。
「……それじゃあ、最後にひとつだけ。先日キサラギくんから警察官になるきっかけなどを教えてもらったんですけどね……彼女が通り魔に襲われた時期とタクトくんが海外研修を希望した時期がほぼ同時期なのは何か関係がありますか?」
――恐らく、カタギリにとってそれが一番聞きたかった核心なのだろう。
虚を突かれての質問に、ほんの一瞬だけ取り繕うのが遅れたムラクモの隙をカタギリが見逃すはずがなかった。
「……なるほど。できたらその内容もぜひお聞きしてみたいところですが、君がそこまで頑なになる内容なのならば、これ以上の詮索は止めておきましょうか」
あっさり諦めたのはどうやら隙を作るための演技だったらしい。ムラクモの反応で彼の頭の中にあった推測に答えがでたのか、余計な詮索はせずカタギリは満足気ににっこりと笑顔を浮かべた。
「それと、これはお節介かもしれませんが……これからも『彼』の下で働いていくつもりなら、少しでも違和感を感じた時は例え信用できる人間であっても最後まで気を抜いちゃダメですよ?」
「……肝に銘じます」
わざとらしく口元に人差し指を立てたカタギリから先輩警察官として今後の助言を受け取ると、ムラクモは素直に返事を返し『自分もまだまだだな』と、胸の中で深く反省するのだった。
======
警察官としてカタギリに見事な経験差を見せつけられた後、ムラクモたちはようやく刑事課へと辿り着いた。
入ってすぐに部屋の中を見渡してみるが、タクトはまだ戻ってきていないようだった。
その中で窓際に設置された課長用のデスクでタブレットを眺めていたライと目が合えば、驚いたように声をかけてきた。
「あれ?ムラクモくん、今度はユタカさんと一緒なの?」
タブレットをデスクに置いてそのまま立ち上がると、のんびりと二人の方へと歩み寄ってきた。
「てっきり『Vischio』で解散したのかと思ってたけど……」
「タクトの代わりに刑事課の皆さんへのお詫びを持ってきました。ユタカさんとはエントランスで偶然居合わせて……後、こっちは俺からです。いつもすみません」
小さく腰を折って謝罪すると、ムラクモは右手に持っていたそれぞれの紙袋をライへと手渡した。
「お、わざわざありがとう!ムラクモくんもいつも事後対応お疲れ様。それにしても君の上司は毎回懲りないねぇ」
「はは……本当に」
「ま。君にもタクトの方を少し分けてあげるから、時間があるならお茶と一緒に一息ついて行ってよ」
渇いた笑みを浮かべるムラクモを労うようにポンっと背中を叩いたライは紙袋を持ったまま自分のデスクへと戻ってそれらを置くと、部屋中に聞こえるようにパンパンと大きく両手を叩いた。
「はーい注目!たった今タクトからのお詫びの品が届いたよー!ムラクモくんにも貰ったから手の空いてる人から持っていってね」
「はいっ!いただきます!」
ライの呼びかけに真っ先に手を挙げて答えたのはムラクモから見て一番奥に組み分けされているタクト班のミヅチであった。
キラキラと目を輝かせながら足早にライのデスクへ駆け寄ると、率先して紙袋に入った箱を取り出していく。デスクの主であるライはと言うと、開封をミヅチに任せてそそくさと給湯室の方へと向かっていった。
その後も自他ともに拝島署一大食漢と認められているミヅチに続くように、イヅルや他の班の者も次々とライのデスクへと集まってきた。
「わぁ!マスターの方はシュークリームだー!」
「皮がブリュレになってる……てことはまさかの新作?!」
「さすがケーブ!ありがたくいただきます!」
中身を見て集まった皆がわいわいと盛り上がっている中、一人だけデスクから動く気配がない背中の方へとムラクモはそっと歩み寄った。
「……なあ、一緒に食べに行かないか?」
「……後でいただきますよ」
足音を立てずにその背中の一歩手前までそばに寄って声を掛けたが、ピンっと姿勢を正してデスクで作業をしているサユリは振り向きもせずに短く返事を返した。
そんなサユリの背中から感じる不機嫌な気配にムラクモは小さく肩をすくめる。
「どうした?いったい何を怒ってるんだよ?」
「怒ってませんよ……ただ、慣れない仕事を必死に覚えようとしている後輩に対する男性心理が理解できないだけです」
「ああ……なるほど」
どうやらタクトが挙動不審に陥った主な理由を誰かに教えてもらったのだろう。生真面目な彼女の性格をよく知るムラクモは軽く頭を掻いてしばらく思案すると、サユリの気持ち落ち着かせようと優しく声を掛けた。
「……まあ、タクトも完全に自分が悪い、て気に病んでいたからな。今頃はキサラギさんに必死に謝罪してるんじゃないか?」
「……それは当然のことです」
「うん、そうだよな……たださ、プライベートでいきなり同世代の女の子と同居生活することになって戸惑ってるタクトの気持ちも少しはわかってあげて欲しいんだ」
「…………あっ!」
ムラクモの言葉を聞いて、部屋中がしんと静まり返ったと思えば、サユリだけでなく、ライのデスクに集まっている中からも今気がついたような声が所々から聞こえた。
「……確かにいきなり知らない男性と一緒に暮らすと言われたら……私も戸惑いますけど……」
「そうだろ?俺が中学の頃しばらくサユリの家に居候することになった時、サユリも最初は俺のこと避けてたもんな」
「いつの頃の話ですか!」
目を閉じて当時のことをしみじみと思い出していると、椅子を回転させてようやくムラクモの方へと振り向いたサユリは、気恥しさからか顔を真っ赤しながら言い返してきた。
「ごめんごめん。懐かしくてつい思わず……。さっきも言ったけど、タクトは今回の件を本っ当に身に染みて反省しているから。だから……許してやってくれないか?頼む!」
「ちょっ……ハルミ……ムラクモさん!」
両手を合わせたまま頭を下げて懇願するムラクモによほど驚いたのか、サユリは思わず名前で呼んでしまったが、慌ててそれを訂正する。
「わ、わかりましたから!……お願いですから人前のあるところで変に謝らないでください!」
「……本当に?」
「本当です……それに、この一週間キサラギさんが頑張っているところを見てきたから……私もちょっと感傷的になり過ぎてたかもしれません」
ムラクモの必死な言動に逆に冷静になってきたのか、サユリは小声で制止すると、改めて自身の態度を振り返ったのか、小さく肩を落とした。
「いや、そこはサユリが気に病まなくてもいいと思うぞ?……ま、後は当事者同士の問題なんだし、美味しいものでも食べて二人がちゃんと和解できることを願っていようよ」
「……今さっきまで必死に警部を援護してたのに……変わり身が早すぎませんか?」
「確かに親友 のことは大事だけど、サユリが気に病まなくていいことで悩んじゃうのはもっと嫌だからさ」
自分にとって当たり前のことを素直に伝えれば、眉間にシワを寄せて怒っているようにも見える表情のままサユリは上目遣いにムラクモを睨みつけた。ただ、その頬はほんのり赤くなっており、怒っている訳でもなさそうなのでムラクモはホッと胸を撫で下ろした。
「……ムラクモさんは何を持ってきたんですか?」
しばらくして、ムラクモから皆が集まっている方へと視線を移したサユリが、少し落ち着かない素振りでポツリとこぼした呟きにムラクモは小さく笑みを浮かべながら答えた。
「俺か?……まあ、時間もあったし車で最近評判の洋菓子店に行ってきた。チーズスイーツが有名なところなんだってさ」
「……もう。そんなところまで甘やかさなくても大丈夫ですよ?」
「いいんだよ。それに皆さんも俺が用意するのはお前が好きなものだって十分に分かってるって。だから、ほら。早く行こう」
「……はい」
ムラクモの過保護なまでの用意周到さに半ば呆れるようにサユリが言葉をこぼすと、ムラクモは開き直りながら改めてサユリを誘ってみせる。
サユリは少しだけ考え込むような仕草をしたものの、今度は素直に頷いてくれたのだった。
======
「それにしても、ケーブなかなか戻ってこないですね」
ムラクモたちがライのデスクに訪れると、デスクを囲うように集ったメンバーが、ムラクモたちからの菓子や自前のカップを持ちながら未だに戻らないタクトを話題に話をしていた。
「案外ケーブも屋上で一息ついてるかもよ?」
「あ~それはありうるね!アヤちゃんも寂しがってたし」
「まあ、今日中に二人が仲直りしてくれていれば、明日ヒジリくんたちから出動要請が来てもなんとかなりますしね」
「えっ?!そうなんですか?」
カタギリの確信を持ったような発言にミヅチが素直に驚いて尋ねてみると、二人は顔を見合せると苦笑いを浮かべて頷いた。
「……だって今日は四月の七日でしょ?」
「ほら、もうすぐおめでたい大事な日があるじゃないですか」
「…………あっ!」
二人からのヒントにその場にいるほとんどが声を上げた。
「……ああ、そういえば十日はタクトの誕生日でしたね」
一人だけ平然と手に取ったシュークリームを頬張りながら思い出したムラクモがポツリと呟いた。
「それに今年は記念すべき二十歳の誕生日だからね。きっと何がなんでも当日にお祝いできる時間を作ろうと思ってるだろうなぁ」
「い、いや……まあ、フジイ隊長ならともかく……ヒジリさんがそんな理由で無茶しますかね?それにフユミさんも一緒にいるんですし……」
「ふふ、甘いですね。君たちはヒジリくんの親バカっぷりををまだまだ目の当たりにしていないだけですよ」
ライから告げられる推測に、まさかと言い返してみる者もいたが、カタギリからの返答はまさかの現実を突きつけられただけであった。
「もういっそ、キサラギさんの歓迎会も一緒にお祝いできないかアヤちゃんに聞いてみよっか!」
「あ、それいいっすね!」
「それなら花見にしましょうよー!今年は遅咲きだったしまだギリギリいけると思います!」
まるで名案、と言わんばかりにライから突然告げられた提案に、賑やかなことが好きそうな面々から次々と賛同の声が上がって行った。
「この半年で何度か同じような場面を見てきましたが……カタギリ警部たちの言うことが本当ならこんなに羽目を外していていいんでしょうか?」
「……まあ、皆さんやるべき時はしっかりやってくれる人たちだし……それに一致団結にもなっていいんじゃないか?」
一抹の流れをどこか不安そうに見守っているサユリに、ムラクモはできるだけ明るい口調で彼女を励ますのであった。
『Vischio』での相談の後、タクトに連れ立って彼の頼んでいた謝罪の品を取りに行ったものの、刑事課のものはもう少し時間がかかると言われてしまったのだ。
幸いランのために頼んでいたというケーキは完成していたので、ムラクモはタクトにそのケーキを持って先に帰るようにうながしたのだ。
ムラクモはというと、刑事課宛のものが仕上がるのを待っている間に近くにある繁華街へと車を飛ばして買い物をした後、完成したそれを受け取りタクトよりも一時間ほど遅れて拝島署へと到着したのだった。
「さて、と……タクトはちゃんと謝れたかな?」
助手席に置いていたふたつの紙袋を手に取って車から降りると、タクトがいるであろう屋上の施設へと視線を向けた。
相談の際、頑なにランを助けた事だけは言わないと宣言していたので、残りの思春期男子のような気恥しい理由だけでどう謝罪するつもりなのかと、ムラクモはいささか心配ではあった。
(ま、タクトのことだから理由がなんであれ自分に非があることには誠心誠意で謝罪するだろうし……後は受け取る側のキサラギさんが寛大なことを祈るしかないか)
考えても仕方がないと、フゥと小さく息をついて気持ちを切り替えると、正面側から向かって右横に設置された正面玄関へと足を向けるのだった。
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「おや?ハルミくんじゃないですか」
「ユタカさん?」
吹き抜けになっているエントランスに入って左奥にある大きな折曲がり階段を上がろうとした時、後ろから聞き慣れた声が聞こえてムラクモは大きく肩を回して振り向いた。
そこにいたのはムラクモが想像していたとおりの人物――ユタカ・カタギリがひらひらと手を振ってムラクモの方へと歩み寄ってきた。
彼はタクトと同じくこの拝島署刑事課の刑事であり『特二』関連でない強行犯捜査を担う班の班長でもある。
いち警察官としては持ち前の聡明さもあって昔からとても優秀らしく、その実力は本庁の刑事だけでなく都内の所轄内でも非常に有名だ。
「今日はいつものおつかいですか?……それとも最近のタクトくんの件についてですかね?」
柔和な笑みを浮かべながら、普段からの仲介役を『おつかい』と冗談めかして質問を投げかけてくるカタギリに、ムラクモは思わず苦笑いを浮かべて肩をすくめた。
「今日はタクトの方ですよ。相談された後、キサラギさんへの謝罪を最優先に屋上へ向かわせたので、代わりに俺が刑事課の皆さんへのお詫びを持ってきました」
「ああ、なるほど。それでマスターのお店の紙袋を持っていたんですね」
ムラクモからの返答でカタギリは納得したように頷き「タクトくんたちの仲直りの必需品ですもんね」とポツリとこぼした。
二人とも目的地が同じ刑事課というのもあってか、そのまま流れるように一緒に階段を上がっていった。所々でたわいのない会話も挟みながら刑事課のある階まで辿り着くと、隣を並んで歩いていたカタギリが少し前に出たと思えば、左足を軸に小さく回りムラクモと向き合った。
「どうしました?」
「いえ、良かったらもう少しだけお話ししませんか?」
不思議に思って尋ねれば、右手を腰の後ろに添えて紳士さながらの礼儀正しい佇まいで、目の前のカタギリは右側に続く廊下へと左手を向けて催促してきた。
彼の背に続く廊下に比べると刑事課まで少し遠回りになるその廊下は、合同捜査本部に使われる大会議室の他には倉庫として使っている部屋がほとんどため、普段は人通りがほとんどない。
ムラクモもタクトと人に聞かれたくない仕事内容を話す時などによく使っている。
「……できたら、早く渡したいんですけどね」
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。少しだけ僕の話を聞いてもらいたいだけです。……それに、サカツキくんも今日は捜査に出る予定はないと言っていましたよ?」
誘いの物言いに何となくタクトのことを聞かれそうな予感がしたので、右手に持っていた紙袋をチラリと見やってそれを理由に渋ってみれば、それを見透かしてたようにカタギリはムラクモが思い浮かべた人物を口実にさらりと説き伏せてきた。
「……はあ。分かりましたよ」
「ありがとう。では、行きましょうか」
やれやれと小さくため息をついて観念すると、満足そうにニコリと笑って右側の廊下に足を進めるカタギリの後ろをムラクモはついて行くのだった。
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「それで?俺は何を聞けばいいんですかね?」
「まあ、先ほどの話の続きになりますが……この一週間のタクトくんの挙動不審についてですよ」
辺りから人の気配を感じなくなったところで早速話を切り出すと、ムラクモが予感していた通りの内容が返ってきた。
「それについてはユタカさんや年長組辺りの皆さんもすぐに予想できてたんでしょう?タクトが妙に生暖かい目で見られてた、て困ってましたよ」
「確かにそういう可愛らしい感情も見受けられましたけどね。でも僕としては本当にそれだけかな?と思いまして」
そう言うと、カタギリは思案を巡らすように口元に手を当てながら言葉を続けた。
「君も知っているでしょうが、タクトくんはあまり感情を表に出すことが得意ではないでしょう?今でこそ家族以外の信頼できる人間には表情が出るようになっていますが、彼に良くない感情を持ってる人間にはより顕著に感情を出さないように務めます」
「ああ……まあ、そうですね」
つらつらと語られるその内容にムラクモは苦笑いを浮かべると、ふとタクトと初めて出会った時のことが頭に思い浮かんだ。
――思春期特有の仏頂面やポーカーフェイスとはまったく違う……感情も何も感じないまるで能面のような表情の少年に、ムラクモは思わずヒヤリと肝を冷やしたのを覚えている。
「そんなタクトくんが、初対面のキサラギくんを見るなり目を見開いて驚いていたのですから、気にならない方が無理な話じゃないですか?」
「……ユタカさん。自分が気になったことをとことん探ろうとする悪い癖がまたでていますよ?」
話していく中で気持ちが昂ってきたのか、どんどん早口なって核心を語るカタギリに、ムラクモは両手を腰に当てて呆れながらも待ったをかけた。
カタギリの一度気になったことはとことん追究しようとするその性分は、切れる頭脳と共に事件の犯人を追う刑事としては非常に威力を発揮されるのだが、今のように身近の人間の知られたくないプライベートな事案にまで踏み込んでしまいそうになってしまうのが玉に瑕だ。
「これ以上、タクトのことを探ろうとするなら奥さんかヒジリさんに報告させていただきますよ?」
「うーん……それは困りましたね」
念を押すように彼を大人しくさせる数少ない二人の名前を持ち出しながら、ジッと睨みをきかせる。それを聞いたカタギリは小さく唸ると、今しがたまで昂っていた追究心に見る見るとブレーキがかかっていくのが目に見えた。
「……確かに、親友の息子のことだからといつになく夢中になり過ぎてたかもしれません。止めてくれてありがとうございます」
「……いえ、踏みとどまってくれたのなら何よりです」
思ったよりあっさりと諦めたカタギリに少しだけ違和感を覚えつつも、作り笑いを浮かべながら、なんとかやり過ごせたかとムラクモが密かに胸を撫で下ろそうとした時だった。
「……それじゃあ、最後にひとつだけ。先日キサラギくんから警察官になるきっかけなどを教えてもらったんですけどね……彼女が通り魔に襲われた時期とタクトくんが海外研修を希望した時期がほぼ同時期なのは何か関係がありますか?」
――恐らく、カタギリにとってそれが一番聞きたかった核心なのだろう。
虚を突かれての質問に、ほんの一瞬だけ取り繕うのが遅れたムラクモの隙をカタギリが見逃すはずがなかった。
「……なるほど。できたらその内容もぜひお聞きしてみたいところですが、君がそこまで頑なになる内容なのならば、これ以上の詮索は止めておきましょうか」
あっさり諦めたのはどうやら隙を作るための演技だったらしい。ムラクモの反応で彼の頭の中にあった推測に答えがでたのか、余計な詮索はせずカタギリは満足気ににっこりと笑顔を浮かべた。
「それと、これはお節介かもしれませんが……これからも『彼』の下で働いていくつもりなら、少しでも違和感を感じた時は例え信用できる人間であっても最後まで気を抜いちゃダメですよ?」
「……肝に銘じます」
わざとらしく口元に人差し指を立てたカタギリから先輩警察官として今後の助言を受け取ると、ムラクモは素直に返事を返し『自分もまだまだだな』と、胸の中で深く反省するのだった。
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警察官としてカタギリに見事な経験差を見せつけられた後、ムラクモたちはようやく刑事課へと辿り着いた。
入ってすぐに部屋の中を見渡してみるが、タクトはまだ戻ってきていないようだった。
その中で窓際に設置された課長用のデスクでタブレットを眺めていたライと目が合えば、驚いたように声をかけてきた。
「あれ?ムラクモくん、今度はユタカさんと一緒なの?」
タブレットをデスクに置いてそのまま立ち上がると、のんびりと二人の方へと歩み寄ってきた。
「てっきり『Vischio』で解散したのかと思ってたけど……」
「タクトの代わりに刑事課の皆さんへのお詫びを持ってきました。ユタカさんとはエントランスで偶然居合わせて……後、こっちは俺からです。いつもすみません」
小さく腰を折って謝罪すると、ムラクモは右手に持っていたそれぞれの紙袋をライへと手渡した。
「お、わざわざありがとう!ムラクモくんもいつも事後対応お疲れ様。それにしても君の上司は毎回懲りないねぇ」
「はは……本当に」
「ま。君にもタクトの方を少し分けてあげるから、時間があるならお茶と一緒に一息ついて行ってよ」
渇いた笑みを浮かべるムラクモを労うようにポンっと背中を叩いたライは紙袋を持ったまま自分のデスクへと戻ってそれらを置くと、部屋中に聞こえるようにパンパンと大きく両手を叩いた。
「はーい注目!たった今タクトからのお詫びの品が届いたよー!ムラクモくんにも貰ったから手の空いてる人から持っていってね」
「はいっ!いただきます!」
ライの呼びかけに真っ先に手を挙げて答えたのはムラクモから見て一番奥に組み分けされているタクト班のミヅチであった。
キラキラと目を輝かせながら足早にライのデスクへ駆け寄ると、率先して紙袋に入った箱を取り出していく。デスクの主であるライはと言うと、開封をミヅチに任せてそそくさと給湯室の方へと向かっていった。
その後も自他ともに拝島署一大食漢と認められているミヅチに続くように、イヅルや他の班の者も次々とライのデスクへと集まってきた。
「わぁ!マスターの方はシュークリームだー!」
「皮がブリュレになってる……てことはまさかの新作?!」
「さすがケーブ!ありがたくいただきます!」
中身を見て集まった皆がわいわいと盛り上がっている中、一人だけデスクから動く気配がない背中の方へとムラクモはそっと歩み寄った。
「……なあ、一緒に食べに行かないか?」
「……後でいただきますよ」
足音を立てずにその背中の一歩手前までそばに寄って声を掛けたが、ピンっと姿勢を正してデスクで作業をしているサユリは振り向きもせずに短く返事を返した。
そんなサユリの背中から感じる不機嫌な気配にムラクモは小さく肩をすくめる。
「どうした?いったい何を怒ってるんだよ?」
「怒ってませんよ……ただ、慣れない仕事を必死に覚えようとしている後輩に対する男性心理が理解できないだけです」
「ああ……なるほど」
どうやらタクトが挙動不審に陥った主な理由を誰かに教えてもらったのだろう。生真面目な彼女の性格をよく知るムラクモは軽く頭を掻いてしばらく思案すると、サユリの気持ち落ち着かせようと優しく声を掛けた。
「……まあ、タクトも完全に自分が悪い、て気に病んでいたからな。今頃はキサラギさんに必死に謝罪してるんじゃないか?」
「……それは当然のことです」
「うん、そうだよな……たださ、プライベートでいきなり同世代の女の子と同居生活することになって戸惑ってるタクトの気持ちも少しはわかってあげて欲しいんだ」
「…………あっ!」
ムラクモの言葉を聞いて、部屋中がしんと静まり返ったと思えば、サユリだけでなく、ライのデスクに集まっている中からも今気がついたような声が所々から聞こえた。
「……確かにいきなり知らない男性と一緒に暮らすと言われたら……私も戸惑いますけど……」
「そうだろ?俺が中学の頃しばらくサユリの家に居候することになった時、サユリも最初は俺のこと避けてたもんな」
「いつの頃の話ですか!」
目を閉じて当時のことをしみじみと思い出していると、椅子を回転させてようやくムラクモの方へと振り向いたサユリは、気恥しさからか顔を真っ赤しながら言い返してきた。
「ごめんごめん。懐かしくてつい思わず……。さっきも言ったけど、タクトは今回の件を本っ当に身に染みて反省しているから。だから……許してやってくれないか?頼む!」
「ちょっ……ハルミ……ムラクモさん!」
両手を合わせたまま頭を下げて懇願するムラクモによほど驚いたのか、サユリは思わず名前で呼んでしまったが、慌ててそれを訂正する。
「わ、わかりましたから!……お願いですから人前のあるところで変に謝らないでください!」
「……本当に?」
「本当です……それに、この一週間キサラギさんが頑張っているところを見てきたから……私もちょっと感傷的になり過ぎてたかもしれません」
ムラクモの必死な言動に逆に冷静になってきたのか、サユリは小声で制止すると、改めて自身の態度を振り返ったのか、小さく肩を落とした。
「いや、そこはサユリが気に病まなくてもいいと思うぞ?……ま、後は当事者同士の問題なんだし、美味しいものでも食べて二人がちゃんと和解できることを願っていようよ」
「……今さっきまで必死に警部を援護してたのに……変わり身が早すぎませんか?」
「確かに親友 のことは大事だけど、サユリが気に病まなくていいことで悩んじゃうのはもっと嫌だからさ」
自分にとって当たり前のことを素直に伝えれば、眉間にシワを寄せて怒っているようにも見える表情のままサユリは上目遣いにムラクモを睨みつけた。ただ、その頬はほんのり赤くなっており、怒っている訳でもなさそうなのでムラクモはホッと胸を撫で下ろした。
「……ムラクモさんは何を持ってきたんですか?」
しばらくして、ムラクモから皆が集まっている方へと視線を移したサユリが、少し落ち着かない素振りでポツリとこぼした呟きにムラクモは小さく笑みを浮かべながら答えた。
「俺か?……まあ、時間もあったし車で最近評判の洋菓子店に行ってきた。チーズスイーツが有名なところなんだってさ」
「……もう。そんなところまで甘やかさなくても大丈夫ですよ?」
「いいんだよ。それに皆さんも俺が用意するのはお前が好きなものだって十分に分かってるって。だから、ほら。早く行こう」
「……はい」
ムラクモの過保護なまでの用意周到さに半ば呆れるようにサユリが言葉をこぼすと、ムラクモは開き直りながら改めてサユリを誘ってみせる。
サユリは少しだけ考え込むような仕草をしたものの、今度は素直に頷いてくれたのだった。
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「それにしても、ケーブなかなか戻ってこないですね」
ムラクモたちがライのデスクに訪れると、デスクを囲うように集ったメンバーが、ムラクモたちからの菓子や自前のカップを持ちながら未だに戻らないタクトを話題に話をしていた。
「案外ケーブも屋上で一息ついてるかもよ?」
「あ~それはありうるね!アヤちゃんも寂しがってたし」
「まあ、今日中に二人が仲直りしてくれていれば、明日ヒジリくんたちから出動要請が来てもなんとかなりますしね」
「えっ?!そうなんですか?」
カタギリの確信を持ったような発言にミヅチが素直に驚いて尋ねてみると、二人は顔を見合せると苦笑いを浮かべて頷いた。
「……だって今日は四月の七日でしょ?」
「ほら、もうすぐおめでたい大事な日があるじゃないですか」
「…………あっ!」
二人からのヒントにその場にいるほとんどが声を上げた。
「……ああ、そういえば十日はタクトの誕生日でしたね」
一人だけ平然と手に取ったシュークリームを頬張りながら思い出したムラクモがポツリと呟いた。
「それに今年は記念すべき二十歳の誕生日だからね。きっと何がなんでも当日にお祝いできる時間を作ろうと思ってるだろうなぁ」
「い、いや……まあ、フジイ隊長ならともかく……ヒジリさんがそんな理由で無茶しますかね?それにフユミさんも一緒にいるんですし……」
「ふふ、甘いですね。君たちはヒジリくんの親バカっぷりををまだまだ目の当たりにしていないだけですよ」
ライから告げられる推測に、まさかと言い返してみる者もいたが、カタギリからの返答はまさかの現実を突きつけられただけであった。
「もういっそ、キサラギさんの歓迎会も一緒にお祝いできないかアヤちゃんに聞いてみよっか!」
「あ、それいいっすね!」
「それなら花見にしましょうよー!今年は遅咲きだったしまだギリギリいけると思います!」
まるで名案、と言わんばかりにライから突然告げられた提案に、賑やかなことが好きそうな面々から次々と賛同の声が上がって行った。
「この半年で何度か同じような場面を見てきましたが……カタギリ警部たちの言うことが本当ならこんなに羽目を外していていいんでしょうか?」
「……まあ、皆さんやるべき時はしっかりやってくれる人たちだし……それに一致団結にもなっていいんじゃないか?」
一抹の流れをどこか不安そうに見守っているサユリに、ムラクモはできるだけ明るい口調で彼女を励ますのであった。
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