異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
517 / 526
第11章 冬休み編

ベビーダンジョン攻略 5

しおりを挟む

ダンジョンマスターの部屋に到着したのだが……そこはなんてことの無い、普通の洞窟の1部屋だった。

たが違いがあるとすれば、その洞窟の中には巨大で透明な石が台座に乗っている物があった。

ダンジョンマスターはそのとても巨大な石の台座のそばへと寄り、その台座についているボタンを押す。

するとその透明な石が光り、まるでモニターのように映像が映っている。

「なんだ、それ?なんかさっきまでいた場所が写ってないか?」

俺の言葉に、ダンジョンマスターの少年は振り返って「そうですね。先ほどいた場所を映しています」と答えた。

「それって……もしかしてダンジョン内をどこでも見れる物だったりする?」

「ええ、そうです。よくお分かりですね?」

「……いや、友人のダンジョンマスター達がどうしていつも俺の行動を知っているのかとても不思議だったんだよな。そうか、こんな道具があればどこでも覗けるよな。」

俺はダンジョンマスターの少年にそう言いつつ、今までの出来事を振り返っていた。

確かにいつもあの2人は……いや、3人か。

あの3人は俺の動きを常に見ていた気がする。

……特に、『ブレイズ』の前ダンジョンマスターは。


少し複雑な気持ちでモニターを見ると、残った5人はとりあえず後片付けを始めていた。

なるほど、確かによく見えるね。

「で?これを見せるためにここに来たわけじゃないんだろ?」

俺はそう言ってダンジョンマスターの少年を見る。

すると彼は頷き、更に違うボタンを押した。


すると次に現れた画面は、このダンジョンに出現させる魔物のデータの一覧表みたいなものだった。

「それ、このダンジョンに出る予定の魔物か?」

「はい、そうです。シエルさんがたっぷり魔力を補充してくださったので、こうやってたくさんの種類の魔物が出せるようになりました。」

彼はそう言うと一覧表を見て、先ほどリッキーが言っていた「アンデッドとドラゴンの様な巨大な魔物は出さない」という方向性の為に、それに該当する魔物を一覧表から除外していく。

そして残った魔物の中で、いわゆる『魔獣』と呼ばれるものだけを残していった。

「なぁ、さっきリッキーが言っていたように『魔獣』だけ出現するダンジョンにするのか?」

「その予定ですが……他に何か案がありますか?」

「そうだなぁ……5階層ごとのフィールドフロアには他の階層では出てこないような魔物を出すことにして、他の魔物も数種類は残しておけばいいと思うんだけど?」

俺は新たな提案をしつつ、残す魔物をピックアップしていった。

結局5階層ごとの魔物には、あまり大きくない爬虫類系も残してみた。

『魔獣』ばかりだと面白くないって思われたら嫌だしね!

「それで……次は何をするつもり?」

それまで黙って成り行きを見ていたユーリが、おもむろに声をかけてきた。

おぅ……てっきりいつものように黙って見ているだけかと思っていた。

そう、いつもなんで黙っているのか不思議に思っていて一度聞いたことがある。

すると「この世の事にはあまり関与しない事にしている」と言っていたのだが……俺が思うに、もうすでに結構関与しているんじゃないかな?


するとそれを聞いたダンジョンマスターの少年は一度、一覧表から顔をこちらに向けて「先ほどあなたたちの仲間の一人が『魔石を宝石に変えられないか?』と聞いてきましたよね?」と答えた。

「この一覧表からそれぞれの魔物の詳細を見ることができるのですが……そこからドロップ品を変えられるのかを試したことがなくて。それでちょっと試しに来てみたのです。」

少年はそう言うとまた一覧表に顔を向け、とりあえず1つの魔物をピックアップした。

それはよく見かける魔物のフォレストウルフだったのだが、それのドロップ品は魔石と爪だけだった。

「これを何とか違うものに変更できませんかねぇ……。どうやって変えればいいんだろう?」

少年は途方に暮れたような顔をして、画面を見つめる。

「なぁ、君は他のダンジョンマスターと通信できないのか?」

「……えっ?」

俺が少年にそう言うと、少年はとても驚いた顔で俺の方を見た。……えっ、知らないの?

「その表情だと、通信できることを知らなかったって事だね?」

「はい……全く知りませんでした。そんな事できるんですか?」

「ああ、できるらしい。俺も実際に話しているところは見たことないが、そうやって話を通してくれた事もあったから、間違いないと思う。」

俺の言葉に少年はとても目を輝かせ、「僕も他のダンジョンマスターとお話してみたいですっ!」と興奮気味に俺にしがみついてきた。

するとユーリがムッとした顔で俺と彼の間に入り込み、「にぃにに近づくな!」と拗ねだした。


「まぁまぁ、彼は生まれてからずっとひとりぼっちでこのダンジョンで奮闘してきたんだ。自分と同じ事をしている人と話を共有できることを知ってとても喜ぶのはユーリだって分かるだろ?」

「……。」

「じゃあユーリに聞くけど、皆はどうやって最初他のダンジョンマスターと連絡を取っているんだ?」

「……しょうがないなぁ、にぃにのお願いだから聞いてみるから、ちょっと待っててね?」

ユーリはそう言うと黙って天井に向かって目をやる。

しばらくそうやっていると、急に1つ頷き、俺の方を見た。


「にぃに、あの人がね、今回はこの小さなダンジョンマスターの為に1度だけ手を貸してくれるらしい。……君、少し待っててごらん。画面が切り替わるから。」

ユーリがそう言って少年を振り返ると、彼はとても喜んでうんうんと頷いた。

それを聞いて俺は少しホッとする。

この小さなダンジョンマスターがこれからの長い人生をずっと孤独で過ごさなくて良くなるのならそれにこしたことはない。

それに分からないことだらけの初心者だから、できればベテランと縁がつながると良いよね!

さぁ、誰と繋がるのかなぁ?
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

処理中です...