異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
190 / 520
第4章 ネシア国〜

クーガー、ごめんね?

しおりを挟む

3人がこちらと到着すると、『巫女』がとてもにこやかな顔でこちらに2人よりも先に早足で歩いてきた。

「どうでしたか、私の回復魔法?貴方よりすぐに立ち上がれるようにできるんですのよ?」

「……。」

……何故か勝ち誇った顔をされたんだけど?

いや、俺、別に回復メインじゃないし?
むしろ戦いがメインだよ。

俺が呆れた顔で見ていると、今度は拗ねた顔をされた。……何故に?

「んもう!あの方の寵愛を一身に受けているくせに、全く気づいていないなんて!酷いわ!」

誰だね、その人?

もしやユーリにたまに話しかけている『自称神様』とリッキーに呼ばれている人かね?

俺自身は会ったことないから知らないよ?

「……まぁ良いわ。比べたってしょうがないものね。そうそう、一応貴方と戦った選手も診てきたから、安心してね。あちらの選手ももう起きてこちらへ来るんじゃないかしら?」

なるほど、クーガーももう意識取り戻しているんだね。

そんな話を2人でしている間に、スコットさんとヒューザが話をしながら到着したようだ。

どうやら2人は、先ほどの試合の話をしながら 来たようだ。

ちょうどこちらに着いた時には話が切り替わってしまったようだけどね。

「そっか……すごいな、お前ら。俺もやっぱり外に出て修行するのもあり、かなぁ?でも弟の件もあるから、難しいか?」

「ん~……どうだろう。もう神聖法国を支配していた神はいないから、大丈夫だと思うが。」

「……えっ?それは弟から聞いてなかったぞ!?どういうことだ?」

「あっ……あ~、今のは聞かなかったことにしてくれ。ただ、暫くの間はあの国は混乱しているだろうから、獣人も捕らえられることはないと思うとだけ言っておく。」

「……なんだよ~、理由知ってんだろぉ?教えろよぉ~!」

ヒューザはスコットさんと肩を組んで、お酒も飲んでないのに絡んでいる。

……いつの間にあんなに仲良くなったんだ?

俺がジト目で2人を見ていると、スコットさんがやれやれと肩を勧めて俺の隣に並んだ。

「とにかく俺たちからは言えないが、これからはあの国も良くなるだろう。そうなればもっと獣人も世界のあちこちに安全に行けるようになるだろうし、そうなってから修行の旅に出ても良いんじゃないか?」

スコットさんがそう言うと、う~んと唸ってヒューザは悩みだした。

それを見ていた『巫女』はヒューザへと声をかける。

「大丈夫ですよ、彼の言う通り、あの国に新しい女神が降臨したら、間違いなく今度は他の国と仲良くやっていけるようになるはずです。今はまだ選定中のようなので暫くは何の動きもないはずですし、外の世界に出ても大丈夫かと。」

にっこり笑った『巫女』に対してヒューザは、とても神妙な面持ちで頷く。

「それならば、弟がもう少し外の世界への恐怖がなくなった頃合いに、一緒に修行の旅へと行ってみようと思います。巫女様、情報、どうもありがとうございました。」

ヒューザは『巫女』に向かって深々とお辞儀をすると、その場を辞した。



「さて、じゃあ俺たちもみんなの所へ行こうか。」

「うん、そうしよう。じゃあ『巫女』様、お先に失礼します!」

「あっ、ちょっとお待ちなさいな。さっきも言ったように、貴方と戦った選手が……」

『巫女』が話し始めた時に、廊下の向こうから誰かが歩いてくるのが見えた。

その人物は俺たちを見かけると走ってこっちへとやってくる。

そう、その人物とはクーガーで、イライラしたような顔をしていた。

「……おい、てめぇ。やってくれたなぁ?」

クーガーは青筋を立てているんじゃないかと思えるような雰囲気で俺に向かってきた。

すぐ近くに『巫女』がいることにすら気づいていないかのようだ。

「やったって言われてもね?試合なんだし、俺がわざと負ける筋合いもないよね?」

俺はクーガーに向かってそう言う。

スコットさんも『巫女』もそうだと肯定してくれた。

「まさかこの俺がっ!人族のガキに負けるはずがない!何かズルをしたに決まっている!」

「いや、別にズルなんてしてないんだけど……?」

「とぼけるなよ!」

クーガーは段々と勝手にエスカレートしていき、俺の胸ぐらをつかんで持ち上げようとしてきた。

「何してんのよ、クーガー!」

「……っ!?」

その女性の声を聞いて、クーガーは目を見開いて振り向く。

どうやら皆が客席からこちらの方へとやってきたようだ。

そしてクーガーに声をかけたのはラブさんだった。

「ラ……ラブ、なのか?本物か?」

あまりにも驚きすぎたクーガーが呟くようにそう言った。

「ええ、本物よ?昨日、そこにいるシエルくんに連れてきてもらったのよ。」

ラブさんの言葉に、クーガーはものすごい勢いでこちらを見た。

俺が頷くと、改めてラブさんの方を見た。

「ラブ……おかえり。兄貴しか帰ってこなかったから、ものすごく心配した。帰ってきたってことは、もうどこにも行かないんだろう?」

クーガーは、まるで縋るかのようにラブさんを見ながら近寄っていく。

するとラブさんの隣にいたフォードさんが眉を顰めながらクーガーに言った。

「……君がクーガー君か?ラブから話を聞いている。兄弟のように育った幼馴染なんだってね?」

「……誰だ、てめぇ。」

ラブさんしか目に入ってなかったクーガーは、その言葉で初めてフォードさんや周りにいる仲間を認識したようだ。

「誰って言われても、ラブの夫だ。」

「……はぁ?ラブは獣人だ。人族となんて結婚するわけねぇだろ!何ほざいてんだっ!」

「そう言われてもな。信じられないなら、書類上でも結婚していることは証明できるよ?」

「ふっざけんじゃねぇっ!!誰が貴様のようなヒョロヒョロな奴なんかを好きになんだよ!寝言は寝てから言えや!」

今にもフォードさんに殴りかかりそうなクーガーに、ラブさんが怒りを爆発させた。

「あんたこそ何言ってんのよ!フォードは私の『運命の番』なのよ!?馬鹿にしないでほしいわね!彼への言葉はそのまま私への言葉と取らせてもらうわよ!」

「……っ!!!……『運命の番』!?」

「そう、彼は私の『運命の番』なの。それにクーガーには何の関係もないでしょ?私とはただの幼馴染なんだから。」

夫を罵倒されたラブさんは冷たい言葉と共に、とても冷たい目でクーガーを見ている。

……おぉ、その目は効いてるねぇ?クーガー、涙目じゃない?

「……お、俺はお前の事を好きなんだ。お前も実はそうなんだろう?」

「はぁ?そりゃあ兄のようには思っていたわ。それ以上でも、それ以下でもない。それもこの人を罵倒するまで。もう貴方のことは大嫌いだわ。もう2度と顔も見たくない。」

「……。」

「さあ、皆さん、行きましょう。」

ラブさんはクーガーにそう告げるとフォードさんの腕に自分の腕を絡め、俺たちにも外へ出ようと促した。

……遠慮ないなぁ、ラブさん。
運命の番を侮辱されるとこうなるんだねぇ?


その場を去る時にチラッとクーガーを振り向くと、ショックのあまり膝と両手を床につき、うなだれているところだった。……頑張れ、負けんな!

そして今気づいたが、いつの間にか『巫女』は姿も形もなかった。……一体いつの間に消えた?



それから俺達は闘技場の外へと出て、今夜は皆でラブさんのオススメのお店で夕飯を食べることになった。

それは俺達が泊ってる宿の近くの場所にあり、ラブさんの話だとこの辺りはネシア国でも相当治安の良い場所で、人族が1人で歩いていても問題がないほどなんだそうだ。

ちなみに薄暗い路地なんかは1人では歩かないほうが良いと忠告されたよ。見目の良い子供は攫われてしまうんだってさ!

ラブさんのオススメの店に着くと、そこは常夏の地域に生えている植物に囲まれた外観の、いかにもネシアっぽい雰囲気の店だった。

「おじちゃ~ん、いる~?」

ラブさんが大きな声でそう声をかけると、店の奥から目の細いキツネ顔のおじさんが出てきた。

「おや……?その声は、もしかしてラブちゃんかい?」

「うん、そうだよ!」

「すごく久しぶりだねぇ!元気していたかい?……ばあさんや、ばあさん!!ラブちゃんが店に来たよ!」

おじさんが奥の部屋にそう声をかけると、同じくキツネ顔のおばさんが出てきた。

「おや!ラブちゃんじゃないか!久しぶりだねぇ!」

「うん、久しぶりだよ!実は今日はね、私の『運命の番』も一緒に来ているの!ずっと紹介したかったんだよ!フォード、この人達は私の小さい頃から近所に住んでいる人達なの!とてもお世話になっていたんだよ!」

「そうか、ラブが小さい頃からお世話になっていたんだね。……初めまして、ラブの夫のフォードといいます。どうぞよろしく。」

ラブさんの紹介に驚いている2人に、フォードさんは右手を差し出した。

すると2人はハッとして、交互に握手をする。

「驚いたなぁ、ラブちゃん!もうそんな年になったんだね!時が経つのは早いもんだ!」

お店のおじさんはしみじみとそう言う。

そうだよね、他の人の子って早く大きくなるよね!悠馬、元気かなぁ?


それからそのお店でお腹いっぱいになるまで、ネシアの郷土料理やお酒を飲んでその日は楽しんだよ!

……もちろん、俺とユーリはソフトドリンクだけどね!
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...