異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
218 / 519
第5章 再度、スノービーク〜

修羅場!?

しおりを挟む
翌日の朝、俺は部屋の中にこだまする騒々しいユーリの叫び声と俺のそばにいるゼフィアのキャンキャン吠える鳴き声で目を覚ました。

「……う~ん……うるさいなぁ。一体どうしたんだ?」

俺が目を瞑って寝ぼけながら2人に声をかけると、どうやら人化しているらしいユーリがベッドに上がってきたようだ。

「ママ!どうしたんだ?じゃないよ!僕というものがありながらこんな子犬をベッドに連れ込んで!酷いよ!」

ユーリは俺の肩を掴むと揺さぶって、更に起こしにかかったようだ。


俺は慌てて目を開けて起き上がると、目の前には10歳くらいの少年が。……え?ユーリなの?

あまりの驚きにすっかり目が覚めると、目の前で俺の肩を掴んでいた少年がきょとんとした顔で俺を見返した。

「どうしたの、ママ。そんな驚いた顔して。」

「どうしたも何もないだろ。お前こそどうしたんだ、そんな急に大きくなって。数日前までは5歳くらいじゃなかったか!?」

「ん~~???」

なんだかよく分かっていないユーリはセバスの方を振り返る。

「確かに大きくなりしたよ、シエル様。前神竜様の力を受け取る度に身体も大きくなってゆき、全ての力を引き継ぐと前神竜様と同じ大きさになります。ユーリ様はまだあと何回も今回のようなことを繰り返しますので、その事は知っておいてください。」

なるほど、ユーリは月日が経てば大きくなるってわけじゃないんだね。それは知らなんだ。

じゃあ、もし俺が大きくなるまでに時間がかかった場合、俺のほうが年下に見えるようになる可能性があるの!?

俺の再びの驚き顔にセバスは言いたいことが分かったようで、「何回もと言えども、これからの間隔は何十年単位になると思われますので大丈夫ですよ、多分。」と言われた。……多分なんだ。

「そんな事は良いんだけど、ママ、この子は一体誰?ママと一緒に寝るのは僕だけだよ!」

そんな事を大きくなったユーリが言ったが、流石にこの年齢で男2人で寝るのは傍から見てなんか変じゃないか?……一緒に寝るなら子竜の姿でだな。

「この子はだな、エルフの隠れ里のある森の守り獣であるフェンリルの長の子供だよ。昨日俺が里に行った時に知り合ってね。長の代わりにこの子を契約獣にすることになったんだ。名前は『ゼフィア』とつけたんだ。」

俺の言葉を聞いてセバスは「なるほど……」と言って、納得顔で頷く。

そういえば知り合いだっていう話だったね。

「そうですか、やはりあのブリーズの群れの仲間でしたか。白い子犬ということでまさか、とは思いましたが。」

「ああ、群れの中で一番幼い子を差し出してきたんだ。伸びしろがたっぷりあるから、今のうちにいろいろ教えてやってくれないか?もちろん、無理のない範囲で、だが。」

「はい、分かりました。……ゼフィア、でしたか?君はこちらの話を理解できていますか?」

セバスがゼフィアに向かってそう聞くと、ゼフィアは一声鳴くと自己紹介をし始めた。

「はい、りかいはできますし、たどたどしくてもなんとかかいわはできます。これからよろしくおねがいします。」

「……なるほど、なかなか聞き取りづらいですが、互いの意思疎通は出来そうですね。」

セバスは一つ頷くとゼフィアを抱っこした。

するとゼフィアはセバスの顔を一回舐めた。

これからよろしく!っていう挨拶なんだろう。


そんな2人のやり取りを見ていたユーリは、現在俺の首に抱きついて胸に顔をぐりぐりしている。

……なんだか絵面がよろしくないね?

「ユーリ、それをやりたかったら子竜の姿に戻りなさい。もう人型では子供の域を超えつつあるからね。周りからおかしな子供に見られてしまうよ。それだと俺も困るから、人型の場合はせいぜい腕を組むか手を繋ぐぐらいしかできないと思っていてくれ。あ、寝る時も人型ではなく子竜の姿で頼むな。」

俺からの注文に愕然としてしまったユーリは、ショックを受けた顔で俺の胸に突っ伏してしまった。

「酷い……まだ1歳にもなっていないのに、もうこの姿では甘えられないなんて。街中では人型が多いんだから、甘えられないってことじゃない?ママ、酷い!」

ユーリは突っ伏したままそう呟く。

確かに年齢的には1歳過ぎていないけど、見た目がねぇ……。

でも結局は俺の提案を受け入れ、少なくともこの街では子竜の姿で外に出てもみんな気にしないから子竜の姿で過ごすことにしたようだ。


いや~、一時はどうなることかと思ったけど、なんとかまとまってよかったよ。


その後、朝食の声かけに来たリッキーにも改めて驚かれていたユーリだが、リッキーに「なんだか大きくなったよね!?一体どうしたんだ?」と聞かれると俺の時とは違って胸を張り、誇らしげな顔をして4属性竜の長達の広場で何をしてきたのかの話を語って聞かせているのを見ると、まだまだ本当に子供なんだなぁと思った。

なんだかそういうところを見るとホッとするのは、俺の中でユーリにはまだまだ子供でいてほしい気持ちがあるんだろうな。


……まだそんな急に大人になっていかなくて良いんだよ、ユーリ。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

処理中です...