異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
310 / 526
第7章 新しい出来事

いろいろあったんだねぇ?

しおりを挟む

それから皆で廊下をゾロゾロと歩いていると、複数の制服を着た生徒と何度かすれ違う。

何故か皆、俺たちの方を見てコソコソと話をしているようだ。……なんで?

とりあえず玄関から馬車に戻って来たところで、俺はリッキーにいろいろ聞きたいことを質問することにした。

「いろいろ聞きたいことあるんだけど……とりあえず、さっき何ですれ違った生徒が俺たちを見てコソコソ話をしたんだろう?」

「それは多分お前を見て、じゃないかな。お前自分で気づいてないようだけど、相当目立つ容姿してるからな。」

「……そうなんだ?」

「ああ、なにせ王女に目をつけられるくらいだから、女子に大人気で男子からは嫉妬の目を向けられると思うぞ?言っとくが、こっちの世界の女子はかなり『肉食系』だと思うぞ、それも目的のものを手に入れる為には見えない所で他の女子を陥れたりする系の。一番厄介だよな。」

リッキーはそう俺に言いながら、目はスコットさんを見ている。……え、兄さんそうだったの?

「……古い話を持ち出すなよ、リッキー。結局俺が誰も選ばなかったから最後には沈静化したじゃないか。」

苦虫を潰したかのような顔でスコットさんがそう言うと、なぜかエミリーさんが苦笑いをする。

「そうよ。それにスコットはそんなデマに振り回されなかったわけだし。」

「そうよね、エミリーはある意味、被害者よね。まぁ、結局最終的に選ばれたのはエミリーだけど!」

エミリーさんの言葉に、リリーさんまでそんなことを言う。……なるほど、何となく分かった。

「まぁ……沈静化したのも、さっき対応してくれたカーター先生がそいつらに塩対応で当たったから静まっただけで、お前が選ばなかったからじゃないだろ?」

「……。」

リッキーが呆れたような口調でスコットさんにそう言う。

「それに、そもそもはお前が剣術指導のマール先生を圧倒的な力量の差で倒したからだろ?先生は魔法も使えるから途中で強化魔法をかけたにも関わらず、お前の圧勝だったからな。そりゃあ女子は『将来性がある』ってなるに決まってるじゃないか。」

「……。」

スコットさんはリッキーの言葉に反論することが出来ないようだ。

なるほど、皆の学園生活ではそんな事があったんだね!



俺が頷いていると、リッキーが「まだ聞きたいことあるんだろ?」と促してくる。

「そうだ、制服ってサイズ無いのか?何の説明もなくポンと渡されたけど。それともあの先生、見ただけで服のサイズが分かるとか?」

俺が気になったことを皆に聞いてみると、リッキーがちょっとニヤニヤとして「どれも違うんだなぁ~」と言った。

俺が首を傾げると、スコットさんが口を開く。

「実はこの学校の制服、自動で大きくなったり縮まったりとサイズが変わるんだよ。それがないと急に大きくなった奴は制服の買い替えが必要になるからな。これなら一度学校が制服を配っただけで卒業まで使えるって仕組みだ。」

なるほど、確かに!

それなら服を直すか買い換えるかで悩まなくて良いね!

「そういえばユーリたちは鞄から出してやらないのか?」

ふと思い出したかのようにリッキーがそう言う。

はっ!そうだね、出してあげなくちゃ!

俺は慌てて2人を鞄から出してやる。

するとセバスから「そんないちいち出していただかなくても、落ち着いてからで良いですよ?」と言われた。

ユーリも「僕は自分から出たければ出るから、気にしなくて良いよ!」と言ってくる。

……確かにお前は自分で出れたね?

「でもにぃに、ゼフィアどこにいるの?最近見かけないんだけど……?」

ユーリが不思議そうな顔で俺に聞いてきた。

それを聞いて、リリーさんはそっぽを向く。

……姉さん、もしやゼフィアは俺に返さずに隠すつもり?


しかしその時、リリーさんの懐で『キャンッ!』と鳴き声が聞こえ、ゼフィアか存在を主張する。

それを聞いて、リリーさんは慌てて服の前を抱きしめて隠した。……相変わらずそこに隠しているんだね?

そんなリリーさんを見て、リッキーはため息をつく。

「お前なぁ……ゼフィアはシエルの従魔だろ?なんでお前がずっと預かっているんだ?この前お前の部屋に行った時、ゼフィアにいろんな芸を教え込んでただろ。ゼフィアはそんな体格だが犬じゃないんだぞ?」

リッキーから怒られたリリーさんは渋々胸元の少し大きめのポケットからゼフィアを取り出す。

ゼフィアは俺の顔を見ると嬉しそうに、ちぎれんばかりに尻尾を振っている。

「お久しぶりです、マスター!僕、いろいろ覚えたんですっ!リリーさんに『いろいろ覚えるとシエルが喜ぶわよ?』って言われたので、頑張っていっぱい覚えましたっ!!」

「……。」

……一体、何を教えたんだろうね、姉さん?

リッキーは「芸」って言っていたけど?

俺はジトリとリリーさんを見ると、リリーさんは目線をスイッとそらす。

「じゃあマスター、手を出してください!」

とても嬉しそうにゼフィアはそう言う。

俺は何となくこの後の展開が読めたが、ゼフィアがあまりの喜びようなのでのってやることにした。


手のひらを上に出し、ゼフィアに差し出す。

するとゼフィアは俺の掌に自分のプニプニ肉球を乗せる。
……おお?これは……。

更に『おかわり』として反対の手も乗せてきた。

……交互じゃないんだね?

更にその上から顎も乗せた。

……何を教えてるの、リリーさん?

伏し目がちだった目を上げたゼフィアはとてもいい笑顔で目をうるうるとさせていて、俺は思わずキュンっ!とハートを射抜かれてしまった。……やるな、リリーさん。


するとそれを見たユーリが子竜に変化して、俺の顔にへばりつく。……嫉妬か?

『にぃには僕のパートナーだからね!お前になんて譲らないもん!暫くはその人の所で大人しくしていてよ!』

ユーリはそう言って、ゼフィアに対して激しく怒っていた。

「大丈夫だよ、ユーリ。お前は人化して見た目を俺の兄弟にすることができるんだし、特別な存在だよ。だから落ち着いて!」

俺は必死にユーリをなだめて、落ち着かせる。


……この分じゃ、まだまだユーリと一緒にできそうにないなぁ。はぁ~……。

しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

この状況には、訳がある

兎田りん
ファンタジー
 どうしてこんなことになったのか…    ファルムファス・メロディアスは頭を抱えていた。  居なくてもいい場所に、しなくてもいい装いをしている事の居心地の悪さといったら!  俺の関係ない所でやってくれ!  ファルムファスの握りしめた拳の行方はどこに ○更新状況○ 2023/2/15投稿開始 毎週水曜20時頃次回投稿の予定

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~

めでめで汰
ファンタジー
バッファーの少年カイトのバフスキルは「ステータス欄の中に入って直接数字を動かす」というもの。 しかし、その能力を信じなかった仲間からカイトは追放され迷宮に置き去りにされる。 そこで出会ったLUK(幸運)値の高い少女ハルと共にカイトは無事迷宮から生還。 その後、カイトはハルの両親を探すため地下迷宮の奥へと挑むことを決意する。 (スライム、もふもふ出てきます。女の子に囲まれるけどメインヒロインは一人です。「ざまぁ」もしっかりあります)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...