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第7章 新しい出来事
いろいろあったんだねぇ?
しおりを挟むそれから皆で廊下をゾロゾロと歩いていると、複数の制服を着た生徒と何度かすれ違う。
何故か皆、俺たちの方を見てコソコソと話をしているようだ。……なんで?
とりあえず玄関から馬車に戻って来たところで、俺はリッキーにいろいろ聞きたいことを質問することにした。
「いろいろ聞きたいことあるんだけど……とりあえず、さっき何ですれ違った生徒が俺たちを見てコソコソ話をしたんだろう?」
「それは多分お前を見て、じゃないかな。お前自分で気づいてないようだけど、相当目立つ容姿してるからな。」
「……そうなんだ?」
「ああ、なにせ王女に目をつけられるくらいだから、女子に大人気で男子からは嫉妬の目を向けられると思うぞ?言っとくが、こっちの世界の女子はかなり『肉食系』だと思うぞ、それも目的のものを手に入れる為には見えない所で他の女子を陥れたりする系の。一番厄介だよな。」
リッキーはそう俺に言いながら、目はスコットさんを見ている。……え、兄さんそうだったの?
「……古い話を持ち出すなよ、リッキー。結局俺が誰も選ばなかったから最後には沈静化したじゃないか。」
苦虫を潰したかのような顔でスコットさんがそう言うと、なぜかエミリーさんが苦笑いをする。
「そうよ。それにスコットはそんなデマに振り回されなかったわけだし。」
「そうよね、エミリーはある意味、被害者よね。まぁ、結局最終的に選ばれたのはエミリーだけど!」
エミリーさんの言葉に、リリーさんまでそんなことを言う。……なるほど、何となく分かった。
「まぁ……沈静化したのも、さっき対応してくれたカーター先生がそいつらに塩対応で当たったから静まっただけで、お前が選ばなかったからじゃないだろ?」
「……。」
リッキーが呆れたような口調でスコットさんにそう言う。
「それに、そもそもはお前が剣術指導のマール先生を圧倒的な力量の差で倒したからだろ?先生は魔法も使えるから途中で強化魔法をかけたにも関わらず、お前の圧勝だったからな。そりゃあ女子は『将来性がある』ってなるに決まってるじゃないか。」
「……。」
スコットさんはリッキーの言葉に反論することが出来ないようだ。
なるほど、皆の学園生活ではそんな事があったんだね!
俺が頷いていると、リッキーが「まだ聞きたいことあるんだろ?」と促してくる。
「そうだ、制服ってサイズ無いのか?何の説明もなくポンと渡されたけど。それともあの先生、見ただけで服のサイズが分かるとか?」
俺が気になったことを皆に聞いてみると、リッキーがちょっとニヤニヤとして「どれも違うんだなぁ~」と言った。
俺が首を傾げると、スコットさんが口を開く。
「実はこの学校の制服、自動で大きくなったり縮まったりとサイズが変わるんだよ。それがないと急に大きくなった奴は制服の買い替えが必要になるからな。これなら一度学校が制服を配っただけで卒業まで使えるって仕組みだ。」
なるほど、確かに!
それなら服を直すか買い換えるかで悩まなくて良いね!
「そういえばユーリたちは鞄から出してやらないのか?」
ふと思い出したかのようにリッキーがそう言う。
はっ!そうだね、出してあげなくちゃ!
俺は慌てて2人を鞄から出してやる。
するとセバスから「そんないちいち出していただかなくても、落ち着いてからで良いですよ?」と言われた。
ユーリも「僕は自分から出たければ出るから、気にしなくて良いよ!」と言ってくる。
……確かにお前は自分で出れたね?
「でもにぃに、ゼフィアどこにいるの?最近見かけないんだけど……?」
ユーリが不思議そうな顔で俺に聞いてきた。
それを聞いて、リリーさんはそっぽを向く。
……姉さん、もしやゼフィアは俺に返さずに隠すつもり?
しかしその時、リリーさんの懐で『キャンッ!』と鳴き声が聞こえ、ゼフィアか存在を主張する。
それを聞いて、リリーさんは慌てて服の前を抱きしめて隠した。……相変わらずそこに隠しているんだね?
そんなリリーさんを見て、リッキーはため息をつく。
「お前なぁ……ゼフィアはシエルの従魔だろ?なんでお前がずっと預かっているんだ?この前お前の部屋に行った時、ゼフィアにいろんな芸を教え込んでただろ。ゼフィアはそんな体格だが犬じゃないんだぞ?」
リッキーから怒られたリリーさんは渋々胸元の少し大きめのポケットからゼフィアを取り出す。
ゼフィアは俺の顔を見ると嬉しそうに、ちぎれんばかりに尻尾を振っている。
「お久しぶりです、マスター!僕、いろいろ覚えたんですっ!リリーさんに『いろいろ覚えるとシエルが喜ぶわよ?』って言われたので、頑張っていっぱい覚えましたっ!!」
「……。」
……一体、何を教えたんだろうね、姉さん?
リッキーは「芸」って言っていたけど?
俺はジトリとリリーさんを見ると、リリーさんは目線をスイッとそらす。
「じゃあマスター、手を出してください!」
とても嬉しそうにゼフィアはそう言う。
俺は何となくこの後の展開が読めたが、ゼフィアがあまりの喜びようなのでのってやることにした。
手のひらを上に出し、ゼフィアに差し出す。
するとゼフィアは俺の掌に自分のプニプニ肉球を乗せる。
……おお?これは……。
更に『おかわり』として反対の手も乗せてきた。
……交互じゃないんだね?
更にその上から顎も乗せた。
……何を教えてるの、リリーさん?
伏し目がちだった目を上げたゼフィアはとてもいい笑顔で目をうるうるとさせていて、俺は思わずキュンっ!とハートを射抜かれてしまった。……やるな、リリーさん。
するとそれを見たユーリが子竜に変化して、俺の顔にへばりつく。……嫉妬か?
『にぃには僕のパートナーだからね!お前になんて譲らないもん!暫くはその人の所で大人しくしていてよ!』
ユーリはそう言って、ゼフィアに対して激しく怒っていた。
「大丈夫だよ、ユーリ。お前は人化して見た目を俺の兄弟にすることができるんだし、特別な存在だよ。だから落ち着いて!」
俺は必死にユーリをなだめて、落ち着かせる。
……この分じゃ、まだまだユーリと一緒にできそうにないなぁ。はぁ~……。
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