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最終回 エンディング
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「ローズ、君はいつまでその見た目でいるんだい? せっかく愛らしい顔が、髪に隠れて見えないのは少し寂しいものがあるよ。それに、その格好をしていると周囲から色々言われるだろう?」
「誰に何を言われても私は平気です。私は殿下の『影』。目立たない地味な容姿が丁度良い。それに、殿下にふさわしい心根の清い婚約者様を見つけるには、私の野暮ったい見た目は有効です」
「君自身が平気でも、僕は心配だ。君は一生、僕の影でいるつもりかい?」
「勿論です。殿下が私を不要だと仰らない限り、私はいつまでもお側におります」
ルーク殿下は目を細めて嬉しそうに表情を緩めると「そうか――」と呟き、言葉を続けた。
「じゃあ、その一生の責任を僕が取らなきゃいけないね」
「……? それは、どういうことでしょう?」
「まだ分からなくて良いんだよ。……今はまだ、ね。君の心が花開くまで、僕はゆっくり待つさ」
「花開く……? 何のことでしょう。いつか分かる日が来るようになるのでしょうか」
「あぁ、きっとね。案外、その日は近いかもしれない」
なぞなぞみたいな言葉に首をかしげるローズが、彼の真意を知るのはもう少し先のこと――。
数年後。
国民に沢山の祝福を贈られ、身も心も美しく成長した赤薔薇と、麗しの青薔薇が隣り合って咲き誇っている。
『地味でダサくて残念』と馬鹿にしていた者達は、ようやく自らの愚かさと失言に気付いたが……時既に遅し。
薔薇色の人生を歩むローズを見ながら、己の悲惨な人生を嘆くだけだった。
「誰に何を言われても私は平気です。私は殿下の『影』。目立たない地味な容姿が丁度良い。それに、殿下にふさわしい心根の清い婚約者様を見つけるには、私の野暮ったい見た目は有効です」
「君自身が平気でも、僕は心配だ。君は一生、僕の影でいるつもりかい?」
「勿論です。殿下が私を不要だと仰らない限り、私はいつまでもお側におります」
ルーク殿下は目を細めて嬉しそうに表情を緩めると「そうか――」と呟き、言葉を続けた。
「じゃあ、その一生の責任を僕が取らなきゃいけないね」
「……? それは、どういうことでしょう?」
「まだ分からなくて良いんだよ。……今はまだ、ね。君の心が花開くまで、僕はゆっくり待つさ」
「花開く……? 何のことでしょう。いつか分かる日が来るようになるのでしょうか」
「あぁ、きっとね。案外、その日は近いかもしれない」
なぞなぞみたいな言葉に首をかしげるローズが、彼の真意を知るのはもう少し先のこと――。
数年後。
国民に沢山の祝福を贈られ、身も心も美しく成長した赤薔薇と、麗しの青薔薇が隣り合って咲き誇っている。
『地味でダサくて残念』と馬鹿にしていた者達は、ようやく自らの愚かさと失言に気付いたが……時既に遅し。
薔薇色の人生を歩むローズを見ながら、己の悲惨な人生を嘆くだけだった。
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スカッとまでは行かないけれどサクサクとテンポよくて面白かったです。
コメントありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
一部あらすじとタグ変えました。
新作「アデル」もよろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾
ローズちゃんと王子サマが
(やっぱり)ゴールイン♥️小さくても
効果大なざまぁですね😉王子妃になってのざまぁも観たいかも😀
太真様
感想、ありがとうございます(⁎˃ᴗ˂⁎)
ハッピーエンドが好きなので、
やっぱりゴールイン♥️させてしまいました!
効果大と言って頂けて良かったです(*´▽`*)ホッ
王子妃ざまぁ、凄く面白そうです!
書いてみたい!!
これからも色々なお話を書いて投稿しますので、
なにとぞ、よろしくお願いします!
m(_ _)m
おおぅ、見守り隊ならぬ影の軍団?!(笑)
赤い薔薇の君は
影の軍団つくるよねー!(赤影が浮かんできえるお年頃(笑)再々再々放送くらいだからねっ)
もちろん長!
女性ばかりの赤薔薇隊(笑)
男性ばかりの青薔薇隊(笑)
青薔薇隊の長は、、もち旦那様よねー!
最強夫婦爆誕じゃないか!🤣
ちょっとしたおイタならば、ちょっとしたお仕置(笑)
都市伝説的なちょっとした不幸みたいな(笑)
悪さなんかできなくなるよね〜(笑)
これからも
たのしみにしております!
無理なくぼちぼち(・ω・)ぼちぼち
応援してまーす!
dragon.9様
感想ありがとうございます( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
影の軍団作っちゃいました(笑)
女性ばかりの赤薔薇、男性ばかりの青薔薇!
そこまで設定作ってなかったです!
ナイスアイデア(⁎˃ᴗ˂⁎)
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本作、「これはざまぁじゃないよー」と
言われなくてホッとしました~!
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嬉しいですm(_ _)m
よろしくお願いします!