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【異能覚醒編】
297 熱を纏う夜 ★
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唇が絡み合う瞬間、家光の舌が蕩けるように振の口内をゆっくりと這い回る。
久しぶりの熱を帯びた口づけに、振は混乱しながらも、甘く艶めかしい女の舌に自らの舌を絡ませていった。
ちゅく、ちゅく、ちゅく……。
歯列をなぞり、歯茎をくすぐり、舌を絡め合って互いの雫を分かち合う。
はぁ、はぁ、と切なげに漏れる吐息が、虫の声と溶け合いながら、静かな庭の闇に溶け込んでいった。
「ん、んん……、いえ……みつ、さま? はぁはぁ……」
「はぁ、はぁ……。ふ、り……はぁ……、なんか、身体、熱いの……」
一頻り口付けを交わしたあと、ようやく二人は身体を離す。
互いの唇からは銀糸が細く伸びて“ぷつり”と切れた。
懇願するように、家光は上気した顔で振を見つめる。
濡れた唇は光を帯び、潤んだ瞳は甘く揺れる。
荒く乱れる呼吸の合間から、汗に濡れた肌がほのかな芳香を漂わせていた。
「ぁ……」
今宵の家光は刺激が強すぎる。
どうみても、女の本能を暴れさせた姿だった。
まるで、肌の奥底から疼きがせり上がってくるように。
「――助けて」
か細い声が聞こえ、振ははっと息を呑む。
「家光さま、苦しいのですね……?」
「はっ、はっ……」
家光は無意識に振に身体を寄せ、次第に強まる発作に抗えずに帯に手を掛けた。
……振の着物を脱がせようとしているのだ。
「……っ、こ、ここではちょっと……」
一体何があったというのか――急に口吸いをしてきたと思ったら、帯に手を……。
なれど、振に断るという選択肢はない。
必要とされるなら――いつでも、その身を差し出す覚悟はある。
それが、家光さまのためであるならば。
その眼差しが、助けを求めているのならば。
「……っ、わかりました。どうか、少しだけ――お身体、預けてください」
振はそっと家光の手に自らの手を重ね、帯から遠ざけるように優しく包み込んだ。
脱がせようとする指先に、理性の灯をひとすじ、取り戻すように。
「私が……どうにかいたします。どうか、少し、深く息を」
家光は苦しげに肩を上下させながら、掠れた声で縋るように名を呼ぶ。
「……振……、お願い……っ、もう、駄目――」
その声音に、振は瞳を細めた。
甘く、けれども酷く切実で胸を締めつける。
家光の“発情”は、もはや止められないほどに強く……。
「……へ、や」
「はい?」
「振の部屋に連れてって……、いま、すぐ」
「……」
……振は無言で家光を抱き上げた。
浅い呼吸を繰り返す家光に戸惑いながらも、振は自らの頬や首筋を撫でられ、“ちゅっ、ちゅっ”と肩口に口付けをされる。
そのまま、彼女を落とさないよう寝室へ運び込んだ。
「っ(……いつもの家光さまではないけれど……これはこれで愛らしい……)」
瞳を潤ませる家光は微かに震えて振をじっと見ていた。
◇
薄暗い寝室の障子の向こうにわずかな月明かりが差し込む。
家光の呼吸は相変わらず荒く、瞳はいつもの冷静さを失い、内側から何かがほとばしるように震えていた。
「振……離れないで……」
悶えるような声、彼女は必死にしがみ付いたまま、振がしゃがむと勢いよく彼の身体に寄りかかる。
「あっ」
予想外の力に振はバランスを崩し、そのまま褥の上に押し倒されてしまった。
しかし、驚きはあっても拒絶はない。
むしろ愛おしさが滲む眼差しで家光を見つめる。
「家光さま……」
「ふ、り……」
押し倒された形で、家光が振を覗き込んだ。
細身ながらもしっかりとした身体が、力強く繊細に家光を支えている。
家光の重みを感じながら、振は驚きつつも慌てずに優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ、家光さま。あなたのお好きなように」
そう言って、振はゆっくりと家光の乱れた髪を撫で、はにかんでみせた。
そのぬくもりに、家光の瞳が妖しく光る。
……家光はそっと振の浴衣の帯に手を伸ばした。
「はぁ……振、少し、触ってもいい?」
振は驚きながらも静かに頷き、帯が解きやすいように腰を浮かせる。
静かな寝室には家光の荒々しい吐息と、衣擦れの音だけ。
浴衣の柔肌に触れる布の滑らかな感触。指先が帯の結び目をほどき、ゆっくりと解かれていく。
すべて解けると、家光は無言でそれをくるくると手早く巻いて、部屋の隅へと放り投げた。
続けて彼女は、抑えのきかない衝動のまま指先を動かし、振の衿に手をかける。
そして一気に彼の浴衣をあばいた。
……振の白い肌が露わになり、家光の視線は彼の下腹へと注がれる。
そこは既に――褌の下で、息づくように脈打つ熱が静かに盛り上がっていた。
白布越しにわずかに隆起する形は、隠しきれない昂ぶりを物語っている。
それを目にした家光の喉が、つ、と鳴った。
「……振……ここ……こんなに……」
言葉を詰まらせながらも、家光は視線を離さず、そっと褌の上から撫でる。
振の身体が、ぴくりと震えた。
「……恥ずかしい……です、家光さま……」
恥じらうように目を逸らしながらも、彼は拒まない。
むしろ、己の熱を隠すことなく、彼女の手のひらを受け入れていた。
「っぁ」
「かわいい……♡」
小さく零れ落ちた甘声に家光が愉快そうに、くすり。
振の身体は既に火照って、体温が上がっている。
どっ、どっ、どっ、どっ……。
(心の臓が逸って……)
こすこすと優しく撫でる小さな手に、振はこれ以上ない程の悦びを感じた。 恋い慕う相手に、こちらから触れたことはあっても、こうして触れられたのは初めてだ。
……彼女は、経験のない自らが行った拙い行為では、満足できなかったに違いない。
城下から戻って来た家光は、蕾から大輪の花へ――艶やかに、見違えるほど美しく咲き誇っていた。
その艶は、女としての成熟の証か。
あるいは、秘めた情熱が香り立つように外へと滲み出しているのか。
「……家光さま」
振の声は、ほんの少し掠れていた。
それは驚きでもあり、戸惑いでもあり、けれど何よりも喜びに満ちた響き。
「ふふ……なに? 振……」
囁くように笑って、家光はゆっくりと身体を屈める。
そして、褌越しに確かめるように、頬を寄せた。
久しぶりの熱を帯びた口づけに、振は混乱しながらも、甘く艶めかしい女の舌に自らの舌を絡ませていった。
ちゅく、ちゅく、ちゅく……。
歯列をなぞり、歯茎をくすぐり、舌を絡め合って互いの雫を分かち合う。
はぁ、はぁ、と切なげに漏れる吐息が、虫の声と溶け合いながら、静かな庭の闇に溶け込んでいった。
「ん、んん……、いえ……みつ、さま? はぁはぁ……」
「はぁ、はぁ……。ふ、り……はぁ……、なんか、身体、熱いの……」
一頻り口付けを交わしたあと、ようやく二人は身体を離す。
互いの唇からは銀糸が細く伸びて“ぷつり”と切れた。
懇願するように、家光は上気した顔で振を見つめる。
濡れた唇は光を帯び、潤んだ瞳は甘く揺れる。
荒く乱れる呼吸の合間から、汗に濡れた肌がほのかな芳香を漂わせていた。
「ぁ……」
今宵の家光は刺激が強すぎる。
どうみても、女の本能を暴れさせた姿だった。
まるで、肌の奥底から疼きがせり上がってくるように。
「――助けて」
か細い声が聞こえ、振ははっと息を呑む。
「家光さま、苦しいのですね……?」
「はっ、はっ……」
家光は無意識に振に身体を寄せ、次第に強まる発作に抗えずに帯に手を掛けた。
……振の着物を脱がせようとしているのだ。
「……っ、こ、ここではちょっと……」
一体何があったというのか――急に口吸いをしてきたと思ったら、帯に手を……。
なれど、振に断るという選択肢はない。
必要とされるなら――いつでも、その身を差し出す覚悟はある。
それが、家光さまのためであるならば。
その眼差しが、助けを求めているのならば。
「……っ、わかりました。どうか、少しだけ――お身体、預けてください」
振はそっと家光の手に自らの手を重ね、帯から遠ざけるように優しく包み込んだ。
脱がせようとする指先に、理性の灯をひとすじ、取り戻すように。
「私が……どうにかいたします。どうか、少し、深く息を」
家光は苦しげに肩を上下させながら、掠れた声で縋るように名を呼ぶ。
「……振……、お願い……っ、もう、駄目――」
その声音に、振は瞳を細めた。
甘く、けれども酷く切実で胸を締めつける。
家光の“発情”は、もはや止められないほどに強く……。
「……へ、や」
「はい?」
「振の部屋に連れてって……、いま、すぐ」
「……」
……振は無言で家光を抱き上げた。
浅い呼吸を繰り返す家光に戸惑いながらも、振は自らの頬や首筋を撫でられ、“ちゅっ、ちゅっ”と肩口に口付けをされる。
そのまま、彼女を落とさないよう寝室へ運び込んだ。
「っ(……いつもの家光さまではないけれど……これはこれで愛らしい……)」
瞳を潤ませる家光は微かに震えて振をじっと見ていた。
◇
薄暗い寝室の障子の向こうにわずかな月明かりが差し込む。
家光の呼吸は相変わらず荒く、瞳はいつもの冷静さを失い、内側から何かがほとばしるように震えていた。
「振……離れないで……」
悶えるような声、彼女は必死にしがみ付いたまま、振がしゃがむと勢いよく彼の身体に寄りかかる。
「あっ」
予想外の力に振はバランスを崩し、そのまま褥の上に押し倒されてしまった。
しかし、驚きはあっても拒絶はない。
むしろ愛おしさが滲む眼差しで家光を見つめる。
「家光さま……」
「ふ、り……」
押し倒された形で、家光が振を覗き込んだ。
細身ながらもしっかりとした身体が、力強く繊細に家光を支えている。
家光の重みを感じながら、振は驚きつつも慌てずに優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ、家光さま。あなたのお好きなように」
そう言って、振はゆっくりと家光の乱れた髪を撫で、はにかんでみせた。
そのぬくもりに、家光の瞳が妖しく光る。
……家光はそっと振の浴衣の帯に手を伸ばした。
「はぁ……振、少し、触ってもいい?」
振は驚きながらも静かに頷き、帯が解きやすいように腰を浮かせる。
静かな寝室には家光の荒々しい吐息と、衣擦れの音だけ。
浴衣の柔肌に触れる布の滑らかな感触。指先が帯の結び目をほどき、ゆっくりと解かれていく。
すべて解けると、家光は無言でそれをくるくると手早く巻いて、部屋の隅へと放り投げた。
続けて彼女は、抑えのきかない衝動のまま指先を動かし、振の衿に手をかける。
そして一気に彼の浴衣をあばいた。
……振の白い肌が露わになり、家光の視線は彼の下腹へと注がれる。
そこは既に――褌の下で、息づくように脈打つ熱が静かに盛り上がっていた。
白布越しにわずかに隆起する形は、隠しきれない昂ぶりを物語っている。
それを目にした家光の喉が、つ、と鳴った。
「……振……ここ……こんなに……」
言葉を詰まらせながらも、家光は視線を離さず、そっと褌の上から撫でる。
振の身体が、ぴくりと震えた。
「……恥ずかしい……です、家光さま……」
恥じらうように目を逸らしながらも、彼は拒まない。
むしろ、己の熱を隠すことなく、彼女の手のひらを受け入れていた。
「っぁ」
「かわいい……♡」
小さく零れ落ちた甘声に家光が愉快そうに、くすり。
振の身体は既に火照って、体温が上がっている。
どっ、どっ、どっ、どっ……。
(心の臓が逸って……)
こすこすと優しく撫でる小さな手に、振はこれ以上ない程の悦びを感じた。 恋い慕う相手に、こちらから触れたことはあっても、こうして触れられたのは初めてだ。
……彼女は、経験のない自らが行った拙い行為では、満足できなかったに違いない。
城下から戻って来た家光は、蕾から大輪の花へ――艶やかに、見違えるほど美しく咲き誇っていた。
その艶は、女としての成熟の証か。
あるいは、秘めた情熱が香り立つように外へと滲み出しているのか。
「……家光さま」
振の声は、ほんの少し掠れていた。
それは驚きでもあり、戸惑いでもあり、けれど何よりも喜びに満ちた響き。
「ふふ……なに? 振……」
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