逆転!? 大奥喪女びっち

みく

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【異能覚醒編】

313 見世物の閨に咲く ★

 不意に熱い異物が引き抜かれ、家光の内にぽっかりと、やり場のない虚脱感が広がった。
 いつの間にか膝を曲げられ、開かれた腿の付け根は、ひくひくと小さく震えている。


「……っ?」


(もうちょっと、だったのに……)


 期待を裏切られた切なさに、家光が瞳を潤ませて振を見上げると、彼は家光の甘蜜で濡れ光る手のひらを、あえて目の前に突き付けてきた。
 手首まで滴ったそれは、しっかり感じていましたという証拠。


「ぁ……」


(べちょべちょじゃない……)


 あまりの濡れ具合に、家光の顔はぼっと火が点いたように熱くなった。


「……見てください、家光さま。こんなに……♡」


 羞恥に顔を焼かれる家光を、振は逃がさない。
 なんで、そんなものをわざわざ見せつけて……なんて家光は思っていたが――。
 彼はそのまま、蜜まみれの手首を、獲物を味わうような鋭い視線で彼女を射抜きながら、ゆっくりと誇示するように舐め上げ、ふっと笑った。


「っ……」


 あまりに扇情的な彼の様子に、家光の背中にぞくりとしたものが這い上がる。


(わ、たし……振に抱かれるんだ……)


 昨夜は自らが抱いたという自負があるが、今日は振の番。
 振の腰元を見ると、白いふんどしがこんもりと盛り上がり、先端に染みができていた。


「……家光さま。よろしいですか?」

「ぁ……。……はぃ……♡」


 家光の腿のはざまで膝立ちした振が、褌の紐を解き、はらりと取り払う所作が色っぽい。
 そうして現れた彼の熱い塊は、昨夜記憶していたよりも大きく見えた。
 あまりに雄々しくて、中性的な……なんてもう言えない。

 これから訪れるであろう展開に、こくり……家光の喉が小さく鳴った。


「……お迎え、いただけますか……?」


 振の声が、熱を含んだ重低音となって家光の鼓膜を震わせる。
 彼が再び覆い被さってきた瞬間、先ほどまでのひんやりとした空気が一変し、火照った肌と肌が吸い付くように重なった。

 太ももに押し当てられたのは、指とは比較にならないほど太く、脈打つ熱。
 それが、自分の最も柔らかな入り口を、じりじりと力強く押し開こうとしている。


(……来る。……本当に、入ってきちゃう……っ!)


 家光は、あまりの緊張にぎゅっと目を閉じ、くち、という水音がして身構えた。

 ……ところが。


(あれ……? 静か……すぎない……?)


 あんなにやかましかった衝立の向こうが、嘘のように静まり返っている。
 春日局の厳しい指導も、白橿の艶っぽい実況も、さらさらと走っていた筆の音さえも、今は一切聞こえない。

 その沈黙は、雄弁な言葉よりも残酷だった。
 衝立の格子の向こうで、あの二人が……一瞬の動き、一滴の蜜さえも見逃すまいと、息をのんでこちらを凝視している。
 その気配が、肌を刺すような重圧となって家光を襲う。


(見られてる……。私と振ちゃんが繋がる瞬間を、あの福が……、瞬きもせずに見張ってる……っ! てか見ないでよぉぉ……!)


 その背徳感が、家光の身体を「じゅるり」とさらに甘く、強く波打たせた。


「……いえみつさま。……いきますよ……」


 振が、家光の膝をさらに大きく開き、その熱い塊の先端を、蜜に濡れた谷間へと沈ませた。


「あ……、ひ……っ!」


 ぬちり、と重い音がして、熱い異物が内壁を押し広げながら侵入してくる。
 昨夜、自分が振に与えていたはずの刺激が、今は何倍もの重みと快感になって自分を貫いていく。


「ンンーーッッ! ……あぁ、ぁあああっ……♡♡」


 指では決して届かなかった最奥の聖域に、振の熱が「ずん」と深く、容赦なく突き立てられた。
 一気に胃の腑まで突き上げられるような、圧倒的な充足感。
 先ほど寸止めされたからか、余計に感じて、大きな波に呑まれる。


「はぁ、……あ……。……はいり、ました……。家光さま……、わたくしの……、……わかりますか……?」


 家光の首筋に顔を埋め、振が“ぢゅぅっ”と肌に赤い印を刻み付け、野性味を帯びた掠れた声で囁く。
 繋がった場所から伝わる、ドクンドクンという彼の力強い鼓動。

 振が奥へと入ってきた瞬間、家光は達してしまったのだ。


(これっ、いま、擦られたらやばい……!)


 家光は黙ったまま何度もうなずく。

 ……その時。
 静寂を切り裂くように、衝立の向こうで「ごくり」と、どちらかが生唾を呑み込む音が聞こえた。


『……ふぅ。……これほどとは』


 春日局の、低く、痺れるような吐息。
 もはや指導することさえ忘れ、一人の“男”として、あるいは“教育者”として、目の前の凄まじい睦み合いに圧倒されている……。

 家光からは見えなかったが、春日局の顔がわずかに赤みを帯びていた。


(……っ! あー、もう! 今の声で、また変なスイッチ入っちゃったじゃない……っ!)


 家光の身体が、繋がったままの振を“ぎゅっ”と、吸い付くように締め上げる。


「――っ! いえみつ、さま……っ、……そんなに、……しめつけられたら……っ」


 振の余裕が、一瞬で崩れる。
 彼は家光の肩を掴む手に力を込め、腰を、ゆっくりと、けれど深く……、抉るように動かし始めた。


「んああああっっ♡ だめっ振っ、いま、動いちゃ、やっ……♡ もう、イッちゃってて……!」

「くっ……。申し訳ありません……! やめて差し上げたいのですが、止められません……!」

「ん、ああああぁっ♡」


 ぬち、ぬち、ぬちゅ、ぬちゅと、ゆっくりではあるが、徐々に腰を突く速度が上がっていく。
 すでに限界を超えた感度は、振が少し腰を動かすたびに、火花が散るような衝撃を脳に送り込んでくる。
 家光の肌は粟立ち、瞳に涙がにじんだ。 


「はっ、はぁっ……はぁ……っ、お、奥……どう、です、か……?」

「ふぁあああんんっっ……♡♡」


 逃げ場のない褥の上。家光の指先は、敷布をひっかき、行き場を失って振の背中に回された。


(……だめ。このままじゃ、私……本当におかしくなっちゃう……っ!)


 激しく抉られ、奥の“そこ”を執拗にこすり上げられる。
 そのたびに、家光の腰が自分でも驚くほど小さく、けれど確かに振の動きを追いかけるように、ぴくんと跳ねた。


「……はぁ、……家光さま。……ご自分から、……擦り寄ってくださるのですか……?」

「――っ、ちが、……これは、かってに……っ♡」


 否定する唇とは裏腹に、家光の腰はさらなる深みを求めて振の肉塊を迎え入れるように……遠慮がちに、ゆらりと揺れる。
 ほんのわずかな、けれど切実な誘い。

 それに気づかない振ではない。


「……あぁ、……うれしい。……もっと、……もっと、私を……欲しがってください……!」


 振の突きがさらに深く、重くなる。
 家光は羞恥心に悶えながらも、彼がもたらす圧倒的な“個”の熱量に、ただただ翻弄されるしかなかった。


(ふぁぁん……もぉ、いいやぁ~……♡♡ 福に見られてるとか、白橿に書かれてるとか……。……いま、気持ちいいのは……わたしなんだから~~♡♡)


 家光の脚が、振の腰をぎゅっと絡めとる。
 自分でも信じられないほど大胆に、けれど動きはどこまでもたどたどしく、彼を逃さないように腰を揺らす。


「――っ!! 家光、さま……っ!」


 その必死で愛らしい誘いに、振の理性がついに千切れた。
 衝立の向こうで、白橿が「あぁっ……!」と短く声を上げ、筆を落とす音がした……。

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