異世界に居る夫に会いたいのですが!?

由紀

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火曜日

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うう…お腹痛い。

急に来てしまった生理痛に苦しみながら、マンションに帰ると部屋のベッドに転がり踞る。
あーダメダメ。着替えてお風呂に入…れない。痛すぎて動けないってば。無理やり痛み止めの薬を口に放り込み、強く目を瞑る。こんな時、独り身の悲しさを感じて泣きそうになる。
体調が辛いと、精神も滅入ってきちゃう。

お腹を押さえ、少しずつ効いてきた薬に眠気も訪れてくる。こんな格好で彼に会うのは申し訳ないけど、もう無理だ…。










う…夢に入っちゃったかあ。

仕事着のスーツにスラックス、直してもいない顔の化粧に溜め息が洩れる。幸い身体の辛さは夢に反映されず、諦めて室内を見渡す。広々とした室内には、本棚が壁一面に置かれ難しそうな書物で埋め尽くされている。 
寝室に併設された小部屋には、仕事机があり巻物や書類や羽根ペンやら、参考文献が散らかっている。
何となくそれらを整えている間に、扉から入室する足音が聞こえる。

背後からそっと抱き締められ、肩に顎を乗せられる。

「…ふふ。宰相様はお疲れなの?」  
「ええ、そうです。可愛い妻に癒されないと、元気が出ません。」

白い髪をオールバックにして、冷たい雰囲気を漂わせた3つ年上の美貌の男性。彼はある大国の若くして宰相を務める仕事人間らしい。もしも初対面なら絶対に話し掛けられないタイプだが、彼が10才の頃に夢で会うようになって、のんびり図鑑を一緒に見ていた仲なので今さら気にならない。 

「…今日は仕事終わりに来ちゃったから、あまり側に来ないで欲しいかも。」
「勿論嫌です。」 
「うう、横暴ー。最低ー。冷血漢ー。」

此方の軽口にクスクス笑う相手を恨めしげに見るが、その瞳に熱が籠るのに気付く。身体の向きを変えて自分から抱き付けば、強く抱き締め返される。
夢の世界の男性がそうなのか、彼らは一様に情熱的に愛を捧げてくる。

「…ユーカ。」
「マティ。」

マティアス=バルツァー。神経質そうで周囲に冷血漢だと言われる…と自分で言う彼は、私には弱音や愚痴を吐き出してくれている。夢の中なのに、彼の重責は大変らしく、会えばその疲れを癒してあげたいと思う日々だ。
優しい口付けに応え、素早く寝室へと運ばれる。当時18歳になったマティアスにプロポーズされた。その時まで穏やかで落ち着いた彼は、堰を外したように行動に表してくるようになったのを覚えている。

私の2番目の旦那様は、もし現実に会えたら何でも欲しい物を買ってくれそうだ。









ん…んーまだ眠いなあ。
あ、良かった。大分身体が楽になってる。






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