異世界に居る夫に会いたいのですが!?

由紀

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木曜日

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あー、やっと木曜日。流石に週末の疲れがくるなあ。

久しぶりに残業は無かった為、帰りに居酒屋で一人飲みを楽しんだ後、気持ち良く帰宅する。化粧を落としてフェイスパックをした後、お風呂に入って室内着に着替える。 
日常である一連の流れを終え、ベッドにダイブすると疲れからなのか直ぐに眠気に襲われた。
んー、そういえば友達に返信してないっけ。
端末を手に取ったものの、眠気に抗えず遠退く意識とそのまま心地好く微睡んでいった。









目を覚まして気付いた室内は、一つひとつの物は高級そうだが至ってシンプルな佇まいとなっている。
部屋は人柄を映すと言うが、彼に関してはそうは言えないだろう。
奥にある寝室に向かい、広々とした寝台に寝転がる。

「…やあ、私の麗しき妻よ。いつもながら愛らしい顏を見られて、我が身の幸せを噛み締めているよ!」
「こんばんは、ニコラ。」

大げさな身ぶりで愛を伝えてくる相手へ、にこやかに挨拶をしておく。藍色の長い髪を緩く纏めている麗人は、細身で優男といった外見だ。
ニコラ=スコット。大商人で、多くの商業連合を纏めているらしい。彼の采配一つで小さな国なら潰せる、と笑って言っていた時は夢とはいえ驚いたものだ。

「この前言ってた仕事は上手くいったの?」
「ああ!勿論だとも。これも全て、君の存在が私の活力となっているからに違いない。」

いつもながら芝居めいた彼の表現は、決して作ったものでは無くこれが彼の素なのだ。
この3番目の旦那様は、唯一私と同じ年齢だったりする。7歳の時に夢で出会った彼は何処か人形めいていて、毎週此方から話し続けていったことで、やっと感情を見せるようになった。彼から観劇の様なプロポーズを受けた時は、色々な意味で嬉しかったものだ。

私の隣に横になる彼の表情は生き生きとしていて、寝物語に聞かせてくれる彼の仕事の話しは心踊らせてくれるのだ。
視線を感じて顔を向けると、目が合い途端に蕩ける瞳と優しい微笑を贈られる。お互いに横になったまま手を取られ、手の甲にそっと唇を落とされた。 

上体を起こす相手の距離が縮まっていき、頬から唇へと時間をかけて口付けられる。

「愛しているよ、君の欲しい物なら世界の果てだとて、全てかき集めて来よう。ユーカ…私の生きる意味であり、生きる為の愛しい人。」

嬉しい、と笑みを返すと相手の瞳が和らぐ。
いつも思う、この夢が覚めなければ良いのにと。












夢だと知っているのに、
何で涙が出てくるのかな。

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