結婚は減点方式

甘噛屋

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始まりに

つわりで苦しむ私を見ても『大変そうだね』で終わるあいつ。

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 ざっくりとですが、私の旦那への愚痴が始まった経緯をば。


 
 現在、2児の母として生活していますが、幸いなことに長男の時のつわりは比較的軽いものでした。

 我慢できる程度の乗り物酔い。
 朝にだけおきる吐き気は、水を飲んで吐くというルーティンをする事で気分的に楽に。
 若干の貧血はありましたが、薬で直ぐに正常値に戻るなど、大幅な不調は出産直前まではありません。
 なので、夫に対する不満だってありません。


 ですが、里帰りから帰ってきてからのが、寧ろ不満大爆発です。


 まず、オムツ換えをしない。
 夜泣きは起きない。
 夜泣きで寝不足だと機嫌が悪くなる。
 何一つ出来ていないと重箱の隅をつつく小姑へ変貌。
 家にいる=家事も出来て当たり前。の思考なのです。

 なので、2人で分担していた皿洗いや、掃除、ゴミ出しはこの時から私へ徐々にシフトしていきました。


 で、ここから私の夫への減点方式が始まるのです。





 極めつけは2人目の妊娠中です。
 
 水を飲んでは吐き、ご飯や味噌汁の匂いで吐き、ご飯を食べる度に数十分後にトイレへ向かい、全てを出しきる。
 移動で乗り物に乗れば吐き気と頭痛に悩まされ、休憩しながらでなければ電車には乗れません。

 そんな生活で、4週に1回の妊婦健診で最高4kgの体重減少で、医者から入院を提案されるまでに。
 それでも、夫が私にかけた言葉は。

 「大変そう。とりあえず、汚さないでね」

 今でも思い出します。
 あぁ、このままではダメだ。と判断した私は、保育園の関係上一時的に短期復帰するまでの3週間、子どもを連れて実家へ帰ることに。

 なにせ、家事が出来ないのです。
 立っているのすら苦しく、まだまだ構って欲しい年頃の息子を相手に出来ない。
 ですが、どこかで時間を取らなければ家事が出来ない。まだ、ちょこちょこ夜中に起きてしまう息子を相手にしながら、つわりと戦い、家事をこなすなど、普段どんなに元気で明るい事が自慢の私でも無理です。

 なので、家事や育児について夫と大喧嘩した翌朝。


 『もう無理です。これ以上は堪えられません。無理です。体力的にも精神的にも、生活が困難ですので実家へ帰ります』

 とLINEして帰ってやりました。
 その間、夫のLINEは非通知にして、連絡手段も柔らかく遮断。
 通話も殆どしませんでした。


 そして、妊婦検査と短期復職の為に自宅へ帰る頃には、精神的にも落ち着き、つわりも徐々に軽くなってきていました。


 今思えば、情緒不安定だったなぁとも思います。
 もう少し我慢していたら、恐らくですが妊娠鬱に繋がったかもしれないほど、私は精神的におかしくなりかけていたのかもしれません。


 夜泣きの子どもを見ながらただ涙を流したり、洗い物をしながらぼーっと一点を見つめていたり、洗濯物を畳みながら涙を流したり。
 泣くとは違う、込み上げる涙をただただ流して、泣いていると気付くまでに時間がかかったりと、ちょっとおかしかった気がします。

 2人で育てているはずなのに、苦しいのも、辛いのも、気持ち悪いのも、痛いのも私だけ。
 仕事で疲れているだろうと気を遣っているのは私だけで、夫から気にかけられた記憶などありません。

 夫は気にしていたつもりなのでしょうが、所詮つもり。
 そんなもんなのだと、諦めたのは2人目の育児を開始してから。

 ここからは、項目ごとにもはや口に出さなくなった飽きれ愚痴を取り上げて参ります。
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