26 / 69
第6話 剣客と神算、そして奇策と青燐 4/4
しおりを挟む
5.青燐(せいりん)の幻影、嗤う道化師
郭嘉との間に「共犯の契約」が結ばれた、その直後のことだった。
水鏡塾の書庫にある隠し部屋。興奮と不安がまだ冷めやらぬ中、扉が控えめに、しかし執拗にノックされた。
コン、コン、コン……。
規則的だが、どこか躊躇いがちな音だ。
徐福が瞬時に反応し、剣の柄に手をかけて扉に近づいた。
「誰だ」
「あ、あの……僕だよ。李譔(りせん)だ」
徐福が警戒しつつ扉を少し開けると、そこには小柄で猫背の学生、李譔が立っていた。
彼は普段から、誰も読まないような古い技術書や怪しげな方術書を読み漁り、独り言を呟いている変わり者として知られている。
李譔は部屋の中の異様な殺気に縮み上がりながら、それでも部屋に入ろうと体を滑り込ませた。
「な、何の用だ。俺たちは今、取り込み中だ」
徐福が追い返そうとするが、李譔は必死に食い下がった。
「き、聞こえちゃったんだ……。賈仁を……やるんだよね?」
室内が凍りついた。向朗の顔から血の気が引く。
聞かれた。計画が漏れた。
徐福の目に険しい光が宿る。口封じが必要か――そう判断しかけた瞬間、李譔は震える声で叫んだ。
「ぼ、僕にも……手伝わせてよ!柳安君のこと……許せないんだ!」
その言葉に、殺気が霧散し、困惑が広がった。
向朗は眼鏡の位置を直し、李譔を見つめた。
「手伝う?気持ちは嬉しいが、これは遊びじゃない。君のような腕力のない人間が関わっていいことじゃないんだ」
「そうだよ。家に帰って亀の甲羅でも磨いてな」
徐福も冷たく突き放す。
だが、李譔は引き下がらなかった。彼はオドオドとした態度を一変させ、早口でまくし立て始めた。
「郭嘉君の策……『潜入』だよね。盗み聞きしてごめん。でも、まだ足りない。成功確率は低いよ」
「なんだと?」
「賈仁は臆病だ。宴会で外部の人間を入れるとしても、監視の目は厳しい。……ただ紛れ込むだけじゃ、怪しまれて終わりだ。彼らの意識を、僕たち以外に向けさせなきゃ」
「意識を?」
「そう。騒ぎを起こすなら、『別の騒ぎ』も起こさないとね」
李譔の瞳が、奇妙な光を帯びていた。それは怯えではなく、自分の専門分野を語る職人の目だった。
6.狐火の奇術
李譔は卓上の図面を指差した。
「賈仁の屋敷には……出るんだよ。怨霊が」
「はあ?」
徐福が呆れた声を上げた。
「何言ってんだ。そんな非科学的なこと。俺たちがやろうとしてるのは、現実の暗殺だぞ」
「ぐふふ……」
李譔は不気味に笑った。
「計画だよ、徐福君。屋敷の古井戸には、無実の罪で殺された柳安の霊が出る。そして庭の土の下には、口封じに殺された侍女たちが埋められている……という噂を流すんだ」
向朗は首を振った。
「噂を流してどうする。そんな子供騙しの怪談、誰も信じないし、屈強な警備兵が怖がって逃げ出すとも思えない。無駄な労力だ」
李譔は人差し指をチッチッチと振った。
「信じさせる?違うよ、向朗君。……『何かある』と意識を向けさせるんだ」
その瞬間、李譔が懐から何かを取り出し、右手で軽く放り投げた。
ボッ!
暗い室内に、突如として青白い炎が出現した。
それはゆらゆらと空中で揺らめき、まるで生きているかのように漂った。
「うわっ!?」「火だ!」
向朗、徐福、石韜、孟建。そして後ろで寝転んでいた郭嘉までもが、その不可思議な現象に目を奪われた。
美しいような、おぞましいような、冥府の青。
数秒後、炎はパッと掻き消えた。
「……な、なんだ今のは」
徐福が剣に手をかけたまま問う。
李譔は「ぐふふ」と小さく笑い、今度は左手を掲げた。
「ほら。……屋敷に忍び込めた。そゆこと」
全員が息を呑んだ。
李譔の左手には、いつの間にか卓上にあったはずの「賈仁屋敷の重要図面」が握られていたのだ。
彼が図面に手を伸ばした瞬間を、誰も見ていなかった。
全員が、右手の「青い炎」に釘付けになっていたからだ。
パン、パン、パン。
乾いた拍手が響いた。郭嘉が、腹を抱えて笑っている。
「ハハハ!面白い!これだよ、これ!これが策ってやつだ。『視線誘導』か!」
李譔は鼻を鳴らし、図面を卓に戻した。
「人間はね、得体の知れないものを見ると、視野が極端に狭くなるんだ。……警備兵が『お化け』を怖がって暗闇を凝視している間、君たちは堂々と『明かりの下』を歩ける。そういう理屈さ」
向朗は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
この男、ただの変人ではない。人の認知の穴を突く、別の意味での天才だ。
「……分かった。採用だ、李譔。君の『怪奇』も、僕たちの計算式に組み込もう」
7.三日後の決算
夜明けの光が、書庫の埃の中に鋭い筋を引いた。
もはや、そこにいたのは「水鏡塾の学生」ではなかった。
友の無念をその身に刻んだ者、数字の歪みを許せぬ者、法の限界を知った者、そして、その危うい熱狂を愛でようとする者。
目的も、動機も、胸に秘めた想いも六人六様。
だが、彼らの視線の先にあるのは、ただ一点。陽翟の街を病ませる、賈仁という名の「不条理」であった。
「……三日後だ」
徐福が、鞘に納めた剣の重みを確かめるように呟いた。
「三日後、賈仁が宴を開くその夜、すべてを終わらせる。……柳安に、良い報告ができるようにな」
向朗は、算木を丁寧に袋に収めた。
「……三日。それまでに、すべての不確定要素を計算から排除する。一分の狂いもない、完璧な『死の算譜』に仕上げてみせるよ」
向朗の横顔は、もはや書生のそれではない。不正な数値を一掃しようとする、峻烈な監査官の如き厳しさに満ちていた。
「くくっ、期待しているよ」
郭嘉は、梯子に腰掛けたまま、瓢箪を振った。
「義に、理に、法に、知に、怪。……これに僕の『興』が加われば、どんな名軍師の布陣も形無しだ。三日後、この腐った街にどんな風が吹くのか、今からぞくぞくするねぇ」
郭嘉が瓢箪をあおり、不敵に笑う。その笑みは、共犯者たちの決意をより深く、暗い深淵へと誘うかのようだった。
窓の外では、陽翟の街が目覚めようとしていた。何も知らぬ民衆が歩き出し、昨日と同じ不条理な一日が始まる。だが、その水面下では、六人の若き才気と狂気が、歴史の歯車を強引に噛み合わせようとしていた。
三日の猶予。それは、ある者にとっては復讐の準備期間であり、ある者にとっては論理の完成へのカウントダウンであり、ある者にとっては、稀代の道化師が仕掛ける壮大な「遊び」への幕間に過ぎない。
蝋燭が、最後の一振りを残して静かに消えた。立ち上る一筋の煙が、六人の影を繋ぐように揺らめき、そして朝風に消えた。
三日後。陽翟の夜は、青い燐光と、冷徹な理(ことわり)によって、塗り替えられる。復讐の、そして「完全犯罪」の幕が、静かに上がろうとしていた。
郭嘉との間に「共犯の契約」が結ばれた、その直後のことだった。
水鏡塾の書庫にある隠し部屋。興奮と不安がまだ冷めやらぬ中、扉が控えめに、しかし執拗にノックされた。
コン、コン、コン……。
規則的だが、どこか躊躇いがちな音だ。
徐福が瞬時に反応し、剣の柄に手をかけて扉に近づいた。
「誰だ」
「あ、あの……僕だよ。李譔(りせん)だ」
徐福が警戒しつつ扉を少し開けると、そこには小柄で猫背の学生、李譔が立っていた。
彼は普段から、誰も読まないような古い技術書や怪しげな方術書を読み漁り、独り言を呟いている変わり者として知られている。
李譔は部屋の中の異様な殺気に縮み上がりながら、それでも部屋に入ろうと体を滑り込ませた。
「な、何の用だ。俺たちは今、取り込み中だ」
徐福が追い返そうとするが、李譔は必死に食い下がった。
「き、聞こえちゃったんだ……。賈仁を……やるんだよね?」
室内が凍りついた。向朗の顔から血の気が引く。
聞かれた。計画が漏れた。
徐福の目に険しい光が宿る。口封じが必要か――そう判断しかけた瞬間、李譔は震える声で叫んだ。
「ぼ、僕にも……手伝わせてよ!柳安君のこと……許せないんだ!」
その言葉に、殺気が霧散し、困惑が広がった。
向朗は眼鏡の位置を直し、李譔を見つめた。
「手伝う?気持ちは嬉しいが、これは遊びじゃない。君のような腕力のない人間が関わっていいことじゃないんだ」
「そうだよ。家に帰って亀の甲羅でも磨いてな」
徐福も冷たく突き放す。
だが、李譔は引き下がらなかった。彼はオドオドとした態度を一変させ、早口でまくし立て始めた。
「郭嘉君の策……『潜入』だよね。盗み聞きしてごめん。でも、まだ足りない。成功確率は低いよ」
「なんだと?」
「賈仁は臆病だ。宴会で外部の人間を入れるとしても、監視の目は厳しい。……ただ紛れ込むだけじゃ、怪しまれて終わりだ。彼らの意識を、僕たち以外に向けさせなきゃ」
「意識を?」
「そう。騒ぎを起こすなら、『別の騒ぎ』も起こさないとね」
李譔の瞳が、奇妙な光を帯びていた。それは怯えではなく、自分の専門分野を語る職人の目だった。
6.狐火の奇術
李譔は卓上の図面を指差した。
「賈仁の屋敷には……出るんだよ。怨霊が」
「はあ?」
徐福が呆れた声を上げた。
「何言ってんだ。そんな非科学的なこと。俺たちがやろうとしてるのは、現実の暗殺だぞ」
「ぐふふ……」
李譔は不気味に笑った。
「計画だよ、徐福君。屋敷の古井戸には、無実の罪で殺された柳安の霊が出る。そして庭の土の下には、口封じに殺された侍女たちが埋められている……という噂を流すんだ」
向朗は首を振った。
「噂を流してどうする。そんな子供騙しの怪談、誰も信じないし、屈強な警備兵が怖がって逃げ出すとも思えない。無駄な労力だ」
李譔は人差し指をチッチッチと振った。
「信じさせる?違うよ、向朗君。……『何かある』と意識を向けさせるんだ」
その瞬間、李譔が懐から何かを取り出し、右手で軽く放り投げた。
ボッ!
暗い室内に、突如として青白い炎が出現した。
それはゆらゆらと空中で揺らめき、まるで生きているかのように漂った。
「うわっ!?」「火だ!」
向朗、徐福、石韜、孟建。そして後ろで寝転んでいた郭嘉までもが、その不可思議な現象に目を奪われた。
美しいような、おぞましいような、冥府の青。
数秒後、炎はパッと掻き消えた。
「……な、なんだ今のは」
徐福が剣に手をかけたまま問う。
李譔は「ぐふふ」と小さく笑い、今度は左手を掲げた。
「ほら。……屋敷に忍び込めた。そゆこと」
全員が息を呑んだ。
李譔の左手には、いつの間にか卓上にあったはずの「賈仁屋敷の重要図面」が握られていたのだ。
彼が図面に手を伸ばした瞬間を、誰も見ていなかった。
全員が、右手の「青い炎」に釘付けになっていたからだ。
パン、パン、パン。
乾いた拍手が響いた。郭嘉が、腹を抱えて笑っている。
「ハハハ!面白い!これだよ、これ!これが策ってやつだ。『視線誘導』か!」
李譔は鼻を鳴らし、図面を卓に戻した。
「人間はね、得体の知れないものを見ると、視野が極端に狭くなるんだ。……警備兵が『お化け』を怖がって暗闇を凝視している間、君たちは堂々と『明かりの下』を歩ける。そういう理屈さ」
向朗は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
この男、ただの変人ではない。人の認知の穴を突く、別の意味での天才だ。
「……分かった。採用だ、李譔。君の『怪奇』も、僕たちの計算式に組み込もう」
7.三日後の決算
夜明けの光が、書庫の埃の中に鋭い筋を引いた。
もはや、そこにいたのは「水鏡塾の学生」ではなかった。
友の無念をその身に刻んだ者、数字の歪みを許せぬ者、法の限界を知った者、そして、その危うい熱狂を愛でようとする者。
目的も、動機も、胸に秘めた想いも六人六様。
だが、彼らの視線の先にあるのは、ただ一点。陽翟の街を病ませる、賈仁という名の「不条理」であった。
「……三日後だ」
徐福が、鞘に納めた剣の重みを確かめるように呟いた。
「三日後、賈仁が宴を開くその夜、すべてを終わらせる。……柳安に、良い報告ができるようにな」
向朗は、算木を丁寧に袋に収めた。
「……三日。それまでに、すべての不確定要素を計算から排除する。一分の狂いもない、完璧な『死の算譜』に仕上げてみせるよ」
向朗の横顔は、もはや書生のそれではない。不正な数値を一掃しようとする、峻烈な監査官の如き厳しさに満ちていた。
「くくっ、期待しているよ」
郭嘉は、梯子に腰掛けたまま、瓢箪を振った。
「義に、理に、法に、知に、怪。……これに僕の『興』が加われば、どんな名軍師の布陣も形無しだ。三日後、この腐った街にどんな風が吹くのか、今からぞくぞくするねぇ」
郭嘉が瓢箪をあおり、不敵に笑う。その笑みは、共犯者たちの決意をより深く、暗い深淵へと誘うかのようだった。
窓の外では、陽翟の街が目覚めようとしていた。何も知らぬ民衆が歩き出し、昨日と同じ不条理な一日が始まる。だが、その水面下では、六人の若き才気と狂気が、歴史の歯車を強引に噛み合わせようとしていた。
三日の猶予。それは、ある者にとっては復讐の準備期間であり、ある者にとっては論理の完成へのカウントダウンであり、ある者にとっては、稀代の道化師が仕掛ける壮大な「遊び」への幕間に過ぎない。
蝋燭が、最後の一振りを残して静かに消えた。立ち上る一筋の煙が、六人の影を繋ぐように揺らめき、そして朝風に消えた。
三日後。陽翟の夜は、青い燐光と、冷徹な理(ことわり)によって、塗り替えられる。復讐の、そして「完全犯罪」の幕が、静かに上がろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
【完結】『謀反人の汚名を着た武田信玄 ~残された秘策と隠された忠義~』
月影 朔
歴史・時代
元亀四年、病で倒れたとされる武田信玄は生きていた。天下の行く末を憂う彼は、あえて「謀反人」の汚名を着て影で活動する。その真意を探る密命を受けた若き忍び・疾風の小太郎は、信玄が残した「秘策」を求め、旅に出る。
各地で出会う仲間たち、そして織田信長の放つ刺客との死闘の中で、小太郎は信玄の壮大な計画の全貌に迫っていく。それは、武力による統一ではなく、人の心を繋ぎ、古き良き日本の魂を取り戻すための、深謀遠慮の策だった。
信玄の真の忠義が試される時、歴史は大きく動き出す。これは、影で天下を動かした男と、その志を継ぐ若者が織りなす、感動と成長の戦国絵巻である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる