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第7話「ドSの所以? 意地悪な言葉に翻弄される」
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「やれやれ……」
ロイ王子が帰ったあと、私は応接室に沈み込むように座っていた。姉のセレナとアリスが慌てて駆け寄ってきた。
「シルヴィア、大丈夫?顔が赤いわよ?」
「うん……大丈夫じゃないかも。あの人、何を考えてるのか全然わからない」
素直な感想が口をついた。今まで色々な相手とお見合いしてきたが、こんなに振り回されるのは初めてだ。私がどんな反応をするか楽しんでいるように見える。
「まさにドS……噂通りというか、言葉で翻弄してくるタイプなのね」
セレナが苦笑する。私は項垂れるようにうなずいた。
「多分、こっちが抵抗すると、余計にやる気を出すタイプ……」
そこへアリスが差し出したのは、冷たいおしぼりだった。私はそれを受け取り、火照った頬を冷やす。
「お嬢様、宮殿のほうで開かれるお茶会に招かれているそうですね。どうされますか?」
「行きたくない……っていうのが本音。だけど、これ以上逃げ回るわけにもいかないし」
本当に厄介だ。けれど、せっかくの機会という見方もある。ロイ王子という人物をもっと知るには、こちらから動いてみるのも一つの手かもしれない。
「それにしても、あの王子様の態度……悪役令嬢とかいう噂に興味があるって言われたわけ?」
セレナが思い出したように問いかける。私は小さくうなずいた。
「“噂の多い女性のほうが面白い”……そんなことを言われて。正直、馬鹿にされてるのか、褒められてるのか、よくわからない」
「でも彼なりに真剣なのかもしれないわ。もともと王族って、建前や礼儀に縛られがちだけど……ロイ王子は逆に“本音”を大事にしてる感じがする」
セレナの言葉に、私は少し考え込む。確かに、ロイ王子の言葉は遠回しな嫌味ではなく、あくまで直接的だ。相手を観察して、その真意を引き出そうとしているようにも見える。
「……もしかすると、本当に好意を持たれてる可能性もある?」
「どうなのかな……私も確信はないけど、敵意はないように思えたわよ?」
セレナの意見に、私はわずかに息をついた。確かに、ロイ王子は私を潰そうとしているとか、利用しようとしているという雰囲気はなかった。ただ、その“興味”が純粋かどうかはわからない。
「……もう少しだけ会ってみるよ。お茶会に行って、私なりに確かめてみる」
決意を口にすると、アリスとセレナは「それがいいわね」と頷いてくれた。だが、17回目にしてこの縁談がどう転ぶか想像もつかない。私は、再び不安と期待に胸を揺らしながら、大きくあくびをした。
「まずは……今日の疲れをとりたい」
「あら、相変わらずね。じゃあゆっくり休みなさい」
セレナに促され、私は立ち上がる。心のどこかにロイ王子の姿が焼き付いたままで、眠れそうにない気がしつつも、体は正直に眠気を訴えてくる。
ドS王子に翻弄されているだけじゃない……なんとなくそんな予感がして、私はそっと胸に手を当てた。
ロイ王子が帰ったあと、私は応接室に沈み込むように座っていた。姉のセレナとアリスが慌てて駆け寄ってきた。
「シルヴィア、大丈夫?顔が赤いわよ?」
「うん……大丈夫じゃないかも。あの人、何を考えてるのか全然わからない」
素直な感想が口をついた。今まで色々な相手とお見合いしてきたが、こんなに振り回されるのは初めてだ。私がどんな反応をするか楽しんでいるように見える。
「まさにドS……噂通りというか、言葉で翻弄してくるタイプなのね」
セレナが苦笑する。私は項垂れるようにうなずいた。
「多分、こっちが抵抗すると、余計にやる気を出すタイプ……」
そこへアリスが差し出したのは、冷たいおしぼりだった。私はそれを受け取り、火照った頬を冷やす。
「お嬢様、宮殿のほうで開かれるお茶会に招かれているそうですね。どうされますか?」
「行きたくない……っていうのが本音。だけど、これ以上逃げ回るわけにもいかないし」
本当に厄介だ。けれど、せっかくの機会という見方もある。ロイ王子という人物をもっと知るには、こちらから動いてみるのも一つの手かもしれない。
「それにしても、あの王子様の態度……悪役令嬢とかいう噂に興味があるって言われたわけ?」
セレナが思い出したように問いかける。私は小さくうなずいた。
「“噂の多い女性のほうが面白い”……そんなことを言われて。正直、馬鹿にされてるのか、褒められてるのか、よくわからない」
「でも彼なりに真剣なのかもしれないわ。もともと王族って、建前や礼儀に縛られがちだけど……ロイ王子は逆に“本音”を大事にしてる感じがする」
セレナの言葉に、私は少し考え込む。確かに、ロイ王子の言葉は遠回しな嫌味ではなく、あくまで直接的だ。相手を観察して、その真意を引き出そうとしているようにも見える。
「……もしかすると、本当に好意を持たれてる可能性もある?」
「どうなのかな……私も確信はないけど、敵意はないように思えたわよ?」
セレナの意見に、私はわずかに息をついた。確かに、ロイ王子は私を潰そうとしているとか、利用しようとしているという雰囲気はなかった。ただ、その“興味”が純粋かどうかはわからない。
「……もう少しだけ会ってみるよ。お茶会に行って、私なりに確かめてみる」
決意を口にすると、アリスとセレナは「それがいいわね」と頷いてくれた。だが、17回目にしてこの縁談がどう転ぶか想像もつかない。私は、再び不安と期待に胸を揺らしながら、大きくあくびをした。
「まずは……今日の疲れをとりたい」
「あら、相変わらずね。じゃあゆっくり休みなさい」
セレナに促され、私は立ち上がる。心のどこかにロイ王子の姿が焼き付いたままで、眠れそうにない気がしつつも、体は正直に眠気を訴えてくる。
ドS王子に翻弄されているだけじゃない……なんとなくそんな予感がして、私はそっと胸に手を当てた。
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