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王宮の大広間に灯りが増え、夜の舞踏会が本格的にスタートした。ディーンとの一悶着を終え、アリスはフローレンスやエリックのサポートを受けながら、夕食後のダンスタイムに再び挑もうとしていた。
「ふぁ……ちょっとお腹いっぱいで眠くなりそう。でも、寝ないでがんばります」
アリスは軽く背伸びをしながら意気込む。ディーンのことで緊張感が張り詰めていたせいか、疲労はあるが逆にアドレナリンが出ているようにも感じる。
「アリス、まだ踊るのか? そろそろ休んでもいいんじゃないか」
エリックが心配そうに声をかけるが、アリスは小さく首を振った。
「クライヴさまと、もう一度ちゃんと踊りたいなって思ってるんです。……わたしなりに、伝えたいことがあって」
「伝えたいこと?」
「うん……まだ婚約を再開するとかそういう話じゃないです。けど、わたし自身が逃げたりせずに向き合いたいって……そんな気持ちを、ちょっとでもクライヴさまにわかってほしいんです」
エリックは複雑な表情で、アリスの想いを受け止めている。言葉には出さないが、彼の心中には「自分がアリスを支えたい」という別の感情が渦巻いている。
「……分かった。俺は後ろから見守るよ。危ないことがあればすぐに助けに入る」
「ありがとう。エリック」
アリスはそっと微笑んで、ドレスの裾を直す。そこへタイミングよくクライヴが現れ、控えめに手を差し出した。
「アリス、もしよければ……今宵のメイン曲で一曲、踊らないか?」
「はい。ぜひお願いします」
アリスがその手を取ると、クライヴはにこりと微笑み、フロアへ誘導する。エリックは少しだけ身を引き、一歩後ろから二人を見守る形に回る。
やがて夜のワルツが始まり、カップルたちが次々とダンスフロアへ集まる。シャンデリアの光とキャンドルの明かりが妖艶な雰囲気を醸し出し、昼間とは打って変わって大人の社交パーティーらしい趣が漂う。
「……きれいですね。夜の王宮って、こんなに輝くんだ」
アリスはクライヴにリードされながら、周囲の光景に目を奪われる。月光までもが窓から差し込み、幻想的な演出を加えていた。
「君が一緒だから、余計に美しく見えるよ」
クライヴはさらりと口にする。以前はそっけない言葉が多かった彼だが、今は素直にアリスを褒めている。アリスは恥ずかしさを覚えながらも、少しだけ嬉しい。
「ふぁ……眠いわけじゃないけど、なんだか夢みたいですね」
「眠たげな君が、ここまでがんばって起きていて、堂々と踊ってくれる。……本当にありがとう」
曲が盛り上がり、二人はくるりと華麗にターンする。アリスは転びそうになりながらも、クライヴの腕に支えられてバランスを保つ。心臓がどきりと音を立てるが、顔は笑みを浮かべたままだ。
(こうして踊るのって、悪くないかもしれない……。寝るのが嫌いでも、この楽しさを味わえるなら、起きてて正解だ)
周囲の貴族たちも二人の様子を遠巻きに見守る。ディーンの姿は見当たらない。おそらく大人しくしているのだろうが、不気味な沈黙に変わりはない。だがアリスは今この瞬間、クライヴとの時間を大切に感じていた。
やがて曲が終わり、二人は拍手を受けながらフロアを離れる。アリスの胸には温かな高揚感が宿っている。クライヴも満足げだ。
「アリス、君に一つ伝えたいことがある」
人通りの少ない壁際へ誘導し、クライヴは静かに声を落とした。エリックは少し離れたところで待機しているが、警戒しているため耳をそばだてているかもしれない。
「何でしょうか?」
「……俺は、君との関係をゆっくり進めたいと思っていた。だけど、こうして君がここまで勇気を出してくれる姿を見て、正直、心が揺れているんだ。もっと早く君を正式に求めたほうがいいんじゃないかって」
アリスは息をのむ。クライヴの言葉は、ほぼ「再婚約を再度申し込む」ことを示唆しているように聞こえる。
「でも、俺が君を焦らせてしまうのは嫌だ。……だから、もう一度だけ確認したい。アリス、君はすぐにでも再婚約したいというわけじゃないよな?」
「……はい。わたしは、寝るのが嫌いで、結婚っていうのもまだイメージが湧かないんです。でも、クライヴさまのことはもっと知りたいと思っています」
それが今の精一杯の答えだった。クライヴは目を閉じ、小さく頷く。
「わかった。俺もそれで構わない。だけど、誰にも君を渡す気はない。……ディーンにも、もちろんエリックにも」
「え、エリックにも……?」
思わぬ名前が出て、アリスは戸惑う。たしかにエリックが自分を護ってくれる騎士であり、幼馴染でもあることはクライヴも気にしているのかもしれない。
「……エリックも、お前のことを大切に思ってる。友人かもしれないが、俺には少し違うように見える」
クライヴの言葉に、アリスは言葉を失う。確かにエリックは何かと自分を助けてくれるが、それがどんな感情に基づいているかまでは考えたことがない。
「……わたし、わかりません。でも、エリックは幼馴染で大事な人です。クライヴさまが勝手に『取らないでくれ』とか言うのは変ですよ」
「すまない、言い方が悪かった。……だけど、俺にとってはそれくらい君が大切なんだ。寝るのが嫌いな君の生活リズムも、俺が合わせる努力をしたいと思ってる」
「クライヴさま……」
アリスの胸に、クライヴの熱い言葉が染み込んでいく。婚約という形はまだ決められないが、彼の真剣さは伝わる。
ふと、そばでエリックが咳払いをする。「あまり二人きりで話すと、周囲の目もあるからな」と気遣いを見せたのだろう。アリスは我に返り、クライヴに小さくお辞儀をして離れる。
「……わたし、少し休憩してきます。クライヴさま、また……」
「うん、分かった。無理しないで」
別れ際、クライヴがそっとアリスの手を握ろうとしたが、アリスは一瞬戸惑い、軽く手を引いてしまう。クライヴは気まずそうに視線をそらし、そのまま立ち去った。
エリックはアリスをサポートして、会場の片隅へ移動する。先ほどのやり取りを見ていた彼は、胸の内に複雑な感情が広がっていた。
「……クライヴ、かなり本気だな」
「ふぁ……わたしもそれは感じます。でも、わたしまだ寝るのが嫌いだし、結婚自体がピンとこなくて……」
アリスは頬を赤らめながら落ち着かない様子を見せる。エリックは気遣うように「休憩しよう」とだけ告げ、アリスを小さなソファへ座らせた。
「アリス、お前はどうしたい? 無理して婚約を考えなくても、まだ時間はあるだろう」
「そうですよね……。クライヴさまの気持ちが嬉しいのは確かだけど、わたし……むしろ、なんでこんなに結婚が怖いのか、そこから整理したいんです」
「結婚が……怖い?」
アリスは自分でもうまく説明できない。寝るのが苦手なように、誰かと一緒の生活をする未来がしっくり来ないのだ。そんな素直な気持ちをエリックに打ち明けると、彼は静かに頷く。
「確かに、夜会や舞踏会がにぎやかで楽しいのと、結婚して一生を共にするのとは違うからな。焦る必要はない。お前のペースでいい」
「はい……ありがとうございます、エリック。あなたがそう言ってくれると、心強いです」
エリックはアリスの肩にそっと手を置き、彼女の緊張を解いてやる。周囲にはまだ多くの貴族が賑わい、ディーンの姿は見えないが、いつ何が起こっても不思議ではない空気がある。
夜のダンスタイムはまだ続き、アリスはその中でクライヴとの距離をもう一歩縮められそうな予感を抱く反面、自分の心の準備が追いつかないとも思っていた。ディーン、エリック、クライヴ――それぞれの思いに翻弄されながらも、少しずつ前へ進もうとしている。
(寝るのは嫌いだけど……今夜はわたし、ちゃんと起きていられる気がします。まだまだ舞踏会は続くし、もしかしてもう少し、夜更かしできちゃうかも)
アリスは内心でそう呟き、ほんの少しだけ笑みをこぼした。大きく動き出した恋と成長の物語が、どんな結末へ向かうのか――夜の王宮で、その道筋がさらに形を成し始めている。
「ふぁ……ちょっとお腹いっぱいで眠くなりそう。でも、寝ないでがんばります」
アリスは軽く背伸びをしながら意気込む。ディーンのことで緊張感が張り詰めていたせいか、疲労はあるが逆にアドレナリンが出ているようにも感じる。
「アリス、まだ踊るのか? そろそろ休んでもいいんじゃないか」
エリックが心配そうに声をかけるが、アリスは小さく首を振った。
「クライヴさまと、もう一度ちゃんと踊りたいなって思ってるんです。……わたしなりに、伝えたいことがあって」
「伝えたいこと?」
「うん……まだ婚約を再開するとかそういう話じゃないです。けど、わたし自身が逃げたりせずに向き合いたいって……そんな気持ちを、ちょっとでもクライヴさまにわかってほしいんです」
エリックは複雑な表情で、アリスの想いを受け止めている。言葉には出さないが、彼の心中には「自分がアリスを支えたい」という別の感情が渦巻いている。
「……分かった。俺は後ろから見守るよ。危ないことがあればすぐに助けに入る」
「ありがとう。エリック」
アリスはそっと微笑んで、ドレスの裾を直す。そこへタイミングよくクライヴが現れ、控えめに手を差し出した。
「アリス、もしよければ……今宵のメイン曲で一曲、踊らないか?」
「はい。ぜひお願いします」
アリスがその手を取ると、クライヴはにこりと微笑み、フロアへ誘導する。エリックは少しだけ身を引き、一歩後ろから二人を見守る形に回る。
やがて夜のワルツが始まり、カップルたちが次々とダンスフロアへ集まる。シャンデリアの光とキャンドルの明かりが妖艶な雰囲気を醸し出し、昼間とは打って変わって大人の社交パーティーらしい趣が漂う。
「……きれいですね。夜の王宮って、こんなに輝くんだ」
アリスはクライヴにリードされながら、周囲の光景に目を奪われる。月光までもが窓から差し込み、幻想的な演出を加えていた。
「君が一緒だから、余計に美しく見えるよ」
クライヴはさらりと口にする。以前はそっけない言葉が多かった彼だが、今は素直にアリスを褒めている。アリスは恥ずかしさを覚えながらも、少しだけ嬉しい。
「ふぁ……眠いわけじゃないけど、なんだか夢みたいですね」
「眠たげな君が、ここまでがんばって起きていて、堂々と踊ってくれる。……本当にありがとう」
曲が盛り上がり、二人はくるりと華麗にターンする。アリスは転びそうになりながらも、クライヴの腕に支えられてバランスを保つ。心臓がどきりと音を立てるが、顔は笑みを浮かべたままだ。
(こうして踊るのって、悪くないかもしれない……。寝るのが嫌いでも、この楽しさを味わえるなら、起きてて正解だ)
周囲の貴族たちも二人の様子を遠巻きに見守る。ディーンの姿は見当たらない。おそらく大人しくしているのだろうが、不気味な沈黙に変わりはない。だがアリスは今この瞬間、クライヴとの時間を大切に感じていた。
やがて曲が終わり、二人は拍手を受けながらフロアを離れる。アリスの胸には温かな高揚感が宿っている。クライヴも満足げだ。
「アリス、君に一つ伝えたいことがある」
人通りの少ない壁際へ誘導し、クライヴは静かに声を落とした。エリックは少し離れたところで待機しているが、警戒しているため耳をそばだてているかもしれない。
「何でしょうか?」
「……俺は、君との関係をゆっくり進めたいと思っていた。だけど、こうして君がここまで勇気を出してくれる姿を見て、正直、心が揺れているんだ。もっと早く君を正式に求めたほうがいいんじゃないかって」
アリスは息をのむ。クライヴの言葉は、ほぼ「再婚約を再度申し込む」ことを示唆しているように聞こえる。
「でも、俺が君を焦らせてしまうのは嫌だ。……だから、もう一度だけ確認したい。アリス、君はすぐにでも再婚約したいというわけじゃないよな?」
「……はい。わたしは、寝るのが嫌いで、結婚っていうのもまだイメージが湧かないんです。でも、クライヴさまのことはもっと知りたいと思っています」
それが今の精一杯の答えだった。クライヴは目を閉じ、小さく頷く。
「わかった。俺もそれで構わない。だけど、誰にも君を渡す気はない。……ディーンにも、もちろんエリックにも」
「え、エリックにも……?」
思わぬ名前が出て、アリスは戸惑う。たしかにエリックが自分を護ってくれる騎士であり、幼馴染でもあることはクライヴも気にしているのかもしれない。
「……エリックも、お前のことを大切に思ってる。友人かもしれないが、俺には少し違うように見える」
クライヴの言葉に、アリスは言葉を失う。確かにエリックは何かと自分を助けてくれるが、それがどんな感情に基づいているかまでは考えたことがない。
「……わたし、わかりません。でも、エリックは幼馴染で大事な人です。クライヴさまが勝手に『取らないでくれ』とか言うのは変ですよ」
「すまない、言い方が悪かった。……だけど、俺にとってはそれくらい君が大切なんだ。寝るのが嫌いな君の生活リズムも、俺が合わせる努力をしたいと思ってる」
「クライヴさま……」
アリスの胸に、クライヴの熱い言葉が染み込んでいく。婚約という形はまだ決められないが、彼の真剣さは伝わる。
ふと、そばでエリックが咳払いをする。「あまり二人きりで話すと、周囲の目もあるからな」と気遣いを見せたのだろう。アリスは我に返り、クライヴに小さくお辞儀をして離れる。
「……わたし、少し休憩してきます。クライヴさま、また……」
「うん、分かった。無理しないで」
別れ際、クライヴがそっとアリスの手を握ろうとしたが、アリスは一瞬戸惑い、軽く手を引いてしまう。クライヴは気まずそうに視線をそらし、そのまま立ち去った。
エリックはアリスをサポートして、会場の片隅へ移動する。先ほどのやり取りを見ていた彼は、胸の内に複雑な感情が広がっていた。
「……クライヴ、かなり本気だな」
「ふぁ……わたしもそれは感じます。でも、わたしまだ寝るのが嫌いだし、結婚自体がピンとこなくて……」
アリスは頬を赤らめながら落ち着かない様子を見せる。エリックは気遣うように「休憩しよう」とだけ告げ、アリスを小さなソファへ座らせた。
「アリス、お前はどうしたい? 無理して婚約を考えなくても、まだ時間はあるだろう」
「そうですよね……。クライヴさまの気持ちが嬉しいのは確かだけど、わたし……むしろ、なんでこんなに結婚が怖いのか、そこから整理したいんです」
「結婚が……怖い?」
アリスは自分でもうまく説明できない。寝るのが苦手なように、誰かと一緒の生活をする未来がしっくり来ないのだ。そんな素直な気持ちをエリックに打ち明けると、彼は静かに頷く。
「確かに、夜会や舞踏会がにぎやかで楽しいのと、結婚して一生を共にするのとは違うからな。焦る必要はない。お前のペースでいい」
「はい……ありがとうございます、エリック。あなたがそう言ってくれると、心強いです」
エリックはアリスの肩にそっと手を置き、彼女の緊張を解いてやる。周囲にはまだ多くの貴族が賑わい、ディーンの姿は見えないが、いつ何が起こっても不思議ではない空気がある。
夜のダンスタイムはまだ続き、アリスはその中でクライヴとの距離をもう一歩縮められそうな予感を抱く反面、自分の心の準備が追いつかないとも思っていた。ディーン、エリック、クライヴ――それぞれの思いに翻弄されながらも、少しずつ前へ進もうとしている。
(寝るのは嫌いだけど……今夜はわたし、ちゃんと起きていられる気がします。まだまだ舞踏会は続くし、もしかしてもう少し、夜更かしできちゃうかも)
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