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第7章 三年一学期
第203話 迷探偵工藤の推理に頼るが……
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サトシは家に帰って来たが、キッチンのネギは乾いてそのままになっていた。
(たぶん実家に帰ったのだろう。今頃は、お母さんに泣きながら俺の非情な態度を訴えているかもしれない。『こんな男のところに嫁にはやれない』なんて、ご両親は怒り心頭かもな……)
サトシは、誰もいないリビングでカバンを放り投げ、ネクタイを外して椅子の背にかけた。
ボーっと座っていると、工藤先生から電話がかかって来た。
サトシは今朝の出来事の一部始終を説明した。
―「なんだよー、サトシ。ついに別れたか」
「うるせー」
―「しょうがねえな。工藤探偵事務所に依頼する?」
「何それ。お前? 探偵を雇うまでもないさ。実家に帰ったんだろう。そこでご両親の耳に喧嘩の話が入って、これでご破談だよ」
―「サトシって、つける薬がないくらいバカな。『別れてやる』って、桜井は本気で言ったと思うか? 俺の推測、これは桜井が指定校推薦に納得していない心の歪みが原因だ」
確かにサトシは、桜井の母から本心を聞き出してと頼まれて、未だ聞いていなかった。
工藤先生に言われると、それが元凶のような気もしてきた。
―「サトシさぁ、ちょっと桜井の部屋に入ってみてくれないか」
「なんで? 本人がいないのに勝手にそんなことしていいのかな」
―「何か、手がかりがあるはずだ」
工藤先生に促されて、サトシは桜井の部屋に入った。
「失礼しまーす。泥棒じゃありませんよー」
サトシは机の上に、本が3冊積んであるのが目に入った。
何かと本のタイトルを読んでみる。
「世界食糧危機? 食糧クライシス、世界争奪戦と日本の農業。……世界と日本の食料問題?」
―「おい、何をつぶやいているんだ? サトシ」
「桜井が読んでいる本のタイトルだ。こんな難しい本を読んでいたのか」
―「なるほどねー、桜井はそんなことに興味があったんだ」
「知らなかった」
―「それを研究したかったのかもしれないな。だから総合グローバル部希望なのか。理由がちゃんとしてるじゃん」
「まだまだ子供だと思っていたのに……」
―「あと、目につくものを教えてくれ」
サトシは部屋を見回した。
きれいに整理整頓された部屋には、無駄なものは一切なかった。
そんな質素な部屋に、制服だけが主がいないままハンガーに掛けられていた。
「制服がある」
―「制服を置いて出て行ったのか。それは、……実家に帰っていないな」
「そんなバカな。桜井は実家しか行くところがないはず」
―「今後も学校に通う子が、制服置いて実家に帰ると思うか?」
「思わない。だとしたら、どこへ……。工藤、どうしよう」
―「落ち着け。これは俺の推測にすぎない。まず、桜井の実家に電話してみろ。それで、そこにいたら問題なし」
「わかった。電話を一旦切るぞ」
サトシは、桜井の実家に電話した。
「こんにちは、お母さん。あの、お嬢さんはそちらに帰ってますか?」
―「え、娘がどうしたんですか? 家には来ていませんけど」
「そうですか」
サトシは、自分の考えが甘かったことを反省した。
―「サトシ先生、うちの娘、また学校をさぼったんですか? 全くしょうがない子ね」
「いいえ、違います。今日は、学校は休みで、サボってなんかいません」
―「あら、それならどうして……」
「実は、今朝、……喧嘩してしまいまして、お嬢さんに『別れてやる』と言われてしまいました」
―「まあ! あのバカ娘。なんてことを」
「いいえ、わたしが悪いんです。お母さんに頼まれたのに、お嬢さんの本心を聞き出せていなかった。そのせいです」
―「はあ……、あの子ったらそうとう拗らせているんですね」
「拗らせて?」
―「わかりました。長谷川にも伝えておきます。あの子のことです。たぶん今夜にはお腹すいたーって帰って来るでしょう」
「お母さん、すみません。わたしの責任です。お嬢さんが別れると言うのなら、責任を取ってわたしはそれで……」
―「やめてくださいます? まだ結論を出すのは早すぎます。それは最後の最後でしょ。とにかく、早く娘を無事に見つけることが最優先。お願いしますよ、サトシ先生。あの子の別れるという言葉を本気にしないでください。あの子、自分のストレスをどこにぶつけたらいいのかわからないんですよ」
「お母さん……」
―「サトシ先生は優しいから、受け止めてくれると思ったのでしょ。すみませんねぇ、わがままに育ってしまって」
「いいえ、そんなことはありません」
サトシは桜井の母との電話を切ると、工藤先生に電話した。
「工藤の推理は当たっていた。実家には帰っていなかった」
―「やはり、そうか」
「どこへ行ったんだろう」
―「サトシ、覚悟しておけ。どこかで補導されたり、どこかで事件や事故に巻き込まれたりしたら、警察から連絡がくる。桜井の家と、あとは学校宛に……」
「そしたら、終わりだな、本当に」
―「そうはならないことを祈るしかない。ここは都内だから、どこへでも出られる。遠くへ行こうと思えば行ける。遠くへ行くとしたら、どこか心当たりは?」
「わからない。桜井と一緒に行動することが無かったから」
―「思い出せ。どこかあるはずだ」
夜の8時を回った。
桜井の母の言う通りなら、お腹すいたーと言って帰って来てもいい時間だ。
以前も、いつの間にか帰って来て寝ていたこともあった。
夜9時。
これは警察からの連絡を待つ段階かと思われた、そのとき、電話が鳴った。
(警察?)
サトシは慌てて、スマホの画面を確認した。
(長谷川……、まさか警察から実家に連絡が来た?)
サトシは、緊張しながら電話に出た。
―「サトシ先生ですか。長谷川です」
桜井の父親からの電話だった。
サトシの緊張はマックスになった。
「こ、こ、こんばんは。どうも申し訳ございません!」
―「先ほど、連絡がありまして……」
「どなたから?! お嬢さん本人からですか?」
―「いいえ、美柑じゃありません」
サトシは、めまいがした。
(警察から!? 終わった。でも、桜井が無事であればそれでいい。お願い、神様―!!!)
長谷川は話を続けた。
―「電話は、家内の父からです。美柑を今夜は山梨に泊めると」
「山梨?」
―「ご心配おかけして申し訳ありません。美柑は無事です。明日の朝にでも迎えに行こうかと思っています」
「無事ならそれで……ありがとうございます、長谷川さん」
―「お礼は変ですよ、サトシ先生。止してください」
安心して、サトシは全身の力が抜けた。
だが、このまま終わらせるわけにないかない。
「わたしに、わたしに迎えに行かせてください。お願いします。またお嬢さんから別れると言われるかもしれませんが、……ちゃんと話をさせてください」
―「たぶん、美柑もそれを望んでいると思います。悔しいですけど、迎えに行く役はサトシ先生に譲りましょう。絶対に幸せにすると、先生は約束したのですから。お願いしますよ」
「わかりました。朝一番で行きます」
桜井は母の実家、山梨に行っていた。
昨年の夏に、無理やり山梨に連れていかれたことを思い出した。
山梨なら、東京から電車で行ける距離だ。
サトシは工藤先生に、桜井は山梨の祖父母に家で無事だと電話で伝えた。
―「よかったー。俺の推理が外れて」
「すまない。それで明日の朝一番の列車で迎えに行ってくる」
―「この際だからさ、二、三日、そっちでゆっくりすれば? 有給取ってさ」
「いや、別れ話に三日は必要ないと思う」
―「おい、別れ話しに行くつもりなら行くな! ちゃんと、心を開いて仲直りして来い。そのために、迎えに行くんだろ」
「うん」
―「桜井に会いたくないと断られるかもしれないが、本当はサトシに迎えに来て欲しいはずだ。お前が行って、ガッチリハートを捕まえてこい!」
「わかった。ありがとう工藤」
―「あ、お土産は、甲州ワインでいいよ」
「お安い御用だ」
工藤探偵事務所の読みは当たっていた。
桜井は、都内から行ける遠い所に行っていた。
夏休みだから、去年の夏休みを思い出して行った可能性はある。
ただ、サトシがそれを思いつかなかったため、工藤探偵事務所は、最悪警察から連絡が来ると言うしかなかったのだ。
(どんな顔をして迎えに行こうか……。とりあえず、あれは必須だな)
桜井が一年生の終わりの頃、サトシが用意したあれを持って行こうとサトシは心に決めた。
(たぶん実家に帰ったのだろう。今頃は、お母さんに泣きながら俺の非情な態度を訴えているかもしれない。『こんな男のところに嫁にはやれない』なんて、ご両親は怒り心頭かもな……)
サトシは、誰もいないリビングでカバンを放り投げ、ネクタイを外して椅子の背にかけた。
ボーっと座っていると、工藤先生から電話がかかって来た。
サトシは今朝の出来事の一部始終を説明した。
―「なんだよー、サトシ。ついに別れたか」
「うるせー」
―「しょうがねえな。工藤探偵事務所に依頼する?」
「何それ。お前? 探偵を雇うまでもないさ。実家に帰ったんだろう。そこでご両親の耳に喧嘩の話が入って、これでご破談だよ」
―「サトシって、つける薬がないくらいバカな。『別れてやる』って、桜井は本気で言ったと思うか? 俺の推測、これは桜井が指定校推薦に納得していない心の歪みが原因だ」
確かにサトシは、桜井の母から本心を聞き出してと頼まれて、未だ聞いていなかった。
工藤先生に言われると、それが元凶のような気もしてきた。
―「サトシさぁ、ちょっと桜井の部屋に入ってみてくれないか」
「なんで? 本人がいないのに勝手にそんなことしていいのかな」
―「何か、手がかりがあるはずだ」
工藤先生に促されて、サトシは桜井の部屋に入った。
「失礼しまーす。泥棒じゃありませんよー」
サトシは机の上に、本が3冊積んであるのが目に入った。
何かと本のタイトルを読んでみる。
「世界食糧危機? 食糧クライシス、世界争奪戦と日本の農業。……世界と日本の食料問題?」
―「おい、何をつぶやいているんだ? サトシ」
「桜井が読んでいる本のタイトルだ。こんな難しい本を読んでいたのか」
―「なるほどねー、桜井はそんなことに興味があったんだ」
「知らなかった」
―「それを研究したかったのかもしれないな。だから総合グローバル部希望なのか。理由がちゃんとしてるじゃん」
「まだまだ子供だと思っていたのに……」
―「あと、目につくものを教えてくれ」
サトシは部屋を見回した。
きれいに整理整頓された部屋には、無駄なものは一切なかった。
そんな質素な部屋に、制服だけが主がいないままハンガーに掛けられていた。
「制服がある」
―「制服を置いて出て行ったのか。それは、……実家に帰っていないな」
「そんなバカな。桜井は実家しか行くところがないはず」
―「今後も学校に通う子が、制服置いて実家に帰ると思うか?」
「思わない。だとしたら、どこへ……。工藤、どうしよう」
―「落ち着け。これは俺の推測にすぎない。まず、桜井の実家に電話してみろ。それで、そこにいたら問題なし」
「わかった。電話を一旦切るぞ」
サトシは、桜井の実家に電話した。
「こんにちは、お母さん。あの、お嬢さんはそちらに帰ってますか?」
―「え、娘がどうしたんですか? 家には来ていませんけど」
「そうですか」
サトシは、自分の考えが甘かったことを反省した。
―「サトシ先生、うちの娘、また学校をさぼったんですか? 全くしょうがない子ね」
「いいえ、違います。今日は、学校は休みで、サボってなんかいません」
―「あら、それならどうして……」
「実は、今朝、……喧嘩してしまいまして、お嬢さんに『別れてやる』と言われてしまいました」
―「まあ! あのバカ娘。なんてことを」
「いいえ、わたしが悪いんです。お母さんに頼まれたのに、お嬢さんの本心を聞き出せていなかった。そのせいです」
―「はあ……、あの子ったらそうとう拗らせているんですね」
「拗らせて?」
―「わかりました。長谷川にも伝えておきます。あの子のことです。たぶん今夜にはお腹すいたーって帰って来るでしょう」
「お母さん、すみません。わたしの責任です。お嬢さんが別れると言うのなら、責任を取ってわたしはそれで……」
―「やめてくださいます? まだ結論を出すのは早すぎます。それは最後の最後でしょ。とにかく、早く娘を無事に見つけることが最優先。お願いしますよ、サトシ先生。あの子の別れるという言葉を本気にしないでください。あの子、自分のストレスをどこにぶつけたらいいのかわからないんですよ」
「お母さん……」
―「サトシ先生は優しいから、受け止めてくれると思ったのでしょ。すみませんねぇ、わがままに育ってしまって」
「いいえ、そんなことはありません」
サトシは桜井の母との電話を切ると、工藤先生に電話した。
「工藤の推理は当たっていた。実家には帰っていなかった」
―「やはり、そうか」
「どこへ行ったんだろう」
―「サトシ、覚悟しておけ。どこかで補導されたり、どこかで事件や事故に巻き込まれたりしたら、警察から連絡がくる。桜井の家と、あとは学校宛に……」
「そしたら、終わりだな、本当に」
―「そうはならないことを祈るしかない。ここは都内だから、どこへでも出られる。遠くへ行こうと思えば行ける。遠くへ行くとしたら、どこか心当たりは?」
「わからない。桜井と一緒に行動することが無かったから」
―「思い出せ。どこかあるはずだ」
夜の8時を回った。
桜井の母の言う通りなら、お腹すいたーと言って帰って来てもいい時間だ。
以前も、いつの間にか帰って来て寝ていたこともあった。
夜9時。
これは警察からの連絡を待つ段階かと思われた、そのとき、電話が鳴った。
(警察?)
サトシは慌てて、スマホの画面を確認した。
(長谷川……、まさか警察から実家に連絡が来た?)
サトシは、緊張しながら電話に出た。
―「サトシ先生ですか。長谷川です」
桜井の父親からの電話だった。
サトシの緊張はマックスになった。
「こ、こ、こんばんは。どうも申し訳ございません!」
―「先ほど、連絡がありまして……」
「どなたから?! お嬢さん本人からですか?」
―「いいえ、美柑じゃありません」
サトシは、めまいがした。
(警察から!? 終わった。でも、桜井が無事であればそれでいい。お願い、神様―!!!)
長谷川は話を続けた。
―「電話は、家内の父からです。美柑を今夜は山梨に泊めると」
「山梨?」
―「ご心配おかけして申し訳ありません。美柑は無事です。明日の朝にでも迎えに行こうかと思っています」
「無事ならそれで……ありがとうございます、長谷川さん」
―「お礼は変ですよ、サトシ先生。止してください」
安心して、サトシは全身の力が抜けた。
だが、このまま終わらせるわけにないかない。
「わたしに、わたしに迎えに行かせてください。お願いします。またお嬢さんから別れると言われるかもしれませんが、……ちゃんと話をさせてください」
―「たぶん、美柑もそれを望んでいると思います。悔しいですけど、迎えに行く役はサトシ先生に譲りましょう。絶対に幸せにすると、先生は約束したのですから。お願いしますよ」
「わかりました。朝一番で行きます」
桜井は母の実家、山梨に行っていた。
昨年の夏に、無理やり山梨に連れていかれたことを思い出した。
山梨なら、東京から電車で行ける距離だ。
サトシは工藤先生に、桜井は山梨の祖父母に家で無事だと電話で伝えた。
―「よかったー。俺の推理が外れて」
「すまない。それで明日の朝一番の列車で迎えに行ってくる」
―「この際だからさ、二、三日、そっちでゆっくりすれば? 有給取ってさ」
「いや、別れ話に三日は必要ないと思う」
―「おい、別れ話しに行くつもりなら行くな! ちゃんと、心を開いて仲直りして来い。そのために、迎えに行くんだろ」
「うん」
―「桜井に会いたくないと断られるかもしれないが、本当はサトシに迎えに来て欲しいはずだ。お前が行って、ガッチリハートを捕まえてこい!」
「わかった。ありがとう工藤」
―「あ、お土産は、甲州ワインでいいよ」
「お安い御用だ」
工藤探偵事務所の読みは当たっていた。
桜井は、都内から行ける遠い所に行っていた。
夏休みだから、去年の夏休みを思い出して行った可能性はある。
ただ、サトシがそれを思いつかなかったため、工藤探偵事務所は、最悪警察から連絡が来ると言うしかなかったのだ。
(どんな顔をして迎えに行こうか……。とりあえず、あれは必須だな)
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