媚薬をアイツに試してみたら

万実

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媚薬の効果は?

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あっ!!

飲んだー。



「あの、甘いお茶苦手じゃなかったの?」

「ん?まあ、たまにはいいかな」




私はまじまじとクリスの顔を見つめる。

クリスは少し赤くなったように見えたけど、若干視線を逸らしてサンドイッチを一つ摘まむとソファーに座りまたお茶を飲んでいる。




あれ?

おかしいな。

〖媚薬〗を飲んだのに反応が変わらない。

クリスは極めて冷静でサンドイッチをまた摘まむと「これ意外といける」とか、感想を呟いている。

ねえ、私にメロメロになってないけど。

この〖媚薬〗効いてないの?

まさか、偽物だったとか?



私は首を傾げてクリスの顔を覗きこむ。



「何か俺の顔に付いてるか?」

「えっ!?あのう、なんともないの?」

「なんともないのって、お前、毒でも入れたわけ?」

「ま!失礼ね。そんなの入れないわよ。ちょっとそのカップ貸して」



私はクリスからカップを奪い取り、残ったお茶を飲み干した。毒入りなんて言われたら、そうでないことを証明しないとならないでしょう!〖媚薬〗も偽物だったみたいだし、きっと大丈夫。



「あっ!俺のお茶···」

「ほらね!毒なんて入れてないでしょ」



叫んだ途端に私はくらりと目眩を感じてテーブルに手をついた。



「シルフィ!大丈夫か?」



そう問われ、顔を上げて不安げなクリスの顔を見る。

青い切れ長の瞳はキラキラと輝いて見える。スッと通った鼻梁と口元のバランスの完璧なこと!

クリスの顔ってこんなに素敵だったかな?



あれ、おかしい。
急に心臓がドキドキと高鳴りだして頬に熱を感じる。

腕には少し震えがきている。

目も潤んでいるかもしれない。



やだ。



私はクリスが好きだ。

好きで好きでたまらない。



·······



違う違う。



なんでー!

私がクリスにメロメロになってどうするの!?



私はこの〖媚薬〗でクリスをメロメロにするはずだった。

それなのに私の感情は言うことを聞かない。





ああ!



触りたい。

クリスの女性のような繊細な手。

なんて綺麗なの。


······


うわー、違うでしょ!



どうするどうする?

この〖媚薬〗は本物だった。

思いっきり飲んじゃったよ。

クリスも飲んだはずなのに何で私だけメロメロなの?
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