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9.休暇前
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「そりゃー、俺そこにいなくてよかったわ。」
「運が良かったね。」
今日の仕事が終わり、ロルフたち黒騎士団三人は街の繁華街にある居酒屋に来ていた。魔導ランタンが明るく店内を照らしている。
シュレーデニアは比較的治安の良い国である。それは武力として強いということもあるが、首都自体が要塞のようになっているからである。首都に入るのは念入りな検査があるため、他所からの不当な輩は入り込みにくかった。また、住んでいる人々自体教養と何らかの武術を支持していることが多く、喧嘩などが起こっても制裁に入りやすく、街の衛兵も騎士団に比べると劣るがかなりの強さを持っていた。シュレーデニアは別名武装王国とも呼ばれていた。
運ばれてきたニンニクの効いた肉のソテーを齧りながら、ボアはビールを煽っているグリージオにニコニコと言った。
「もう三年ぐらい続いているからなぁ。俺の知る限り。諦めりゃ良いのに。」
「…五年だ。」
苦虫を噛み潰したようにロルフがいうとあぁ~…とグリージオは口をつぐんだ。
(ほんとに入団してからずっとなのか。御愁傷様。)
グリージオは心の中でそっと手を合わせた。
「で、今後の予定なんだが。」
「まだ決まってないんじゃなかったのか?」
「決まってはいないけど方針、と言ったところか。先日討伐に行っただろう。モンテールの奥の山の方がどうやら最近おかしくてな。そこを調査することになるらしい。」
「調査?」
グリージオがジョッキを置くと
「ああ、どうも周辺の魔素の動きがおかしいらしくて、その影響で今回みたいなことが起きてるかもしれないということだった。」
と、ロルフがピッチャーからビールのおかわりを注いだ。グリージオは、ロルフは無意識で気が効くやつだなとか思っているが、言葉には出さずにそのジョッキに一口口つけた。
「魔素の動きなんて、俺たちにはわからないから魔導部隊と一緒にってことか?」
「そうなるだろうな。地域調査と原因究明、できれば原因根絶といった所だろう。まぁまだ確定した話ではない。」
そう言いながらロルフもジャーキーを齧ってビールを煽った。その間にも出来立てのポテトサラダや魚の開きなどがどしどしやってくる。そういえば奢りだったことをロルフは思い出した。
「魔法精鋭部隊って言えば第二騎士団?」
「そうだな、その中で調査系が得意な人選がされるだろうな。」
「…フーリアあたりは自分をねじ込んでくるだろうな。」
「調査大好きだもんねぇ。」
フーリアと魔法部隊である第二騎士団の中で研究職の第一人者とされていた。場内で見かけるときは白い白衣と茶色の魔法手袋、暗めの青いかみを適当に結んで青白い顔をしていることが多かった。自分が調べたいことについては寝る間も惜しんで調査するため、補佐官はどちらかといえば彼の生活の方を補佐してることが多いらしい。
「遠征途中で倒れるんじゃないのか?」
「そしたら放っておいてそのまま前進だ。」
「うわ、無慈悲ー。」
「第二騎士団に誰かが回収するだろ。」
ちょっと話している間に湯気の出ていたポテトサラダが半分もなくなっていて、グリージオが慌ててそれを自分の取り皿にいくつか取っておいた。自分の欲しいものは自分の皿にキープしておかないとすぐになくなってしまうのだ。勿論ロルフもいくつかサーブしている。
「ンフフー、またあのカフェに行けるね。」
「ああ、あの居心地のいい?そうだな。」
ボアは追加注文を頼むと、ふと思い出したようにそういった。
「モンテールとロゼニアは隣同士だったよな。今回の山の立地的には二つの間のあたりに位置するけど本拠地はそうなるとモンテールの方になるんじゃないのか?」
「モンテールは小さな町だからね。どちらかといえば農家や畜産関係者が多いから規模としてはロゼニアの方が大きいよねー。物資とか補填する場合にはロゼニアの方がいいと思うけど。前回みたいに討伐以来ではないわけだし。」
「何かあった場合には急に動けないがいいのか?」
「それはどちらの街にとっても同じ確率だともうよー。」
意外と早くにまたあの店に行けそうだな、とロルフは考えていた。もっと先、もしくは討伐依頼がなければモンテール方面に出向くことは少ない。
「まあ俺たちは予定が決まってからしか予定は立てられないからな。それから考えるこったろ。」
「もう俺は、次に頼むメニューを考えてる!」
「気がはええな、おい。」
美味しそうにソーセージにかじりつきながら別の店のメニューを考えているとか、こいつの頭はどうなってるんだ、とグリージオは肘をついてため息をついた。
「俺たちはグリノリアとの外交のこととかは考えなくていいからな。楽なもんさ。」
「あー、そういうのは“白”とお偉いさんたちにお任せだよね。」
「…お前らも頭使えよ?脳味噌まで筋肉とか洒落にならんぞ。」
「そこら辺はグリージオさんの専売特許だからー。」
「違う…お前らが何にも考えないからだ。俺だって考えたくない!」
「そう?相手を陥れるの大好きじゃん。」
「言い方!!言い方!!!!!」
楽しそうにボアは酔っているが、果実酒一杯でこの陽気である。騎士団で珍しく下戸なこの男は、酔ってもただただ明るくなるため特に無理矢理飲まされるようなことはなかった。それよりも食べることが止まらないので、周りもそこまで気にしない。
「俺は、被害が少なければそれでいーんだよ。」
グリージオは少しだけ遠くを見ながら小さくそういった。ロルフはその声を拾って酒を飲む手を止めてグリージオを見たが、
「んーー!参謀やっさしぃーーんだ!」
とキャッキャと喜ぶボアのせいでシリアス展開には及ばなかった。嬉しくなったのか、余計に過食が加速する。
「お前…落ち着いて食え?」
「今日はロルフもちだからいいの。」
「あ、そうなの。俺もごちになります。」
「なんでグリージオにまで奢らないといけないんだよ。」
「俺の胃に穴が開きそうだから?態度直すか奢るか、どっちにする?」
「仕方ない。奢ろう。」
「返事早いから!ていうか奢らなくてもいいから態度を改めよう?」
「俺のアイデンティティだから無理だな。」
「そんなアイデンティティ捨てちまえ!」
ロルフはニヤリと笑うと、目の前の皿を突きながら酒のおかわりを頼んだのだった。
夜もふけ、ボアは2人と離れ、騎士団の寮へと帰っていった。フラフラでもボアは強いので何の問題に思っていない。グリージオと2人で別の小さなバーに向かっていた。城でのあの一件のようなことがなければこの街は慣れ親しんだ場所であることは間違い無いのだ。街灯の灯った人通りが少ない路地を2人で静かに歩く。ロルフの背中の大剣だけがガチャガチャと存在感を示しているようだった。
「お前、それメンテしないの?」
「ん?ここに帰ってくる前までに他にも任務があったから…そういえば長いこと手をかけてないな。自分でできることはしてるんだが。」
「ちゃんとした鍛冶屋に持っていった方がいい。次の任務まではこれからの休みのことも含めると二週間はこの街に滞在できるだろうからな。」
遠征の後には大体長期で休みが与えられた。しかし管理職ともなると続いて休むということは難しく、半日仕事に出たり、交代で騎士団運営は行わなければいけなかった。
「手に馴染むものを預けるのは苦手なんだけどな…なるべく早くメンテナンスしてもらえるように頼まないといけないな。」
腰の方から大剣の鞘を撫でた。金属部分には傷が多くついている。
「上に立つ人間だからな。自分も大事にしろよ。」
少し早く歩いて先に行きながら、グリージオが横でつぶやく。
「ああ、わかってるよ。」
その言葉の重みも。
現在はだいぶ落ち着いた情勢も、数年前までは戦いに明け暮れる日々だった。若輩者であったとしても戦場に駆り出され、自分の強さを高めていかざる得なかった。その中で失ったものも多いのだ。
ロルフ自身、自分が生き抜かなければならない理由もあるので、死ぬわけにもいかない。
「そのために、お前が頭をフル回転させてくれるんだろ?」
グリージオの背中に声をかけると、返事はなかったが力なく前でひらひらと手を振っていた。ロルフはその姿にとある人物の影がかぶって見えた。
「単なる真似事さ。」
真似事で智略を尽くせるものか。
そんなことはロルフにだってわかる。
酔ったようにふわふわと歩いているが、きっとグリージオは酔ってなどいないのだろう。いつだって山吹色の目は警戒を怠ることはない。どれだけ自分を抑えて頭を働かせているか。身近にいるロルフとボアはよくわかっていた。
かと言って自分がグリージオにようにできるかというとそうでもない。現在の指揮系統、采配は自分たちの力を一番効率よくするためのものだった。それはロルフがゴリ押ししてこの形態を作ったところも多い。
この形態に持っていくとき、グリージオには反対された。しかしこれが一番最適と思ったからゴリ押ししたのだ。
俺にはまだ経験が足りない。
俺がこの場所を守るにはグリージオの采配が不可欠だ。
そう言って。
目標とする男に近づくために。今はまず純粋に自分の能力を上げねばならない。そして、経験を積み、支持もできるようにいずれはならなければならない。
「もう少し、勉強させてもらうよ。」
「俺から勉強することなんざ、ねえよ。」
そうやってへらへらと笑う背中に、ロルフは安心するのだった。と
「運が良かったね。」
今日の仕事が終わり、ロルフたち黒騎士団三人は街の繁華街にある居酒屋に来ていた。魔導ランタンが明るく店内を照らしている。
シュレーデニアは比較的治安の良い国である。それは武力として強いということもあるが、首都自体が要塞のようになっているからである。首都に入るのは念入りな検査があるため、他所からの不当な輩は入り込みにくかった。また、住んでいる人々自体教養と何らかの武術を支持していることが多く、喧嘩などが起こっても制裁に入りやすく、街の衛兵も騎士団に比べると劣るがかなりの強さを持っていた。シュレーデニアは別名武装王国とも呼ばれていた。
運ばれてきたニンニクの効いた肉のソテーを齧りながら、ボアはビールを煽っているグリージオにニコニコと言った。
「もう三年ぐらい続いているからなぁ。俺の知る限り。諦めりゃ良いのに。」
「…五年だ。」
苦虫を噛み潰したようにロルフがいうとあぁ~…とグリージオは口をつぐんだ。
(ほんとに入団してからずっとなのか。御愁傷様。)
グリージオは心の中でそっと手を合わせた。
「で、今後の予定なんだが。」
「まだ決まってないんじゃなかったのか?」
「決まってはいないけど方針、と言ったところか。先日討伐に行っただろう。モンテールの奥の山の方がどうやら最近おかしくてな。そこを調査することになるらしい。」
「調査?」
グリージオがジョッキを置くと
「ああ、どうも周辺の魔素の動きがおかしいらしくて、その影響で今回みたいなことが起きてるかもしれないということだった。」
と、ロルフがピッチャーからビールのおかわりを注いだ。グリージオは、ロルフは無意識で気が効くやつだなとか思っているが、言葉には出さずにそのジョッキに一口口つけた。
「魔素の動きなんて、俺たちにはわからないから魔導部隊と一緒にってことか?」
「そうなるだろうな。地域調査と原因究明、できれば原因根絶といった所だろう。まぁまだ確定した話ではない。」
そう言いながらロルフもジャーキーを齧ってビールを煽った。その間にも出来立てのポテトサラダや魚の開きなどがどしどしやってくる。そういえば奢りだったことをロルフは思い出した。
「魔法精鋭部隊って言えば第二騎士団?」
「そうだな、その中で調査系が得意な人選がされるだろうな。」
「…フーリアあたりは自分をねじ込んでくるだろうな。」
「調査大好きだもんねぇ。」
フーリアと魔法部隊である第二騎士団の中で研究職の第一人者とされていた。場内で見かけるときは白い白衣と茶色の魔法手袋、暗めの青いかみを適当に結んで青白い顔をしていることが多かった。自分が調べたいことについては寝る間も惜しんで調査するため、補佐官はどちらかといえば彼の生活の方を補佐してることが多いらしい。
「遠征途中で倒れるんじゃないのか?」
「そしたら放っておいてそのまま前進だ。」
「うわ、無慈悲ー。」
「第二騎士団に誰かが回収するだろ。」
ちょっと話している間に湯気の出ていたポテトサラダが半分もなくなっていて、グリージオが慌ててそれを自分の取り皿にいくつか取っておいた。自分の欲しいものは自分の皿にキープしておかないとすぐになくなってしまうのだ。勿論ロルフもいくつかサーブしている。
「ンフフー、またあのカフェに行けるね。」
「ああ、あの居心地のいい?そうだな。」
ボアは追加注文を頼むと、ふと思い出したようにそういった。
「モンテールとロゼニアは隣同士だったよな。今回の山の立地的には二つの間のあたりに位置するけど本拠地はそうなるとモンテールの方になるんじゃないのか?」
「モンテールは小さな町だからね。どちらかといえば農家や畜産関係者が多いから規模としてはロゼニアの方が大きいよねー。物資とか補填する場合にはロゼニアの方がいいと思うけど。前回みたいに討伐以来ではないわけだし。」
「何かあった場合には急に動けないがいいのか?」
「それはどちらの街にとっても同じ確率だともうよー。」
意外と早くにまたあの店に行けそうだな、とロルフは考えていた。もっと先、もしくは討伐依頼がなければモンテール方面に出向くことは少ない。
「まあ俺たちは予定が決まってからしか予定は立てられないからな。それから考えるこったろ。」
「もう俺は、次に頼むメニューを考えてる!」
「気がはええな、おい。」
美味しそうにソーセージにかじりつきながら別の店のメニューを考えているとか、こいつの頭はどうなってるんだ、とグリージオは肘をついてため息をついた。
「俺たちはグリノリアとの外交のこととかは考えなくていいからな。楽なもんさ。」
「あー、そういうのは“白”とお偉いさんたちにお任せだよね。」
「…お前らも頭使えよ?脳味噌まで筋肉とか洒落にならんぞ。」
「そこら辺はグリージオさんの専売特許だからー。」
「違う…お前らが何にも考えないからだ。俺だって考えたくない!」
「そう?相手を陥れるの大好きじゃん。」
「言い方!!言い方!!!!!」
楽しそうにボアは酔っているが、果実酒一杯でこの陽気である。騎士団で珍しく下戸なこの男は、酔ってもただただ明るくなるため特に無理矢理飲まされるようなことはなかった。それよりも食べることが止まらないので、周りもそこまで気にしない。
「俺は、被害が少なければそれでいーんだよ。」
グリージオは少しだけ遠くを見ながら小さくそういった。ロルフはその声を拾って酒を飲む手を止めてグリージオを見たが、
「んーー!参謀やっさしぃーーんだ!」
とキャッキャと喜ぶボアのせいでシリアス展開には及ばなかった。嬉しくなったのか、余計に過食が加速する。
「お前…落ち着いて食え?」
「今日はロルフもちだからいいの。」
「あ、そうなの。俺もごちになります。」
「なんでグリージオにまで奢らないといけないんだよ。」
「俺の胃に穴が開きそうだから?態度直すか奢るか、どっちにする?」
「仕方ない。奢ろう。」
「返事早いから!ていうか奢らなくてもいいから態度を改めよう?」
「俺のアイデンティティだから無理だな。」
「そんなアイデンティティ捨てちまえ!」
ロルフはニヤリと笑うと、目の前の皿を突きながら酒のおかわりを頼んだのだった。
夜もふけ、ボアは2人と離れ、騎士団の寮へと帰っていった。フラフラでもボアは強いので何の問題に思っていない。グリージオと2人で別の小さなバーに向かっていた。城でのあの一件のようなことがなければこの街は慣れ親しんだ場所であることは間違い無いのだ。街灯の灯った人通りが少ない路地を2人で静かに歩く。ロルフの背中の大剣だけがガチャガチャと存在感を示しているようだった。
「お前、それメンテしないの?」
「ん?ここに帰ってくる前までに他にも任務があったから…そういえば長いこと手をかけてないな。自分でできることはしてるんだが。」
「ちゃんとした鍛冶屋に持っていった方がいい。次の任務まではこれからの休みのことも含めると二週間はこの街に滞在できるだろうからな。」
遠征の後には大体長期で休みが与えられた。しかし管理職ともなると続いて休むということは難しく、半日仕事に出たり、交代で騎士団運営は行わなければいけなかった。
「手に馴染むものを預けるのは苦手なんだけどな…なるべく早くメンテナンスしてもらえるように頼まないといけないな。」
腰の方から大剣の鞘を撫でた。金属部分には傷が多くついている。
「上に立つ人間だからな。自分も大事にしろよ。」
少し早く歩いて先に行きながら、グリージオが横でつぶやく。
「ああ、わかってるよ。」
その言葉の重みも。
現在はだいぶ落ち着いた情勢も、数年前までは戦いに明け暮れる日々だった。若輩者であったとしても戦場に駆り出され、自分の強さを高めていかざる得なかった。その中で失ったものも多いのだ。
ロルフ自身、自分が生き抜かなければならない理由もあるので、死ぬわけにもいかない。
「そのために、お前が頭をフル回転させてくれるんだろ?」
グリージオの背中に声をかけると、返事はなかったが力なく前でひらひらと手を振っていた。ロルフはその姿にとある人物の影がかぶって見えた。
「単なる真似事さ。」
真似事で智略を尽くせるものか。
そんなことはロルフにだってわかる。
酔ったようにふわふわと歩いているが、きっとグリージオは酔ってなどいないのだろう。いつだって山吹色の目は警戒を怠ることはない。どれだけ自分を抑えて頭を働かせているか。身近にいるロルフとボアはよくわかっていた。
かと言って自分がグリージオにようにできるかというとそうでもない。現在の指揮系統、采配は自分たちの力を一番効率よくするためのものだった。それはロルフがゴリ押ししてこの形態を作ったところも多い。
この形態に持っていくとき、グリージオには反対された。しかしこれが一番最適と思ったからゴリ押ししたのだ。
俺にはまだ経験が足りない。
俺がこの場所を守るにはグリージオの采配が不可欠だ。
そう言って。
目標とする男に近づくために。今はまず純粋に自分の能力を上げねばならない。そして、経験を積み、支持もできるようにいずれはならなければならない。
「もう少し、勉強させてもらうよ。」
「俺から勉強することなんざ、ねえよ。」
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