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11.調査バックアップとお客様増員計画
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ロルフさんが去って、朝のテイクアウトの仕事が落ち着いた頃、ググッと伸びをしてカウンターを出た。一旦店の外にクローズの看板をかける。
「今日はあの剣の付喪神さん元気そうだったね。」
『やっぱり大切にされてなかったのかしら?』
「もしかしたら忙しくて、手入れができてなかったのかもしれないよ?あの付喪神さんロルフさんにべったりで心配してる様子だったし。」
『好かれているということはそういうことだろうな。』
「可愛らしい付喪神さんだったね。心配してるところをロルフさんに見せてあげたら、少しはこまめに手入れをしてくれるかな?」
『…手入れだけの問題とは限らないぞ?』
1人きりの店内で、テーブルを拭くためのクロスを持って移動しているとシャジャラとナージュが寄ってきた。先日見えていた大剣の付喪神さんの話をしている。大剣の勇ましさとは相反して、銀髪ショートヘアで、鎧を着込んだ可愛い女の子の妖精だった。話をしている途中でマジマジと付喪神さんを見ることはできなくて、ロルフさんとの会話の合間にチラリと見るぐらいしかできなかったが、心配そうに困り眉でおろおろしている印象だ。こちらの視線には気が付いていないようだった。
『で、エレンはさっきの話を受けるの?』
「それなんだよねぇ。」
ナージュの問いかけに片付けをしている手が止まってしまう。
人を雇ってもいいのだが、そんな付け焼き刃でなんとかなるのだろうか?試用期間があればそれも解決先の候補として挙げられただろう。しかしすでに駐屯地は構えられているらしい。一番現実的なのはよその食堂やレストランに仕事を回す方がいいのだろうけど、なんとなくせっかくもらった仕事を無碍にするのも自分のスタイルとは違う気がした。
『エレンはどうしたいの?』
いつものように窓辺にいるレヒトがじっとこちらを見て聞いた。
「やりたいけど、解決策がないって感じかなぁ。せっかくだからお店を売り込めたらと思えたんだけど。」
『だったらそのまま伝えたら?』
至極不思議そうな顔でレヒトがいう。
『お店、売り込んでもお客さんが増えたら結局手が回らなくなるよ。今から店員さんを増やす算段をつければいいんじゃない?接客と簡単な手伝いならできると思う。店の要になる部分はエレンがやればいい。』
うーん、まぁ、それが妥当なところですよねぇ…。
「休み時間にこうやって気軽にレヒト達と喋れなくなるのも、少し寂しいんだよね。」
『そんなこと?』
そんなこと?結構大事だと思うんですけど、あんまりリヒトは喋るの好きじゃないのかな?
『ねえ、エレン。僕たちは言葉でしゃべれなくてもしゃべれるよ?』
「!?そうなの!?」
『うん。気がつかなかったの…?』
「気がつきませんでした…。」
基本的にみんな口で喋ってるじゃないか。そんな意図を感じたのか、
『だからエレンの意思がダダ漏れだったのね。』
『エレン、我々は敏感に心の声をキャッチするから自衛することを覚えないといけないね。』
「え、これまで私の考えていたこと丸わかりだったってこと?」
『そうだね。そういう性格だとも思っていたから。まずは心の声のオンオフをできるように練習すれば、話せないっていう問題は解決できるね。』
向こうのほうで、やっと納得できた!という顔でビブリアがこっちを見てる。即座に対応策を教えてくれるクトーは紳士だと思う。
「うーん。じゃあ簡単に忙しい時間帯だけお手伝いしてもらえる人を雇うように調整してみようかな。」
『そうね。あと、練習がてら加護付きのアイテムを増やすのも手よ?』
「できるの?」
『エレンが喜ぶ顔、好きだもの!お手伝いくらいはするわよ!』
ナージュが寄り添ってそう言ってくれるのが心強かった。そうか。できることを便利にすれば仕事効率も上がる。
『エレンの想像力がとても必要となるけどね!』
ヤカンの付与からもう一月ほど経っているのが、失敗する頻度は減ってきたように思う。ヤカンの他にも時間短縮で煮込み料理を作れる鍋や、コンロを使わないでもできるワッフルメイカーなどが増えていた。他にどんなふうにすれば効率よく仕事ができるだろう?なんだかワクワクしてきた。昔夢で見たいろんな便利そうなものもいつか作れるようになるだろうか?
『エレン、楽しそう。その顔好きだ。』
「ふふ。ありがとうクトー。そうと決まれば、求人を出すのと、ロルフさんに確認して数日は簡単なものでオッケーか確認してみないとだ。夜はまた便利なものができるかどうかみんなに相談させてね。」
『もちろんだとも。』
そうして、まずは商業ギルドに行くことにした。
商業ギルドに着くと、以前店を継いだ時にお世話になったレックさんを探した。
「あれ?珍しい時間帯にいるね。こんにちは。親父さんに用事かい?」
レックさんは父と同世代のロマンスグレーの優しそうなおじさんだ。今日もスーツをピシッと着こなしている。父と同じような役職につけるはずなのだが、現場が好きだからと言って商業ギルドをうろうろしていることの方が多い気がする。
「あ、こんにちは。もう少ししたら店の仕込みもあるので戻らないといけないんですけど、ちょっと相談いいですか?」
「勿論。どうしたの?」
近くの来客用の半個室テーブル席に案内されると、朝の依頼事項の話をレックさんに伝えた。騎士団の仕事依頼があったこと。できれば好意的に見てもらえているので、その仕事を行いたいということ。だが、現状では1人で行う業務に限界があること。そのため繁忙時期だけでも従業員を雇いたいということだ。
ふんふん、と話を聞き終わると、レックさんはちょっと待っててね。と席を離れた。
そして連れてきたのはこれまた見知っている顔だった。
「よ!久しぶり。どうしたん?」
「キース!え、なんでここに??」
キースはレックさんの息子兼自分の幼馴染でもあった。二つ上で明るい茶髪と若草色の瞳をしていた。親同士も知り合いなので小さいうちは遊んだりすることも多かったけれど、大きくなって会うのは久しぶりだ。
「何って、俺、ここで働いてんの。」
「え!?聞いてない!」
「うん、言ってないな。」
ハハッとキースは明るく笑った。その顔は男性らしさが増えていたが、面影も色濃く残っていた。
「俺もあのカフェ継いでるって聞いてびっくりしたわ。お前があそこ好きなのは知ってたけどそこまでするのか!ってね。」
「父さんも母さんも自分の仕事一番だからね。私だってやればできるわよ!」
「へえ、立派なもんだ。」
そういうと当たり前という顔をしてレックの隣に座った。
「ちょっと、今は仕事の相談できてるんだけど。」
「ん?ああ、わかってるよ。」
「??」
「俺、お前の仕事手伝おうかと思って。」
「はい?」
突然の申し出にレックさんがいることも忘れて声を上げると、また楽しそうに笑っている。レックさんは苦笑していた。
「キース、それでは説明が全く足りない。」
「はい。たくさん説明してください。」
「たくさんってなんだよ。」
キースはそういうと、自分が持っている資料を目の前に広げた。
その資料には国の国旗が書かれており、『モンテールの魔素調査についてのバックアップ事業』と書かれていた。
「…何これ??」
「俺、これの担当なん。」
「そ、そうなんだ。で、どうしてうちの仕事の手伝いとな?」
「さっき親父と少し話したんだけど、バックアップ事業の一端にお前の店の仕事を含めることができるから、そうした方がいいんじゃないかなと思って。バックアップ事業だったら国の仕事になるし、ある程度補助も国から出る。それにその期間限定でという形で作業要員を増やすことも普通に従業員増やすよりも楽かと思って。この事業が終わった後、その手伝いに来ていたメンバーをそのまま雇用するかどうかはエレンの裁量だけどこっちの方が徳だと思うぜ。俺が信頼できる人員増員の手助けもできるし、もっと忙しくなれば俺自身が手伝いにも行けると思う。
後、国に対してもこれだけロゼニアの方でバックアップしたっていう実績もつくから悪いことではないんだ。どうだ?」
願ってもいない提案にポカンとしてしまう。逆にデメリットがないがいいのだろうか?
「願ってもない話だけど、いいのかしら?」
「ああ、問題ないよ。逆にエレンがこの話を断ったら多分騎士団の方が別の食事先とか探すことになるだろうから、それを探す手間がなくなるからここで受けてもらえると助かる。」
トントン話が進む中、ちょっと不安になりつつもエレノアはその案を受け入れた。
「それじゃあ、急ぎで人員確保できるか各所まわってくる。料理できるのが必須?」
「できればそれに超したことはないかな。メインのところは自分でするから。できれば人当たりのいい、接客できる人だと助かる。」
「了解。見つかったら知らせる。」
「わかった、ありがとうキース。」
「おう、お互い様、な!」
そう言うと時間も惜しい、というふうに幼馴染は自分の親にも声をかけて去っていった。
「ちゃんとした事業があったんですね。」
「ええ。王都の方から連絡がありましてね。道案内とか、物資補助とかなんですけど、食事の方までは言われてませんでしたのでこちらから国の方に連絡しようと思います。」
「分かりました。では私の店もバックアップ事業のほうにお世話にならせてもらいます。」
「よろしくお願いします。お店のファンが増えるといいですね。」
「増えてもらえるようにがんばりますよっ!」
そうエレノアが意気込むと、レックもやさしげな目をより一層細めて笑うのだった。
「今日はあの剣の付喪神さん元気そうだったね。」
『やっぱり大切にされてなかったのかしら?』
「もしかしたら忙しくて、手入れができてなかったのかもしれないよ?あの付喪神さんロルフさんにべったりで心配してる様子だったし。」
『好かれているということはそういうことだろうな。』
「可愛らしい付喪神さんだったね。心配してるところをロルフさんに見せてあげたら、少しはこまめに手入れをしてくれるかな?」
『…手入れだけの問題とは限らないぞ?』
1人きりの店内で、テーブルを拭くためのクロスを持って移動しているとシャジャラとナージュが寄ってきた。先日見えていた大剣の付喪神さんの話をしている。大剣の勇ましさとは相反して、銀髪ショートヘアで、鎧を着込んだ可愛い女の子の妖精だった。話をしている途中でマジマジと付喪神さんを見ることはできなくて、ロルフさんとの会話の合間にチラリと見るぐらいしかできなかったが、心配そうに困り眉でおろおろしている印象だ。こちらの視線には気が付いていないようだった。
『で、エレンはさっきの話を受けるの?』
「それなんだよねぇ。」
ナージュの問いかけに片付けをしている手が止まってしまう。
人を雇ってもいいのだが、そんな付け焼き刃でなんとかなるのだろうか?試用期間があればそれも解決先の候補として挙げられただろう。しかしすでに駐屯地は構えられているらしい。一番現実的なのはよその食堂やレストランに仕事を回す方がいいのだろうけど、なんとなくせっかくもらった仕事を無碍にするのも自分のスタイルとは違う気がした。
『エレンはどうしたいの?』
いつものように窓辺にいるレヒトがじっとこちらを見て聞いた。
「やりたいけど、解決策がないって感じかなぁ。せっかくだからお店を売り込めたらと思えたんだけど。」
『だったらそのまま伝えたら?』
至極不思議そうな顔でレヒトがいう。
『お店、売り込んでもお客さんが増えたら結局手が回らなくなるよ。今から店員さんを増やす算段をつければいいんじゃない?接客と簡単な手伝いならできると思う。店の要になる部分はエレンがやればいい。』
うーん、まぁ、それが妥当なところですよねぇ…。
「休み時間にこうやって気軽にレヒト達と喋れなくなるのも、少し寂しいんだよね。」
『そんなこと?』
そんなこと?結構大事だと思うんですけど、あんまりリヒトは喋るの好きじゃないのかな?
『ねえ、エレン。僕たちは言葉でしゃべれなくてもしゃべれるよ?』
「!?そうなの!?」
『うん。気がつかなかったの…?』
「気がつきませんでした…。」
基本的にみんな口で喋ってるじゃないか。そんな意図を感じたのか、
『だからエレンの意思がダダ漏れだったのね。』
『エレン、我々は敏感に心の声をキャッチするから自衛することを覚えないといけないね。』
「え、これまで私の考えていたこと丸わかりだったってこと?」
『そうだね。そういう性格だとも思っていたから。まずは心の声のオンオフをできるように練習すれば、話せないっていう問題は解決できるね。』
向こうのほうで、やっと納得できた!という顔でビブリアがこっちを見てる。即座に対応策を教えてくれるクトーは紳士だと思う。
「うーん。じゃあ簡単に忙しい時間帯だけお手伝いしてもらえる人を雇うように調整してみようかな。」
『そうね。あと、練習がてら加護付きのアイテムを増やすのも手よ?』
「できるの?」
『エレンが喜ぶ顔、好きだもの!お手伝いくらいはするわよ!』
ナージュが寄り添ってそう言ってくれるのが心強かった。そうか。できることを便利にすれば仕事効率も上がる。
『エレンの想像力がとても必要となるけどね!』
ヤカンの付与からもう一月ほど経っているのが、失敗する頻度は減ってきたように思う。ヤカンの他にも時間短縮で煮込み料理を作れる鍋や、コンロを使わないでもできるワッフルメイカーなどが増えていた。他にどんなふうにすれば効率よく仕事ができるだろう?なんだかワクワクしてきた。昔夢で見たいろんな便利そうなものもいつか作れるようになるだろうか?
『エレン、楽しそう。その顔好きだ。』
「ふふ。ありがとうクトー。そうと決まれば、求人を出すのと、ロルフさんに確認して数日は簡単なものでオッケーか確認してみないとだ。夜はまた便利なものができるかどうかみんなに相談させてね。」
『もちろんだとも。』
そうして、まずは商業ギルドに行くことにした。
商業ギルドに着くと、以前店を継いだ時にお世話になったレックさんを探した。
「あれ?珍しい時間帯にいるね。こんにちは。親父さんに用事かい?」
レックさんは父と同世代のロマンスグレーの優しそうなおじさんだ。今日もスーツをピシッと着こなしている。父と同じような役職につけるはずなのだが、現場が好きだからと言って商業ギルドをうろうろしていることの方が多い気がする。
「あ、こんにちは。もう少ししたら店の仕込みもあるので戻らないといけないんですけど、ちょっと相談いいですか?」
「勿論。どうしたの?」
近くの来客用の半個室テーブル席に案内されると、朝の依頼事項の話をレックさんに伝えた。騎士団の仕事依頼があったこと。できれば好意的に見てもらえているので、その仕事を行いたいということ。だが、現状では1人で行う業務に限界があること。そのため繁忙時期だけでも従業員を雇いたいということだ。
ふんふん、と話を聞き終わると、レックさんはちょっと待っててね。と席を離れた。
そして連れてきたのはこれまた見知っている顔だった。
「よ!久しぶり。どうしたん?」
「キース!え、なんでここに??」
キースはレックさんの息子兼自分の幼馴染でもあった。二つ上で明るい茶髪と若草色の瞳をしていた。親同士も知り合いなので小さいうちは遊んだりすることも多かったけれど、大きくなって会うのは久しぶりだ。
「何って、俺、ここで働いてんの。」
「え!?聞いてない!」
「うん、言ってないな。」
ハハッとキースは明るく笑った。その顔は男性らしさが増えていたが、面影も色濃く残っていた。
「俺もあのカフェ継いでるって聞いてびっくりしたわ。お前があそこ好きなのは知ってたけどそこまでするのか!ってね。」
「父さんも母さんも自分の仕事一番だからね。私だってやればできるわよ!」
「へえ、立派なもんだ。」
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「ちょっと、今は仕事の相談できてるんだけど。」
「ん?ああ、わかってるよ。」
「??」
「俺、お前の仕事手伝おうかと思って。」
「はい?」
突然の申し出にレックさんがいることも忘れて声を上げると、また楽しそうに笑っている。レックさんは苦笑していた。
「キース、それでは説明が全く足りない。」
「はい。たくさん説明してください。」
「たくさんってなんだよ。」
キースはそういうと、自分が持っている資料を目の前に広げた。
その資料には国の国旗が書かれており、『モンテールの魔素調査についてのバックアップ事業』と書かれていた。
「…何これ??」
「俺、これの担当なん。」
「そ、そうなんだ。で、どうしてうちの仕事の手伝いとな?」
「さっき親父と少し話したんだけど、バックアップ事業の一端にお前の店の仕事を含めることができるから、そうした方がいいんじゃないかなと思って。バックアップ事業だったら国の仕事になるし、ある程度補助も国から出る。それにその期間限定でという形で作業要員を増やすことも普通に従業員増やすよりも楽かと思って。この事業が終わった後、その手伝いに来ていたメンバーをそのまま雇用するかどうかはエレンの裁量だけどこっちの方が徳だと思うぜ。俺が信頼できる人員増員の手助けもできるし、もっと忙しくなれば俺自身が手伝いにも行けると思う。
後、国に対してもこれだけロゼニアの方でバックアップしたっていう実績もつくから悪いことではないんだ。どうだ?」
願ってもいない提案にポカンとしてしまう。逆にデメリットがないがいいのだろうか?
「願ってもない話だけど、いいのかしら?」
「ああ、問題ないよ。逆にエレンがこの話を断ったら多分騎士団の方が別の食事先とか探すことになるだろうから、それを探す手間がなくなるからここで受けてもらえると助かる。」
トントン話が進む中、ちょっと不安になりつつもエレノアはその案を受け入れた。
「それじゃあ、急ぎで人員確保できるか各所まわってくる。料理できるのが必須?」
「できればそれに超したことはないかな。メインのところは自分でするから。できれば人当たりのいい、接客できる人だと助かる。」
「了解。見つかったら知らせる。」
「わかった、ありがとうキース。」
「おう、お互い様、な!」
そう言うと時間も惜しい、というふうに幼馴染は自分の親にも声をかけて去っていった。
「ちゃんとした事業があったんですね。」
「ええ。王都の方から連絡がありましてね。道案内とか、物資補助とかなんですけど、食事の方までは言われてませんでしたのでこちらから国の方に連絡しようと思います。」
「分かりました。では私の店もバックアップ事業のほうにお世話にならせてもらいます。」
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