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40.強く在りたい理由(後編)
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振り返ると、暗い森林しかそこにはないはずだった。
それなのに近くに倒れている倒木の上あたりが一部光って見える。
とうとう幻覚を見始めたのか?
そう思ってじっとしていると
『わあ。私の声、ちゃん届いてるのね!』
という同じ声が聞こえた。
幻覚じゃない!?
そう思っていると、倒木の辺りから発光する力がどんどん強くなって行った。辺り一面が真っ白になり、反射的に手で顔を覆う。しばらくしてもその眩いばかりの白い世界は元に戻らなかった。戻らないどころか、倒木も夜景も見当たらない。海の音さえも飲み込んでしまったかのように、静かで、真っ白な世界になった。
目をうっすらと開けると、まだ目に光が沁みるが開けれないことはなさそうだ。いつの間にか光の白に加えて、濃い霧も発生していて自分の体すら朧げに見えた。
(なんだこれ?)
周りを首を動かして確認して見るが、何もない。仕方がないので遺骨をもったまま立ち上がる。
多分半径五メートルも見えていない。指先までうっすら確認できると行ったところだ。
「お兄さん、お兄さん。」
肩を叩かれたので勢いよく振り向いたが、誰もいない。しかし、目を凝らすと、目の前に小さな光が三つ輝いているようだった。
白、黄色、青色
ふわりと花の香りを纏いながら、目の前に人型の何かが現れた。
白い光は白いゆったりとしたドレスを纏った女性のようだった。髪も、肌も全て真っ白で、瞳だけが金色に輝いていた。
黄色い光は金髪の青年に。金髪は後ろに撫でつけられていて、赤と青のオッドアイをしている。
青色の光は水色の髪の青年に。こちらも髪を撫でつけていて、緑と黄色のオッドアイをしていた。
青年二人は民族衣装のような幾何学模様が描かれた詰襟のようなベージュの服を着ていて、金髪の方は薄い黄色のローブを、水色の髪の方は水色のローブを纏っている。金髪の方はいくらか気だるげな印象を持ち、もう片方は逆に隙を一切見せない笑顔を貼り付けていた。
現実味のなさに固まってしまう。
手の中にある遺骨を抱え直そうとすると、それすら無くなっていた。
「え!?は…なんだこれ?」
「ふふふ。これですか?」
目の前の女性が笑顔で持っていた遺骨の白い箱を持っている。
「返せ!!」
飛びかかりたいのに体は顔から下が動かなかった。それに驚いて前を見ると、水色の髪の青年が右手を俺に向けて何かしているようだった。
「返してもいいのですけど…」
「じゃあさっさと渡せ!」
「この中にはもう彼女はいませんよ?」
「!!」
「単なる骨と灰です。これらはこの星に還るものです。」
にこやかに鈴の音のような声でそういうと遺骨を優しく地面に置いた。優しく箱を撫でると、それは地面に溶けていき、一度パッっと虹色に弾けた。
「あ!!」
返せ!彼女を!
そう言おうとすると、いつの間にか鼻先が触れるぐらいの距離に白い女性が立っていて、人差し指でそっと俺の唇が開かないように押し当てていた。
「依存ですか?不健全ですね。」
うるせぇ。そうかよ。好きに言ってろ。
「彼女はもうすでに次の生きる場所が決まっています。こちらでの体が脆かったんですね。」
そんな理不尽なことがあるか!もっと一緒にいたかった。守ってやりたかった。先生との約束も守れていないし、自分の思いもちゃんと伝えられていないんだ!
「あなたも行ってみますか?」
は?
声は発せられないが目を見開いた。ゆっくりとその女性が後ろに下がっていく。そして楽しそうに目を細めた。
「あなたも不思議なしがらみが付いてますね。こちらの神の趣味でしょうか?よくわかりませんが。」
「神?しがらみ?なんだそれ?残念ながら俺は無宗教だ。」
「知らなくて当然のことなのでお気になさらず。」
なんだか話が噛み合わない。よくわからないで混乱していると、水色の髪の男が手を下げた。うごかなかった体が動くようになっていた。
「ちょっとした好奇心とこちらでいうところの老婆心ですね。ただで、というわけにはいきませんので、ここより過酷な状況に置かれるかもしれませんが、それでもあなたの大事な人のいる世界に行ってみたいですか?」
「そんなことができるのか!?」
「はい。チャチャっと!」
「もちろんイエスだ!」
「今までよりも過酷でもですか?多分、ここで暮らす方が楽ではありますよ?」
「構わない。最近はまともだったが、元々クソみたいな人生だ。成果を見せたい人も、隣を歩きたい人もいない。」
「そうですか!」
目の前の白い女性が楽しそうに手を叩いた。後ろで金髪の男が少し苦しそうな顔をしている。
「では連れて行って差し上げます。」
「本当か!」
「ただし、その先では自分で探し当ててください。必ず彼女はどこかにいます。それだけは保証しましょう。彼女は普通に転生しているので、記憶はありません。魂にはありますが、普通では閲覧できないので。そんな彼女とまた過ごしたいのですか。」
「ああ。まだ俺は彼女を知りたい。そばにいるだけでもいい。困っていれば助けてやりたい。それが先生との約束だから。自分がしたいとずっと思って行ったことだから。決めたことを守れず、途中で投げ出すなんて嫌だ。」
ほんの一瞬、目の前の女性が柔らかく微笑んだ気がした。
「真面目すぎますね!」
なんて言いながらすぐ戯け出したが。
「でしたら強くなることをお勧めします。少し強くなりやすいように工作しておきますけれど、あとはあなた次第です。」
「そうか。わかった。」
「どうか小さなヒントも見落とさないようにしてくださいね。」
「ヒント。」
「あなたがどれだけ頑張れるのか、応援させてもらいます!」
一つだけ気になることがあった。
「瑞穂は…その世界で安全なのか?」
「…。自分のことは聞かないのですね。」
女性は不思議そうに言った。
「どうでもいい。なんとかする。」
「彼女が心配なら、そうですね…あなたが見つけるまでにいなくなっては困りますから、守れるようにしておきましょう。それならいいですか。」
ホッとして頷いた。彼女のいる場所にいるのに、いないなんて本末転倒だ。
「頼む。…お前は、神なのか?」
「…それに近しい存在、とだけお伝えしておきます。」
不思議なこの状況なのに不思議と思わせないような何かがここにはある。納得できないのに納得してしまう。
「仕事や友人達に影響は出るだろうか?」
「一時的に出ますが、何事もなかったかのようにゆっくりと修復することは可能ですよ。」
「そうしてほしい。」
「あなたは優しいのですね。」
「そう言ったのはあんたと、瑞穂だけだな。」
早く見つけなければ。気持ちだけが急いてしまう。
「あんた達、名前は?」
そう言って3人を見つめた。
「ノルン」
「リヒトネアル」
「シュヴェルノルア」
女性、金髪の男性、水色の髪の男性が声をあげる。
「どうか、良き運命が待ち受けていますように。」
そういうと、ノルンはそっと腕を伸ばし、額に触れた。
自分の指先が光の粒になって舞い上がっていく。不思議と怖くはなかった。
「あなたの魂も、最終的に救われるように、私は祈っています。」
そんな声が聞こえたような気がした。
目が覚めると、ひどい空腹を感じた。うっすらと目を開けると、土の床に突っ伏していて、泥が付いている細くて小さな指が見えた。自分の意思と同時に動いた。この小さな手が自分?
握って開いて…問題なく動く。上体を持ち上げるのはびっくりするほど億劫に感じた。
体に触れてみると痩せ細って小さかった。周りにはテーブルしかないが、これが大人サイズだとすると、背の丈は小学生低学年ぐらいだろうか。
なぜか知らない記憶があった。この体の親のこと、自分のこと、近所のこと、周りのこと、情報量が多くて頭が痛くなる。
この体はすでに死ぬ間際だったということだ。
というか、元々の命は一度消えていたようだ。口の中の鉄の味と、腹部の出血の跡からそう察した。触ってみたが血が出た場所を触ってみるが傷はない。
ノルンが治したのだろうか。
頭がクラクラするのは血が足りていないからではないだろうか。
半分開いたドアから、外の喧騒が聞こえる。悲鳴と、たくさんの足音と、金属の重なる音。
「まだいたのかい!?早く逃げないと!!!」
荷物を背負った近所のおばさんが、自分に気がついて早口で叫ぶと、自分の腕を引っ張って立たせてくれた。
「どうしたんだい?!その腹は!?」
「大丈夫…」
そう発した言葉は、意味がわかるのに日本語ではなかった。フラフラと走り出す。
みんなどこに逃げれば良いのかはわからない。だが、目の前の危機から逃れるためにひたすら走らなければならない。
周りには本やテレビでしか知らない戦禍の町が広がっている。酷い匂いと煙と叫び声。むせかえるような鉄の臭い。
生きなければならない。
ふと、首に真新しい鎖に通されたシルバーのリングがかかっているのを見つけた。これだけノルンが持たせてくれたのだろうか。
渡せなかった指輪だ。
外に出ないように服の中に押し込む。
強くならなければならない。生きなければ。
人生チートで転生できればどれだけよかっただろう。
そんな甘い神様ではなかったわけだ。
だが、これが自分が選んだ世界。
試練だと言うなら、やってやろうじゃないか。
彼女の危険を守るように強くなれると言うなら本望だ。
それなのに近くに倒れている倒木の上あたりが一部光って見える。
とうとう幻覚を見始めたのか?
そう思ってじっとしていると
『わあ。私の声、ちゃん届いてるのね!』
という同じ声が聞こえた。
幻覚じゃない!?
そう思っていると、倒木の辺りから発光する力がどんどん強くなって行った。辺り一面が真っ白になり、反射的に手で顔を覆う。しばらくしてもその眩いばかりの白い世界は元に戻らなかった。戻らないどころか、倒木も夜景も見当たらない。海の音さえも飲み込んでしまったかのように、静かで、真っ白な世界になった。
目をうっすらと開けると、まだ目に光が沁みるが開けれないことはなさそうだ。いつの間にか光の白に加えて、濃い霧も発生していて自分の体すら朧げに見えた。
(なんだこれ?)
周りを首を動かして確認して見るが、何もない。仕方がないので遺骨をもったまま立ち上がる。
多分半径五メートルも見えていない。指先までうっすら確認できると行ったところだ。
「お兄さん、お兄さん。」
肩を叩かれたので勢いよく振り向いたが、誰もいない。しかし、目を凝らすと、目の前に小さな光が三つ輝いているようだった。
白、黄色、青色
ふわりと花の香りを纏いながら、目の前に人型の何かが現れた。
白い光は白いゆったりとしたドレスを纏った女性のようだった。髪も、肌も全て真っ白で、瞳だけが金色に輝いていた。
黄色い光は金髪の青年に。金髪は後ろに撫でつけられていて、赤と青のオッドアイをしている。
青色の光は水色の髪の青年に。こちらも髪を撫でつけていて、緑と黄色のオッドアイをしていた。
青年二人は民族衣装のような幾何学模様が描かれた詰襟のようなベージュの服を着ていて、金髪の方は薄い黄色のローブを、水色の髪の方は水色のローブを纏っている。金髪の方はいくらか気だるげな印象を持ち、もう片方は逆に隙を一切見せない笑顔を貼り付けていた。
現実味のなさに固まってしまう。
手の中にある遺骨を抱え直そうとすると、それすら無くなっていた。
「え!?は…なんだこれ?」
「ふふふ。これですか?」
目の前の女性が笑顔で持っていた遺骨の白い箱を持っている。
「返せ!!」
飛びかかりたいのに体は顔から下が動かなかった。それに驚いて前を見ると、水色の髪の青年が右手を俺に向けて何かしているようだった。
「返してもいいのですけど…」
「じゃあさっさと渡せ!」
「この中にはもう彼女はいませんよ?」
「!!」
「単なる骨と灰です。これらはこの星に還るものです。」
にこやかに鈴の音のような声でそういうと遺骨を優しく地面に置いた。優しく箱を撫でると、それは地面に溶けていき、一度パッっと虹色に弾けた。
「あ!!」
返せ!彼女を!
そう言おうとすると、いつの間にか鼻先が触れるぐらいの距離に白い女性が立っていて、人差し指でそっと俺の唇が開かないように押し当てていた。
「依存ですか?不健全ですね。」
うるせぇ。そうかよ。好きに言ってろ。
「彼女はもうすでに次の生きる場所が決まっています。こちらでの体が脆かったんですね。」
そんな理不尽なことがあるか!もっと一緒にいたかった。守ってやりたかった。先生との約束も守れていないし、自分の思いもちゃんと伝えられていないんだ!
「あなたも行ってみますか?」
は?
声は発せられないが目を見開いた。ゆっくりとその女性が後ろに下がっていく。そして楽しそうに目を細めた。
「あなたも不思議なしがらみが付いてますね。こちらの神の趣味でしょうか?よくわかりませんが。」
「神?しがらみ?なんだそれ?残念ながら俺は無宗教だ。」
「知らなくて当然のことなのでお気になさらず。」
なんだか話が噛み合わない。よくわからないで混乱していると、水色の髪の男が手を下げた。うごかなかった体が動くようになっていた。
「ちょっとした好奇心とこちらでいうところの老婆心ですね。ただで、というわけにはいきませんので、ここより過酷な状況に置かれるかもしれませんが、それでもあなたの大事な人のいる世界に行ってみたいですか?」
「そんなことができるのか!?」
「はい。チャチャっと!」
「もちろんイエスだ!」
「今までよりも過酷でもですか?多分、ここで暮らす方が楽ではありますよ?」
「構わない。最近はまともだったが、元々クソみたいな人生だ。成果を見せたい人も、隣を歩きたい人もいない。」
「そうですか!」
目の前の白い女性が楽しそうに手を叩いた。後ろで金髪の男が少し苦しそうな顔をしている。
「では連れて行って差し上げます。」
「本当か!」
「ただし、その先では自分で探し当ててください。必ず彼女はどこかにいます。それだけは保証しましょう。彼女は普通に転生しているので、記憶はありません。魂にはありますが、普通では閲覧できないので。そんな彼女とまた過ごしたいのですか。」
「ああ。まだ俺は彼女を知りたい。そばにいるだけでもいい。困っていれば助けてやりたい。それが先生との約束だから。自分がしたいとずっと思って行ったことだから。決めたことを守れず、途中で投げ出すなんて嫌だ。」
ほんの一瞬、目の前の女性が柔らかく微笑んだ気がした。
「真面目すぎますね!」
なんて言いながらすぐ戯け出したが。
「でしたら強くなることをお勧めします。少し強くなりやすいように工作しておきますけれど、あとはあなた次第です。」
「そうか。わかった。」
「どうか小さなヒントも見落とさないようにしてくださいね。」
「ヒント。」
「あなたがどれだけ頑張れるのか、応援させてもらいます!」
一つだけ気になることがあった。
「瑞穂は…その世界で安全なのか?」
「…。自分のことは聞かないのですね。」
女性は不思議そうに言った。
「どうでもいい。なんとかする。」
「彼女が心配なら、そうですね…あなたが見つけるまでにいなくなっては困りますから、守れるようにしておきましょう。それならいいですか。」
ホッとして頷いた。彼女のいる場所にいるのに、いないなんて本末転倒だ。
「頼む。…お前は、神なのか?」
「…それに近しい存在、とだけお伝えしておきます。」
不思議なこの状況なのに不思議と思わせないような何かがここにはある。納得できないのに納得してしまう。
「仕事や友人達に影響は出るだろうか?」
「一時的に出ますが、何事もなかったかのようにゆっくりと修復することは可能ですよ。」
「そうしてほしい。」
「あなたは優しいのですね。」
「そう言ったのはあんたと、瑞穂だけだな。」
早く見つけなければ。気持ちだけが急いてしまう。
「あんた達、名前は?」
そう言って3人を見つめた。
「ノルン」
「リヒトネアル」
「シュヴェルノルア」
女性、金髪の男性、水色の髪の男性が声をあげる。
「どうか、良き運命が待ち受けていますように。」
そういうと、ノルンはそっと腕を伸ばし、額に触れた。
自分の指先が光の粒になって舞い上がっていく。不思議と怖くはなかった。
「あなたの魂も、最終的に救われるように、私は祈っています。」
そんな声が聞こえたような気がした。
目が覚めると、ひどい空腹を感じた。うっすらと目を開けると、土の床に突っ伏していて、泥が付いている細くて小さな指が見えた。自分の意思と同時に動いた。この小さな手が自分?
握って開いて…問題なく動く。上体を持ち上げるのはびっくりするほど億劫に感じた。
体に触れてみると痩せ細って小さかった。周りにはテーブルしかないが、これが大人サイズだとすると、背の丈は小学生低学年ぐらいだろうか。
なぜか知らない記憶があった。この体の親のこと、自分のこと、近所のこと、周りのこと、情報量が多くて頭が痛くなる。
この体はすでに死ぬ間際だったということだ。
というか、元々の命は一度消えていたようだ。口の中の鉄の味と、腹部の出血の跡からそう察した。触ってみたが血が出た場所を触ってみるが傷はない。
ノルンが治したのだろうか。
頭がクラクラするのは血が足りていないからではないだろうか。
半分開いたドアから、外の喧騒が聞こえる。悲鳴と、たくさんの足音と、金属の重なる音。
「まだいたのかい!?早く逃げないと!!!」
荷物を背負った近所のおばさんが、自分に気がついて早口で叫ぶと、自分の腕を引っ張って立たせてくれた。
「どうしたんだい?!その腹は!?」
「大丈夫…」
そう発した言葉は、意味がわかるのに日本語ではなかった。フラフラと走り出す。
みんなどこに逃げれば良いのかはわからない。だが、目の前の危機から逃れるためにひたすら走らなければならない。
周りには本やテレビでしか知らない戦禍の町が広がっている。酷い匂いと煙と叫び声。むせかえるような鉄の臭い。
生きなければならない。
ふと、首に真新しい鎖に通されたシルバーのリングがかかっているのを見つけた。これだけノルンが持たせてくれたのだろうか。
渡せなかった指輪だ。
外に出ないように服の中に押し込む。
強くならなければならない。生きなければ。
人生チートで転生できればどれだけよかっただろう。
そんな甘い神様ではなかったわけだ。
だが、これが自分が選んだ世界。
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