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season2 二学期なったら本気だす
教室の日常 【日直 依田遥】
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それは昨日のこと。
「サキュ先生ー、たまには一緒にお昼食べようよー」
アタシとカナ、マユの三人がサキュ先生に声をかけると、サキュ先生は少し困ったような顔をした。
「依田さん、誘ってくれてありがとう。でも、先生今日はお昼を持ってきてないの」
「えー!? ダイエットでもしてるの?」
「そういうわけでもないけど、先生、夜一食だけの場合が多いから」
「なにソレ。ヨガやってる芸人のヒトみたい」
「でも、せっかくのお誘いだから明日はお昼ご飯を持ってくるようにするわ。それでもいいかしら?」
「わかった。じゃあ明日ねー」
###
そして今日。
アタシの机と周りの机を借りて作ったテーブルにサキュ先生が座っている。
「…………それ、先生のお昼?」
「ええ、そうよ」
サキュ先生の前には食パンの袋とペットボトルの水が置いてある。
「先生やっぱりダイエットしてるの? それともお金に困ってる?」
サキュ先生は苦笑して首を傾げた。
「そうじゃないのよ。先生ね、実は普通の食べ物の味がわからないの。お肉を食べてもお魚を食べても野菜でも、感触はわかるけど何を食べても味というものが感じられないの。唯一味がわかるのはパンと赤ワインだけ。さすがに学校のお昼にワインは飲めないから、パンと水だけになっちゃったのよ」
「そうなんだ……先生ゴメン、無理に誘っちゃって」
「ううん、先生嬉しいわ。さあ、みんなも一緒に食べましょう」
こうして、教室での昼食会は始まった。
「--そしたらサキュ先生、先生には好きな食べ物ってないの?」
「もちろんあるわ。先生スペルムは大好きよ」
「んー、すぺるむって何?」
「そうね、濃厚で口の中で舌に絡まるような食感と、かすかな苦味がたまらない大人の味かしら」
「……なんかあんまり美味しくなさそう。でも、そんなに好きなんだったら今日のお昼はそれにすれば良かったのに」
サキュ先生が涼しげな微笑みをみせる。
「ありがとう。でも、もし先生がここで好きなものを食べはじめたら、さすがにあなた達引くと思うわ」
「サキュ先生ー、たまには一緒にお昼食べようよー」
アタシとカナ、マユの三人がサキュ先生に声をかけると、サキュ先生は少し困ったような顔をした。
「依田さん、誘ってくれてありがとう。でも、先生今日はお昼を持ってきてないの」
「えー!? ダイエットでもしてるの?」
「そういうわけでもないけど、先生、夜一食だけの場合が多いから」
「なにソレ。ヨガやってる芸人のヒトみたい」
「でも、せっかくのお誘いだから明日はお昼ご飯を持ってくるようにするわ。それでもいいかしら?」
「わかった。じゃあ明日ねー」
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そして今日。
アタシの机と周りの机を借りて作ったテーブルにサキュ先生が座っている。
「…………それ、先生のお昼?」
「ええ、そうよ」
サキュ先生の前には食パンの袋とペットボトルの水が置いてある。
「先生やっぱりダイエットしてるの? それともお金に困ってる?」
サキュ先生は苦笑して首を傾げた。
「そうじゃないのよ。先生ね、実は普通の食べ物の味がわからないの。お肉を食べてもお魚を食べても野菜でも、感触はわかるけど何を食べても味というものが感じられないの。唯一味がわかるのはパンと赤ワインだけ。さすがに学校のお昼にワインは飲めないから、パンと水だけになっちゃったのよ」
「そうなんだ……先生ゴメン、無理に誘っちゃって」
「ううん、先生嬉しいわ。さあ、みんなも一緒に食べましょう」
こうして、教室での昼食会は始まった。
「--そしたらサキュ先生、先生には好きな食べ物ってないの?」
「もちろんあるわ。先生スペルムは大好きよ」
「んー、すぺるむって何?」
「そうね、濃厚で口の中で舌に絡まるような食感と、かすかな苦味がたまらない大人の味かしら」
「……なんかあんまり美味しくなさそう。でも、そんなに好きなんだったら今日のお昼はそれにすれば良かったのに」
サキュ先生が涼しげな微笑みをみせる。
「ありがとう。でも、もし先生がここで好きなものを食べはじめたら、さすがにあなた達引くと思うわ」
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