【完結】硝子の海と天色の贈り物

那月 結音

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第1話

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 刹那、身体に衝撃が走った。
 頭がガンガンする。全身に力が入らない。目も開かないし、耳鳴りもしてきた。
 こんな往来のど真ん中で倒れちゃってもう私どうしよう。
 地面と接している部分に、じわじわと痛みが広がっていく。そしてなにより冷たすぎる。
 そりゃそうだよ。だって、今十一月だもん。
「大丈夫か? しっかりしろ!! おいっ——」
 ……ん? 男の人の声? 近いとは思うんだけど、あんまりよく聞こえないな。私に言ってるのかな?
 ああ、だめだ。考えることもできないや。

 意識が……遠退く——


 ◆


「ん……」
 重たい瞼をこじ開けると、最初に目に入ってきたのは真っ白な天井だった。かすかに鼻孔をくすぐった煙草の匂い。丁寧にかけられた温かい羽毛布団。
 ……布団? あれ? 私外にいたはずだよね? ってか、ここ私のマンションじゃなくない? だって私、煙草なんて吸わないもん。
「!?」
 現状がまったく理解できない。けれども、今自分がいる場所が自宅でないことだけは認識できたので、反射的に勢いよくがばっと上半身を跳ね起こす。
「~~っ!!」
 が、すぐさま頭を圧迫されるような鈍痛に襲われたため、両手で抱えながらうつむいてしまった。ギシギシときしむ頭を振り絞って、この日一日を回想する。
 今日は朝から大学行って講義受けて、昼は実験して夕方ちょろっと研究室寄って、それからバイトに行って……あれ、これ昨日だっけ? ううん。やっぱり今日だよ、今日。あ、昨日も今日もスケジュール的には同じだっけか。……そうだ! 今日バイト中めちゃくちゃ眠たくて、その帰りに耐えきれず寝落ちしたんだった!
 しだいに引いていく頭痛。右の手のひらに少々違和感をおぼえて目をやると、綺麗に包帯が巻かれてあった。そういえば、倒れ込んだとき、とっさに突いたこの手を擦りむいたようないないような。
 左耳の下で軽く一つに結っていたはずの髪もほどかれ、背中全体を覆っている。付けていたサテン生地のシュシュは外され、着ている白いニットワンピースの袖の上から、左手首に通されていた。
 視線をこのだだっ広い寝室へと移す。おそらく十畳くらいあるだろうか。私が横たわっていたのは大きなダブルベッドだった。壁にかかったアナログの丸い電波時計は、短針が八を少し回り、長針が六を指そうとしている。私がバイト先を出たのが六時だから、もうかれこれ二時間半が経過してしまっていたようだ。
 ベッドを挟むようにして、私の背丈ほどのスタンドライトと観葉植物のパキラが、部屋のすみにそれぞれ置かれていた。家具といえば、このベッド以外には、幅約一メートルの値のよさそうな木製の五段チェストだけ。なんともシンプルだが、高級感漂う部屋だ。
 わお。その高そうなチェストの上に、私のチープなショルダーバッグが鎮座しているではないか。
 この家のあるじの性別も年齢も、まるで見当がつかなかった。でも、こんなどこの馬の骨ともしれない小娘を拾って介抱してくれるぐらいの人だから、きっと奇特な人なのだろう。大都会東京も捨てたものじゃないのかもしれない。
 そんなふうに思案に耽っていると、部屋のドアがカチャリと開けられた。いよいよ家主の登場らしい。
 とりあえず謝罪をしなければ……そう決心したときだった。
「おっ、目ぇ覚めたんだな」
 静かな空間に反響した、野太い男性の声。
 入ってきたのは、肩甲骨のあたりまで伸びた黒い髪を一つに束ね、百八十は余裕でオーバーしているであろう長身の無精髭を生やしたおっさん……もとい、おじさんだった。
 髪の毛は全体的に緩くウェーブがかっていて、気持ち左で分けた前髪は頬にかぶさるほどの長さだ。服装は、胸元の開いた黒いVネックのカットソーにダークブルーのデニムジーンズ。年齢がいまいちよくわからない。しかし同世代ではない。これは断言できる。だって、おっさ……おじさんだもの。
 そんな奇特(仮)な彼。突然こんなことをのたまった。
「お前日本語話せんの?」
「…………は?」
 思わずポカンとしてしまう。
 ちょいちょいちょいちょい、初対面ですよ初対面。『お前』呼ばわりは百歩譲って良しとしても質問がおかしいでしょ。
「いや、話せるも何も、私生まれてこの方日本から出たことないんですけど。ついでに両親ともに生粋の日本人です」
 あまりにも自然に馴れ馴れしくされてしまったものだから、私まで取り繕うことなく素で答えてしまった。
 すると、目の前の奇特(?)な彼は、さらに失礼なことを平気で言ってのけた。
「マジで? その見た目で? すんげー色素薄いのな。絶対間違われたことあんだろ」
「……否定はしませんけど」
 そりゃ確かにこの外見のせいで過去に数回間違われたことありますよ! ありますけど面と向かって『日本語話せんの?』なんてズバッとバシッと聞いてきたの、あなたが初めてですからね! べつにいいですけどね!!
 口には出していないが、心の中で一気にまくてたせいで、血圧が上昇しているのがわかる。地味に一人ゼーゼーと言っている私の心情なんて知るよしもない彼は、ゆっくりかつ平然と私のもとへ歩み寄ってきた。
「悪《わり》ぃな。勝手に免許証見せてもらった。……あ、バッグそこのチェストの上な。何も盗ったりしてないから安心しろ。トレンチコートは玄関にかけてあるから。名前見た限り、まあ日本人だろうとは思ってたけどな……羽柴はしば茉莉花まりかさん」
 左のベッドサイドにドカッと腰掛けると、彼は私の名前を呼んだ。近くでまじまじと見ると、意外にも端正な顔立ちをしていることに気づく。
 大きくはないけれど、二重瞼にきりっとした目元。筋の通った高い鼻。シュッと引き締まった顎。なのに、そこに生えた髭がその整ったパーツをすべて台無しにしてしまっている……ような気がする。
「俺は速水はやみ朔哉さくや。お前、道端でド派手にぶっ倒れたの、覚えてる?」
 私がやらかした失態について、超大雑把に説明してくれた彼——速水さん。あのとき私に声をかけてくれていたのは、この人だったのか。
 しまった……遅くなってしまった。なにはともあれ、まずは謝罪だ。
「はい。……あの、すみませんでした。ご迷惑おかけしてしまって」
「いや、それは気にすんな。気分悪いだとか、手当てしたとこ以外に痛いとこねぇか?」
「あ、はい」
 頭痛もおさまったし、まったくといっていいほど左手の痛みも感じない。身体もだいぶ軽くなった。きっと、こんな素晴らしく寝心地の好いベッドで仮眠をとらせてもらえたおかげだ。
 今度はお礼を。しかし、そう思ったのもつかの間だった。
「よし。じゃあ、ひとこと言わせてくれな。申し訳ないと思いつつ、免許証と一緒にあった学生証も確認させてもらったわけだが……」
 なにやら改まった態度の彼。ポスンとその大きな左手を私の頭に置くやいなや、そのまま自分のほうへぐいっと勢いよく引き寄せた。
 そして——
「薬学部の学生が栄養失調と睡眠不足なんざどういう了見だ!! お前体重軽すぎんだよ!! 抱えて一瞬ヒヤッとしたわ!!」
 静かな部屋に轟いた青天の霹靂。
「医学も栄養学もかじるぐらいのことはやってんだろーがっ!!」
 鼻と鼻がぶつからんばかりの距離で彼に怒鳴られてしまった。耳の奥から脳にかけてキーンという高音が鳴り響き、瞼の裏でパチパチッと火花が散った。
 そう。私は薬学部に在籍する大学四年生だ。入学して以来、それはもう日夜勉学に(バイトに)励んでいる。……倒れるほどに。
 そんな苦学生の私に対し、速水さんの怒涛のクエスチョンタイムが始まった。
「ここ最近の平均睡眠時間は?」
「……二、三時間です」
「飯、ちゃんと食ってんのか?」
「食べてます」
「嘘つけ。ちなみに今日何食べた?」
「えーと……白桃ゼリーとアロエヨーグルト」
「……それ飯じゃねぇよ。つかもっと咀嚼そしゃくしろ、咀嚼」
 はあ、と一つ大きな溜息をつくと、彼は項垂れてしまった。どうやら私に呆れたご様子だ。
 言い訳をするつもりはない。紛れもなく自己管理不足だ。それに、あろうことか無関係の彼を巻き込んでしまうなんて。
「……ごめんなさい」
 二十二にもなって情けない。『人様に迷惑かけないように』って育てられたのに……ごめん、お母さん。
「……忙しいのはわかる。けど身体壊したら元も子もねぇだろ。もっと自分いたわってやれよ」
 自己嫌悪に陥っている私に優しくこう言うと、速水さんはもう一度私の頭に左手を乗せ、くしゃりと撫でてくれた。これに対し、視線を下に向けたまま、こくりと頷く。
 やばい、泣きそうだ。
「……で、だ。お前、今日ウチで飯食って帰れ」
「…………へ?」
 唐突な彼のこの言葉に顔を上げ、なんとも素っ頓狂な声を出してしまった私。涙なんてものは瞬時に引っ込んだ。
「お前が寝てる間に作っといたからな」
「そ、そこまでしていただかなくて結構です!!」
 全力でブンブンと首を横に振る。彼が奇特な人だということはもう断定だ。これは間違いない。でも、いくらなんでもちょっと度が過ぎやしないだろうか。助けてもらったうえに食事をご馳走してもらうだなんて、厚かましいにもほどがある。
「だーめーだ。一人だと、どうせろくなもん食わねぇだろ」
 けれど、彼は聞き入れてはくれなかった。この無様な有様と、さっきのお粗末な回答の手前、ぐうの音も出ない。……困ったな。
「食うまで帰らせねぇかんな」
 ちょっと。今この人さらっと怖いこと言ったよ。
 口調はそれほどきつくはないが、目が真剣だ。これは夕飯をここで食べないと本気で帰らせてもらえそうにない。
 観念した私は、はなはだ強引な彼のこの『親切心』に甘えることにした。
「……じゃあ、いただいて帰ります」
「わかればよろしい」
 一転、彼は表情をやわらげ、ふわりと微笑んだ。意表を突かれ、一瞬胸がどきりと高鳴る。
 この人、こんな笑い方もするんだ……。
 なんだかホッとした。
 親元を離れ、一人暮らしを始めてから早四年。最初は、東京なんてモンスターシティーで本当に生活していけるのか、ものすごく心配だった。
 高くそびえるビルの群れ。抗うことままならない人の波。あらゆるものの規模が桁外れに違っていて、孤独と不安に押し潰されてしまいそうだった。だけど、どうにかこうにかやってこられたので、どこか慢心していたところが自分の中にあったのかもしれない。それが、今回のこの結果を招いてしまったのだ。
「あの、速水さん」
「ん?」
「ありがとうございました」
 さきほど口にしようとしてできなかった感謝の言葉。申し訳ないとは思いつつ、ありがたいと思っているのも事実だ。彼が救ってくれなければ、今頃自分はどうなっていたか……考えれば考えるほど恐ろしい。
「どういたしまして」
 私の謝意に、彼はまた笑顔で応えてくれた。自然と顔がほころぶ。
「んじゃあ、向こうの部屋に移動すっか」
 両膝をパンッと叩くと、彼はベッドサイドから立ち上がった。それに続いて、私もベッドから下りると、ともにこの寝室をあとにした。
 彼に案内されたのは、リビングダイニング。……これがまた広い。おそらく四十畳はゆうにある。
「今からパスタ茹でるから、ちょっと待っててくれな」
「あ、手伝います」
「こらこら。病人は大人しく座っとけ」
 キッチンに入っていく速水さんについて私も入ろうとしたのだが、ビシッと制され、四人掛けのこの小洒落こじゃれたダイニングテーブルに着いて待つよう指示されてしまった。
 暇だ。上げ膳据え膳って、なんか落ち着かないんだよな。
 カウンター越しの彼は、慣れた手つきで、テキパキとそつのない動きをしていた。その器用さについつい見惚れてしまう。しばらくすると、食欲をそそるハーブのいい香りが部屋の中に充満してきた。
 整理整頓された清潔な空間。……というか、ものが少ない。雑貨類など、まったくないわけではないが、必要最低限しか揃えていないといった感じだ。男の人の一人暮らしとはこんなものなのだろうか。
 ふとリビングの壁に顔を向けると、そこに飾られている大きな写真が目に留まった。
 白い砂浜と、どこまでも広がる蒼い空に、透き通るような碧い海。
 日本国内の景色なのか、国外のそれなのかはわからなかったが、吸い込まれそうな錯覚をおぼえるほどの魅力が、その写真にはあった。たしか、寝室にも額に入れられた風景写真が一つあったような気がする。
 速水さん、写真好きなのかな?
 こんなことを心に思い浮かべながら、何気なく自分の正面にある出窓を覗いた。
 …………え?
「おまちどおさん」
 キッチンでの支度を終えた彼が、こちらへとやってきた。白い陶器に盛った二人分の食事を、テーブルの上に並べていく。『じゃあ食うか』と、私の向かい側に座った彼に、たった今、超高速で湧き出た疑問を投げかけてみた。
「あの……つかぬことをお伺いしますが、ここは何階なのでしょう?」
「え? 十五階だけど」
 そうですよね!! それぐらい高さありますよね!! だって半端なくナイスビューなんですもの、この夜景っ!!
 これを聞いてしまえば、こちらも聞かないわけにはいかない。
「ここまで私を抱えてきてくれたんですか?」
「んー、まあ『抱えて』っつーか『おぶって』だな」
 あ~~~~っ!!
「ほんっとに、ごめんなさいっ!!」
 テーブルに頭をぶつけんばかりの勢いで頭を下げる。
 何をやってるんだ、私は!! もはや『申し訳ない』じゃすまないレベルだぞ!!
「もういいって。言っただろ? 軽かったんだよ、すっげー。だから、悪いと思うんだったら食え」
 そう言った彼が用意してくれていたのは、トマトとバジルのパスタとシーザーサラダ。彼の心遣いと、目に映る鮮麗な赤と緑が、しおれた私の心に染みた。
 彼に促され、手を合わせる。ステンレス製のスプーンとフォークを手に取ると、ソースを絡めた麺をクルクルと巻き取って、パクッと一口頬張った。
「!! ……美味しいです、とっても」
 口から鼻に抜けたバジルの香りと、舌に残ったトマトの甘味と酸味。見た目もさることながら、彼の料理は想像以上に絶品だった。
「だろ? ゆっくりでいいから、食べられるだけ食べろ」
 それに、なにより温かい。
 食卓を誰かと囲むのも、ホカホカのご飯を食べるのも、実に久しぶりだ。それをともにしているのが、出会ったばかりの人だということは、一般的に考えればおかしなことなのだろう。けれど、人の厚意はやっぱり純粋に嬉しいものだ。
 たまには肩の力を抜いて、素直に人に甘えてみるのもいいかもしれない。
 ……そう思っていた時期が、私にも一瞬だけありました。
「とりあえず明日から一週間、晩飯だけでもウチに食べに来い」
 フォークで突き刺したはずのクルトンが、ポロッと器の中に戻った。
「…………はあっ!?」
 これでもかというくらいまで目を見開き、驚愕の声を盛大に発する。
 もうどこからどう突っ込んでいいかわかんないんだけど!! なにこの親切な俺様は!! 私を肥やしてどうしようというの!? それともただのお人好しですかっ!?
 ガクッと肩を落とす。答えは決まっているようなものだけど、一応念のため、今まさにレタスを口にしようとした彼に、おそるおそる聞いてみた。
「拒否権は……?」
「あ? ないに決まってんだろ、そんなもん」
 はい、わかってました。
 返事をするために寸止めさせたレタスの刺さったフォークを、口の中へと運んだ速水さん。『寝言は寝ながら言え』といわんばかりの彼のこの態度に、私は反論することも拒むこともできなかった。
 木枯らしの吹く二十二歳の秋。目の前でにやりと笑う年齢不詳のおじさんとの、なんとも不思議な関係がスタートした。
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