Recreation World ~とある男が〇〇になるまでの軌跡〜

虚妄公

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第2章 ダンジョン探索編

32話 ギルドの資料館

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マックスは2人っきりになったあと、ここだとダメだからついていらっしゃい、と言って立ち上がった。

 そのままマックスについていくと、ギルドマスター室と書かれた部屋に入り、マックスは鍵をかけた。

「申し訳ないんだけど、これから見るもの聞くものを他人に話せないようにする誓約魔法をもう一度結んでもらっていいかしら」
「ああ」

 誓約魔法のスクロールを使って契約が完了した。

 するとマックスは本棚に手をかざし、何らかの呪文を詠唱した。

「手を重ねてもらっていいかしら♪」
 リュウジンはマックスが差し出した手に自分の手を重ねた。
 すると魔法陣が起動しさっきまでいた部屋とは全く違う大きな図書館のような場所にいた。

「ここはギルドが共通で管理しているギルドの資料館よ。ギルドマスターと許可されたものしか入れない異空間のような場所にあるから、はぐれないようにしてね。
 何百年と集めたもの全てがここにあるから全てを歩いて回るのに1年はかかる広さがあるからはぐれたら戻れなくなるわよ♪ついてきて♪」

 そう言った後マックスは歩き出し、真ん中に大きなクリスタルがある円形の空間の部屋についた。

「流石に全てを歩いて回れないから、これと同じ部屋ようながいたるところにあってお目当てのものがある付近までこれを使って移動するのよ。また手を重ねてもらっていいかしら♪」
 リュウジンがまた手を重ねると

「はい。もういいわよ。全然変わってないように見えるけど、さっきと違う場所よ。
 さっきはここに323番って書いていたけど、今は3番って書いているのよ。行くわよ」
 リュウジンには部屋が変わったことなど全くわからなかったが確かにクリスタルの前にある台座には3番と書かれていた。

 部屋を出ると、

 ガチャン、と2人の門番らしき男が持っている槍で道を塞いだ。

「帝都支部のギルドマスターを務めるマックス=マッドローグよ。こっちの彼は第4騎のよ」

「認証した」
 そう言って男達は端に寄った。

「行くわよ」
 リュウジンはそのままマックスについていった。

「一桁台は最高機密ばっかりだからああやって門番が立っていて、許可あるものしか入れないのよ」
「俺は許可をもらった覚えはないぞ?」
「それについては後で説明するわ。あと問題を起こしちゃダメよ。ここにいる門番は私程度なら瞬殺できるくらい強いから」

 リュウジンも門番の強さについては感じ取っていた。
 流石にあの神的存在ほどの圧力は感じなかったが、正確にはわからないがその眷属と同等の力は持っているだろうということはわかった。
 つまり、いまのリュウジンでは手も足も出ない相手なのである。

「あんなのがギルドにはゴロゴロいるのか」
 1桁台には門番がいると言う言葉により少なくとも18人はあれクラスの人間がいるということだとわかった。

「私たち冒険者ギルドが決して国に屈しないですんでいるのも彼らが冒険者ギルドにいるからなのよ。武力で制圧するのは不可能に近いのよ。それぞれの国の騎士にも同じくらいの実力者はいるけど数では圧倒的にギルドが多いのよ」

 リュウジンはそれほど多くの人間が自分より遥かに格上であった眷属と同等のレベルであることに顔を引き攣らせた。

 そんなリュウジンを見たマックスは一旦止まって

「フフフ。世の中には自分の想像のつかないことが沢山あるわよ?自分の目で見て感じたことだけが全てではないの。柔軟な思考を持ってこれからもがんばっていきなさい。貴方には彼らと並ぶ可能性を秘めているわ」

 そしてまた歩き始めた。

 第4騎と書かれた門の前についたマックスはまた呪文を詠唱し門を開いた。
 そして門を潜ってある程度歩くと

「ここよ」

 見上げても上が見えないくらいの大きな本棚があるが、ほとんどは何も入っておらず数十冊程度の本が手に取れる高さに並んでいた。

 マックスは数冊手に取って歩き始めた。
 すると少し開けたところに出て真ん中に大きなテーブルが置いてあった。

「座ってちょうだい」
 イスを引きながらマックスはそう言った。

 リュウジンとマックスは向かい合わせに座った。

「ちょっと待ってね」

 そう言ってテーブルに備え付けられているボタンをマックスはいじっていた。
 するとリュウジンの目の前に半透明のウィンドウが現れた。

「本来ここはギルドの幹部同士が何かあったときにすぐに話し合えるようにってことでも置かれているのよ。流石にこんなにでかいテーブルだと少ない資料を回して読むわけにもいかないから、この機能を使うことによって誰でもすぐに見れるようになっているのよ♪」

「すごい便利な機能だな」
「こういった多人数で話し合う場なんかでは大抵使われているわよ」
 現実世界でも使えたら便利だな、とリュウジンは考えていた。
 だがリュウジンが知らないだけで既にこの機能を使っている企業はあるのである。

「さて!それじゃあ何から話していきましょうかね♪」
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