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6,屋敷での日々
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俺はその夜、一人屋敷の庭で考えていた。
なぜ俺には魔法が使えないのか。ミリアちゃんの、命をかけてでも叶えたい事。
辛い練習とは何か。
"コツ コツ コツ コツ "
後ろから靴のなる音が聞こえた。
振り返る。
「エリスちゃん!じゃなくて、ミリアちゃん。」
「どうしたの~?こんな夜遅くに。もう真夜中だよ。」
と言いながら俺の隣に腰かけた。
もうそんな時間帯なのか。
「うーん。お、女の子にこんなの言うのどうかと思うけど、俺、すっごい不安なんだ。これからの先の見えない日々が。」
「練習のこと?」
「うん。それとか。いろいろ。」
「れおくんはすごいと思うよ。"俺も協力したい"って言ったの。私だったら、あの状況でああ言うのは無理だったと思うな。」
「そう…かな?」
「うん。すごいよ。」
風が吹く。
「少し、寒いね。私部屋に戻るわ。れおくんも早く戻ってね。あるまくんとももかちゃんも心配してる。」
気まずくなったのか、本当に寒くなったのか、ミリアは屋敷に入っていった。
入れ替わるようにして、リアがやってきた。
そして、ミリアと同じように俺の隣に腰かけた。
「私は言いました。練習は辛いですよ。と。」
「うん。聞いた。」
「あなたは迷うことなく"はい"と答えた。」
「うん。」
「リアには分かりません。だって、剣術を練習しても、魔法には敵いません。命を無駄にするのですか?」
「え…。い、いや、命を無駄にする気はない。誰だって自分がかわいいんだよ。まぁ、剣を使いこなせたらかっこいいかなーって思って。」
「そうですか。」
リアはただ一言そう言うと、戻っていった。
ひとりになった俺は思った。
"剣術って、魔法に敵わねーのかよ!!!"
対等に戦えるものだと思っていた。
アニメや漫画でもよく見る。凄腕の剣士が魔法使いと戦うシーンを。
「くっそー。」
さっきもアニメ、漫画でありきたりな言葉を言った。"誰だって自分がかわいい"とか。
「だっせーな俺。もっと他にセリフなかったのかよ。」
俺は地面にあお向けになった。
「星がうぜーくらいだな。」
俺の目の前にはほんとにうざいくらいの星。数えろと言われたら無理だと答える。
多分俺は、星を見ながらそのまま寝た。
"ツンツン"
誰かが俺の頬をつつく。
俺はうっすら目を開ける。
リアの姿が見えた。
「寝起きの顔はやはり無様ですね。おはようございます。れおくん。」
「いや、その前置きいらないから。 おはよう。」
あたりはまだ薄暗かった。
「なに?朝早くに。」
「れおくんには、リアの手伝いをしてもらいます。掃除とか掃除とか掃除とかです。」
「えーー。俺掃除だいっきらいだよ。」
「リアも嫌いです。」
「都合いいなぁおい。」
「それを言える立場ですか、れおくん。あなたは魔法が使えない。たいして戦力にならないあなたをここに置いてあげているのですよ?食費の無駄ですし、あなたのご飯をつくるリアの仕事が増えます。それにリアはあなたに剣術を教えなければならないのですよ。二人の魔法も教えなければならないし、リアの仕事がさらに増えます。それにそれに…。」
「あーもう分かったよ。喜んでお掃除いたします。」
俺がそう言わなければ、永遠と喋っていそうな勢いだ。
「ふ(笑)」
リアの笑った顔。初めて見た。
「何、人の顔をジロジロ見てるんですか。変態。」
「うるせぇ。」
「あ、そうです。毎朝起こしに行くのでお部屋で寝てください。今朝はお部屋にいなくて焦りました。」
「はーい。わかったよ。」
俺の異世界生活は、こうして幕をあげました。
なぜ俺には魔法が使えないのか。ミリアちゃんの、命をかけてでも叶えたい事。
辛い練習とは何か。
"コツ コツ コツ コツ "
後ろから靴のなる音が聞こえた。
振り返る。
「エリスちゃん!じゃなくて、ミリアちゃん。」
「どうしたの~?こんな夜遅くに。もう真夜中だよ。」
と言いながら俺の隣に腰かけた。
もうそんな時間帯なのか。
「うーん。お、女の子にこんなの言うのどうかと思うけど、俺、すっごい不安なんだ。これからの先の見えない日々が。」
「練習のこと?」
「うん。それとか。いろいろ。」
「れおくんはすごいと思うよ。"俺も協力したい"って言ったの。私だったら、あの状況でああ言うのは無理だったと思うな。」
「そう…かな?」
「うん。すごいよ。」
風が吹く。
「少し、寒いね。私部屋に戻るわ。れおくんも早く戻ってね。あるまくんとももかちゃんも心配してる。」
気まずくなったのか、本当に寒くなったのか、ミリアは屋敷に入っていった。
入れ替わるようにして、リアがやってきた。
そして、ミリアと同じように俺の隣に腰かけた。
「私は言いました。練習は辛いですよ。と。」
「うん。聞いた。」
「あなたは迷うことなく"はい"と答えた。」
「うん。」
「リアには分かりません。だって、剣術を練習しても、魔法には敵いません。命を無駄にするのですか?」
「え…。い、いや、命を無駄にする気はない。誰だって自分がかわいいんだよ。まぁ、剣を使いこなせたらかっこいいかなーって思って。」
「そうですか。」
リアはただ一言そう言うと、戻っていった。
ひとりになった俺は思った。
"剣術って、魔法に敵わねーのかよ!!!"
対等に戦えるものだと思っていた。
アニメや漫画でもよく見る。凄腕の剣士が魔法使いと戦うシーンを。
「くっそー。」
さっきもアニメ、漫画でありきたりな言葉を言った。"誰だって自分がかわいい"とか。
「だっせーな俺。もっと他にセリフなかったのかよ。」
俺は地面にあお向けになった。
「星がうぜーくらいだな。」
俺の目の前にはほんとにうざいくらいの星。数えろと言われたら無理だと答える。
多分俺は、星を見ながらそのまま寝た。
"ツンツン"
誰かが俺の頬をつつく。
俺はうっすら目を開ける。
リアの姿が見えた。
「寝起きの顔はやはり無様ですね。おはようございます。れおくん。」
「いや、その前置きいらないから。 おはよう。」
あたりはまだ薄暗かった。
「なに?朝早くに。」
「れおくんには、リアの手伝いをしてもらいます。掃除とか掃除とか掃除とかです。」
「えーー。俺掃除だいっきらいだよ。」
「リアも嫌いです。」
「都合いいなぁおい。」
「それを言える立場ですか、れおくん。あなたは魔法が使えない。たいして戦力にならないあなたをここに置いてあげているのですよ?食費の無駄ですし、あなたのご飯をつくるリアの仕事が増えます。それにリアはあなたに剣術を教えなければならないのですよ。二人の魔法も教えなければならないし、リアの仕事がさらに増えます。それにそれに…。」
「あーもう分かったよ。喜んでお掃除いたします。」
俺がそう言わなければ、永遠と喋っていそうな勢いだ。
「ふ(笑)」
リアの笑った顔。初めて見た。
「何、人の顔をジロジロ見てるんですか。変態。」
「うるせぇ。」
「あ、そうです。毎朝起こしに行くのでお部屋で寝てください。今朝はお部屋にいなくて焦りました。」
「はーい。わかったよ。」
俺の異世界生活は、こうして幕をあげました。
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