カミサマカッコカリ

ミヤタ

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ドラゴン

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 キャラバンの補充やら下水処理を終わらせて一行は夜の砂漠を渡っていた。寒さに震えながら食堂車の中に集まり暖かいお茶と毛布にいくら日中休んだとはいえ疲労の色は濃い。
日帰りのような気分なのは仕方のないことだろう。寒さに沈黙し、時折休憩を取りながらも砂漠を渡りきり、大街道へと入る。
 ラウ国の大街道の山脈側の終点であるベルラウ市は山越えの出発地点でもあり最終地点でもあった。大山脈とはいえ大キャラバン隊では超えられないので山脈沿いに外洋へと向かう大街道へ曲がり、外洋都市サロアラウより巨大船で隣のジョウア国へと向かう。ベルラウ市よりサロアラウ市へは丸一日半かかる。砂漠を回り込んで行くのだがその代わり山脈の傍を通るので水の心配をしなくて良いのが利点であった。砂漠と緑が見える街道は遠い道のりであっても旅人たちの目を楽しませてくれる。
 歩きの旅人や、荷物が少ない、ロバや馬とともに行くのであれば大山脈を超えたほうが早い。商業キャラバン隊ではほぼ海を越えなければいけない。大山脈とはいえ、ベルラウ市の辺りはまだ標高も低く、道を慣らしてあるため、旅人たちは山脈越えを選ぶものが多く、山越えをした麓の都市は大変にぎわっていた。また関所でもあるので旅人は入国手続き出国手続きを麓の都市で行う。ベルラウ市側、入って森林部を抜けてすぐに切り立った岩肌がそびえたつ。そこは時折落石事故が起こっている箇所ではあったのだが、防石網などで被害を最小限にとどめていた。そこが今回崩落したのだ。寸断された事によって、ジョウア国からこちらへ山越えしてきた者たちも立ち往生している。山脈を戻るよりも目の前のベルラウのほうが近い。彼らを通すためにも早急な作業が必要であった。崩落の知らせは、すぐにジョウア国側にも伝えられた。行方不明者の捜索とともに崩れた斜面の撤去作業が行われているが遅々として進まない。第二、第三の崩落を恐れて慎重な作業が進められていた。ベルラウでは通行止めになってしまって困るという旅人たちや、野次馬などでごった返していた。
 そんな中を榛名は対応本部へと赴き、ガウ大佐へと王の書状を渡す。現場指揮官は忙しそうであったが、内部の話になると深刻な表情を浮かべた。王との話を伝え、内部の状況を聞くが兵士が途中まで降りて戻ってきて以降だれも降りないように封鎖していると告げる。
「では私がどうにかするので、誰も入らないように完全に封鎖してください」
「しかし」
「まあ強敵ですしね。正直ドラゴンなんて眉唾だと思われるかもしれませんが、底に何か恐ろしいものがいるというのはわかっているのでしょう。それをどうにかしてきますので、そうですね。一週間。一週間たっても戻ってこなかった場合は、完全に封じてください。ほかの術式者を呼んでもかまいませんこの入り口を完全に封鎖してください。またこの付近一帯を通行禁止とし、ドラゴンを刺激しないようにしてください」
「それほどまでに危険なのであれば、術式者様だけ行かせるわけにはまいりません」
「いえ、私と弟子だけで十分です。それ以外は逆に危ない。私たちも自分の身を守るだけで精一杯なので、申し訳ない」
 きっぱりと言い切ると、手の中の王の書状に目を落とし、ガウ大佐はため息をついた。
「わかりました。見張りは立てておきますので、出られる際は声賭けをお願いします」
「ありがとう」
 ほかにもいくつか決め事をつくり、合意してキャラバンに戻る。みんなに話をつけると不安そうなキャラバンのスタッフ達を慰める。
「これをもっていきなされ。さっき出来上がったばかりの増幅装置じゃから」
 と、ノースが榛名の手に二つの赤い水晶を持たせる。
「ありがとうございます。ノース技師」
 それをポケットに入れると手ぶらで向かう。背後は軍の関係者がついてきた。二人が中に入ると外から巨大な石を持って入り口をふさぐ。真っ暗だと思っていた空洞の中は目が慣れると夜空が広がっているようにも見えた。ヒカリゴケの類なのか空気がよどんでいる様子もない。
「地形スキャン」
 榛名が空洞内をスキャンする。
「先生、きれいですね」
 空気が澱んでいるような様子もなく、空洞内部が榛名たちの前に現れる。
「ああ、こういう構造してたね。忘れてた」
「忘れてたって、先生ぇ」
 正方形の空間は人為的で、巨大だった。底がどこに当たるのかはわからないが榛名たちは麓のベルラウ市から森の中をゆっくりと上ってきている。ラウベルのあたりよりもさらにふかそうだと松宮は思った。
 天井は見えない。スキャンした画像だと正方形の角柱型の部屋に何本もの円柱が建っている。天井も見えないが下も見えない。ただし巨大な空間であることに違いはない。壁には装飾がほどこされところどころ松明がおかれていた。
「あ。永久松明か。火」
「永久松明?」
「炎をつけたら永遠にそこで燃え続けてくれますよ。水をかけても消えない」
「それはすごい」
 ぽぽぽと松明に火がともされる。浮かび上がった世界はスキャンしたホログラムよりいっそう迫力があった。今現在地点が最上階として、壁にそって螺旋状に回廊が下降している。途中壁ごとに横道がありそこから別のところへ出口がつながっていることが判明した。
「入り口四箇所つくったっけ。じゃあいきましょうか」
「はい。先生」
 一番下まで道なりに灯った松明の明かりに浮き上がる巨大な円柱が何本も立ち並ぶ空間。それでも、ドラゴンの姿はまだ伏して見えない。二人は四辺をぐるりと回るようにゆっくりと降りていく。
「少し、寒いですね」
「そうだね。光の届かない内部ということもあるのかもしれない」
 下へと向かうにつれて、松宮の足が震える。悪意、害意、強烈なほどの敵意。それらは人のそれを超えている。恐怖に足がすくむ。
「どうしたの」
 ぴたりと足を止めた松宮を振り返る。ひざに両手をついてはぁと息を吐き。眉をハの字に落としてへにゃりと笑った。
「すみません、足が震えて」
 声も震えている。
「ああ、怖いのか」
「ここここここわくなんて怖いです!」
 ひっくり返った声で言われても説得力は皆無なのだが本人はどうしようもないほど恐怖を感じているらしく、榛名はふむと腕を組んだ。
「君、ここにいたら?私一人で行くから」
「何言ってるんですか。大丈夫大丈夫」
「怖いんでしょう」
「先生は怖くないんですか」
「うん。そりゃあ困ったな、まずいなとは思うけれど。正直私でもやばいなとは思いますけど、それでもやんないことには始まらないでしょう。進まないからね。いくしかない」
「せんせぇ」
「情けない声だしなさんな」
 苦笑しながら、数歩先を進んでいた榛名は戻って松宮の背中をたたく。その強さによろめき、一歩、二歩と進んでそのまま歩き出す。隣に並んだ榛名の口調が一気に固くなった。
「松宮、防御壁を展開、保留。三枚」
「さっ三枚?」
「君ならできる」
 プログラム術式者はその能力によりけりだが、おおむね展開させるプログラムを五枚程度は保留できる。モニターと呼ばれるアイコンを小さく空中投影させてそれを重ねておいておく。一番手前が一番最初に発動させるプログラムだ。タップしていけば発動されるので術式者は用途に応じてそれらを保留させておく。術式者はそもそも自分の使うプログラムを幾種類も用意している。基本的なものは全員が使えて、そのプログラムは呼吸をするように出し入れができる。指先と脳の反応や思考でプログラムの書き換えは可能。落ち着いたときにプログラムをいじったりして自分用に調整している者が多い。空中に投影されているモニターを見ながら空中に投影されたプログラムでできたキーボードで書き換えることも可能。松宮はキーボードを出してそこで調整を行うタイプだが実践中はそうはいかない。脳内での書き換えを徹底的に叩き込まれている最中だ。リュエト、グロックの両名は最高五枚を保留できる。三枚といえば彼ら以外の術式者たちが軒並み扱える保留枚数だ。弟子では一枚を展開させ、発動するのが精一杯。
 開いたプログラムを保留することは術式者の負担となる。防御壁など削れて消失するようなものはモニターを注視せねばならず、プログラムを一枚展開させるという事は脳と直結しているそれを複数処理しなければならない。術式者たちは無意識のうちにそれをコントロールし、制御しているようだが弟子たちはそれに失敗し、展開させた複数枚数の内一枚を発動させることなく落としてしまったりすることがある。発動させるまでは脳とつながっているため、負荷が大きく保留したまま長時間の行動は術式を扱う者の心身的負担になってしまう。ゆえに術式者となるには師を持ち、その指導に従ってプログラムを扱い、心身を鍛錬していく。それは術式者も同じで、常にプログラムを扱いながら己の負荷やタイムラグや弱点をカバーするかという鍛錬は欠かせない。
「むちゃなぁ」
 と榛名を見て驚く。十枚のプログラムが保留されていた。その順位は常に入れ替わっており、優先度を決めかねている。唖然とする松宮はずっと弟子であったがためにすっかり忘れていた。榛名自身はタイムラグ無しで発動できることを。つまり保留すらしないのだ。立て続けどころか同時三枚発動なんてザラだ。
 プログラム術式はプログラムを展開、発動させるという二つの行動が必要となる。榛名は展開という行動をしない。そのまま発動させる。ただし何を発動させるのかを発声することで周りに展開、発動させていると認識させていた。一人で旅をしていたときは無言で発動させていたなぁと笑いながら言っていたのを思い出す。そんなことをできる術式者は榛名以外いない。
「展開。防御壁。防御壁。防御壁。うぐぐぐ」
 プログラムを三枚展開させるというのは松宮には負担になる。それでも何とか保留させて、最初の一枚が揺らいでいる。
「集中」
「はいっ!」
 落ちそうになった一枚を固定させ、三枚を保留したまま二人は最下層へとたどり着いた。広大な部屋は壁に沿ったたいまつの明かりでさえ小さい。それでもほのかに浮かび上がるそこは巨大な円柱が何本も立ち並ぶ幻想的な場所であった。ぴちゃんと靴底をぬらすのは水。薄く水の張った床は二人の足音を立てる。
「水?」
「地下深いのでどこからか漏れてるのかしら。普通ないのだけれど」
 溜まっているのではなく、動いているな、と思ったのはどこからともなく流れてきた光苔が足元を通過していってからだ。
「うーん。なんでだろ?」
 首をかしげる榛名に松宮は何もいえない。正面からくる敵意にひざをつかないようにするのが精一杯だ。ドラゴンの喉が鳴る。
「さて、気合を入れていきますか」
 にぃと笑った己の師にぶるりと松宮は身震いをした。
「松宮、すべて展開」
「えっはいっ」
 防御壁三枚を展開させる。維持しながら、榛名は保留しているプログラムとは別のプログラムを展開させた。
「目、閉じろ!光」
 叫ばれて、あわてて目を瞑る。まぶた越しでもわかる強烈な光にドラゴンのすさまじい咆哮があがった。
「防御壁」
 目を開けて何度か瞬きをして呆然とする。光に照らされた空間は最初の強烈な光ではなく室内を照らし出していた。目の前には炎が防御壁を軒並み砕く。
「うわぁ。即座に耐久なくなるとか」
「防御壁」
 松宮の防御壁が瞬時に消える。榛名の防御壁ですら、耐久値を瞬く間に削られていく。一枚が割れるのにそう時間はかからない。松宮の三枚が削られた後、即座に三枚展開させたが炎の勢いはとまらない。ブレスの強さに驚き、唖然としている間に榛名の三枚がかき消された。六枚の内最後の一枚の耐久値ぎりぎりで炎が止む。それを破棄すると待機させていた内の四つを同時に展開させた。
「自動治癒、防御壁。雀蜂。ロープ」
 光のロープがドラゴンの動きを止めようと体に巻きつく。束縛されたものの縛り上げられて動きが止まる。
「防御壁」
「はいっ。展開。防御壁」
 一枚だけをだして厚みを最大限に引き上げ、維持を専念する。ロープは榛名の両手で巻き取られ、ドラゴンとにらみつける。御伽噺で見たそれとかわらないような変わるような。
「羽四つあるんですね。鬣が鋼で体は漆黒。目が金と赤のオッドアイ。なんだろう、先生胸が痛い」
「あ、ドラゴンのデザインは昔ね。地球にいたときに隣の男の子が考えた「ぼくのかんがえたさいきょうのどらごん」っていうタイトルだったような気がしますよ。ちょーかっこいいでしょ!って言ったのでそれをモデリングしました」
 なんだろうこのなんともいえない感じとチベスナ顔になりながら松宮は首を振った。
「女王蜂」
 力で抗うドラゴンと拮抗する。雀蜂がドラゴンに攻撃を加える。表皮の鱗は硬いのでうろこの隙間を縫うように入り込む。
「チッ」
 女王蜂の一撃に蜂の一撃で激しく暴れる。光のロープはちぎれ、榛名は反動で飛ばされた。床を転がり、水を跳ね上げて何とかとまる。すぐさま立ち上がり、防御壁を張る。蜂に刺された痛みで羽を広げ、暴れる。
「展開。防御壁」
 円柱の柱が折れて崩れる。地響きとともに咆哮があがり、尻尾が崩れた円柱の瓦礫を弾き飛ばす。
「防御壁」
 四枚を展開させる榛名に二枚展開させていた松宮は必死に食らいつく。円柱の瓦礫、それでも塊というにふさわしい重さが防御壁を襲った。松宮の展開していた壁は二枚とも崩れ、榛名の防御壁も一枚落ちた。
「くそっ」
「せんせ、これマジでやばいんじゃ」
「そりゃそうでしょうよ」
 榛名の目の前に開かれたモニターは赤く染まっている。
「ドラゴンのデータです。これが体力というかダメージ蓄積ゲージ」
「あー」
「かまいたち」
 風の刃で相手を刻むプログラムを発動させる。それは利いたのかドラゴンがのけぞった。ダメージ蓄積ゲージが増える。
「これがここまで溜まれば、完全に消滅というかわれわれの勝ちですが」
「ですが」
「槍」
 無数の槍が弧を描く。そのままドラゴンへと突き刺さっていくがそれを尻尾や前足で散らす。打ち落とせなかった幾本かがドラゴンの体へと刺さった。痛みに甲高い声が上がる。
「どういうことですか。先生」
「自動回復機能つき。さらに各種ステータスマックスかな。改造してある」
 徐々にダメージ蓄積が回復していく。風の刃に刻まれた体は治癒を始めていた。ぶんと尻尾が振りぬかれ、全防御壁ごと振りぬいた。砕け散る防御壁と、横殴りの尻尾に悲鳴も上げられず柱に激突し、崩れ落ちる。自動的に彼らの傷も修復されるとはいえ、それでも痛みで一瞬起き上がることができない。
「くそ」
 咳き込み、何とか両手をついて立ち上がった榛名はドラゴンが追ってこないことに気づいた。
「松宮!」
「いでで」
 なんとか背後で起き上がった松宮に防御壁六枚を展開させて合流する。
「一撃で五枚飛ばしですか」
「六枚展開してもむりだろうよ」
「先生、気になってたんですけど、ドラゴンの周りだけきれいに四角く水がありませんよね。あそこ乾いてますよね。ドラゴンって自分の周りだけ水を蒸発させられるんですか?何か防御壁みたいなのありましたっけ?」
 よく見れば確かにドラゴンの足元は乾いている。そこから出ようともしないドラゴンに首を傾げるばかりだ。
「何縛りなんですかねあれ」
「うん」
 足元の水を見る。不意にその水のデータを開いて、驚いた。
「これ、は」
「先生?」
「松宮君、防御壁あと三枚全力ではって」
「どうするんですか」
「あれの足元に水を流し込む。おそらく、ドラゴンにとってこの水は毒に等しい」
「え」
「急げ」
 なかなか射程距離内に入ってこない二人に苛立ったのか、息を吸い込むしぐさが見られた。また炎を吐き出されたらやばい。とっさに三枚張り、その隙に榛名が水を集めて球体を作る。巨大な水の球体に驚いたドラゴンが本来よりも短めに息を吸い込み、一気に炎を噴出す。
「いけっ!」
 水の塊を炎にぶつけるように飛ばす。相殺しあった炎と水が水蒸気となってあたりを包み込む。吸い込んだ空気が少なかったのかすぐに途切れた炎はそれでもドラゴンの口元からちろちろと見える。もう一度空気を吸い込もうとして鼻を膨らませた。だがそれもつかの間、突然苦しみだしたドラゴンが暴れる。
「やはり」
 苦しみのた打ち回るドラゴンのダメージ蓄積量が増えている。だが闇雲に暴れるドラゴンの尻尾が二人を捕らえた。
「がっ」
 六枚の防御壁が砕け散る。尻尾は水にぬれるのもかまわず、二人の体をさらい、地面へとたたきつけた。
「がはっ」
 水に触れたところからまるで酸をかけられたかのように侵食する。その痛みで悲鳴を上げ、炎で空気中の水分を蒸発させてしまう。息が楽になったところで、尻尾をぬれない範囲に戻すと咆哮をあげた。
「松宮、水を飲んでくれ」
 げほっと血を吐き出しながら榛名は水を救って飲み込む。
「がはっ。がはっ。なんで」
「早く」
 言われるがまま、顔を地面につけ、流れる水を啜って飲み込んだ松宮を見て、榛名は笑った。
「いい子だ。じゃぁ、死んでもらおう」
「えっ」
 何を、という前にその体をドラゴンの爪が貫いた。ぶつりと意識が消える。よし、とうなずいたところで榛名もまた、ドラゴンの爪に体を引き裂かれ、視界はエラーと警告音に埋め尽くされた。
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