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43.チョロ松2号
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「それで、魔術自主訓練の課外授業をして欲しいとのことでしたね」
「はい。どうか、お願いできないでしょうか」
レティシアの悪役令嬢ルート阻止のためにも…!
「ふーむ。生徒がやる気になっていることは、教師にとって非常に喜ばしく協力もやぶさかではないのですが…研究が非常に立て込んでおりましてねぇ。ちょっと時間の確保が難しいかなと考えております」
「どのくらいの期間立て込んでおられますか?」
「……そうですね、1年ほどは非常に忙しくその後も論文作成等もあるので3年ほどは難しいかなと」
「そうですか…とても残念です。
この学園で魔術に長け、魔術理論についても古の精神は大切にしつつも時代に柔軟で斬新、
千年に一度の逸材、鬼才と名高い尊敬する先生が研究しながら見守ってくれる傍でしたら、
そんなに負担をかけずに練習が出来るかなぁって思ったんですが…」
「斬新…逸材…鬼才?」
「えぇ!うちの魔術オタクの義兄も大絶賛で!」
「ほう?魔術オタクが義兄におられるのか」
「はい。僕は義兄をとても尊敬していて。
そんな尊敬している義兄が大絶賛する先生に見守って頂けたらこんなに名誉なことはないなぁって」
「ふふん。そうか」
よし、もうひと押しだ!
「それと…これ」
「ふん、魔石か────なっ!そっ!それは!!!」
ポケットに入れていた小袋からひとつ取り出した妖精のうんちを両手で大切そうに抱えてそっと見せると、
ちょっと小馬鹿にしたような表情をした次の瞬間、目玉をひん剥いて漫画みたいな綺麗な3度見をかましてくれた。
「ちょ、ちょっとそれをよく見せてくれ!」
「どうぞ」
丁寧で慇懃無礼な教師の仮面を投げ捨てて、
俺から妖精うんちを丁重な仕草で奪い取ると食い入るように見始めた。
……もう、いいかな。
あれから既に1時間くらい経ったし、いいよな?
先生は気付いてないけど、俺、かなり好き勝手に部屋の中を動き回り茶ぁまで淹れちゃったよ。
あ、もちろんちゃんと断って2人分淹れたよ?
先生ぜんぜん耳に入ってないし上の空で音に反応して返事した感じだったけどね。
「先生、フローライト先生!!」
「うわぁ!…な、なんだ君か。驚かせるなよ」
「すみません。でも、1時間経っちゃったんで…」
「なに?もうそんなに経ったのか。いやぁ、これは非常に状態がいいよ!
ほとんど新品状態で生まれたまま持ってきたような感じじゃないか!」
「そ、そうなんですね。落ちてたのを見つけて持ってきたので、もしかしたら僕が最初に触った人間なのかも」
「え?落ちていただと?!ちょ、ちょっとそこんとこ詳しく!どこにどんな状態で落ちていたんだ?」
「えぇ―と、家の庭に幾つか落ちてて──」
「はぁ?!家に?幾つも?落ちていただとぉ?ちょ、ちょっと孔雀君、あのね…」
「先生!そ・の・ま・え・に!先生、肝心なお話ができていません」
「あーあぁーっと、なんだったかな?」
「僕らの課外授業の立ち合いです!」
「ふむ。なるほど?君、なかなかいい性格してるって言われない?」
「いいえー。あ、でも僕の義兄が大絶賛していたことは嘘じゃないですし、
さっき言ったことは全部本心ですよ」
「ふ、ふぅーん…ま、まぁ、そのくらいだったらいいよ。傍で論文書いてるけどいい?」
「はい!あ、でもちょっとくらいはご指導をたまわりたく…」
「ちゃっかりしてるな。でも交換条件だ!君ん家の庭を見せてくれ!」
言われると思った。
だが、それも想定済みだ。
「もちろんです!」
「ふむ。では、交渉成立だ」
「ありがとうございます!」
俺らはがっちりと握手をした。
思った以上にうまくいったぜ。フローライトがチョロくて良かった。
前世チョロ松だった自分は棚に上げておく。
「はい。どうか、お願いできないでしょうか」
レティシアの悪役令嬢ルート阻止のためにも…!
「ふーむ。生徒がやる気になっていることは、教師にとって非常に喜ばしく協力もやぶさかではないのですが…研究が非常に立て込んでおりましてねぇ。ちょっと時間の確保が難しいかなと考えております」
「どのくらいの期間立て込んでおられますか?」
「……そうですね、1年ほどは非常に忙しくその後も論文作成等もあるので3年ほどは難しいかなと」
「そうですか…とても残念です。
この学園で魔術に長け、魔術理論についても古の精神は大切にしつつも時代に柔軟で斬新、
千年に一度の逸材、鬼才と名高い尊敬する先生が研究しながら見守ってくれる傍でしたら、
そんなに負担をかけずに練習が出来るかなぁって思ったんですが…」
「斬新…逸材…鬼才?」
「えぇ!うちの魔術オタクの義兄も大絶賛で!」
「ほう?魔術オタクが義兄におられるのか」
「はい。僕は義兄をとても尊敬していて。
そんな尊敬している義兄が大絶賛する先生に見守って頂けたらこんなに名誉なことはないなぁって」
「ふふん。そうか」
よし、もうひと押しだ!
「それと…これ」
「ふん、魔石か────なっ!そっ!それは!!!」
ポケットに入れていた小袋からひとつ取り出した妖精のうんちを両手で大切そうに抱えてそっと見せると、
ちょっと小馬鹿にしたような表情をした次の瞬間、目玉をひん剥いて漫画みたいな綺麗な3度見をかましてくれた。
「ちょ、ちょっとそれをよく見せてくれ!」
「どうぞ」
丁寧で慇懃無礼な教師の仮面を投げ捨てて、
俺から妖精うんちを丁重な仕草で奪い取ると食い入るように見始めた。
……もう、いいかな。
あれから既に1時間くらい経ったし、いいよな?
先生は気付いてないけど、俺、かなり好き勝手に部屋の中を動き回り茶ぁまで淹れちゃったよ。
あ、もちろんちゃんと断って2人分淹れたよ?
先生ぜんぜん耳に入ってないし上の空で音に反応して返事した感じだったけどね。
「先生、フローライト先生!!」
「うわぁ!…な、なんだ君か。驚かせるなよ」
「すみません。でも、1時間経っちゃったんで…」
「なに?もうそんなに経ったのか。いやぁ、これは非常に状態がいいよ!
ほとんど新品状態で生まれたまま持ってきたような感じじゃないか!」
「そ、そうなんですね。落ちてたのを見つけて持ってきたので、もしかしたら僕が最初に触った人間なのかも」
「え?落ちていただと?!ちょ、ちょっとそこんとこ詳しく!どこにどんな状態で落ちていたんだ?」
「えぇ―と、家の庭に幾つか落ちてて──」
「はぁ?!家に?幾つも?落ちていただとぉ?ちょ、ちょっと孔雀君、あのね…」
「先生!そ・の・ま・え・に!先生、肝心なお話ができていません」
「あーあぁーっと、なんだったかな?」
「僕らの課外授業の立ち合いです!」
「ふむ。なるほど?君、なかなかいい性格してるって言われない?」
「いいえー。あ、でも僕の義兄が大絶賛していたことは嘘じゃないですし、
さっき言ったことは全部本心ですよ」
「ふ、ふぅーん…ま、まぁ、そのくらいだったらいいよ。傍で論文書いてるけどいい?」
「はい!あ、でもちょっとくらいはご指導をたまわりたく…」
「ちゃっかりしてるな。でも交換条件だ!君ん家の庭を見せてくれ!」
言われると思った。
だが、それも想定済みだ。
「もちろんです!」
「ふむ。では、交渉成立だ」
「ありがとうございます!」
俺らはがっちりと握手をした。
思った以上にうまくいったぜ。フローライトがチョロくて良かった。
前世チョロ松だった自分は棚に上げておく。
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