乙女ゲームの攻略対象者から悪役令息堕ちポジの俺は、魂の番と幸せになります

琉海

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42.くじゃは、んちが好き

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う⚪︎こといっても妖精のう⚪︎こである。
そのう⚪︎こが秘めている力は規格外である。
彼らにとって排泄物であっても俺らのように汚物ではない。
本人達もばっちぃとは言いつつも、俺たちが自分の排泄物に感じるのと同等の嫌悪感はないらしい。

なぜ、そんな不要なものをありがたがるのか不思議でしょうがないようだ。
そらそーだよなー。
排泄物であっても無臭だし、俺らにとっては綺麗だし、役には立つ。
あ、あれか。
異世界前世(あの頃からすると今が異世界だけど)のように、ジャコウネコの肛門付近に溜まる物質が香水の原料になったようなものか?
珈琲豆を食べたジャコウネコの糞から取れる未消化の珈琲豆から珈琲を作ったりすると聞いた時は、人間とは非常に欲に忠実な変態であるなぁと思ったものだ。

ちなみに、かつては王族しか飲むことのできなかったコピルアクと呼ばれるその珈琲を飲んだ人が書いたコラムを読んだことがあるが、非常にコクが強いとのことだった。うむ。やはり、人は貪欲に変態である(褒めてるよ)

話が大いに逸れた。
この世界の人間にとって非常に貴重な妖精う⚪︎ちであるが、妖精たちに聞くと俺らと同じような頻度で出るもんじゃないらしい
良質な魔力をそれなりの期間、思う存分摂取した後に意図せずにポロポロとたれ流すようなのだ。それもそれでどうなんだと思ったが。

気ままな妖精が気ままにたれ流すう⚪︎ち。
それが貴重な妖精の魔石の正体だったと知った時は、衝撃を受けたし、これは絶対に流布してはいけないなと思った次第である。
なんか夢こわしちゃうじゃん?

まぁ、アカネあたりはショックを受けたあとにすぐ復活して研究オタク魂に火が点きそうだけどな。

『くじゃ、んち、いる?』
『もっと、んち、したげよっか?』
『欲しくば魔力よこせ』
『くじゃはうんちが、好き』

妖精どもが好き勝手に騒ぎ出した。おい、最後の奴!しばくぞ。
ちなみに人型の妖精以外のうんこも同じくらい貴重だが、中には周囲の草木をダメにしてしまう劇薬チックなものもあってびびった。
これはまんま劇薬の原料になったりするらしい。
こいつもかなり幻扱いで、調合の仕方により逆に非常に効果のある薬になったりもするらしい。どうやら万能薬と崇められているようで、日本円に換算して1グラムうん百万単位で取引されているそうだ。
どっちに転んでも劇薬には変わりない代物である。

さすが異世界。
色々と規格外だぜ…。

この劇薬うんこは美しい玉ではなく、枯れ枝のような見た目をしているため
見つけるのは至難の技で、非常に幸運な人が長年の経験と勘で見つけるそうだ。
コツは急に草木が腐ったり枯れたりしたエリアを見極めること。
でも見た目は枯れ枝。山や森林の中で枯れ枝!
無理ゲーじゃね?
魔力の質を見極めることができて、かつ、誇張なしに非常に幸運な人しか見つけられねーわな。

そら、妖精からの贈り物と考えられるのも無理はないよなー。
うちにはゴロゴロ転がってますが。
しょくちゃんの一部がその餌食になり、そのままご臨終しかけましたが。
あいつ、一応は植物だったんだなぁ…。
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