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ダンジョン断崖絶壁の虚空城
第24話、ガールズトーク②
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わたし、またなにか変なこと言ってしまったですか?
でもアルドくんの匂いが良いって、考えたら変態さんな気がしてきました!
「ララ先生、大丈夫ですか? 」
エルちゃんが語りかけながら揺さぶっても反応がありません。そこでエルちゃんが思い切って平手打ちをして、やっとララ先生が正気に戻りました。
「いいっ、痛い」
「それよりララ先生、リーヴェはまた変なことを言ってしまいましたか? 」
「えっ、あっ、ごめんなさい大丈夫よ。……しかしリリっちが匂いを感じとっていたとはねー」
「あの、なにか意味があるのですか? 」
「あれ、知らないの? ……と、そか、小さい頃に親と別れて、ずっと人と暮らしていたからそりゃ知らないよね」
「すみません」
「いいのいいの。それよりダークエルフにはね、人族と違って種族固有能力があるの」
種族固有の能力、初めて聞きました!
「それでね、遥か昔の言い伝えなんだけど、私たちダークエルフは悪環境の中で誕生したそうなの。だから暮らせる新大陸を求め旅をしていたそうなんだけど、当時は寿命が短くしかも険しい旅路を続けていたもんだから、人口は少ないまま。でもそこで生存本能が働いて、より強い子孫を残すための手段として相性が良い組み合わせを本能で感じ取る力を手に入れたの。その力が嗅覚。文字通り自身にあった理想の異性を嗅ぎ分ける力で、その相手と結ばれれば逞しい子孫に恵まれた。ただ現在はその匂いを感じられる相手が一族の中から見つからない事が多くて、古い考えで凝り固まってる一族は同族以外は異端として再度人口減少となっていってたの。でも半世紀前にリーヴェのお父さんと同じ名前の偉人さんが現れて、流れは変わった。その人は一族から追放されるのを覚悟して、他種族に対して嗅覚が働いたならば、一族ではないからと言う理由で結ばれないのは間違いだと主張。そしてその人は、嗅覚が働いた人族と逃避行の末、非業の最後を遂げたそうよ。ただそのダークエルフが起こした意識改革で、それから多くの者たちが勇気を出し、最愛の相手を求め里を離れ旅立った。かく言う私も、当時幼かったけど半世紀前に起きた改革で里を離れた一人よ」
「へぇー、そうなんですね」
「だからつまり、匂いを感じ取ったリリっちにとってアルドは、運命の人って事よ」
その言葉に心臓が早鐘を打ちます。
「そそ、それって、本当ですか!? 」
ララ先生は首肯で返事をすると、続けます。
「ちなみに知り合いの何人かが、本能で見つけた良い匂いがする人族と結ばれたんだけど、夜の相性もとっても良いらしく、みんな子宝に恵まれて幸せになっているわね」
えっと、頭が追いつきません。
つまり、リーヴェとアルドくんは——とっても子宝?
子宝はリーヴェとアルドくん?
「リリっち聞いてる? 大丈夫? 」
「えっ、はい、聞いています! 」
「ララ先生、お姉ちゃんに刺激が強い話題はNGですよ。多分理解出来ていません」
「そうなんだ。まぁ、それは置いといて、それよりアルドはちゃんと女性に興味があるわよね? 」
「……普通にあると、思いますけど」
……でも、結構頑張って近寄って行っていますけど、反応が薄いような。
もしかしてアルドくん、女の子に興味がない!?
「なるほどなるほど、その反応だと女性として見られてないみたいね」
「うぅぅ」
「そうね、まずはその服装が良くないわ」
「えっ、あの、……変ですか? 」
「可愛いとは思うけど、決定打に欠ける。そう、刺激が足りないわね」
「……刺激、ですか」
「立派なもん持っているんだから、それを活かさないのは宝の持ち腐れよ? ほらっ、こうやるだけで、周りの視線はだいぶ変わってくるんだから」
「あっ、だめ、ダメです」
ララ先生がリーヴェの胸元の生地を強引に下へずらそうとしてきています。そのため背中を向けますが、後ろから抱きついてきたララ先生はグフグフ言いながら手を回してきて服に指を引っ掛けて下げていき、下着が完全に見えて——
そこで気付きます。リーヴェは後ろを向いたため、後から歩いてきているアルドくんと対面する形になっています。
そしてアルドくんからは、リーヴェの曝け出された胸元が見えてて、アルドくんとは目が合ってしまってて——
自然と目がウルウルしてしまいます。
「リーヴェ、大丈夫だ。私は見ていない! 」
顔を上げると、声を張り上げたアルドくんが俯いていました。
「アルド、ちょうどいいわ」
そこでララ先生が質問を投げかけます。
「……なんでしょうか? 」
「単刀直入に聞くけど、……女性に興味はあるわよね? 」
◆ ◆ ◆
突然の不謹慎な質問。
私たちは今から、危険なダンジョンへ潜るというのに。
「なにをこんな時に? 」
「えっ、あっ、まー、真顔で返されると困るんだけど、ちょっと気になってね」
気になる?
……もしかしてララノア、まだ会って間もないというのに、すでに私の弱点に気が付いたとでも言うのか?
たしかダークエルフ、人族と違い種族固有の能力があったはず。どのような能力であったかは興味がなかったため読み飛ばしてしまったが、ララノアはギルド専任講師を任される程の人材。
あり得ない話ではない。
それとダークエルフの固有能力を知らない事は今更聞けないので、今度こっそり調べておくとしよう。
「で、どうなのよ? 」
色香に弱い体質、それはもちろん——
「いつかは克服しなければならない問題だと、認識しています」
するとララノアだけでなく、リーヴェやエルまで私を信じられないモノを見るような目つきに変わった。
そして円陣を組む女性陣。
いや、待てよ?
先ほどの会話に、リーヴェの胸元が見えそうになった事件。これらを複合すると、リーヴェは私のためにひと肌脱がされそうになったのでは?
前言撤回、露出狂のララノアにリーヴェを任せると、大変な事になる気がする。ただでさえ時折ドキッとしてしまっているのに、リーヴェがそっち方面でレベルアップしてしまうと、私は四六時中煩悩と闘わないといけない羽目になってしまう。
と言うか、リーヴェはいやいやだったみたいなので、ここは私の方からララノアへ、リーヴェに無理をさせないようキツく言っておかなければ。
そこで円陣から離れたリーヴェが、真剣な眼差しを向けてくる。
「アルドくん! 」
「おぉう、どうした? 」
「これからリーヴェは、今まで以上に頑張ろうと思います! 」
「えっ、それでいいのか? 」
「はい! 」
「そ、そうか、あまり無理はするなよ」
「はい、大丈夫です! 」
リーヴェの決意はかなり強そうだ。
でもアルドくんの匂いが良いって、考えたら変態さんな気がしてきました!
「ララ先生、大丈夫ですか? 」
エルちゃんが語りかけながら揺さぶっても反応がありません。そこでエルちゃんが思い切って平手打ちをして、やっとララ先生が正気に戻りました。
「いいっ、痛い」
「それよりララ先生、リーヴェはまた変なことを言ってしまいましたか? 」
「えっ、あっ、ごめんなさい大丈夫よ。……しかしリリっちが匂いを感じとっていたとはねー」
「あの、なにか意味があるのですか? 」
「あれ、知らないの? ……と、そか、小さい頃に親と別れて、ずっと人と暮らしていたからそりゃ知らないよね」
「すみません」
「いいのいいの。それよりダークエルフにはね、人族と違って種族固有能力があるの」
種族固有の能力、初めて聞きました!
「それでね、遥か昔の言い伝えなんだけど、私たちダークエルフは悪環境の中で誕生したそうなの。だから暮らせる新大陸を求め旅をしていたそうなんだけど、当時は寿命が短くしかも険しい旅路を続けていたもんだから、人口は少ないまま。でもそこで生存本能が働いて、より強い子孫を残すための手段として相性が良い組み合わせを本能で感じ取る力を手に入れたの。その力が嗅覚。文字通り自身にあった理想の異性を嗅ぎ分ける力で、その相手と結ばれれば逞しい子孫に恵まれた。ただ現在はその匂いを感じられる相手が一族の中から見つからない事が多くて、古い考えで凝り固まってる一族は同族以外は異端として再度人口減少となっていってたの。でも半世紀前にリーヴェのお父さんと同じ名前の偉人さんが現れて、流れは変わった。その人は一族から追放されるのを覚悟して、他種族に対して嗅覚が働いたならば、一族ではないからと言う理由で結ばれないのは間違いだと主張。そしてその人は、嗅覚が働いた人族と逃避行の末、非業の最後を遂げたそうよ。ただそのダークエルフが起こした意識改革で、それから多くの者たちが勇気を出し、最愛の相手を求め里を離れ旅立った。かく言う私も、当時幼かったけど半世紀前に起きた改革で里を離れた一人よ」
「へぇー、そうなんですね」
「だからつまり、匂いを感じ取ったリリっちにとってアルドは、運命の人って事よ」
その言葉に心臓が早鐘を打ちます。
「そそ、それって、本当ですか!? 」
ララ先生は首肯で返事をすると、続けます。
「ちなみに知り合いの何人かが、本能で見つけた良い匂いがする人族と結ばれたんだけど、夜の相性もとっても良いらしく、みんな子宝に恵まれて幸せになっているわね」
えっと、頭が追いつきません。
つまり、リーヴェとアルドくんは——とっても子宝?
子宝はリーヴェとアルドくん?
「リリっち聞いてる? 大丈夫? 」
「えっ、はい、聞いています! 」
「ララ先生、お姉ちゃんに刺激が強い話題はNGですよ。多分理解出来ていません」
「そうなんだ。まぁ、それは置いといて、それよりアルドはちゃんと女性に興味があるわよね? 」
「……普通にあると、思いますけど」
……でも、結構頑張って近寄って行っていますけど、反応が薄いような。
もしかしてアルドくん、女の子に興味がない!?
「なるほどなるほど、その反応だと女性として見られてないみたいね」
「うぅぅ」
「そうね、まずはその服装が良くないわ」
「えっ、あの、……変ですか? 」
「可愛いとは思うけど、決定打に欠ける。そう、刺激が足りないわね」
「……刺激、ですか」
「立派なもん持っているんだから、それを活かさないのは宝の持ち腐れよ? ほらっ、こうやるだけで、周りの視線はだいぶ変わってくるんだから」
「あっ、だめ、ダメです」
ララ先生がリーヴェの胸元の生地を強引に下へずらそうとしてきています。そのため背中を向けますが、後ろから抱きついてきたララ先生はグフグフ言いながら手を回してきて服に指を引っ掛けて下げていき、下着が完全に見えて——
そこで気付きます。リーヴェは後ろを向いたため、後から歩いてきているアルドくんと対面する形になっています。
そしてアルドくんからは、リーヴェの曝け出された胸元が見えてて、アルドくんとは目が合ってしまってて——
自然と目がウルウルしてしまいます。
「リーヴェ、大丈夫だ。私は見ていない! 」
顔を上げると、声を張り上げたアルドくんが俯いていました。
「アルド、ちょうどいいわ」
そこでララ先生が質問を投げかけます。
「……なんでしょうか? 」
「単刀直入に聞くけど、……女性に興味はあるわよね? 」
◆ ◆ ◆
突然の不謹慎な質問。
私たちは今から、危険なダンジョンへ潜るというのに。
「なにをこんな時に? 」
「えっ、あっ、まー、真顔で返されると困るんだけど、ちょっと気になってね」
気になる?
……もしかしてララノア、まだ会って間もないというのに、すでに私の弱点に気が付いたとでも言うのか?
たしかダークエルフ、人族と違い種族固有の能力があったはず。どのような能力であったかは興味がなかったため読み飛ばしてしまったが、ララノアはギルド専任講師を任される程の人材。
あり得ない話ではない。
それとダークエルフの固有能力を知らない事は今更聞けないので、今度こっそり調べておくとしよう。
「で、どうなのよ? 」
色香に弱い体質、それはもちろん——
「いつかは克服しなければならない問題だと、認識しています」
するとララノアだけでなく、リーヴェやエルまで私を信じられないモノを見るような目つきに変わった。
そして円陣を組む女性陣。
いや、待てよ?
先ほどの会話に、リーヴェの胸元が見えそうになった事件。これらを複合すると、リーヴェは私のためにひと肌脱がされそうになったのでは?
前言撤回、露出狂のララノアにリーヴェを任せると、大変な事になる気がする。ただでさえ時折ドキッとしてしまっているのに、リーヴェがそっち方面でレベルアップしてしまうと、私は四六時中煩悩と闘わないといけない羽目になってしまう。
と言うか、リーヴェはいやいやだったみたいなので、ここは私の方からララノアへ、リーヴェに無理をさせないようキツく言っておかなければ。
そこで円陣から離れたリーヴェが、真剣な眼差しを向けてくる。
「アルドくん! 」
「おぉう、どうした? 」
「これからリーヴェは、今まで以上に頑張ろうと思います! 」
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「はい! 」
「そ、そうか、あまり無理はするなよ」
「はい、大丈夫です! 」
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