1 / 1
寂しい
しおりを挟む
朝起きてご飯を食べて、歯を磨いて着替えて化粧をしたら仕事に行く。仕事が終わって家に帰ると、コンビニで買ってきた弁当やカップラーメンを食べる。シャワーを浴びた後にはベットに寝転がり、いつもと変わらない一日を終える。そんな日々が続いて、いつかは愛せる人ができて幸せな家庭を築き、「いい人生だった」と思いながら死ぬのであろう。とか思っていた。
暑い。とても、暑い。太陽とアスファルトの熱が襲う。テントやらマットやら結んでドでかいザックを背負い、海岸沿いを歩く。
「昨日までの豪雨が嘘みたいだ。」
と汗を滲ませながら、地図を開く。次の港街まではそう遠くない。かと言って近い訳でもないが。地図を閉じて再び歩き始める。40分くらいで港街に着いたが誰もいない。魚市場には腐敗臭が漂い鼻を刺激する。そんな市場の奥に行き、あった。ハザードマップ。ハザードマップは、災害時にその街の土砂崩れなど自然災害の被害予想を示した地図だ。その中には防災備蓄倉庫の住所が書いてあるのもあり、非常食があったりする。
「誰かいるかな」
そうポツリと呟き、葵は市場を出て倉庫へ向かった。
こんな生活を送っているのも、もう3ヶ月くらいか前になる。いつも通り朝目覚めて仕事へ行こうとした時、仕事へ向かう会社員、通学中の学生、誰一人見当たらなかったのである。駅前、街、会社に行っても同期や先輩、後輩も誰もいない。途中住宅に突っ込んでいる車がいたのだが、運転手、ましては住人、警察、救急車もいないのだ。怖くなって家に帰り、翌日になっても人は見当たらなかった。友達も家族も連絡はつかず1人部屋にこもっていたが、自分以外にも人はいる事を確かめる為家を出ることにした。最初こそは車で行動していたが燃料もなければレッカーしてくれる人もなく、罪悪感はあったものの野宿はできる装備を店から盗って整えて、今こうして人を探す旅してる訳である。少したったあと備蓄倉庫がほとんど空になっているのを見て、まだ自分以外にも人がいることがわかってとても嬉しかったのを覚えている。だけどまだ会ったわけじゃない。1人は、寂しい。そう思った。
暑い。とても、暑い。太陽とアスファルトの熱が襲う。テントやらマットやら結んでドでかいザックを背負い、海岸沿いを歩く。
「昨日までの豪雨が嘘みたいだ。」
と汗を滲ませながら、地図を開く。次の港街まではそう遠くない。かと言って近い訳でもないが。地図を閉じて再び歩き始める。40分くらいで港街に着いたが誰もいない。魚市場には腐敗臭が漂い鼻を刺激する。そんな市場の奥に行き、あった。ハザードマップ。ハザードマップは、災害時にその街の土砂崩れなど自然災害の被害予想を示した地図だ。その中には防災備蓄倉庫の住所が書いてあるのもあり、非常食があったりする。
「誰かいるかな」
そうポツリと呟き、葵は市場を出て倉庫へ向かった。
こんな生活を送っているのも、もう3ヶ月くらいか前になる。いつも通り朝目覚めて仕事へ行こうとした時、仕事へ向かう会社員、通学中の学生、誰一人見当たらなかったのである。駅前、街、会社に行っても同期や先輩、後輩も誰もいない。途中住宅に突っ込んでいる車がいたのだが、運転手、ましては住人、警察、救急車もいないのだ。怖くなって家に帰り、翌日になっても人は見当たらなかった。友達も家族も連絡はつかず1人部屋にこもっていたが、自分以外にも人はいる事を確かめる為家を出ることにした。最初こそは車で行動していたが燃料もなければレッカーしてくれる人もなく、罪悪感はあったものの野宿はできる装備を店から盗って整えて、今こうして人を探す旅してる訳である。少したったあと備蓄倉庫がほとんど空になっているのを見て、まだ自分以外にも人がいることがわかってとても嬉しかったのを覚えている。だけどまだ会ったわけじゃない。1人は、寂しい。そう思った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる