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9話 ベッドに行こう ※
しおりを挟む水が流れ落ちていく透の白い肌を、グレイドの唇が優しくたどった。たまに歯を立てられたり、吸われる感覚に、透の身体はびくりと震えて力が抜けていく。
「透……熱い……」
「……っ」
切なげな声と熱っぽい吐息が耳をくすぐり、透の胸は一段と高鳴った。グレイドの濡れた服が肌に触れ、体温と重なってくすぐったさと心地よさが入り混じる。
思わず身をよじると、逃がすまいとするように、グレイドの大きな手が透の腰を押さえつけた。
「……逃げないでくれ」
低い囁きと同時に、顎を掴まれ、強引に顔を後ろへ向かされる。驚く間もなく、唇を奪われ、息ができないほど激しく貪られた。
「んぅ……っ」
舌を絡め取られ、口の奥までゆっくりと味わうようにキスされ、透は頭が真っ白になった。そして身体を向き合わされ、足の間に入り込まれた瞬間、透は声にならない吐息を漏らした。
透はされるがまま、グレイドの肩にしがみついた。グレイドの舌から伝わる体温と柔らかい感覚が堪らなく気持ちいい。
「はぁ……♡」
「透……ベッドに行こう」
耳元で囁かれる低く甘い声。その響きに、透の心臓はドキドキと跳ねた。
「や……だめ、です……濡れて……」
慌てて拒もうとするが、すぐに強い腕で抱き上げられてしまう。
「濡れてもいい……君を抱きたい」
透は仕方なく彼の首に腕を回した。グレイドの横顔は水に濡れ、頬から滴る雫が光を反射して美しい。
欲望が混じった青い瞳に見とれてしまい、拒む言葉は消えていった。濡れた足音が静かに響く中、グレイドは迷いなく寝室へと歩いていく。
「グレイドさん……」
彼の腕に抱かれたまま胸板越しに伝わる鼓動を感じる。ベッドに下ろされた瞬間まで、透はずっと彼の腕の力強さと体温に包まれていた。
「……透、君が欲しい」
グレイドの熱を帯びた声が、耳から心臓に直接響き渡り、戸惑っているうちに額にキスが落ちる。
「……っ」
思わず声が漏れ、全身が震えた。返事を待つことなく、グレイドは唇を重ねる。頬から首筋、鎖骨へと落ちていくキスに、透は呼吸の仕方を忘れてしまいそうだった。
「あっ……ん……っ」
グレイドは透の身体をしっかりと押さえつけ、何度もキスを落とす。透の反応を確かめるように、少しずつ触れる場所をずらしていく。
「や……だめ、……そこ、は……!」
思わず制止の声が出てしまう。グレイドは、透の足を広げ、長い指で彼の最も敏感な穴に触れた。
「あ……んっ……」
優しく撫でるようにゆっくり押し広げられ、透は甘い声で喘いだ。グレイドの指が中へ侵入してくると、たまらずシーツを握りしめる。
グレイドは、指をゆっくりと中で動かし刺激し始めた。
「……! や……っ」
グレイドの手が動くたび、透の身体は熱くなっていく。透は目を閉じて不思議な感覚に堪えた。
「あぁ……♡ グレイドさん……!」
ふと、中から指が抜かれた。透がそっと目を開けると、グレイドは静かに寝息を立てている。
「……え?」
先ほどまでの情熱が嘘のように、安らかな寝顔。呼吸は落ち着き、苦しさから解放されたように見える。
(……危なかった、あのまま受け入れるところだった……!)
グレイドが毒のせいで理性を失っているとはいえ、彼を拒みきれなかった自分に透は恥ずかしさで頬を赤らめる。だが同時に、こんなにも情熱的に求めてくる姿に、胸が締め付けられた。
(……もし僕じゃなくて、他の誰かに迫っていたら……)
透はそう考えた瞬間、胸の奥がチクチクした。たとえ毒のせいでも、彼が自分以外に触れるのは嫌だと感じた。
「エリクサーなら、治せるかもしれない……」
エリクサーはこの世界で最上級の秘薬だ。飲めばどんな病も、どんな毒も治ると言われている。ゲームの中では、特定の条件をクリアしないと手に入らない幻のアイテムだった。
見つけるのは至難の業だが、元の世界でプレイしていたゲームの知識がある透は、その材料を知っていた。
「……グレイドさん、僕が必ず治します」
決意を胸に、透は彼の髪にそっと触れた。濡れたプラチナブロンドの髪が指の間を流れ、その感触でさっきの熱いキスがよみがえってくる。
「……あ」
自分がまだ服を着ていない状態であることに気づき、透はグレイドを起こさないように、そっとベッドから抜け出して、慌てて風呂場へ戻っていった。
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