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始まりの章
18.スピワイの街。
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あれから、何だかんだ魔物と遭遇してもあっという間に2人によって斃され、私はバリアを張るくらいしか出来なかった。
そして、長時間歩けないと分かった私は始めから飛ぶ事にした。
ただ、誤算は、木々が多いと飛ぶには、羽根が邪魔で、あまり上に行くとドムさんに怒られる。護れないから、と。
バリアを張れば大丈夫だと言うが、今度は2つ同時に魔法を行使すると魔力が消耗されて危険だという。そもそも、2つ同時に使うこと自体驚かれたが…。
大丈夫だと言ったが、納得してくれない。だから、考えた。何か浮くもの。
魔法は基本イメージで何とかなる。だから、私は浮くものを考えたのだ。
で、思ったのが宅配をする魔女の箒。
その辺の木を少し魔法で削って整えて、乗ってみた。
最初はバランスが取れなかったので、落ちて切り傷を作り、ドムさんもディーさんも反対。
ドムさんが抱えていく、と言ったが、肩に乗せられるのはちょっと。おばちゃんは、恥ずかしい。
上手く木の棒に乗れるようになるまでは、息が上がると強制的にドムさんの肩の上になったため、必死で休憩の度に練習。
練習で自転車に乗る子どもみたいに見守られて、恥ずかしかったけど…
何とか上手く乗れるようになったのは3日ほど経ってからだった。
そして、それからは順調に進み、
―私の歩行速度に合わせなくて済んだ分かなり時間が短縮された―
怪我をした日から1週間程で街が見えてきた。
初めての街…楽しみだ!!
-----------------------------
街では2人から離れないことと、生活魔法以外は魔法の使用を控えるように言われた。勿論私も馬鹿じゃない。
この世界のことを分かるまでは、基本的に自重するつもりだ。2人には色々バレてるけど…。
2人なら大丈夫だって信じてるし、初めから色々見られてるしね。
街が近くなってくると、箒をおりて徒歩に変更。2人と並んで歩いていく。
近づくにつれて街の全貌が見えるかと思いきや、街は大きな壁で囲まれているようだ。
魔物対策らしい。そうだよね、この危険な世界、魔物対策は重要だ。
そして、ここで重大な問題が発生する。
何人か並んで検閲のようなものを受けており、門番のような人に何かを見せている。身分証明みたいなものだろうか…。
……身分証明出来るようなものなんてない。そもそも異世界から来たのだから、何処からきたかなんて言われたら…
いやいや、私は記憶喪失だからそれは大丈夫?いや、でも…
「ディジーちゃん、どうかした?」
ディーさんが挙動不審になった私を見て声をかけてきた。
「あの…皆が門番さんのような人に見せてるものって何ですか?私何も持ってないんですけど…」
「あぁ、あれは冒険者証とか本人を証明するものだよ。」と、笑顔でディーさん。
横からドムさんが頭をポンポンしながら続ける。
『ディジーは、何も持ってなくても大丈夫だ。お金を払って街で登録すれば問題ない。』
………
いやいやいや!
お金も持ってないよー!!!!
どうする?どうする?
どうすればいいのー?!!!
とか思ってる間に順番が来た。
「身分証を」
………
「この子は持ってないんだ。これで頼む。」そう言ってディーさんがお金を渡す。
も、申し訳ありません。
すぐに稼いでお返しします。
利子はおいくらですかーーーーー????
街に入って直ぐになんとかして返済すると言うが笑って大丈夫だと言う。
それに、街中で泊まるにしても、宿代や食費代も持ってなかった…。
な、何か薬草でも売ってお金を得よう。
と、思ってどこか売る場所を聞こうとしたら、2人とも取り敢えずこっちにと、案内されたのは…
どこかの建物だった。
も、もしやギルドってやつだろうか…?!夢に見たギルド!!
酒場とかがあって、絡まれたりする感じなのかな?!
そう思いながら2人に続いて入ると、そこはツン、とした薬品のような匂いがする場所だった。
あ、ここは病院的なところだ。そう思ってすぐ、奥から白ひげのおじいちゃんが出てきた。
「なんじゃ、どっか怪我したんか?」
『彼女を見てほしい』
とずいっとディーさんに背中を押される。
え?私?
?を浮かべていると、ドムさんに肩を指される。
あ!そうか!私、肩を怪我してた…。でも治ってるし。大丈夫だって言っても、聞いてもらえない。しかも、お医者さん?のおじいちゃんにまで
「痺れとか後遺症が残っても、嬢ちゃんに傷が残っててもいかん。後から酷くなるものもあるし、こいつらも安心出来んじゃろ。こっちへ来い」と、違う部屋に促された。
2人を見ると、ディーさんは笑顔で手を振っていた。
ドムさんは一緒に入ってこようとしてお医者さんのおじいちゃん小突かれていた。嬢ちゃんの肌を見る気か、と。
ドムさんはシュンとしてた。可愛い。
結局肩の傷があった所を診てもらって、綺麗になっていることを確認。あとは、熱が出たか、とか色々聞かれて最終的に問題ないじゃろうと言われた。
ただ、念の為にと緑色の液体・初級ポーションを飲まされた。そしたら、木から落ちた時にできた切り傷が治ってた。
わーい。
って、ポーション代金!!
お金ないのにー。
きっと流れ的に、ディーさんが払うんだろう。
うぅー。
借金が増えていく…。。。
そして、長時間歩けないと分かった私は始めから飛ぶ事にした。
ただ、誤算は、木々が多いと飛ぶには、羽根が邪魔で、あまり上に行くとドムさんに怒られる。護れないから、と。
バリアを張れば大丈夫だと言うが、今度は2つ同時に魔法を行使すると魔力が消耗されて危険だという。そもそも、2つ同時に使うこと自体驚かれたが…。
大丈夫だと言ったが、納得してくれない。だから、考えた。何か浮くもの。
魔法は基本イメージで何とかなる。だから、私は浮くものを考えたのだ。
で、思ったのが宅配をする魔女の箒。
その辺の木を少し魔法で削って整えて、乗ってみた。
最初はバランスが取れなかったので、落ちて切り傷を作り、ドムさんもディーさんも反対。
ドムさんが抱えていく、と言ったが、肩に乗せられるのはちょっと。おばちゃんは、恥ずかしい。
上手く木の棒に乗れるようになるまでは、息が上がると強制的にドムさんの肩の上になったため、必死で休憩の度に練習。
練習で自転車に乗る子どもみたいに見守られて、恥ずかしかったけど…
何とか上手く乗れるようになったのは3日ほど経ってからだった。
そして、それからは順調に進み、
―私の歩行速度に合わせなくて済んだ分かなり時間が短縮された―
怪我をした日から1週間程で街が見えてきた。
初めての街…楽しみだ!!
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街では2人から離れないことと、生活魔法以外は魔法の使用を控えるように言われた。勿論私も馬鹿じゃない。
この世界のことを分かるまでは、基本的に自重するつもりだ。2人には色々バレてるけど…。
2人なら大丈夫だって信じてるし、初めから色々見られてるしね。
街が近くなってくると、箒をおりて徒歩に変更。2人と並んで歩いていく。
近づくにつれて街の全貌が見えるかと思いきや、街は大きな壁で囲まれているようだ。
魔物対策らしい。そうだよね、この危険な世界、魔物対策は重要だ。
そして、ここで重大な問題が発生する。
何人か並んで検閲のようなものを受けており、門番のような人に何かを見せている。身分証明みたいなものだろうか…。
……身分証明出来るようなものなんてない。そもそも異世界から来たのだから、何処からきたかなんて言われたら…
いやいや、私は記憶喪失だからそれは大丈夫?いや、でも…
「ディジーちゃん、どうかした?」
ディーさんが挙動不審になった私を見て声をかけてきた。
「あの…皆が門番さんのような人に見せてるものって何ですか?私何も持ってないんですけど…」
「あぁ、あれは冒険者証とか本人を証明するものだよ。」と、笑顔でディーさん。
横からドムさんが頭をポンポンしながら続ける。
『ディジーは、何も持ってなくても大丈夫だ。お金を払って街で登録すれば問題ない。』
………
いやいやいや!
お金も持ってないよー!!!!
どうする?どうする?
どうすればいいのー?!!!
とか思ってる間に順番が来た。
「身分証を」
………
「この子は持ってないんだ。これで頼む。」そう言ってディーさんがお金を渡す。
も、申し訳ありません。
すぐに稼いでお返しします。
利子はおいくらですかーーーーー????
街に入って直ぐになんとかして返済すると言うが笑って大丈夫だと言う。
それに、街中で泊まるにしても、宿代や食費代も持ってなかった…。
な、何か薬草でも売ってお金を得よう。
と、思ってどこか売る場所を聞こうとしたら、2人とも取り敢えずこっちにと、案内されたのは…
どこかの建物だった。
も、もしやギルドってやつだろうか…?!夢に見たギルド!!
酒場とかがあって、絡まれたりする感じなのかな?!
そう思いながら2人に続いて入ると、そこはツン、とした薬品のような匂いがする場所だった。
あ、ここは病院的なところだ。そう思ってすぐ、奥から白ひげのおじいちゃんが出てきた。
「なんじゃ、どっか怪我したんか?」
『彼女を見てほしい』
とずいっとディーさんに背中を押される。
え?私?
?を浮かべていると、ドムさんに肩を指される。
あ!そうか!私、肩を怪我してた…。でも治ってるし。大丈夫だって言っても、聞いてもらえない。しかも、お医者さん?のおじいちゃんにまで
「痺れとか後遺症が残っても、嬢ちゃんに傷が残っててもいかん。後から酷くなるものもあるし、こいつらも安心出来んじゃろ。こっちへ来い」と、違う部屋に促された。
2人を見ると、ディーさんは笑顔で手を振っていた。
ドムさんは一緒に入ってこようとしてお医者さんのおじいちゃん小突かれていた。嬢ちゃんの肌を見る気か、と。
ドムさんはシュンとしてた。可愛い。
結局肩の傷があった所を診てもらって、綺麗になっていることを確認。あとは、熱が出たか、とか色々聞かれて最終的に問題ないじゃろうと言われた。
ただ、念の為にと緑色の液体・初級ポーションを飲まされた。そしたら、木から落ちた時にできた切り傷が治ってた。
わーい。
って、ポーション代金!!
お金ないのにー。
きっと流れ的に、ディーさんが払うんだろう。
うぅー。
借金が増えていく…。。。
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