家事万能な鉄仮面〜獣人騎士団の家政夫はじめました〜

ユズ

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第1章

第2話

「暑いな。熱帯雨林の森」

 黒い豹耳と豹の尻尾。目つきの鋭い黄金の瞳と赤茶色の短髪。黒豹族の騎士団長。ライゼルは流れ出る汗をハンカチで拭った。人間達から野蛮な種族だなんだと決めつけられ、人間国との貿易も困難を極めている。そんな中、人間が聖女を呼び出したと連絡があった。本当かどうかは分からないが、影の部隊が情報収集に向かった。ライゼルは獣人国の熱帯雨林の森に異変があったので調査をするように王から命令を受けて、森に来ていた。1人ではない。

「どうして、おれが一緒に来ないといけないのか」

 副団長の豹族の長い桜色の髪と黄金の瞳のジェリーは日傘をさして、長袖長ズボン。騎士団の制服は着ていられないからと私服で来ていた。騎士団のお母さんのような存在である。

「仕方ないだろ。王命だ。その傘貸せ」

「嫌よ。日焼けするじゃない。休日返上で来ているのよ。おれ。今日は新しい美容品を見に行く予定だった。後で代わりの休み取るからな」

「はいはい。いくらでも休んだら、おい。あれ見ろ」

「なによ。声が大きい。人間かしら」

 ライゼルは息をしているか確認して、微かだが胸が上下しているのを見た。

「生きてるみたいだ。こんな場所に人間がいるなんてな。迷子か」

「迷子にしろ、こんな場所には入らないわよ。団長。戻って医者に診てもらいましょう」

 ライゼルが真っ白の髪なんて珍しい色をした人間を肩に担いで、熱帯雨林の森からジェリーと一緒に走って帰った。
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