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【俺はダグラスなんか大っ嫌いだ】
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「俺は偽の花婿だ。ハッサン王子との縁談を断るためのな。クララベルが目的を果たした後、国外に逃してもらうのと引き換えに婚約者になったんだ」
「なんだって……」
俺はクララベルとの婚約が仕組まれたものだったと暴露した。それを利用して俺がシュロに亡命しようとしていることも。
「クララベルは? 本当にクララベルはそんなことに同意しているのか? だいたい、バロッ――ミスティ殿が亡命した後はどうする気なんだ?」
バロッキーという呼び方には俺に対する度し難い感情が込められていて、ダグラスがクララベルの事で俺に複雑な感情を抱いていることが分かる。
「もう、無理しないでミスティって呼べばいいよ。さすがにバロッキーって呼ばれるのは含みがあって嫌だけどさ」
「いや、悪かった。バロッキー家に対しての蔑称というわけではないんだ、その――」
ダグラスはバツが悪そうに首を垂れる。
「まぁ、気持ちはわかるよ。逆の立場だったら俺だってあんたのこと糞野郎って呼ぶだろうし」
「そっちの方が酷くないか? まぁいい。――それで、ミスティ、クララベルは契約結婚だと納得していて、その上、お前を亡命させるつもりでいるというのか?」
ダグラスの表情は険しい。クララベルの立場からものを言おうとするのは相変わらず気に入らない。
「納得も何も、最初からそういう予定なんだ。クララベルは俺と熱愛を演じることで、サルベリアの王子と結婚しなくて済んだし、バロッキーを王家に引き入れるという陛下との約束も守った。しばらくして俺は不慮の事故に遭って死ぬことになってる。バロッキーだけでは国境を越えることはできないから、クララベルの夫という立場が都合がいいんだ。その後、俺はシュロに逃げて、竜だなんだと騒がれずに俺の好きなように生きる」
そこから先は俺の関係することのない物語だ。俺はクララベルの人生から退場して、傍観者にもなれない。ダグラスが代わりにクララベルの王子様として主役になるのかもしれないと思うと、ダグラスなんか大嫌いだと思う。
「クララベルはしばらく喪に服して、望む男とでも再婚すればいい。なんだったら幼馴染で気心も知れたダグラスがいるフォレー家にでも降嫁するんだろうなって。そうすればお互い自由の身だ」
「そんな馬鹿な……」
ダグラスはいらいらと鳶色の癖の少ない髪を掻き上げる。
それはそうだろう。
ダグラスは俺たちが恋愛関係にあるのだと信じて、クララベルを諦めたのだ。クララベルの恋心という、馬鹿みたいな、しかし、どうしようもない理由で、泣く泣く決心したはずなのだから。
「ところがさ、フォレー家で幸せに暮らすだろうって思ってたのは俺だけだったみたいでさ。クララベルは、俺の後釜にあんたじゃなくてオリバーを据えようとしている。ほんと、どうかしてるよ」
ダグラスは腕をきつく組んで、俺に煽られて興奮しすぎた自分を落ち着けようとしている。
「サンドライン家か? 国内での婚姻となれば、勢力的に順当だ――そうか、オリバーか……」
サンドライン家の名を聞いて、ダグラスは一瞬貴族の顔に戻りかけた。そうはさせないと俺は煽りに煽る。
「お貴族様のつけた順番とかくだらないよ。オリバーはクララベルに下衆な下心があってね。この間の狩りで、クララベルに手を出そうとしたんだぜ。腹が立たない?」
「オリバーがか? 確かにオリバーは昔からクララベルに憧れを抱いていたが、自ら行動を起こすような気概がある奴ではないだろう。婚約者がいるというのに求婚したのか?」
「そういうんじゃなくて。あの馬鹿男、獣用の罠でクララベルを木に吊るしたんだ。好きな女を獣の罠にかけるってなんだよ。吊るした挙句、小枝でつついたりしてさ。放っておいたら酷いことになっていたと思う。クララベルがどうやって難を逃れようとしたかわかるか? あの後、歯を食いしばって泣いてたぞ」
俺がヘラヘラと笑ってオリバーの悪行を告げると、一度落ち着いたように見えたダグラスはテーブルを両の手で叩き、凶悪な顔をしてソファから腰を浮かせた。
「何も聞いていないぞ! それがどうして騒ぎになっていないんだ? お前がついていてどうして!」
今にも俺につかみかかりそうな勢いで声を荒げた。
(ああ、こいつ怒ったな……)
俺はクララベルの周りにいる人々に、こういう反応を求めていたのかもしれない。
本人にしても、その父にしても、オリバーがクララベルにしたことに対して寛大すぎる。
レトさんだってどんなに怒っていても声を荒げるようなことはしないし、俺ばかりが暴力的な感情になっているようで鬱屈していた。
「アイリーン姫の輿入れにオリバーの妹がついていくことになっているんだ。それに影響するのを避けるために、クララベルがサンドライン家を庇った。でも、これってサンドライン家を揺るがしかねない不祥事だろ? クララベルはサンドライン卿に恩を売っておいて、俺が死んだあと、サンドライン家に降嫁するつもりなんだってさ」
ダグラスは固く組んだ拳の上に顎を乗せて、冷静になろうと再度試みるが、今度はうまくいかないようでイライラと足を鳴らしている。
「なるほど、確かにそれなら……」
「なるほどじゃないし。クララベルのバカ、あの卑屈で根暗で変態な勘違い野郎に嫁ぐのが国の為だとおもってる! なんでよりによってあいつなんだよ。俺はそんなの耐えられない。あんただってそうだろ? 俺、もうずっと吐きそうだ」
苛々とため息をつく俺を、ダグラスは少し驚いたような顔で見た。
「ミスティ、契約結婚だというのに、クララベルの事を好いているのか?」
「あ、ええと……」
ダグラスが嫌な所を突いてくる。
番が健やかで幸せであればいい……この気持ちは竜にありがちな押しつけがましい一方的なものだ。
こうやってフォレー領にやってきていること自体、独りよがりなことだとわかっている。
どうせクララベルはそんなの望んでないし、頼んでないって言うのだ。
それでもじっとしていられなかった。
「それは俺の問題だから放っておけばいいよ。クララベルの夫が一生俺である必然性がないってだけだ。まぁ、なんとも思ってなければ、こんなことを頼みにここまで来ないけどね」
ダグラスは苦い顔をした。それは俺に自分を重ね合わせるような苦さだったに違いない。
お互いものすごく気まずい雰囲気になって黙り、暫くしてダグラスが口を開く。
「――それで、僕に何をさせるつもりだ?」
「俺が死んだことになって喪が明けるまで、あんたの婚約者を決めるのを待って欲しい。それから、その間にクララベルをサンドライン家じゃなくてフォレー家に引き込んで欲しい。俺は絶対にオリバーにクララベルをやりたくない。陛下もクララベルを国の外に出すつもりはないみたいだし、諸侯のどこかに降嫁させることになるんじゃないかと思ってる。王家の純血だ、あまり格下には嫁がせることはないはずだ」
オリバーもダグラスもクララベルと幼馴染だ。
異性の子どもたちが直に会って友好を温める時間が設けられているということは、その中の誰と親密になっても国益に反しないということなのだろう。
サンドライン家もフォレー家もクララベルの婿候補で間違いない。
「すごく嫌だけど。こんなこと絶対に誰かに頼みたくなんかないけど――」
核心を告げようとするときに限ってクララベルの姿が脳裏にちらつく。
「――ダグラスになら、クララベルを託してもいい」
言ったけれど、自分の口の端が下がっているのを感じる。
誰もいなけりゃ泣いていた。全くもって不本意だ。
「なんだって……」
俺はクララベルとの婚約が仕組まれたものだったと暴露した。それを利用して俺がシュロに亡命しようとしていることも。
「クララベルは? 本当にクララベルはそんなことに同意しているのか? だいたい、バロッ――ミスティ殿が亡命した後はどうする気なんだ?」
バロッキーという呼び方には俺に対する度し難い感情が込められていて、ダグラスがクララベルの事で俺に複雑な感情を抱いていることが分かる。
「もう、無理しないでミスティって呼べばいいよ。さすがにバロッキーって呼ばれるのは含みがあって嫌だけどさ」
「いや、悪かった。バロッキー家に対しての蔑称というわけではないんだ、その――」
ダグラスはバツが悪そうに首を垂れる。
「まぁ、気持ちはわかるよ。逆の立場だったら俺だってあんたのこと糞野郎って呼ぶだろうし」
「そっちの方が酷くないか? まぁいい。――それで、ミスティ、クララベルは契約結婚だと納得していて、その上、お前を亡命させるつもりでいるというのか?」
ダグラスの表情は険しい。クララベルの立場からものを言おうとするのは相変わらず気に入らない。
「納得も何も、最初からそういう予定なんだ。クララベルは俺と熱愛を演じることで、サルベリアの王子と結婚しなくて済んだし、バロッキーを王家に引き入れるという陛下との約束も守った。しばらくして俺は不慮の事故に遭って死ぬことになってる。バロッキーだけでは国境を越えることはできないから、クララベルの夫という立場が都合がいいんだ。その後、俺はシュロに逃げて、竜だなんだと騒がれずに俺の好きなように生きる」
そこから先は俺の関係することのない物語だ。俺はクララベルの人生から退場して、傍観者にもなれない。ダグラスが代わりにクララベルの王子様として主役になるのかもしれないと思うと、ダグラスなんか大嫌いだと思う。
「クララベルはしばらく喪に服して、望む男とでも再婚すればいい。なんだったら幼馴染で気心も知れたダグラスがいるフォレー家にでも降嫁するんだろうなって。そうすればお互い自由の身だ」
「そんな馬鹿な……」
ダグラスはいらいらと鳶色の癖の少ない髪を掻き上げる。
それはそうだろう。
ダグラスは俺たちが恋愛関係にあるのだと信じて、クララベルを諦めたのだ。クララベルの恋心という、馬鹿みたいな、しかし、どうしようもない理由で、泣く泣く決心したはずなのだから。
「ところがさ、フォレー家で幸せに暮らすだろうって思ってたのは俺だけだったみたいでさ。クララベルは、俺の後釜にあんたじゃなくてオリバーを据えようとしている。ほんと、どうかしてるよ」
ダグラスは腕をきつく組んで、俺に煽られて興奮しすぎた自分を落ち着けようとしている。
「サンドライン家か? 国内での婚姻となれば、勢力的に順当だ――そうか、オリバーか……」
サンドライン家の名を聞いて、ダグラスは一瞬貴族の顔に戻りかけた。そうはさせないと俺は煽りに煽る。
「お貴族様のつけた順番とかくだらないよ。オリバーはクララベルに下衆な下心があってね。この間の狩りで、クララベルに手を出そうとしたんだぜ。腹が立たない?」
「オリバーがか? 確かにオリバーは昔からクララベルに憧れを抱いていたが、自ら行動を起こすような気概がある奴ではないだろう。婚約者がいるというのに求婚したのか?」
「そういうんじゃなくて。あの馬鹿男、獣用の罠でクララベルを木に吊るしたんだ。好きな女を獣の罠にかけるってなんだよ。吊るした挙句、小枝でつついたりしてさ。放っておいたら酷いことになっていたと思う。クララベルがどうやって難を逃れようとしたかわかるか? あの後、歯を食いしばって泣いてたぞ」
俺がヘラヘラと笑ってオリバーの悪行を告げると、一度落ち着いたように見えたダグラスはテーブルを両の手で叩き、凶悪な顔をしてソファから腰を浮かせた。
「何も聞いていないぞ! それがどうして騒ぎになっていないんだ? お前がついていてどうして!」
今にも俺につかみかかりそうな勢いで声を荒げた。
(ああ、こいつ怒ったな……)
俺はクララベルの周りにいる人々に、こういう反応を求めていたのかもしれない。
本人にしても、その父にしても、オリバーがクララベルにしたことに対して寛大すぎる。
レトさんだってどんなに怒っていても声を荒げるようなことはしないし、俺ばかりが暴力的な感情になっているようで鬱屈していた。
「アイリーン姫の輿入れにオリバーの妹がついていくことになっているんだ。それに影響するのを避けるために、クララベルがサンドライン家を庇った。でも、これってサンドライン家を揺るがしかねない不祥事だろ? クララベルはサンドライン卿に恩を売っておいて、俺が死んだあと、サンドライン家に降嫁するつもりなんだってさ」
ダグラスは固く組んだ拳の上に顎を乗せて、冷静になろうと再度試みるが、今度はうまくいかないようでイライラと足を鳴らしている。
「なるほど、確かにそれなら……」
「なるほどじゃないし。クララベルのバカ、あの卑屈で根暗で変態な勘違い野郎に嫁ぐのが国の為だとおもってる! なんでよりによってあいつなんだよ。俺はそんなの耐えられない。あんただってそうだろ? 俺、もうずっと吐きそうだ」
苛々とため息をつく俺を、ダグラスは少し驚いたような顔で見た。
「ミスティ、契約結婚だというのに、クララベルの事を好いているのか?」
「あ、ええと……」
ダグラスが嫌な所を突いてくる。
番が健やかで幸せであればいい……この気持ちは竜にありがちな押しつけがましい一方的なものだ。
こうやってフォレー領にやってきていること自体、独りよがりなことだとわかっている。
どうせクララベルはそんなの望んでないし、頼んでないって言うのだ。
それでもじっとしていられなかった。
「それは俺の問題だから放っておけばいいよ。クララベルの夫が一生俺である必然性がないってだけだ。まぁ、なんとも思ってなければ、こんなことを頼みにここまで来ないけどね」
ダグラスは苦い顔をした。それは俺に自分を重ね合わせるような苦さだったに違いない。
お互いものすごく気まずい雰囲気になって黙り、暫くしてダグラスが口を開く。
「――それで、僕に何をさせるつもりだ?」
「俺が死んだことになって喪が明けるまで、あんたの婚約者を決めるのを待って欲しい。それから、その間にクララベルをサンドライン家じゃなくてフォレー家に引き込んで欲しい。俺は絶対にオリバーにクララベルをやりたくない。陛下もクララベルを国の外に出すつもりはないみたいだし、諸侯のどこかに降嫁させることになるんじゃないかと思ってる。王家の純血だ、あまり格下には嫁がせることはないはずだ」
オリバーもダグラスもクララベルと幼馴染だ。
異性の子どもたちが直に会って友好を温める時間が設けられているということは、その中の誰と親密になっても国益に反しないということなのだろう。
サンドライン家もフォレー家もクララベルの婿候補で間違いない。
「すごく嫌だけど。こんなこと絶対に誰かに頼みたくなんかないけど――」
核心を告げようとするときに限ってクララベルの姿が脳裏にちらつく。
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