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プロローグ
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猛毒だと分かっていても手を出さずにはいられない。
あなたの熱い視線、甘い言葉、優しく触れる唇ーー。
どれも簡単に抜け出せないほど、私を捉えてやまないもの。
カタカタとキーボードの音だけが耳につく。
金曜日で業務に追われながらも、翌日からの休みに期待を膨らませどことなく浮足立っている社内。
私はデスクの端のスタンドに立て掛けたスマホを、いつもと変わらず何度も横目で眺めながら今日も彼からの連絡を待つ。
いつからだろう、こんなにも人からの連絡を待ち焦がれるようになったのは。
いつからだろう、連絡が来ない日に気持ちが晴れなくなってしまったのは。
ただひとつ、分かっているとすればもう元には戻れないということ。
彼と会えるかもしれない週末を控えた金曜日に、私だって残業なんてしたくない。
その意気込みが現れているかのように、荒々しくエンターキーを叩きながら仕事に没頭する。
企画のプレゼン用資料のコピーも終え、上司に資料を提出するとようやく心の荷が降りた。
自分の座席に戻り缶コーヒーに口をつけながらほっと一息つくと、スマホに届いた1件の通知に気がついた。
「今日は仕事も大丈夫そう。22時に俺の地元駅でいい?」
ずっと私が欲しかった彼からの連絡は、いつものように簡素なものだった。
内容を確認して時計に目をやると17時45分。
残業をせずに一度帰宅して、適当に食事を済ませて念入りに準備。
それから彼の地元に向かっても充分に時間はあるから大丈夫。
「うん! じゃあ22時に駅の改札で待ち合わせしよ」
あなたの熱い視線、甘い言葉、優しく触れる唇ーー。
どれも簡単に抜け出せないほど、私を捉えてやまないもの。
カタカタとキーボードの音だけが耳につく。
金曜日で業務に追われながらも、翌日からの休みに期待を膨らませどことなく浮足立っている社内。
私はデスクの端のスタンドに立て掛けたスマホを、いつもと変わらず何度も横目で眺めながら今日も彼からの連絡を待つ。
いつからだろう、こんなにも人からの連絡を待ち焦がれるようになったのは。
いつからだろう、連絡が来ない日に気持ちが晴れなくなってしまったのは。
ただひとつ、分かっているとすればもう元には戻れないということ。
彼と会えるかもしれない週末を控えた金曜日に、私だって残業なんてしたくない。
その意気込みが現れているかのように、荒々しくエンターキーを叩きながら仕事に没頭する。
企画のプレゼン用資料のコピーも終え、上司に資料を提出するとようやく心の荷が降りた。
自分の座席に戻り缶コーヒーに口をつけながらほっと一息つくと、スマホに届いた1件の通知に気がついた。
「今日は仕事も大丈夫そう。22時に俺の地元駅でいい?」
ずっと私が欲しかった彼からの連絡は、いつものように簡素なものだった。
内容を確認して時計に目をやると17時45分。
残業をせずに一度帰宅して、適当に食事を済ませて念入りに準備。
それから彼の地元に向かっても充分に時間はあるから大丈夫。
「うん! じゃあ22時に駅の改札で待ち合わせしよ」
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