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222. エレファン・ハイエルフオーネの誤算
しおりを挟む「グゥゥゥーー! これだけ我が言ってるのに、大妖精様が出て来ないとは、もしや、大妖精様が逃げ出さないように、大森林の国は監禁してるな!」
5000人のエルフ兵士を率いる、エルフ帝国第2王子エレファン・ハイエルフオーネは憤る。
「ならば、この手で、大妖精様をお救いするまで!
正義は我らににある! 全軍、大森林の国に突撃するぞ!」
「「オォォォォーー!!」」
どう考えても無謀な作戦なのだが、エレファンも、そしてエルフ兵士達も、全く自分達の考えが間違ってるとは思って居ない。
エルフ族の基本的な考えは、精霊や妖精は、全てエルフの事が大好きだと勘違いしてるのだ。なので、大妖精様も、絶対に自分達の事が大好きだと思っているのである。
無理もない。基本、精霊や妖精の殆どは、エルフの事が好きなのだ。
普通に考えて、精霊や妖精の王様である大妖精様が、エルフはあまり好きじゃなくて、獣人好きのモフラーとは、誰にも想像など出来ないしね。
現に、エルフと獣人に、今回のような諍いが無かったとしても、ミウにどっちの味方をすると聞いたら、絶対に獣人の味方をすると思うし。
そんでもって、エレファン率いるエルフ帝国軍が突撃掛けたんだけど、もう、結果は解ってるよね。
精霊魔法が使えないエルフなど、人族にも劣るのだ。
エルフ帝国の兵士達は、軽く遊ばれ、全滅。
全滅と言っても、誰も死んではいないけど。
手加減して、簡単にやっつけられる程、今のエルフ族と獣人の戦闘力には差があるのである。
これには、流石のエルフの兵士達も、精霊や妖精の加護を無くしてしまった、自分達の弱さを認めるしかない。
つい最近までは、東の大陸最強の種族と自負してたのに、今では最弱の種族になってしまったのだ。
大森林の兵士も、別にエルフを皆殺しにしても良かったのだが、あまりの弱さに、思わず情けを掛けてしまったのである。
この情けが、エルフ帝国と大森林の国との泥沼の戦争に発展する切っ掛けになってしまうのだが、それは、トトもミウにも、預かり知らぬ話。
ちょっとした情けのせいで、大事に発展してしまうのは、歴史上よくある話だし。
そして、エレファン率いるエルフ帝国の精鋭5000の兵が負けたという一報は、すぐにエルフ帝王に伝えられる。
「エレファンに預けた5000の軍が全滅じゃと!」
ここで、エルフ帝王は、エレファンの軍が全滅という話を聞いて、エレファンの軍が大森林の国に皆殺しにされたと勘違いしてしまう。
実際は、みんな仲良く、右足だけ折られて国に帰れなくなってるだけなのだけど。
大森林の国も、すぐにまた攻めて来られたら面倒なので、対策をうっていたのである。
片足折ってたら、大妖精様に狂信者なエルフでも、すぐには攻めてこないんじゃね?みたいな感じでね。
あまりにエルフ帝国軍が弱いから、軽くやっつけたけど、別に致命傷を負わせた訳じゃないから、直ぐに復活して、また、攻めてくる可能性があり、仕方が無く取った策だったのである。
それほど、エルフ帝国軍は、大妖精様に心酔していて、狂信的な兵士だったのであったのだ。
誰も、大妖精ミウの顔も知らないのだけど。
逆に、大森林の国では、誰でも大妖精ミウの顔を知ってるのはお約束。
ミウ自身で、キュー子を使って、大々的にアピールしてたし。
大森林の世界樹の妖精キュー子の母親は、自分ですよ!てね。
そう。ミウは、自分の承認欲求を満たす為には、宣伝も大事だと、身をもって知っているのである。
ミウ的には、エルフ帝王という広告代理店に、自分を売り出す為のマネージメントを頼んでたのに、蓋を開けてみたら何もやって無かった感じだったのだ。
強いて言えば、金を払ったのに、仕事を全くしてなかった感じ。
加護を与えたのに、何もやってなかった訳だからね。
それなら、自分自身で、アピールするしかないと、大森林の国で、ミウは自己PRを頑張ったという訳である。
それにより、大妖精ミウに狂信的だが顔も知らないエルフ族と、まあまあミウの御加護を信じていて、ほとんどの者達が、ミウの顔を知ってる獣人との大戦争第二部が始まる事になる。
まあ、二部と言っても、一部の戦いは、エルフがあまりに弱くて、獣人達にとっては、ウォーミングアップにもならなかったんだけど。
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