【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ

文字の大きさ
15 / 97

15. クモ、料理をする。

しおりを挟む
 
「アナ先生! このスライムって、服とか溶かしたりするんですか?」

 俺は少し気になり、アナ先生に質問する。

「エー君。もしかして、『ベッドが溶けるんじゃないか?』とか、心配しているの?
 スライムの中にはそういう種類のスライムもいるけど、このスライムは、1番低級のスライムだからベッドが溶ける事はまずないわ!
 それに蜘蛛の糸は、スライムに溶かされるほどヤワな糸じゃないわよ!」

 アナ先生の話を聞いて、少し安心した。
 寝てる間にベッドが溶かされて、スライムの中に沈んで窒息死とか、洒落にならない。

「安心しました! ところでアナ先生。スライムって、どうやって倒すんですか?」

「生け捕りにしましょ!
 動くベッドって、考えただけでゾクゾクするでしょ!」

 アナ先生が、またおかしな事を言っている……

「ベッドが動いてたら、眠れないでしょ!」

「そっか……そうだよね!
 エー君の言う通りだよ!
 ベッドが動いたら、流石に眠れないよね!」

 この人は俺が否定しなければ、必ずスライムを生け捕りにして、動くベッドにしていただろう。

 俺は、この数日で完全に気づいてしまったのだ。

 アナ先生は、相当イッてる快楽主義者である事を。
 快楽の為なら、手足を失っても何とも思わない本当にヤバイ人なのだ。

「ビーちゃん! 中のコアを壊せばスライムは死ぬよ!
 出来れば、コアは使えるから壊さないで抜き取れれば良いけどね!」

「ワカッタ!」

 ビーコがムチを振るう。

 ビーコのムチがスライムの体を突き破り、矢印シッポが変形して、コアを掴み戻ってきた。

 どうやら、ビーコの鞭は『鋼鉄糸』と融合させた事で、先っぽの形状を自由に変化させる事が出来るようになったようだ。

「ビーちゃん! 凄いよ!」

「ウン! ゴシュジンサマノオカゲ!
 ゴシュジンサマ、スキ!」

 ビーコが俺に近ずき、何故か俺の耳元に息を吹き掛けてくる。

「(アナ先生の真似か……)」

 そしてアナ先生と同じように、オレのチンコの反応を見ている。

 勿論、俺は、ビーコの事も好きなので、チンコがビンビンに勃起する。

「アナ、ヤッタノ!」

「よく頑張ったわね!
 偉いわよ!」

 アナ先生は、ビーコをどのように育てたいのだ……

 ビーコはアナ先生に褒めらた後、凄い勢いでスライムのコアを抜き取っていく。

 コアを抜き取られたスライムはその場に、崩れ落ち、まるで砂浜に打ち上げられたクラゲのようになっている。

 スライムを倒すのはビーコに任せ、俺とクモでコアが抜けたスライムを拾い、冒険者バックに入れていく。

 30分程で100匹以上のスライムを倒したのだが、スライムのレベルが低すぎるのか、全く俺達のレベルは上がらなかった。

「これくらいで十分だろ!」

「そうね! 今日の夜が楽しみだわ!」

「ワタシモ!」

「ギー!」

 俺達は再び、本来のダンジョン攻略に戻る。

 殆どの敵は、ビーコとクモの2人で倒してしまう。

 観察していると、ビーコは一応、火魔法も使えるようだ。

 ビーコは本来、悪魔らしく魔法使いなのだが、そうとう矢印鞭が気に入ってるのか、殆どの敵を鞭で倒していってしまう。

 ハッキリ言って、凄腕の鞭使いにしか見えない。

 そして、もう1人の俺達のパーティー。
 クモはと言うと、クモは蜘蛛らしく糸使いである。

 糸の種類も色々あるらしく。
 敵によって糸の種類を変えているようである。

 硬い糸。
 弾力性がある糸。
 粘着力がある糸。
 時には蜘蛛の巣を張り、敵を絡めつける。
 いつも捕まえた敵を、生のまま食べたそうにしているが、俺に嫌われるのが相当嫌なのか、決して敵を生では食べない。

 その他に、クモは、風魔法も使えるようだ。
 糸を風に乗せたり、普通に敵を切り刻んだりしている。

 それから、どうやら俺が使うエアーカッターが気になるようで、ダンジョンの移動中に、ひたすら練習しているようだ。

 そんな感じで今日は、俺が活躍する事なく160階層まで攻略した。

 俺とビーコはlv.33に、クモはlv.30、アナ先生は変わらずlv.49のまま、クモは【粘着糸】と【毒糸】のスキルを覚えた。

 そして、早速クモが料理を始める。

 どうやら夕食を作る気マンマンらしい。
 昨日、褒めらたのが相当嬉しかったのだろう。

 俺は昨日の夜、冒険者バックの中の物を色々調べていたら、『料理入門』なる本を見つけた。
 それには何故か、日本食のような料理もたくさん乗っており、図解が多く、文字が読めなくても何となく作れそうな感じであったのだ!

「クモ! お前にこれをやろう!
 文字が分からなくても、何となく分かるだろう!」

「アリ……ガト!」

 クモが嬉しそうに料理の本を受け取り、何やら一生懸命、料理の絵を眺めている。

「コレト、コレ……ツクル!」

 どうやら、ゆで卵と、鳥の唐揚げを作る気らしい。

 今日、ダチョウのような魔物がいる階層があり、そのダチョウを大量にゲットしたのだ。
 そして、そのダチョウのドロップアイテムが、大きな卵だったのだ。

 それにしても、どうやって作る気なのだ?
 ゆで卵は、茹でるだけなので何とかなると思うのだが、唐揚げを作ろうにも、片栗粉も醤油も何もないんだぞ……

 ある調味料は、塩、胡椒、唐辛子、香草のみだ。

 せめて醤油があれば良いのだが……

 何故か、油が入った鍋が冒険者バックの中にあったので、揚げる事だけは出来るだろう。

 クモはまず、寸胴に水を入れ、ゆで卵を作る。
 火は、冒険者バックの中から薪を見つけらしく、俺に着火だけ頼んできた。

 ダチョウもどきは、あっという間に解体し、唐揚げの大きさにモモ肉をカットする。

 それからパンを取り出し、完全な粉末になるまで粉々にする。

 この時、練習中のエアーカッターを使ってミキサー代わりにしようとしていたのだが、上手くいかなかったらしく、結局、得意の包丁で、目にも止まらぬ早さで粉末にしてしまった。

 味付けは塩と胡椒でするらしい。
 まあ、調味料がそれしかないので仕方が無い。

 肉に味付けをした後、ミクロン単位まで粉々にしたパン粉にまぶし、火にかけていた油であげる。

 パチパチパチと、食欲がそそる音がする。

 絵を見ただけで、油の火加減が何故わかるのかは不明だが、失敗はしていないようだ。

 やはり【料理】スキルの補正があるのかもしれない。

「デキタ!」

 そうこうしているうちに、見た目美味しそうな唐揚げと、ゆで卵が完成した。

 完成した料理を皿に乗せる。

 デッカイゆで卵の皮を、どうやって剥けば良いのだろうと悩んでいると、クモが指先から鋭い糸を出し、華麗に皮ごと4等分に輪切りにしてしまった。

 ビーコがアナ先生に命令されて、グラスに赤ワインを注ぎ、乾杯の準備をする。

「チンチン!」

 突然アナ先生が、おかしな言葉を口走る。

「アナ先生、流石に食事の時、チンチンというのは下品だと思いますよ!」

 流石の俺も、アナ先生を窘める。

「別に下品じゃありません!
 お酒を飲む時は、最初にグラスをぶつけてチンチンと言うのが、正しいマナーなんです!」

 アナ先生が真面目な顔をして、俺に反論する。

 待てよ……確かイタリアなどでは、乾杯の時、チンチンと言うような……
 しかし何故、乾杯だけイタリア式なのだ? 謎が深まる。

「すみませんでした。アナ先生が正しいような気がしてきました」

 俺は自分の非を認めて、アナ先生に謝罪する。

「分かればいいよ!
 それじゃあ、改めてチンチンするよ!」

 アナ先生が声を掛ける。

「アナ先生! いつでもOKです!」

「それじゃあ、チンチン!」

「「「チンチン!」」」

 アナ先生に続き、みんな無事にチンチンと言えた。

「おいしそうだね!」

 アナ先生が、ヨダレを垂らしている。
 しかし、アナ先生は腕が無いので、ビーコの介護待ちだ。

 俺は、早速ゆで卵を食べてみる事にする。
 塩を1振りし、1口食べる。
 普通のゆで卵だった。

 続けて唐揚げを食べてみる。

 旨い……何故、醤油も生姜もニンニクも入っていないのにこれだけ旨いのだ……

 クモが緊張しながら、俺の顔を見ている。
 俺の批評を待っているのか?

「クモ。この唐揚げ、凄く美味しいよ!」

 クモの顔が、パッと明るくなる。

「ウレシイ……スキ!」

 美味いと言われて、嬉しいという気持ちは分かるが、何で嬉しいと、俺の事が好きになるのだ?

 [クモの【料理】スキルがlv.6になりました!]

 突然、天の声が聞こえた。

 また、クモの【料理】スキルが上がったみたいだ。
 どうやら【料理】スキルには、料理の味を補正する力もあるような気がする。

 でないと、醤油も生姜もニンニクも入ってない ただの唐揚げが、こんなに旨くなる筈がないのだ!

しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...