【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

２９. エーサク、猫足バスタブを錬金する。

　
　俺は夕食を食べ終えた後、早速【錬金】を始めた。

【錬金】の良い所は、材料さえ揃えれば手作業が必要ない所だ。
　職人的な技術は、【錬金】レベルを上げれば何とかなってしまう。

　俺は早速、セラミック粘土の【錬金】を始める。
　材料の、土ゴーレム土、粉末骨、水を、正しい分量で適当なタライに投入して【錬金】する。

　暫くすると、タライの中身が光り輝き、タライの中にセラミック粘土が完成していた。

　次は、このセラミック粘土を使って、バスタブを【錬金】する。

　俺のイメージは、オシャレな猫足バスタブだ。

　4人同時に入っても、余裕がある大きさにするつもりである。

　イメージ図も、夕食後にサラサラっと描いているので失敗はしないだろう。

『錬金入門』の著者、モッコリーナさんによると、この世界のセラミックは、あちらの世界のセラミックと違い、割れにくいと書いてあった。
　あちらの世界が、どこの世界かは分からないが、兎に角、凄く丈夫な素材だという事は分かった。

　実際に『錬金入門』には、バスタブの作り方と、洋式便所の【錬金】の仕方が、必要以上に、とても細かく書かれている。

　モッコリーナさんの、並々ならぬお風呂と洋式トイレの情熱が、文章を通して伝わってくるくらいだ。

　モッコリーナさんの話は置いといて、早速、猫足バスタブの【錬金】を始める事にする。

　用意する物は、セラミック粘土とイメージ図だけだ。

　俺は、猫足バスタブをイメージしながら、【錬金】する。

　今回は、かなりの大きさになるので、【錬金】するのにかなり時間が掛かっている。

　20分程経過すると、素材が光り輝き、オシャレな猫足バスタブが完成した。

「エー君、そ……それはもしかして、お風呂じゃないの？」

　アナ先生が、完成した猫足バスタブに気付き、俺に話し掛けてきた。

「そうですよ！」

「『そうですよ！』、じゃないわよ！
　こんなに巨大なお風呂なんて、フレシア王国の大浴場と、『漆黒の森』王都の大浴場でしか見た事ないよ！」

「そうなんですか？」

「そうよ！ しかも、セラミック製の個人用バスタブは、普通の陶器製と違って、とても貴重なのよ！
　何せ、【錬金】以外では、作れないんだから！
　それも、これだけの大きさの猫足バスタブなんて、始めて見たわよ！」

　アナ先生は興奮しながら、セラミック製の猫足バスタブの貴重性を力説する。

「アナ先生に喜んで貰えて、とても嬉しいです！」

　俺は何故か、アナ先生に褒められて勃起してしまう。

「エー君！ 何はともかく、早速、お風呂に入りましょ！」

　アナ先生は、既に素っ裸なので、お風呂に入る準備は万端だ。

「ちょっと待って下さいね！
　まだ、お風呂の栓を作ってないので、お湯を入れても、お湯が抜けてしまいますから！」

　俺は慌てて、お風呂の栓を【錬金】する。

　アナ先生と、ビー子、クモは、今か今かと待ち構えている。

　俺は、お風呂の栓を、猫足バスタブの底にある水抜き用の穴にセットした。

「これで、お風呂の準備が出来ました！
　早速、水を入れますね！」

「お風呂！ お風呂！ お風呂！ お風呂！」

　ビー子が興奮して、何やら叫んでいる。
　というか、ビー子は、お風呂が何か知ってるのか？

　逆に、クモは、興味深そうな顔をして、俺の一挙手一投足を見逃さないように見つめている。

　こういう所で、性格がでるな。
　何事も大雑把なビー子。
　研究熱心なクモ。
　研究熱心なクモは、料理の腕もメキメキ上がっている。

　ビー子は文系。アナは理系と言った所だな。

　俺は一人で納得しながら、水魔法を使い、お風呂のバスタブに水を貯める。

　バスタブにある程度水が溜まると、アナ先生がしゃしゃり出る。

「ここからは、私に任せて頂戴！
　こう見えても、私はお家のお風呂沸かし当番だったんだからね！」

　アナ先生は、プルン！と、豊満な乳房を揺らしながら胸を張る。

　アナ先生は、火魔法で作ったファイアーボールを、バスタブの水の中に、次々と投入していく。

　アナ先生が放ったファイアーボールは、『ジュワッ！』 という、音を立てながら消滅していく。

「ビー子もやる！」

　同じく火魔法の得意なビー子も、立候補する。

「ビーちゃん！ コツは、バスタブを破壊しない程度の火力のファイアーボールを作る事だよ！」

　アナ先生は、すかさずビー子に助言を与える。

　ビー子に何も言わずに任せると、必ず、最高出力のファイアーボールを、バスタブにぶち込んでいただろう。

『ナイス判断！』

　俺は、心の中でアナ先生のファインプレイを称える。

　ビー子もアナ先生と並んで、バスタブにファイアーボールを次々に投入していく。

　その様子を、クモは物欲しそうに見ている。

　どうやらクモも、ファイアーボールを手伝いたかったようだ。

　しかし、火属性の適正が無いクモには、手伝う事が出来ないのだ。

　お手伝い大好きなクモには、辛い事だ。
　何せクモは、人に役立つ事をすればする程、命令した人を好きになってしまうという、特殊な性格をしているのだから。