11 / 286
11. 目隠し
しおりを挟む「ご主人様、剣はどうニャさりますか?
私が見たところ、ご主人様が持っておられる剣はそれほど攻撃力がないように見えるのですけど?」
確かにスキルスッポンソードは、攻撃力は無さげだ。
見た目も鉄の剣と見分けがつかない。
【鑑定】が使えない人間にとっては、ただの鉄の剣だ。
この剣はいざと言う時に出して、普段はしまっておいた方が良いだろう。
「ブリトニー。
お前が良いと思うのをどれか見繕ってくれ」
「そうですね。
現在ご主人様が使ってるのと同じような剣になってしまうのですが、この中では鉄の剣がいいでしょう。
それから、鉄の鎧に、鉄の盾、革の帽子それと、この白いマントで合わせればカッコイイですニャ!」
白いマントは恥ずかしいが、ここはご主人様としての度量の広さを見せる為にもブリトニーのコーディネートに乗っかっておこう。
「白いマントは気恥しく感じるが、せっかくブリトニーが選んでくれたのでそれを着てみようかと思う」
少し偉そうな感じで言ってしまったが、俺はご主人様なので問題ないだろう。
「ははぁー。有難い幸せでございますニャ!」
ブリトニーは頭を下げて平伏した。
猫耳が可愛いく見える。
鉄の鎧は少し大きく見えたのだが、装着した瞬間に俺の体格に合わせてシュっと小さくなった。
「んッ…?小さくなった気がしたが?」
「金属で製作された鎧には、殆どの物に魔法がかけられておりますニャ!
小さすぎても装着できないし、大きすぎたら動きにくい。
1点物のオーダーメイドで製作すると、作るのも難しくなり、熟練の職人しか製作する事ができなくなってしまいます。
なので、少し値が張りますが、サイズフリーの魔道具にするほうが、逆に簡単に作れて、安くなるんですニャ!」
腰に鉄の剣を装備し、白いマントを羽織った。
これチョット、カッコ良すぎるんじゃないのか。
悪目立ちしすぎる…
中庸を目指す俺としては良くない…
しかしブリトニーが選んでくれた物を着るといった手前、今更やっぱ止めたでは、ご主人様としての威厳がなくなってしまう。
仕方がない、そう仕方がないのだ。
俺は自分にそう言い聞かせた。
「姫の着る服がないな…
ブリトニー。革の鎧や布のローブは装着するとサイズが変わるのか?」
「変わりませんニャ!
加工するのが難しい硬い素材の鎧のみ、魔法がかけられてるニャ!」
成程な。しかし困った…
今 姫が着ている薄汚れた布切れは、あまりにみすぼらしい。
すぐに、どうにかしてやりたい。
これ使えるんじゃないのか。
俺は布のローブを手に取り、回収した武器の中にあったハンティングナイフで姫のサイズにローブを裁断し、真ん中に穴を開けてポンチョを作った。
「姫。取り敢えずはこれを着ていろ。
それから、このハンティングナイフも護身用に渡しておく」
「ありがとうごさいますです!」
姫は、目を輝かして嬉しそうにしている。
「姫 着てみろ!」
姫はポカンとしている。
「ご主人様!姫様は、漆黒の森の王族だったので、自分で服を着たことがないのです!決してご主人様がお作りになった布切れが気に食わなかったのではありません!」
ブリトニーが慌てて姫を擁護する。
「ごめんなさいです。
服は人に着せてもらう物だと思っていたのです。」
姫は泣きそうな顔で頭を下げた。
「よしよし!それじゃあ俺が着せてやろう!」
ん…
姫が今現在身につけている汚い布切れはどうしようか…
うん!不衛生だ!脱がしてしまえ!
決して俺は姫の裸を見たい訳ではない。
「姫バンザイしろ!」
「ハイです!」
よくわからんが、姫は嬉しそうだ。
俺は薄汚れた布切れを脱がす。
所々 破れた所があり、丁度
乳首が出た辺りで服が引っかかってしまった。
「フガフガ!マスタ~!」
一瞬、可愛いさくらんぼを舐めたい衝動に襲われそうたがなんとか耐え抜く事に成功した。
いかんいかん。
姫はまだ未成年だ。
奴隷だからといって、淫らな事をしたら犯罪者になってしまう。
この世界ではアリかもしれないが、俺の元いた世界なら完全アウトだ。
せめて、この世界での成人であろう15歳になる迄は決して手を出したら駄目だ。
それを冒したら、俺は本物の鬼畜になってしまう。
そうだ!俺は光源氏になるのだ!
光源氏が紫の君にしたように、姫を理想の女性に育てて、美味しく熟した所で美味しく頂けばいいのだ!
これは決して悪い事ではない。
姫は俺の性奴隷になる事を望んでいる。
多分何をするのか分かってないが…
しかし、姫は俺の所有物だ。
俺がどうしようが俺の勝手だ。
それなのに15歳になる迄待つという俺の所業は素晴らしい事ではないのか?
逆に成人しても俺が手を出さなかったら、姫は絶対に悲しむだろう。
なにせ、姫はこれからずっと俺のスペシャルスキルの【魅了】あてられ続ける。
ブリトニーを見ればわかるが【魅了】の効果は絶大だ。
大人になれば向こうから求めてくるだろう。
なので15歳は絶妙だ。
俺も暫く我慢する。
姫もずっと我慢しないで良くなる。
中庸だ!
間違いない、中庸の筈だ。
ギリギリ上手く纏《まと》められた。
中庸こそ正義。
中庸こそ徳。
俺は正しいい事をして、徳をえられるのだ!
ーーー
姫に俺が作ったポンチョを着せた。
なかなか似合っている。
しかし、ポンチョを脱いだら何も着ていない。
ポンチョがコートで男だったら、元いた世界では変質者だ。
姫は嬉しそうな顔をしている。
「マスターとお揃いなのです。」
布のローブは白色だったので、ポンチョにした事により俺が着ているマントと確かに似た感じになっている。
「そうだな。」
俺は姫の頭をポンと撫でた。
「次はブリトニーだな!」
「ハイですニャ!」
「剣は何がいい?」
「近衛騎士をしてた頃は、隊の規定によりレイピアを使っていましたが、本当は大刀が好みです。
しかし、ここにはないので、銅の剣を所望しますニャ」
「悪いな。お金が貯まったら今度買ってやる」
「とんでも御座いません。
先程も言ったように、奴隷に武器や防具を与える事などこの世界では余りありません。
頂けるだけでも、ありがたく思います。ニャ!」
ブリトニー今、語尾にニャを付けるの忘れたな…
「鎧はどれにしようか?」
「攻撃は全てよけますので、鎧はいりませんニャ!
逆に鎧を装着すると動きが鈍くなります。」
「しかし、そのままという訳には行かないだろう。」
ブリトニーが着ているボロ切れは餓狼族に切り刻まれて見えては行けない部分が殆ど見えている。
俺としては嬉しいが、このまま町に行ったら大変な事になるのは目に見えている。
奴隷にこのような格好をさせている主人は変態だと誰もが思うだろう。
「そしたら、これがいいですニャ」
ブリトニーは踊り子の服を指差した。
これも殆《ほとん》ど布がない。
胸と下半身を少し隠す程度だ。
この服を着て誘われたら、どんな男も一瞬で心を奪われてしまうだろう。
うん。いいチョイスだ。
ブリトニーさんは俺の好みをしっかり分かってらっしゃる。
「いいと思うぞ!」
「それではご主人様。
私の着替えも手伝ってくださいニャ♡」
「姫!ハンティングナイフを貸してくれ!」
「ハイです!」
先程、姫のポンチョを作った時に余った布のローブの切れ端をハンティングナイフで裁断していき、またたく間にバンダナを作った。
「姫。今から俺はブリトニーと2人っきりで秘密の特訓を行う。
特訓の様子が見えないように、このバンダナで目隠ししてなさい!」
79
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる