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36. アン・ドラクエル
しおりを挟む「ところで部屋の隅にいる、裸の者達は何者だ?」
「私が調教している冒険者達です」
ゴキAが答えた。
確かデーモンは、人間を調教するのが趣味だと言っていたな……
この人達はどうしよう……
俺が困った顔をしてると、
「ご主人様! こいつらにもミノタウロスを狩らせればいいのニャ!
どうせ、デーモンに調教された人間は、誰かに命令されないと動けないM奴隷になっているのニャ!
ゴキ男爵に最調教してもらい、ご主人様の奴隷にしてしまえばいいのニャ!
それにこの階層まで来れる冒険者という事は、ある程度の強さは保証できるので、ミノタウロスを倒す位の実力はある筈ニャ!」
それもそうか……
労働力をタダで手に入れたと思えばラッキーか。
「そういう事だ! ゴキ男爵!
この者達の最調教を頼んだぞ!」
「御意!」
ゴキ男爵が深々と礼をした。
「ペロ、人が居ないか探索しながら、上り階段があるフロアーに案内してくれ!」
「ワン!」
ゴキ男爵と、ゴキA、M奴隷10人を、ボスフロアー置いて、上りの階段フロアーに向かった。
「ワン!ワン!ワン!」
ペロが何かを見つけたようだ。
「やめてーーー!」
「ウッワハハハ! 泣け! 喚け!
そして!感じろ!」
「アッアッアッアッ!やっやめ……アッアッ……やめないで……アッアッ」
声のする方に向かうと、戦士風男の冒険者が1人死んでいるのを見つけた。
その、すぐ近くに裸の男が1人肛門を抑えて涙を流している。
何だ?
「ウッワハハハ! 気持ちいいか!
オラオラ! もっと腰を振れ! おおおおおおおおいいぞ! その調子だ!」
「アッアッアッアッ! 気持ちイイよ!
気持ちイイよ! デーモン様! もっともっと! 硬くて太いのを下さい!」
これはダメなやつだ。
「姫! 目隠し!」
「ハイなのです!」
姫は頭に結んでいるバンダナを外し、それで目隠しした。
「ペロ! デーモンだけ殺れ!」
ペロ1が、デーモンから合体していた女を引き剥がし、ペロ2がデーモンに噛み付いて投げ飛ばし、ペロ3が火炎魔法を口から発動させてデーモンを灰にした。
ペロは相変わらず凄いな……
先程までデーモンと合体していた女は、腰をカクカク動かし続けている。
ヤバイな……とてもじゃないが、姫には見せられない……
「おい! 大丈夫か?」
「もっともっと! ぶっといのを!」
駄目だな……
「ブリトニー!
この女と、さっき見たケツを押さえていた男に回復魔法をかけてやれ!
それからゴキ男爵に、こいつらを回収させて最調教するように伝えろ!」
「ハイですニャ!」
ブリトニーが一瞬、影の中に消えてすぐに戻って来ると、今度はブリトニーの影の中からゴキAが現れて冒険者を回収して行った。
「姫。目隠し取っていいぞ!」
「ハイなのです!」
「ペロ!他に人間は居ないか?」
「ワン!ワン!」
ペロが歩きだした。
「マスター! 1人デーモンから逃げている者がいると、ペロが言っています!」
「そうか! デーモンにヤラれる前に助けないとな!」
「ワン!ワン!ワン!」
「誰か助けて!」
若い女の声が聞こえる。
「ペロ殺れ!」
ペロが疾風の如く駆け抜け、デーモンに体当たりした。
ドカン!!
デーモンはペロに弾き飛ばされて遠くに飛ばされていった。
「た…助けて下さい!」
黒髪の13、4歳くらいの少女が涙目で俺にお願いしてきた。
しかし、もう既にペロがデーモンを倒している。
「もう、デーモンは倒したから大丈夫だと思うよ」
「あの……何でもしますから、階段フロアーまで連れてってくれませんか」
え……今、なんて言った?
この娘が俺に何でもしてくれるの?
黒髪の少女の顔を、よく見てみる。
姫ほどではないが目がパッチリして容姿は中々良い方だ。
身体つきも痩せ型に見えるが、出るところはちゃんと出ている。
上の中という所か。
「本当に、何でもするのか?」
「え…あの…命には替えられないので、私のできる事なら何でもします」
「マスター!」
姫が何か悲しい顔をしている。
何で悲しい顔をしてるんだ?
「どうした?」
「私がマスターのご奉仕するので、あの人をマスターの性奴隷にしないで下さいなのです!」
何を言ってるのだ?この娘は……
俺が、誰も彼も性奴隷にする筈ないだろ……
「せ……性奴隷ですか……命は欲しいですが、それはチョット……」
「えぇぇ……?! 貴方は、マスターの性奴隷になりたくないのですか!!」
姫がびっくりした顔をして驚いている。
「普通は奴隷、ましてや性奴隷になんかなりたくないですよ」
「マスターは普通じゃありませんので!
マスター程の凄い人はいないのです!
美味しいご飯も食べさせてくれるし、お風呂にも入らせてくれます!
それから妖精のあくび亭のスゥートルームに、毎日泊まらせてくれるのです!」
「何ですか! それは!
妖精のあくび亭のスゥートルームに毎日泊まれるの?!
あそこは確か『カワウソの牙』が押さえているから、誰も泊まれない筈なのでは?」
「『カワウソの牙』ならマスターが、私たちのギルド『犬の尻尾』の傘下にしたのです!」
「何言ってるんですか!
あのギルドは、牛魔王の息がかかってるギルドですよ!
そんな事できる筈ないじゃないですか!」
「マスターなら可能なのです!
信じて下さい!
貴方にもマスターの素晴らしさ感じて欲しいのです!」
「チョット信じられないけど、本当に、『カワウソの牙』を傘下にしていて、妖精のあくび亭に毎日泊まれて、お風呂にも入れるなら、性奴隷になってもいいかもね!
普通に生活するより、どう考えても贅沢な生活だよね」
「そうなのです!
マスターは凄いのです!」
「ウーン……」
黒髪の少女は固まって何かを考えているようだ。
しばらくするとパッと目を見開いて、俺の方を見た。
「僕の名前はアン·ドラクエル!
種族はドワーフ!
さっき言ってた話が本当なら、君の性奴隷になってもいいよ!」
アン·ドラクエルというドワーフの少女が、右手を出してきた。
「あれ? 何でこうなるのですか?」
姫は性奴隷になりたくないというアン·ドラクエルに、俺の良さを伝えようと頑張った挙句、いつの間にかアン·ドラクエルが俺の性奴隷になる後押しをしてしまった事に気づかないのだった……
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