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39. 提案
しおりを挟む「さすが、グランドマスターは私が見込んだ姫様のマスターであらせられますな」
ゴキ男爵が、よくわからん褒め方をしてくる。
「ゴキ男爵! お前にもたくさんスキルを与えているぞ!」
「な…なんですと!」
「試しに闘気を練ってみろ!」
ゴキ男爵が何やら集中すると、体から黒っぽいモヤが出てきた。
「おおおおォォォォ湧き上がる!
湧き上がりますぞぉぉ!
力が! 精気が!
うおおおおぉ! 感じる! 感じる!
ビンビンに感じられますぞ!
グランドマスター! お恵を!
私のおケツにグランドマスターのポークビッツを突っ込ん下さいぃ一!」
ゴキ男爵の股間が盛り上がり、ズボンがはち切れそうになっている。
ゴキ男爵に【魅了】と【魔テイマー】をかけたのが、悪い方向に作用しているようだ……
「わ…分かったから、そのお前の暴れん坊将軍をなんとかしろ!」
「ハッ! すみません!」
ゴキ男爵は突然、履いていたズボンを下ろし、立派な真っ黒いナニを手刀でスパッと切り落とした。
地面に落ちた立派で真っ黒いナニがピクピクと動くのに連動して、白い液体が亀頭からドピュドピュと吹き出ている。
「グ…グランドマスター……
これで宜しいでしょうか?」
「ゴキ男爵…お…お前何やってんだ!」
「も…申し訳ございません……
グランドマスターがあまりに神々しく、興奮でビンビンに反り返ったナニを抑える事は不可能と判断して、ナニを切り落とした次第であります」
「だ…だからと言って、ナニを切り落とさなくてもいいだろう!」
「私にとってグランドマスターの命令は絶対なのです。
心配して貰わなくても、すぐにナニは生えてくるので大丈夫なのです」
「そ…そうか…また生えてくるのか……」
今の行動を見る限り、ゴキ男爵の俺への忠誠は本物のようなので、裏切られる心配はなさそうなのだが、あまりに狂信的な変態思考にはついていけそうにない……
アンちゃんの方を見ると、理解の範疇を超えてしまっているのか、地面に落ちた真っ黒いナニをボーっと眺めている。
「キモイのニャ!」
ブリトニーが地面に落ちているゴキ男爵の真っ黒いナニを、魔法で凍らせてから踏みつけて粉々にした。
「ウッ!!」
何故か俺のポークビッツも、キュッと縮み上がった。
「す…すみません……僕は性奴隷になる自信がなくなってしまいました」
アンちゃんがゴキ男爵の変態的行動を目撃して、俺の性癖について行けるか不安になってしまったようだ……
「ア…アンちゃん、だ…大丈夫だよ!
ゴキ男爵が変態なだけで、俺は至ってノーマルだから心配しなくていいんだよ!」
「アンさんがマスターの性奴隷にならないのなら、私が代わりに性奴隷になるのです!」
「ひ…姫。 何を言ってるんだ。
15歳になったら必ず性奴隷にしてあげるので今は我慢しなさい!」
「私が性奴隷になりたくてもなれないのに、アンさんがマスターの性奴隷になるのを拒否するなんて、許せません!」
姫が怒ると収集がつかなくなる。
なんとか、アンちゃんに俺の性奴隷になってもらわなければ。
「ア…アンちゃん。姫もそう言ってるから、俺の性奴隷になる事を考え直してくれないかな?」
「……」
「姫に免じてお願いします!」
俺は誠意を見せる為に90度のお辞儀をした。
「……なぜ姫ちゃんがサイト君の性奴隷に、それ程なりたいかは疑問ですけど、約束は約束なので僕はサイト君の性奴隷になります。
姫ちゃんがそこまで言うには、何かサイト君に魅力があるのでしょう」
何とか納得してくれたみたいなので、考え直す隙を与えない為にも、早く先に進もう。
「よし! アンちゃんが俺の性奴隷として働いてくれる事も正式に決定したので、先に進むぞ!
ペロ! 人が居ないか探索しつつ、上りの階段フロアーを目指してくれ!」
「ワン!」
「ちょ…ちょっと! サイト君! この人達はどうするの?」
アンちゃんが心配そうに、生気を抜かれて放心状態のようになっている冒険者達を指差した。
「その人達は、反省してもらう為に、ここに放置しておく!
ゴキ男爵! 2、3日後に回収して、俺の下僕になるように、調教しておけ!」
「御意!」
ゴキ男爵が優雅に腰を曲げお辞儀をした。
ーーー
「ワン!」
「マスター! ペロがまた人を発見したようです!」
「よし! 案内しろ!」
「ワン!」
ペロが早足で先に進む。
「ワン!」
いた! 今度はモンスターと戦闘中のようだ。
5人パーティーで、前衛は、騎士lv.28、モンクlv.32、真中に盗賊Lv25、後衛は僧侶lv.18、魔法使いlv.15
レベルの低い魔法使いは、魔素切れで何もできない状態だ。
僧侶もかなり傷ついてHPがほとんどない。
この階層のメインモンスターは、ジャイアント蝙蝠で飛びながらA級の風魔法を放ってくる。
前衛の騎士とモンクの攻撃は、飛びながらヒラヒラとかわし、ジャイアント蝙蝠に全く当たらない。
ジャイアン蝙蝠は先に風魔法で僧侶と魔法使いを仕留めるつもりのようだ。
助けた方がいいのか?
ジャイアン蝙蝠のHPを【鑑定】で調べて見ると、あと少しで倒せそうだ。
助けた後に、助けてくれる必要は無かったと、文句を言われても叶わない。
取り敢えず聞いてみるか。
「あのー。お困りですか?
お困りのようなら助けますよ」
「見て解らないのか!
早く助けろ! ティナが死んでしまう!」
モンクが僧侶の方をチラッと見て返事をした。
「ペロ!」
「ワン!」
ペロ1、ペロ2、ペロ3が同時に風魔法を使い、ジャイアント蝙蝠は小間切れになって息絶えた。
「す…凄い! あれはケルベロスか?
3匹同時にあんなに強力な風魔法が出せるなんて……」
モンクの男が驚いた顔をしている。
「姫、皆さんに回復魔法をかけてあげなさい。」
「ハイなのです!」
姫はパーティー全員に回復魔法をかけた。
「えぇぇ! 何が起こったの?
魔素まで回復している!」
魔法使いのお姉さんも驚いているようだ。
「皆さん! この階層は、我々『犬の尻尾』が封鎖しますのでダンジョンの外にお戻り下さい!」
「封鎖?」
「そうです! 92階層から最下層まで『犬の尻尾』の縄張りにする予定なので、他の冒険者の皆さんにはお引き取りしてもらっている最中です」
「そ…そうですか……」
「もしよろしければ、階段フロアーまでお送りして差し上げますよ」
姫が俺の後ろから、冒険者達に向かって恐ろしい殺気を放っている。
「そ…それじゃあ…お…お願いします……」
冒険者達は俺の提案に賛同しなかったら、姫に殺されると思ったのだろう。
今回は素直に言う事を聞いてくれた。
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