【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ

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63. 忘れ物

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「姫ちゃん!
 何してるの?!   牛魔王さん、サイト君の配下になるって言ってたのに!!」

「家畜の分際でマスターの事を、『お前』呼ばわりしたのです!!
 これは死に値する行為なのです!!」

「流石、姫様ですニャ!
 牛魔王がご主人様に、『お前』と言い終わる前には、お腹に風穴を空けていたのニャ!
 あれ程早い土魔法は、見た事ないのニャ!
 土の塊を作る生成から、術の発動まで1秒もかかってないのね!」

 ……姫の魔法だったのか……
 あまりにも突然だったので、誰が何をしたのかも全く分からなかった。
 それより牛魔王が白目を向いている、せっかく配下になってくれると言ってくれたのに、死なれてしまっては勿体ない。

「姫、命令だ!
 牛魔王に早く回復魔法をかけろ!
 早くしないと死んでしまうぞ!」

 姫は渋々、牛魔王に回復魔法をかけた。
 しかし、ギリギリ死なない程度までしか回復させない。

「た…助けて…下さっ……て……あ…ありが……とう…ご…ざいま…す……」

 ガクッ

 少し喋った後、力尽きた。

「姫ッ! もっと回復させろ!
 いちいち倒れられたら面倒くさいだろ!」

「ウゥ……ハイなのです」

 姫は納得いかないのか、ほっぺを少し膨らませながらも、今度は全開まで回復させた。

「ハッ……体が動く…… ボス、救ってもらい感謝します!」

「ボ…ボス? マスターに向って馴れ馴れしいのです!」

 パンッ!

 姫が右手を銃の形にして、撃ち抜く動作をすると、牛魔王の頭が後ろに弾き飛んだ。

「姫ちゃん!  何してるの?!」

 アンちゃんが、慌てふためいている。
 姫は、俺に敵対する者に容赦がない。
 今回は別に、敵対している訳ではないのだが……

「生意気だったので空気の塊でデコピンしたのです。加減したので、死にはしないのです」

 牛魔王が怯えて、ブルブル震えている。

「姫、もっと牛魔王に優しくしろよ!
 こいつは俺の配下になると言っているんだぞ!」

「心から配下になると言っているかは分からないのです! 
 この家畜さんは何度死にかけても、中々マスターの配下になるとは言わなかったのです!」

「そ…それは……お前…違った……ガブリエル様の闘気がキツすぎて、喋る事ができなかったんだ!
 心の中では何度もボス…いや……大ボス……の配下になると叫んでいたんだ!」

 ん……姫的には牛魔王が、俺の事を大ボスと呼ぶのはOKなのか?

 ボスも大ボスもそんなに変わらない気もするのだが……姫の中には譲れない何かがあるのだろう。

「エッ…そ…そうだったんですか……
 そ…それは牛さん、すいませんでした」
 姫が目を白黒させた後、申し訳なさそうに頭を下げてショボンとしている。

 一応、本当に俺に対して忠誠を誓ったか【鑑定】してみるか。

 牛山·ゴトウ·マオウ
 魔王lv.32 獣戦士lv.358
 スキル;族長、咆哮、咆哮act2、闘気、捨て身

 ちゃんとゴトウ族になってるな。
 やはり、魔王クラスだとレベルも高いな。
 しかし実際の戦いにおいては、牛魔王よりレベルが低いブリトニーが圧倒してたからな……
 戦闘力はレベルだけでは分からない。
 センスとスキルもかなり大事だ。
 ブリトニーはセンスの塊だ。
 体術とスピードだけで全てを圧倒する。
 流石は若くして、漆黒の森の近衛騎士に抜擢された事だけのことはある。

 オッ! 【族長】スキルも持っているのか。
 獣族系は【族長】スキルを持ってる奴が多いな。
 レアスキルかと思っていたが、以外と普通のスキルなのかもしれない。

【捨て身】はなんだ?
 鑑定してみるか。

 {防御を無視する代わりに、攻撃力が2倍になるスキルです}

 うぅ……ん。微妙だな。
 俺的には防御力がなくなるのは死活問題だ。
 元々HPも多くないし。
 俺の攻撃力が2倍になったとしても、姫達の攻撃力には遠く及ばない。
 牛魔王のスキルは、【咆哮】や【族長】など元々持ってるスキルもあるし、あまり使えるスキルはないな。

 取り敢えず、計画通り牛魔王を配下にする事ができたし、今回のミッションは成功だな。

「姫、確認したら牛魔王はゴトウ族になっていた。
 既に俺の身内という事だ!
 もう牛魔王をいじめちゃ駄目だぞ!」

「ハイなのです!」

 姫は満足そうに返事をした。

「牛魔王! お前の配下も、俺に従うという事で問題ないな!」

「問題ありません! 我が配下約300人、大ボスに忠誠を誓わせます!」

 うん。ある程度 片がついたと思ったら、腹が減ってきたな。
 そういえば、まだ夕飯を食べていない。
 まだ20:00頃だから『妖精のあくび亭』の夕飯に間に合う筈だ。
 これからの予定や、新しく得たスキルの振り分け、牛魔王のパワーアップとかは明日にするか。
 腹が減った状態では、何も考えられない。

「今日の所はこれでお開きだ!  
 牛魔王!  明日、これからの事を話すので『妖精のあくび亭』のスゥイートルームに朝の10時に来い!」

「分かりました。大ボス!」

「それじゃあ帰るぞ!」

「ハイなのです!」

「ハイニャ!」

「了解です。」

「ワン!」

 ーーー

『妖精のあくび亭』に到着した。

「お帰りなさいませ!」

 支配人が挨拶してくる。

「ああ」

「今日はこちらでお食べになりますか?」

「そのつもりだ、今すぐ食べれるか?」

「大丈夫です! 案内致します!」

 支配人はいつもの中央の席に案内してくれた。
 いつの間にか、この席が俺達の指定席になっているようだ。
 最近、この席に俺達以外の者が座っている所を見た事がない。

 席に着いた。

 そう言えば何か忘れている気がする……
 しかし、何を忘れたのか思い出せない。

「ドリンクは何になさいますか?」
 いつものウェートレスが注文を取りに来た。

「魅惑のスペシャルカクテル欲しい人?」

「ハイニャ!」
「僕も!」

「魅惑のスペシャルカクテル中ジョッキ2つに、大ジョッキは、ウ~ン……3つくらい持ってきて!」

「姫は何にする?」

「今日はイチゴオレがいいのです!」

「ペロも同じでいいな!」

「ワン!」

「じゃあ、イチゴオレ4つな。
 ペロの分はいつも通り皿に入れてきてくれ!」

「ハイ! 分かりました!」

 ウェートレスは、すぐに飲み物を持ってきた。

「それじゃあ!チンチンするか!」

「ハイなのです!」「ハイニャ!」
「了解です。」「ワン!」

「牛魔王を倒し、配下にできた事を祝して!   チンチン!!」

「チンチンなのです!」「チンチン好きニャ!」「チンチン」「ワン!」

 1人エロビッチがいるがスルーだ。

 しかし、何か重要な事を忘れている気がする。

 美味しい料理を舌鼓みりしたり、魅惑のスペシャルカクテルをガブ飲みして、エロモードに入ったアンちゃんが服を脱ぎそうになったり、大いに盛り上がっていると、メインディッシュが出てきた。

「メインディッシュの牛のヒレステーキです。
 すみませんが、モフウフ名物のミノタウロスのお肉は未だに入荷してきません。
 どうしてもミノタウロスのお肉が食べたいのであれば、『ミノ一番』という焼肉屋さんでは、まだ食べれると聞きましたよ!」

「し…しまった!  サンアリの事をうっかり忘れていた!!」

 あまりに、姫とブリトニーがサンアリの事を軽視するので、すっかり忘れていた。

 姫による牛魔王への行為が凄惨すぎて、途中からどっちが悪者か分からなくなってしまい、よもや人質を取られていたなんて微塵も覚えていなかったのである。

 アレッ………よく考えたら俺達のほうが、悪者じゃないのか……

 牛魔王配下の『カワウソの牙』をボコり問答無用で配下にし、常泊していた『妖精のあくび亭』スゥイートルームも明け渡させた。
 尚且つ、ダンジョンに監禁して、給料も払わずに働かせ続けている。

 牛魔王にしても、突然ミノタウロスの肉の利権を奪われてしまい、やっとの思いで犯人を見つけて文句を言ったら、逆に姫とブリトニーにボコられ、挙句に腹に風穴を空けられてしまったのだ。

 どう考えても、俺達が悪者だ……

「牛魔王を配下にしたのだから、そのうち戻ってくるのね!」

 ブリトニーが、あっけらかんとした表情で話した。

 俺達は間違いなく悪者だな……


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