【R18 】必ずイカせる！ 異世界性活

１１１. ケルベロス教格闘術

　
「それでは5回勝負の2回戦目を始めます！
　牛魔王さん側の次鋒は、僧侶、牛神パウロさんと、『カワウソの牙』魔法使いクリスティーヌさん。

『シルバーウルフ』側の次峰は、大賢者サナルさん、大剣豪ナナイさんです！
　くれぐれも正々堂々戦って下さい！
　それでは、始め!!」

　アンちゃんの始めの合図で、5回勝負の2回戦目が始まった。

「オイオイ！ じゃんけんで決めたとはいえ、牛神さんとクリスティーヌで大丈夫なのか？
　相手は、大賢者と大剣豪だぞ？」

　ヤナトが相手の職業を聞いて、騒ぎだした。

　牛神さんは僧侶、クリスティーヌは魔法使いなのだ。

　2人ともそれぞれの職業をカンスト目前だったのだが、それでもC級の最初に選べる基本職なのだ。
　一方、相手の職業を階級で表すと、大賢者はA級、大剣豪はS級にあたる。

　それだけ見ると、勝つ事など絶対に不可能なのだ。

「ヤナトさん、心配御無用です！
　私は、ヤナトさんと同じく、2週間前の私ではありません！
　2週間みっちりと、姫様に頼み込んで、朝晩のペロ様の散歩の任務を賜りました！」

「牛神さん！ 何を言ってるんだ？
　散歩って……
　ペロの散歩をしたら、どうなるんだよ！
　健康的になるのか？
　定年した爺さんかよ！」

　ヤナトが普通に、ツッコミをいれる。

「ヤナトさん！ ペロではありません！
　ペロ様です!!」

　牛神さんは、ペロの呼び方に食い入気味に反論する。

「でも、グランドマスターや、ブリトニーの姉御とか、ペロと呼んでるじゃねえか！」

「あの人達は特別です。
　多分、あの人達はペロ様よりお強いです！
　 ヤナトさんは、間違いなくペロ様と比べると、ミミズ程度の強さだと思いますので、様付けで呼ぶのが妥当と思いますが！」

「た……確かに勝てる気しねぇ……
　ペロ……様には、トラウマしかねぇ……
　最初に会った時に、いきなりチンコをひきちぎられたからな……
　やはり今思えば、あれが今まで体験した中で、一番の恐怖だった……
　何せ、チンコが無くなったんだ……
　今は、姫様に頼めば修復する事ができるが、あの時は、一生チンコが使えなくなると思ったからな……」

「いつまでお喋りしてるつもりだ？
　来ないなら、こちらから行くぞ！」

　大剣豪ナナイがジリジリと近寄る。

「牛神さん！ 一応言っておくけど、あなたに、攻撃力2倍と、防御力2倍、魔法攻撃20パーセントoff、素早さ10パーセントアップの魔法をかけておいたから！
　無詠唱はイメージで魔法が使えるから便利だけど、詠唱をしないと、エンチャンター系の魔法は何をしたのか気付いてもらえないから、最初に言っておくわよ！」

　クリスティーヌが、何もして無いと思われるのがイヤだったのか、牛神さんに魔法をかけた事をアピールする。

「ああ！ すまないな！
　さっきも思ったのだが、いつの間に無詠唱の魔法が使えるようになったのだ？」

　牛神さんは、気になった事をクリスティーヌに聞く。

「それは、グランドマスターが『犬の尻尾秘密基地』の大奥に住むようになった2週間前から、毎日、大奥に忍び込もうと試みては、姫様やブリトニーさん付きのメイドさん達に見つかり、返り討ちにされては、何度も何度も繰り返し見つからないように、できるだけ静かに魔法を使うように、心がけていたらいつの間にか無詠唱の魔法をマスターしていたのよ！」

「そ……そうか……」

　牛神さんは、なんて感想を言えば良いのか解らなかったので、無難に「そうか」と、返答した。

　基本『カワウソの牙』の修行方法は、違う意味で、どれも常軌を逸している。

「そう言えば、クリスティーヌ！
　いつの間に、エンチャンター系の魔法が使えるようになったんだ？
　お前は、攻撃魔法しか使えなかった筈だよな？」

　イケメン剣士スイセイが、疑問を投げかける。

「大奥のメイド達に捕まらないように、身体能力を上げたかったので、死ぬ気で勉強したのよ！
　お陰で、エンチャンター系の魔法のエキスパートになれたと自負しているわ！
　それでも、大奥のメイド達には、全く歯が立たないのよ！」

　クリスティーヌは、何かを思い出したのか、地団駄を踏んでいる。

「も……もういいか……」

　大剣豪ナナイは、お話を最後まで待っててくれたようだ。

「行きます！」

　ダッ!!

　いきなり、牛神さんが仕掛けた。
　ガッ！ ダッ！ バッ！ バッ！

　牛神さんは、僧侶じゃあるまじき鋭い攻撃を剣豪ナナイに仕掛ける。

　しかしナナイは、どの攻撃も紙一重でかわしていく。

「牛神さん！ あんなに強かったの？
　僧侶と言うより、武道家だよな！」

　ヤナトは、自分の思っていたより、牛神さんが凄すぎて目を白黒させている。

　ナナイは避けるだけではなく、攻撃も仕掛けてくる。

　カキン！

　牛神さんは、コテでガードする。

「成程、ケルベロス教に代々伝わる格闘術か！
　ケルベロス教の総本山、イヌヤマにいる生き神様ケルベロスを、散歩する為だけに編み出されたという格闘術。
　ケルベロスがあまりに、自由に動き回る為、傷付けぬよう制御する為に発展したという門外不出の技。
　神獣のパワーは、圧倒的だと言われている。
　それを人の力で抑えるのだ。
　それだけでも、ケルベロス教格闘術は、人知を超えた技だと言えるな！」

　大剣豪ナナイが、丁寧に牛神さんの技と修行方法を解説してくれた。

　大剣豪ナナイは、攻撃を待ってくれたり、解説してくれたりと、とてもお人好しで、良い人のようだ。

「牛神さん！ 危ない!!」

　クリスティーヌが突然叫んだ。