【R18 】必ずイカせる！ 異世界性活

１７４. 元『拳神』シロー·ムスタカ

　
「これは失礼致しました。
　本当は気付いておりましたが、場を和ます為に、グラム様を利用させて頂きました」

　進行役の元『拳神』の爺さんがペコリと頭を下げる。

「それなら良いのだが」

『天空の翼』グラムは、すぐに納得した。

　よ……良いのか……
『天空の翼』グラムはお人好しだと思っていたが、まさかここまでとは……

「いや！ やはり一言よいか！」

　そりゃーそうだろ。
　例え、冒険者会議のルーキーだとしても、舐められすぎだ。

「自分達は今回、冒険者ギルド会議の一員となった『天空の翼』だ！
　みんな、これから冒険者ギルドをより良くする為に、お互い協力して頑張っていこう！」

　そ……そこかよ!!

　グラムは、根っからのお人好しの様だ。
　まあ、悪い人間よりは良いのだが。

「それではギルドランキング第10位の『天空の翼』の紹介が終わりましたので、先程、話の途中になっていたモフウフ冒険者ギルドから届いた案件に進みます。
　書状によりますと、モフウフにて『シルバーウルフ』が、目に余る鬼畜な行いをしたので処分してくれとの事です。

　内容ですが、『シルバーウルフ』は、完成してから3日目の牛田さんの新築の家を、無意味に魔法で粉々に破壊し、牛田さんの精神を崩壊させた。
　それから、モフウフ在住のスイセイさんのズボンを、公衆の面前で脱がして、フルチンにさせ、手でシゴいて射精させたり、おケツに鞘をぶち込むなど、到底人間がする事とは思えない鬼畜な行為を、喜びながらやっていた。
　との、証言が届いております」

　エリスさんが顔を覆い、真っ赤な顔をしながらも、聞き耳を立てて聞いている。

「何だ……そのしょうもない案件は……」

　神聖フレシア王国王子、ナナル·バン·フレシアも呆れている。

「ハイ！」

　俺は勢い良く挙手をする。

「『犬の尻尾』団長ゴトウ·サイト様、どうなさいましたか？」

　司会の爺さんが聞いてきた。

「ハイ。その件に関しては、『シルバーウルフ』のブリジアさんと、話はついております！
　牛田さんは未だに放心状態ですが、スイセイはむしろ、ケツに鞘を刺されて喜んでおりました。
『シルバーウルフ』の皆様方も、街の復興に手を貸してくれていて、今では協力関係を結んでおりますので、何も問題ございません！」

「それでは、この案件は片付いていると言う事でよろしいですかなブリジア様？」

　司会の爺さんが、ブリジアに尋ねる。

「ウム。ゴトウ·サイトの言う通りじゃ。
　この問題は既に片付いておる」

　ブリジアも俺に同意して答える。

「そうですか。
　当事者同士が問題無いと言うのであれば、問題無いですね。
　それでは、次の案件に移ります」

　こんな感じに会議は進む。

　各冒険者ギルド支部から挙がってきた案件を次々に処理していき、決まらない事は多数決で決めていく。

　その他にもムササビ自治国家の今年の予算など細かい事も次々と決めて行く。

　そして、遂に俺達の本題に入る。

「次に今回の重大議題の『漆黒の森』の処遇を決めたいと思います！」

「ハイ！ 議長、発言しても宜しいですかな？」

　サンアリが挙手をする。

「どうぞ」

　進行役の爺さんがサンアリの発言を許可する。

「今回の事の起こりは『漆黒の森』に北の大魔王が攻めて来た事から始まります。
　御承知の通り『漆黒の森』の王と王女は殺され、王都は北の大魔王に奪われてしまいました。
　姫様は捕まり、奴隷として神聖フレシア王国に売られる事となってしまわれたのですが、途中で餓狼族に襲われ、命の危険に晒されました。
　そこに、たまたま通りかかった、始まりの魔女のお弟子様であらせられるゴトウ·サイト様が、姫様をお助けになられ現在に至ります」

　サンアリが話をしていると、神聖フレシア王国王子、ナナル·バン·フレシアが、何を思ったのか話に割って入ってきた。

「そうか、そこのお前達が『漆黒の森』のダークエルフの王族と猫耳族の王族か！
　贔屓にしていた奴隷商が、『漆黒の森』のダークエルフの王族と、猫耳族の王族の奴隷を連れて来ると言っていたので、楽しみに待っていたのにな！
　今回、本当だったら、そこにいるそいつらをここに連れてきて、『プッシーキャット』の猫耳族に、『漆黒の森』の王族達のあられもない姿を見せつけてやろうと思っていたのに、残念だったよ！」

　神聖フレシア王国王子、ナナル·バン·フレシアが『プッシーキャット』の猫耳族達を挑発する。

「ニャンだと！ もういっぺん言ってみろ！
　もういっぺん言ったら、お前をミンチにして肉団子にして食ってやるニャ！」

『プッシーキャット』の団長と思われる隻眼のエロい体をしたお姉さんが、今にも神聖フレシア王国王子、ナナル·バン·フレシアに襲いかかろうとする。

『神聖フレシア』の副団長『拳帝』犬飼が、ナナル王子の前に出て臨戦態勢をとる。


　喝ッ!!


　空気がビリビリと震える。

　皆の動きがピタリと止まる。

　冒険者ギルド本部が、
　進行役の元『拳神』の爺さんの発した気合いで、まるで地震が起きたように揺れている。

「皆様方、冷静にお成り下さい。
　ここは会議の場です。
　殺し合いの場ではありません。
　もし、このまま続けるのであれば、
　元『拳神』シロー·ムスタカが相手になりますよ」

　進行役の元『拳神』シロー·ムスタカが、ギロリと、会議の参加者達全員を睨んだ後、低いがよく通る声で、いきり立った会議の参加者達を諭す。

　やはり、猛者共が揃う冒険者会議の進行役を務める為には、伝説級の猛者ではないと、務まらないという事か……

　俺は、正直、ビビって、オシッコをチビってしまったが、すかさずバハオウがマントの影から出てきて、皆にバレないようにパンツを替えてくれている。

　俺はバハオウがいるのでなんとかなったが、この中にいる何人かは、必ずオシッコをチビった奴がいた筈だ。

　神聖フレシア王国王子、ナナル·バン·フレシア辺りは、まだお子様なので、チビっていると思うのだがな。