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184. 次から次に
しおりを挟む『三日月旅団』のフォーメーションは、前衛に魔法剣士のララ·ムーン。
その少し後方に、元神龍教の神官シルマン。
神龍教の神官や僧侶も、ケルベロス教と同じく格闘術を使える者がいるらしく、シルマンはその龍拳法の使い手であるらしい。
真ん中にテイマーのモモ·ムーンと、大賢者のザーマン。
殿がアーチャー件、精霊魔術師の団長ミカサ·ムーンのようだ。
階段フロアーの扉を開けると、すぐにSSSクラスの魔物サラマンダーが現れた。
ミカサがそれに気付き、弓矢を射る。
ミカサの武器は、魔素で作った矢を射る弓矢のようだ。
見事にサラマンダーの目玉に命中したが、1発では絶命しない。
片目を潰され怒り狂ったサラマンダーが、火球を口から吐く動作に入った瞬間。
魔法剣士ララ·ムーンが、風の斬撃波を放つ。
スパッーン!!
サラマンダーが真っ二つに切り裂かれ、呆気なく絶命した。
成程、中々強いな。
流石は冒険者ギルド会議に名を連ねるだけの事はある。
SSS級のサラマンダーを簡単に倒してしまった。
俺なんて、やっとSSクラス下位のタコ侍を倒せるレベルなんだぞ。
『三日月旅団』は、完全に俺のレベルを超えているのは間違いないみたいだ。
続けて、でっかいタランチュラのような魔物が3匹現れた。
俺は昆虫系、特に蜘蛛や毛虫は触りたくない。
大賢者ザーマンが火球を3発同時に放つ。
でっかいタランチュラは丸焦げになり、息絶えた。
何気に、ザーメンの単数形のような名前のオッサンの魔法は凄いかもしれない。
無詠唱で、SSS級の魔物を3匹同時に倒したのだ。
因みに俺の場合は、魔法は1発づつしか発動できないので、3匹同時とか絶対に無理な話だ。
またまた続けて、見た目がまんまウサギのSSS級モンスター、ジャイアントピョンピョンが現れた。
テイマーのモモ·ムーンが、何かが書かれた御札を投げると、でっかいカンガルーのような魔物が召喚された。
ジャイアントピョンピョンと、でっかいカンガルーの肉弾戦が始まる。
先ずは、ジャイアントピョンピョンが、カンガルーに向かって回し蹴りを食らわす。
カンガルーは両手でしっかりとボクサーのようにガードする。
ジャイアントピョンピョンは蹴り逃げのような形になって、地面に倒れる。
カンガルーは距離を取り、首をクイッとやり、早く立ち上がれと催促する。
カンガルーは、敢えて、立ち技で勝負したいらしい。
バカにされたと思ったのか、ジャイアントピョンピョンは赤い目を更に真っ赤にさせて、立ち上がり、瞬歩を使い、一瞬で距離を詰め、右フックを放つ。
カンガルーは紙一重で交わしながら、カウンターを合わせる。
ボコッ!!
カンガルーのクロスカウンターが決まった。
ジャイアントピョンピョンは吹っ飛ばされ、そのまま壁にぶつかり、ピクピクしている。
何気に、このカンガルーも強い。
またまた続けて、でっかいタランチュラ4匹、ジャイアントピョンピョン3匹が現れた。
大賢者が再び、でっかいタランチュラに向けて火球を放つ。
しかし、3発しか放てない。
多分、3発同時が限界なのだろう。
残り1匹を、ララが斬撃波で倒す。
ミカサがジャイアントピョンピョンに向けて弓矢を放つが、俊敏なジャイアントピョンピョンは、軽く躱す。
ジャイアントピョンピョンが弓矢を躱す隙をついて、元神龍教の神官シルマンが、ジャイアントピョンピョンにロウキックを食らわす。
意表をつかれたジャイアントピョンピョンは、見事に一回転し倒れる。
倒れたジャイアントピョンピョンに、シルマンはサッカーボールキックをお見舞いする。
ジャイアントピョンピョンはサッカーボールのように飛んで行き、壁に激突し息絶える。
他の2匹のジャイアントピョンピョンは、カンガルーが相手をしている。
カンガルーの方が自力があるのか、何とか2匹のジャイアントピョンピョンを倒す事に成功したようだ。
やっと『三日月旅団』がモンスターを倒したと思ったら、再び間を置かず、SSS級のサラマンダー4匹と、SSSS級のタコ侍マスター2匹が現れた。
今回は、相手が先手を打ってきた。
4匹のサラマンダーが、同時に火球を放ってきたのだ。
ララが、1つだけ火球を剣で叩き落としたのだが、残りの3つの火球は他のパーティー目掛けて飛んで行く。
龍拳法の使い手であるシルマンは、ジャンプ1番華麗に躱す。
ミカサは魔素の弓矢を放ち、火球を相殺させる。
大賢者のザーマンだけは避けきれず、火球を食らってしまう。
「シルマン! ザーマンに回復魔法を!」
ミカサがザーマンに回復魔法をかけるように、シルマンに指示をする。
ザーマンは火球を避ける為にジャンプした状態のまま、ザーマンに回復魔法をかけようと意識を移した瞬間、タコ侍マスターがシルマンに向けて斬撃波を放つ。
ズバッ!!
意表を突かれたシルマンの左腕が、ザックリと切れる。
何とか、薄皮1枚で繋がっている状態だ。
「糞!! ぬかった!」
シルマンは、ザーマンにかけようとしていた回復魔法を先ずは、自分にかけて腕の修復をする。
再びサラマンダーが4匹同時に火球を放ってきた。
ミカサが弓矢で応戦する。
何とか2発を相殺する事に成功した。
大賢者ザーマンもサラマンダーの火球に向けて、自らも火球3発を放つ。
サラマンダーの火球の残り2つを相殺する事に成功し、1発はサラマンダーに命中した。
やっとの事で、敵を1匹減らす事に成功した。
タコ侍マスター2匹が、魔法剣士のララを狙って襲いかかる。
タコ侍マスターは二刀流だ。
ララに向けて、4つ刀で攻撃してくる事になる。
カキン! カキン! カキン! グサッ! カキン! カキン! カキン! グサッ!
ララは何とか1人で相手をしてるが、結構エグい攻撃を食らっている。
殺られるのは時間の問題だ。
シルマンは、ララに向かって回復魔法をかけ続け、斬られた傷を瞬時に治していく。
モモを守っていた、カンガルーが見かねて、ララとタコ侍マスターの戦いに割って入る。
カンガルーの助けにより、5分の戦いに戻る事に成功した。
ここで、シルマンはザーマンに回復魔法をかける。
「悪いな!」
「ああ! しかし、これはきりがないな。
全く前に進めない。
魔物の対応で手一杯で、ダンジョン攻略どころではないな……」
ザーマンとシルマンの汁男コンビが話している間に、ミカサは魔素の矢を打ち続け、何とか、サラマンダー残り3匹を倒す事に成功したようだ。
続けて、タコ侍マスターの戦いも、腕の傷が回復したシルマンが参戦し、3対2の戦いになり、勝利を収める事に成功した。
しかし、またまた間を置かず、更に強力な魔物の群れが『三日月旅団』に襲いかかってきた。
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