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197. 勇者ゴトウ·サイト
しおりを挟む「あのぉ……フロアーボスをみんなで倒せば問題ないんじゃないんですか?」
『三日月旅団』団長のミカサが、俺達『犬の尻尾』のメンバーに意見する。
「絶対ダメなのニャ!
一番の美味しい所は、ご主人様が持っていくというのが『犬の尻尾』の結成以来の掟なのニャ!
私は、初めてご主人様と一緒に餓狼族と戦った時、『ラスボスは俺に任せろ!』と、言われたのね!」
「そうなのです!
マスターが、フロアーボスを倒すのは当然の権利なのです!
マスターは、勇者の中の勇者なのです!
勇者のマスターがラスボスを倒すのが、自然の摂理なのです!」
「僕も『犬の尻尾』に入団した時、ブリトニー姉さんに言われたんだよね……
性奴隷の先輩であるブリトニー姉さんの命令は絶対だから、ミカサちゃん、勘弁してね」
「ワンワンワン!」
「ペロも、マスターがフロアーボスを倒すべきだと言ってるのです!」
ペロまで、そんな事 言ってるのか……
俺はいつの間にか、勇者になっていたようだ。
大魔王で勇者。
この世界では、誰でも簡単に魔王や大魔王になってしまうので、大魔王で勇者というのも有りなのかもしれない……
て、言うかやっぱり俺は勇者ではない。
勇者は、勇者パーティーのガリム王国の元王子、ただ1人だけなのだ。
俺は姫だけの勇者。姫フィルターで俺を見ると、姫だけには、俺が勇者に見えてしまっているのだろう。
しかし、異世界に来たなら、一度ぐらいは勇者になってみたいものだ。
普通は、異世界転生モノの主人公は勇者になるものではないのか?
そもそも俺は、なんで大魔王なのだ?
俺は、この世界で それ程酷い事はしていない筈だ。
俺の目標は、中庸を目指す事だ。
中庸を目指せば、徳を得られるのではなかったのか?
中庸を目指してる筈なのに、大魔王になる筈など、絶対に無いのだ。
原因は解っている。
ブリトニーと姫が残虐すぎるのだ。
ブリトニーは、剣帝でありながら、剣で敵を簡単に殺すより、拳で敵をいたぶりながら撲殺する方が興奮するというサイコニャン娘だし、
姫は姫で、ゴトウ族と、俺以外の人間はゴキブリ以下だと本気で思っている危ない幼女なのである。
姫もブリトニーも2人揃って、あっという間に魔王になってしまい、俺は、魔王2人を配下にすると大魔王になってしまうという この世界のよく分からないルールのせいで、俺の心情とは全く関係なく、いつの間にか大魔王になってしまったのだ。
「今回は、『犬の尻尾』だけのミッションではなく、『三日月旅団』との協同ミッションだから、別に俺がフロアーボスをいちいち倒さなくても良いんじゃないのか?
それに、このミッションを失敗したらシャンティーさんに1億マーブルもの大金を払わないといけないのだろ?」
妄想が少し長くなってしまったが、話を戻して、俺にフロアーボスを倒させようとする『犬の尻尾』のメンバーに提案する。
「そうですね。このままサイト君がフロアーボスを倒し続けていたら、時間が幾らあっても足りませんし、僕的には誰がフロアーボスを倒しても問題ないかな」
アンちゃんが、俺の提案に乗ってきた。
「駄目なのニャ!
ご主人様が、ボコボコにされながら、フロアーボスを倒す所が見たいのニャ!
簡単に倒せない所が、面白い所なのニャ!」
ブリトニー……
コイツは俺の事をどう思っているのだ……
俺はブリトニーのご主人様である筈なのに。
【魅了】スキルは、最初は最強スキルだと思っていたのだが、完全な格上には全く効かないので、今の俺には美味しいスキルではないな……
何故なら、今の俺は格上ばかりと関わりを持つ事が多いので、誰にも【魅了】スキルが使えないのだ。
「私はマスターに従うのです!
ブリトニーもマスターの言う事を聞くのです!」
姫が俺に賛同してくれた。
どうやら、エリスさん以外の事なら、今でも俺の言う事をちゃんと聞くようだ。
「うぅぅ……姫様がそう言うなら仕方がないのね……
私もご主人様に従うのニャ」
ブリトニーは、俺の命令は聞かない癖に、姫の命令には従うようだ。
まあ、当たり前と言えば当たり前なのだが、ブリトニーは元々姫の従者だ。
それも自ら望んで従者になったと聞いている。
ブリトニーは、姫がまだ喋れない赤ちゃんの頃から、ストーカーのように付き纏って、姫専属の近衛騎士になったと言っていた。
冒険者で悪名を轟かせていたブリトニーは、父のガリム·ロマンティックに捕まって、初めて王様に挨拶する為に王都に来た時、母親に抱かれながら、あまりに膨大な禍々しい魔素を撒き散らす姫を見て、オシッコをチビりながら勝手に姫に忠誠を誓った、サイコニャン娘なのである。
「そうと決まれば、急ぎましょ!
次の階層の前衛は、ララさんとシルマンさんでお願いします!」
アンちゃんが指示を出す。
「ハイ!」
「承知しました」
俺がフロアーボスを倒さなくても良くなったので、ダンジョン攻略が怖いぐらい、テンポ良く順調に進んでるように見える。
あの腹黒シャンティーさんが設計したダンジョンなのにだ。
そして何事もなく、250階層目に到達した時、あいつらが現れたのだ。
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