【R18 】必ずイカせる！ 異世界性活

１９６. 『犬の尻尾』ギルドルール

　
「オイ、チョット、ペロ早すぎやしないか？」

　ペロは凄い勢いで、魔物を避けつつフロアーボスがいる階段フロアーに走っていく。

「この位のスピードじゃないと、200階層から300階層の攻略は間に合わないよ！
　今AM8:00だから、後 13時間しかないんだよ！
　１階層辺り、約7～8分で攻略しないといけないんだからね！」

　確かに、それならペロの速さは納得だ……

　このシャンティーさんの課題は、スピードが勝負なのだ。

　ララとシルマンは、魔物をバターを斬るように、バッタバッタと倒していく。

　1週間前の『三日月旅団』とは、全く違う。

　ララは、斬撃波を多用する攻撃スタイルだったのだが、今は全く使用していない。

　魔法剣士から、純粋な剣士に完全に、様変わりしてしまっている。

　長時間、続けて戦う為には、斬撃波のような魔素の無駄遣いなど、できよう筈がないのだ。

　そして、シルマンはと言うと、ただただ、強くなっているようだ。

　何かが変わった訳ではないが、全体的に底上げされているのが解る。

　シャンティーさんに相当鍛えられたようだ。

　兎に角、スピード重視で、たまに魔物の打ち損じがあるのだが、どういう訳か、全ての魔物が、アンちゃんの盾に吸い込まれるように導かれ、勝手にぶつかり絶命していく。

　何やら、アンちゃんの神級にバージョンアップした大盾には、色んな仕掛けがあるようだ。

　この階層のフロアーボスも、ララとシルマンは難なく倒し、攻略時間は5分とかからなかった。

「次の階層は、ブリトニー姉さんが前衛でお願いします！」

　アンちゃんが、次の指示を出す。
　今回は、ブリトニーが1人で前衛をやるようだ。
　まあ、この中で、ブリトニーの本気のスピードにギリギリついてこれるのは姫ぐらいだが、それでも、ギリギリなのだ。

　ブリトニーの動きは神速だ。

　この、動きに対抗できるのは、最早、ブリトニーの姉の剣姫カレン·ロマンティックぐらいだろう。

　ブリトニーは、元々ソロプレイヤーなので1人で前衛をやった方が、はかどるのだ。

　ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!!

　ブリトニーは、凄まじい勢いで魔物をぶん殴っていく。

　もう、何がなんだか分からない。

　ブリトニーの残像がたくさん見え、まるで、ブリトニーが5人位いるように見えるのだ。

　勿論、ララやシルマンのような、魔物の打ち損じなども存在しない。

　的確に一撃で倒していくのだ。

　しかも、魔物のコアがアンちゃん目掛けて飛んでくる。

　アンちゃんはそれを全てキャッチしていき、冒険者バックに次々に入れていく。

　どれだけ余裕なのだ……

　結局、ブリトニーは4分程で、201階層目を攻略してしまった。

「次の前衛は、サイト君と姫ちゃんだよ！」

　ペロは相変わらず、敵を避けつつ高速で、次の階段フロアーを目指す。

　一匹目の魔物が現れた。

　俺は闘気を込めて、タランチュラのような魔物に斬り掛かる。

　スパン！

　片脚を切り落とす事に成功したが、タランチュラは絶命していない。

　続けざまに、姫がそのタランチュラに飛び蹴りを食らわす。

　ズバン!!

　タランチュラは、姫の飛び蹴りで弾けるように吹っ飛んでいった。

　どうやら、姫が俺の援護《しりぬぐい》をしてくれるようだ。

　俺は、手当り次第に敵を攻撃する。

　殆ど、一撃で倒せないが、姫が代わりに、トドメを刺してくれる。

　俺の仕事は、敵から攻撃を避けつつ、一太刀だけ敵を斬りつける事だ。

　後は、全て姫が受け持ってくれる。

　姫のスピードは、早い。
　ブリトニー程ではないが、俺が手を付けられなかった敵も、全て倒していくのだ。
　多分、俺が居ない方がはかどる気がするが、気にしていたら負けだ。

　俺が大した事がないのは、今に始まった事ではない。

『犬の尻尾』の基本戦術は、ご主人様である俺を、奴隷である姫達が護りながら戦うのが、本来の戦術なのだ。

　そして俺の役割はというと、いつも俺の目の前で必死に大盾を構えて頑張っているアンちゃんに欲情して、チンコを立てるのが俺の仕事だ。

　そんな話は置いといて、階段フロアーのフロアーボスの部屋に到着した。

　何故だか、いつものように姫は静観している。

　俺に倒せという事か……

　どうやら、『犬の尻尾』内のギルドルールで、完全にフロアーボスを倒す役目は、団長である俺の役目だと決められてしまっているようだ。

　多分、『美味しい所は団長に』と、いう事なのだろう。

　仕方が無い、やるか。


　数分後。

　結局、フロアーボスのタランチュラキングを倒すのに15分もかかってしまい、202階層を攻略の時間は、22分もかかってしまった。

「サイト君、まずいよ！
　このスピードでは、PM21:00までに、このダンジョンの攻略する事などできないよ！」

　アンちゃんは、焦り顔で俺に話し掛けてくる。

　というか、みんなでフロアーボスを倒せば何も問題ないんじゃないのか……

　ブリトニーとか姫とかなら、一撃でフロアーボスくらい倒せるだろ……

　何で俺に、フロアーボスを倒させる事を、うちのギルドメンバーはこれ程こだわるのだ……