【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ

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209. モグラ叩き

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「着いたワン!」

 ブリジアの背中に乗ってから、1分もしないうちに、冒険者ギルド本部3階テラスに到着した。

 歩きなら早くて20分、この時間帯なら40分以上はかかったであろう。

 空の上から、冒険者ギルド本部の回りを見たのだが、物凄く激混みだったのだ。

 冒険者であれば、誰よりも早く冒険者ギルドに立ち寄り、朝1番に張り出される少しでも良い条件の新規の依頼を探しに行くのが普通である。

 一応、俺達もモフウフの冒険者ギルドに所属していたので、朝に冒険者ギルドが混む事は分かっていたのだが、冒険者が作った国、ムササビの冒険者ギルド本部の混み具合を、完全に舐めていたみたいだ。

 あれだけ大きかった1階エントランスに入りきれない冒険者達が、新規の依頼を得る為に、広大な庭に溢れかえっていたのだ。

 俺達は、無事に集合時間に遅れる事なく、冒険者ギルド本部3階の集合場所に到着したのだが、まだ、ギルドランキング1位でもある『鷹の爪』が到着していないようであった。

「『鷹の爪』が、シローに拳骨される所を見てみたい気もするのじゃが、妾は仕事もあるので、これで失礼するワン!
 ご主人様、怪我しないように頑張るのだワン!」

「ああ! ブリジア、送ってくれて有難うな!」

「ご主人様のオナペットとして当然だワン!」

 ブリジアは そう言うと、テラスから『ウルフデパート』に、飛んでに帰って行った。

「あんた達、ブリジアさんのお陰で助かったわね!
 てっきり、遅れて来てシローに、拳骨されると思っていたのに、残念だわ」

 シャンティーさんが、いつものように毒を吐く。

「ゴトウ君、心配してたんだよ!
 冒険者ギルド本部は、毎朝、大渋滞になるので、いつもの感じで来ると間に合わなくなっちゃうんだよ!」

 エリスさんが、今更ながら教えてくれた。
 そんな重要な事なら、昨日の内に教えてくれれば良かったのに……

「サイト君、ごめんね!
 僕も暫く、ムササビを拠点にしてた時期があったんだけど、朝の冒険者ギルド本部には来た事がなかったから、こんなに混むとは全く知らなかったんだよ」

 アンちゃんも、何故か謝っている。
 まあ、知らなかったのなら仕方が無い。

 シャンティーさんは、わざと教えてくれなかった気がするが、エリスさんは天然なので、本当に教えるのを忘れていたのだろう。

 キッカリ5分前に、冒険者ギルド本部職員である、元拳神シロー·ムスタカが集合場所の会議室に入ってきた。

「『鷹の爪』以外のメンバーは、集まっているようですね。
 取り敢えず、時間まで、後5分あるので暫く待ちましょうか」

 気のせいか、シロー爺さんの体の周りに闘気が纏っているように見える。

 集合に指定された会議室内に、ピリピリした空気が流れている。

 集合時間に近づくにつれて、シロー爺さんの闘気が、ドンドン大きく凄まじくなっていく為、口を開く雰囲気では無くなり、みんな静かに黙り込んでしまっているのだ。

 時計の針が、AM8:00を指す。

「時間ですね。それでは今日の予定を説明しましょうか」

 バタン!!

 シロー爺さんが、今日の予定を説明しようとした瞬間、部屋の扉が勢い良く開いた。

「も……申し訳ございません!
 シローさん!
 15分前には、冒険者ギルド本部の敷地内に到着していたのですが、人が多すぎて、ここまで辿りつくのに今までかかってしまいました!」

『鷹の爪』のメンバー全員が、部屋に入ってきた瞬間、床の絨毯に頭を擦り付けて土下座した。

『鷹の爪』の団長さんは、確かクールな感じの人だった筈なのだが、いきなり土下座なんて、それ程にも元拳神であるシロー爺さんの拳骨が恐ろしいのか……

「シンタロー、冒険者ギルド本部のルールでは、必ず、5分前集合しなければならないと知っていた筈ですよね」

 シロー爺さんが、冷たい口調で、淡々と『鷹の爪』団長のシンタローに注意する。

「ハイ、知っております!」

 シンタローはガクガク震えながら、額からポタポタと汗を流している。

「冒険者ギルド会議に参加するようなS級上位ギルドは、冒険者の模範にならなければなりません。
 時間が守れないギルドが、他のギルドの模範になれるとは、私は決して思えませんね」

「し……しかし、15分前には、冒険者ギルド本部の敷地内に入っていたのです!」

 シンタローが、必死になって言い訳をする。

「そんな事が、通用すると思っているのか!!
 私は、この場所にAM8:00に集合と言った筈だ!
 他の者達は、みんな5分前には集合していたではないか!
 他の者達にできて、『鷹の爪』には出来ないというのか!!」

 シンタロー団長の しょうもない言い訳のせいで、シロー爺さんが激昂してしまったようだ。

「私が性根を叩き直してやる!!
 そこに1列に並べ!!」

『鷹の爪』のメンバー達が、ガクガク震えながらも1列に整列する。

「それでは、行くぞ!」

「……」

「返事!!」

「「「ハイ! お願いします!!」」」

 ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!!

 シロー爺さんに拳骨された『鷹の爪』のメンバー達は、モグラ叩きゲームで叩かれたモグラのように、床にめり込み、首の骨や背骨が粉砕してしまったのか、身長が半分程に縮んでしまっている。

「「「あ……有難うございました」」」

『鷹の爪』は、さすがはNo.1ギルドと言った所か、メンバー全員気を失わずに、涙目になりながらもシロー爺さんにお礼を言ってみせた。

「フム、宜しい。それでは、今日の予定を説明しましょうか」

 シロー爺さんは、何事もなかったように、話しを始めたのだった。
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