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271. 血は嫌い
しおりを挟むメリルは、自分が受け持つ100人のデーモン部隊を率いて、敵の悪魔軍団の集団巨大魔法を発動する為の魔法陣に決死の特攻を仕掛けている。
メリルは部隊の先頭を飛び、異界の七つの大罪悪魔アスモデウスの修行により会得した、複合闘気を使い巨大魔法陣の核に向けて突き進む。
前にも話したが、普通、闘気は一種類しか発動させる事ができない。
その時々により、自分が会得している必要な闘気にチェンジしていくのだ。
但し例外的に、姫だけは何種類もの闘気を同時に使う事ができたりする。
そしてメリルも、アスモデウスとの1週間ぶっ続けの徹夜の修行により、3種類の闘気を同時に使う技術を会得した。
メリルは現在、スピードを出す為の風の闘気、全ての攻撃を弾き返す硬化の闘気、そして触る物全てを消し炭にする豪火の闘気を同時に発動している。
メリルを遮る者は、骨が粉々に粉砕すると同時に弾き飛ばされ、そして燃え上がり、最終的には骨も残らない灰になるのだ。
ガン! ドカ! ドォーン! ガン! ガン! ドン!
敵の高位の悪魔達は、為す術もないままメリルに弾き飛ばされ、消し炭になっていく。
メリルの闘気は、メリルを率いる100人のデーモン部隊全体を覆って1本の巨大な槍のようになり、集団巨大魔法の魔法陣の核になっている悪魔だけを標的にしているのだ。
ゴオォォォォォォォォォーー
風を切る轟音を轟かせ、猛スピードで魔法陣の核に向かって突き進む。
1つでも多く魔法陣を潰さなくては。
ドッゴオーーン!!
まず1つ目の巨大魔法陣を粉砕した。
他の部隊は、まだ苦戦しているようだ。
暫くすると、大吉爺さん、ブリトニー、ハラ·キリさんの3人のグループが破壊に向かった巨大魔法陣が消えさった。
どうやら破壊に成功したようだ。
メイドさんの部隊も苦戦していたが、何とか巨大魔法陣の破壊に成功したみたいだ。
メイドさんもアスモデウスとの修行により、2つの闘気を同時に使う事がてきるようになっていたのだ。
ブリトニー付きのメイドとアンちゃん付きのメイドの部隊は、とても苦戦しているようだ。
2人は結局、闘気の複合には成功しなかったのだ。
2人の部隊は、巨大魔法陣を守る幾千もの悪魔達に道を阻まれ、既に役3分の1の仲間のデーモンが殺られている状態だ。
「私の部隊から50人、ブリトニー様とアン様付きのメイドに合流して、力を貸してあげなさい!」
「「「御意!」」」
メリルの部隊から50人が別れ、ブリトニー付きとアンちゃん付きのメイドを助けに向かった。
「メリル様の命令により、助けに来ました!」
「助かります!」
アンちゃん付きのメイドがお礼を言う。
「ブーちゃん! 私が核の悪魔を突き刺すから、それまでの道の防御をお願い!」
「了解!アーちゃん!他の皆は私達のフォローをお願いね!」
「「「了解です!」」」
ブリトニー付きのメイドと、アンちゃん付きのメイドは、お互い名前を付けて貰えない者同士で仲が良い。
余りに名前を付けて貰えないので、お互いにブリトニー付きのメイドはブリトニーの頭文字を取ってブーちゃん、アンちゃん付きのメイドはアーちゃんと呼び合っているのだ。
そして勿論、デーモンなので魔法は得意なのだが、ブーちゃんは盾職、アーちゃんは槍使いだったりする。
これは、ブリトニーは攻撃職なのでそれを補完する為にブーちゃんは盾、アンちゃんは盾職なので、アーちゃんもそれを補完する為に、槍を生まれた時からゴキ男爵によって持たされているのだ。
普通、デーモン族は魔法使いなのだが、盾や槍を持たされた以上、極めないといけないのでずっと練習していたりする。
そして、今日が練習の成果を見せる時なのだ。
ブーちゃんが盾を構え先頭を飛び、その後ろにアーちゃんが隠れ、ギリギリ巨大魔法陣の核になる悪魔に近ずいたら、アーちゃんが飛び出し、槍で一突きする作戦だ。
魔法で何度か、魔法陣の核の悪魔に向かって総攻撃仕掛けたのだが、その手前で結界を張られ魔法が届かなかったのだ。
最早、結界を掻き分け直接攻撃するしかないのだ!
「行くよアーちゃん!」
ブーちゃんは盾を構え、風の闘気を纏い猛スピードで核の悪魔に向かって飛んで行く。
アーちゃんは、ブーちゃんに掴まり、アーちゃんの盾の防御力を上げる為に硬化の闘気を纏う。
2つの闘気を使えない者同士の、力を合わせたヒュージョン闘気だ!
敵を蹴散らせ、時には結界をぶち破り、核の悪魔目掛けて飛んで行く。
「今だよ! アーちゃん!」
ブーちゃんの掛け声に合わせ、アーちゃんは槍を握りしめ、真っ直ぐに核の悪魔の心臓目掛けて突進する。
ズバン!!
アーちゃんは、槍と一緒に自分の体ごと、核の悪魔の体の中を突き破った!
発動しかけていた巨大魔法陣の光りが消える。
アーちゃんの体や服は、突き破った悪魔の内蔵やら血やらで大変な事になってしまっている。
「やったね! アーちゃん!」
盾を持ったブーちゃんが、アーちゃんに近づいてきた。
「やったよ! ブーちゃん!」
アーちゃんは喜んで、近ずいてきたブーちゃんに抱きつこうとした。
スカッ
ブーちゃんは、華麗にアーちゃんを躱した。
「な……何でブーちゃん……」
アーちゃんは、涙目になっている。
「いや……その……
服が汚れるの嫌だなっと思って……」
ブリトニーのお付きメイドであるブーちゃんは、毎朝ヤナト達との修行により、血だらけになるブリトニーのメイド服を毎日洗っている関係上、服に付いた血のシミを落とすのが大変だという事を身を持って知っていた為、反射的にアーちゃんを避けてしまったのであったのだ。
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